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元スレ京太郎「修羅場ラヴァーズ」憧「気が付いたら、目が合って」

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みんなの評価 : ★★★×5
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551 = 543 :

3可愛いネリーは突如良いアイデアがひらめく

552 = 1 :

「んー……?」

「あ」


背後のベッドで彼が動く気配。

振り向けば、彼が薄眼を開けて上体を起こしていた。

気の毒なことにこの耳触りなチャイムの音が目覚ましになったらしい。


「誰だ……?」

「セールスみたい。ほっとこーよ」


しれっと嘘をつき、インターホンのカメラの映像を消す。

今は二人だけの時間であり、たとえ誰であろうと邪魔者である事には変わらないのだから。

553 = 1 :

居留守を貫き通すと決めれば、最早ネリーの頭の中には明華の顔は無い。

京太郎が起きた以上、インターホンなんてもうどうでもいい。

来客を出迎えるべく起き上がろうとする彼に思いっきり飛び付き、ベッドへと押し倒す。


『ピンポーン』

『ピンポーン』


「いくら何でもしつこ過ぎないか?」

「キョータロが出てったらずっと帰らないよ。絶対」


時は金なり、というのはネリーの好きな日本の諺の一つ。

時間はお金で買えないし、何より二人だけの時間を明華に盗られるのは絶対に許せない。



判定直下
1~50 チャイムの音が、鳴り止んだ。
51~00 一瞬だけ、外で強い風が吹く音がした。

554 :

556 :

お、惜しい

557 :

チャイムの音を遮るように、京太郎の耳を塞ぐ。

何かを言おうとした口を、自分の口で塞ぐ。

これで彼が感じるのは自分だけ。


「――」


十秒か、二十秒か。

そうしてじっとしていると――やがて、彼の方から抱き締めてくる。


ネリーが求め、京太郎が返す。

いつものように、お互いだけを求め合い――いつの間にか、チャイムの音は鳴り止んでいた。

558 :

今夜はここまで
次から京太郎視点に戻ります

562 :

麻雀部で共有するべき事を日誌という形で残そう。

そういった目的で始まった筈だった新道寺麻雀部の交換日誌だが、今ではその役割を全くと言っていい程に果たしていない。


「……」

京太郎は無言で日誌を捲る。

昨日の日誌当番は花田煌。

基本的に真面目な彼女だが、その内容は――

563 = 1 :

7時02分、起床。

7時05分、二度寝。

7時09分、カピーにのしかかられて起床。
ベッドから起きる際に寝ぼけて少し躓く。
そのままトイレに足を運んで寝巻きのズボンを脱ぐと――

564 :

ま、まじめ……

565 = 1 :

京太郎は、溜息を吐きながらページを飛ばした。

他のメンバーの書いたページを読み返しても、必ず自分の名前が書いてある。

いつ彼と話した、どこで彼と出会った、手をどこで繋いだ――など。

文字のクセやら文章の書き方での違いはあれど、内容はどれも似たり寄ったりだ。

姫子に至っては自分の痴態を詳細に記述していた。


「彼は私の手を錆びた鎖で荒々しく縛り上げ――って、俺がいつそんなことしたよ……」


諦めに近い思いで、京太郎は日誌を閉じる。

部員全員がこんな調子では、最早どうしようもない。

566 :

基本的に真面目(京太郎が絡んでいない場合)

567 :

面目(にストーキング)

568 :

京太郎くん漫画が書いてありそう

569 = 1 :

本当に、最初はただの交代で書く日誌だったのだ。

内容も事務的な連絡やちょっとした漫画のような落書きばかり。

それが、今のような異常なものになってしまったきっかけを作ったのは――。


「……俺、なんだよなぁ……」

570 :

何の気なしに書いた一文。

自分の次の当番が煌だから付け加えてしまったもの。


『p.s. 花田先輩の。水族館のチケットを二枚もらったので、今度一緒に行きませんか?』


この一文で、全てが狂い出した。

571 :

爆弾を投下していくスタイル

572 = 568 :

これから毎日火種を蒔こうぜ?

573 = 1 :

翌日から、姫子や哩が積極的に京太郎に絡むようになり。

それに対抗するように、煌もよく声をかけてくるようになった。

気が付いた時には、もう誰にも止められない。

新道寺麻雀部は――まるで台風の目のように、京太郎だけを除いて狂い始めた。


574 :

携帯という文明の利器に真っ向から喧嘩を売るそのスタイル・・・キライじゃないわ!

575 = 1 :

京太郎は日誌を部室の戸棚にしまい、横目で練習風景に目を向けた。

楽しそうに談笑をしながら卓を囲む少女たち。

しか、京太郎は知っている。

彼女達が向かい合って笑いながらも、その意識の全ては京太郎に向けられていることを。

自分の挙動の全てが、見張られていることを。

姫子の座る椅子が、妙に湿っていることを。

576 = 564 :

なんか姫子がギャグ要員に見えてきたww

577 = 567 :

姫子wwww

所で>>570の「花田先輩の」ってのは「花田先輩へ」の間違い?

