元スレ淡「雲の切れ間に」京太郎「星が瞬く」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×5
701 :
まさに眠り姫だ
703 = 702 :
鳥を忘れているという凡ミス。>>1、無能。
許し(ry
705 :
許してくださいってかぁ?許してやるよォ!
706 :
ええんやで(ニッコリ
707 :
気分転換に次スレ考えてましたぁ、悔しいですねぇ
とりあえず本命のエイ白書く前に京憧スレか、はたまたシツジスレイヤーはさむことにしましたぁ。
百合を書くような雰囲気を漂わせ、それを奪う、それが俺のファンサービスだ!受け取れぇ!
とりあえず続き書かせていただきます、悔しいでしょうねぇ
708 :
シツジスレイヤー・・・?
それはどんな京淡だ?いつ発動する?
709 = 70 :
>>697からの続き
そんでもって、京太郎に励まされた私は……まぁ、なんというか、結論から言うと負けちゃいまして。
おまけに何が悔しいって、そのあと、控え室で大泣きしてしまったことだ。
あぁ、あぁ、思い出しただけで、あぁ、あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁわぁぁぁぁぁもおおおぉぉぉぉぉ!!!
「ふっはははははは、どうした淡、普段の態度が影も形も見当たらないぞ」