578 :

もしかしたらイジメを受けたのかもしれないだろ!痴女確定みたいに言うのやめろよぉ!

579 :

姫子どんなこと書いてんだろう

580 = 1 :

「おーい。きょーたろー」


卓の方から、自分を呼ぶ声がする。


「はい、なんですか?」


日誌さえなければ――間違いなく、良い先輩たちなのだ。

ならば、部活の最中は、せめて自分も良い後輩でいよう。


そうやって、徐々に自らも狂い始めていることにすら気付かずに。

京太郎は、笑顔で振り向いた。

581 = 1 :


最初は表面上な和やかにしながらも日誌上では罵倒しあう新道寺日誌、みたいな話にしたかったのに


最近ちょっとスランプなので小ネタとか短編でリハビリしてくかもしれないです
臨海待ってる人はごめんなさい

582 = 568 :

許してやるよぉ!

583 = 578 :

ネットみたいな完全匿名じゃないような状況でやるだけまだマシ……か?

584 :

姫子が最高に面白くてすき

585 :

姫子はギャグ担当ですね

587 :

乙です
短編や小ネタ大好き

588 :

今更だけど、なぜ誰も>>1の「臨界」に突っ込まないんだろう
ある意味間違ってないけど

589 :

かなり前からずっとその誤字で何回も言われてるけどそれでもイッチがミスるからよ
つーかコピペ元がミスってたからってのが正しいのかな

590 :

昔は良かったなどど言うと、あまりに年寄り臭く聞こえてしまうが。

それでも、学生時代のことを思い出すと現状を重苦しく感じてしまう。

あの頃は、ただ直向きに麻雀と向き合えた。


だが、今は――。

591 = 1 :

「お疲れちゃーん!」

「いつっ!?」


仕事も終わり、帰り支度をしていた京太郎は、バシンと強めに背中を叩かれた。

文句の一つでも言ってやろうと振り向く前に、右腕を細く白い腕に絡み取られた。

尾鼻腔を擽る甘い香りと腕に伝わる柔らかな感触で、不満を漏らしかけた口は直ぐに閉ざされた。


「じゃ、今日はどこに食べにいこっかー?」

「はぁ……元気っすねぇ、こーこさん」

「フフン」


皮肉に対して、何故か得意げに鼻を鳴らす恒子。

高校時代から、彼女はいつもこうだった。

グイグイと強引に引っ張って来て、無理矢理ペースに乗せられてしまう。

592 :

ふむふむ

593 = 1 :

別に、京太郎は彼女のことが嫌いなわけではない。

彼女の明るい性格は好ましいし、スタイルはストライクに近いレベルで好きだ。

それに、こんな美人に食事に誘われて心が弾まない男はいない。

勿論、京太郎もそんな男のうちの一人――だが。


「後輩相手にセクハラですか。いい加減にしなさい」


――ああ、やっぱり。

経験からこの後の展開が予想できた京太郎は、漏れかけた溜息を飲み込んだ。

594 :

ヒェッ…

595 = 1 :

キツイ声音で棘のある口調。

恒子は舌打ちと共に京太郎の腕を離して振り向いた。


「あーせんぱいおつかれさまっすー」


あまりの棒読みっぷりに京太郎も言葉が出ない。

後輩の露骨な態度に、声の主に――針生えりは、眉間に皺を寄せた。

596 :

えりちゃんみたいな堅物をからかうとかアカンでしょ

597 = 1 :

「あーダメダメ。そんな顔したら朝のお化粧の時間増えちゃいますよー?」


もう若くないんだから。

わざとらしくふざけた口調で喋る恒子は、口元に浮かんだ嘲笑を隠そうともしない。


「……」


どこまでも憎たらしい口を利くきく後輩を前に、えりは何も言わない。

口から飛び出そうになる罵倒を必死に堪えている。

言い返してしまえば、自分が恒子と同格の存在だと認めることになるからだ。

598 = 1 :

言い返すことはできず、かと言って恒子のように下品なアプローチを仕掛けることもできない。

結果として、えりに出来ることは鋭い眼差しで恒子を睨み付けることだけになる。


恒子の優越感に満ちた視線と、えりの嫉妬が込められた視線。

その二つに挟まれた京太郎が思うことは、ただ一つ。


「お腹痛い……」

599 = 1 :

二人を何とか宥めて帰路に着いた頃にはすっかりと草臥れていた。

女性との人間関係で苦労するなんて、学生の頃は思ってもいなかった。


「はぁ……」


溜息と一緒に、懐から鍵を取り出す。

一人暮らしのため、借りているアパートの一室。

ここにさえ帰って来れば、後は明日に備えて休むだけ。

600 = 1 :

――の、筈だった。


「おかえりー。私を食べる? 私とお風呂? それとも私?」

「……選択肢がなさすぎる」


一人暮らしのために借りたアパートで、京太郎の帰りを待っていた女性。

その台詞に呆れてジト目を送ると、イタズラっぽくウィンクを返された。


負けた、と思った。


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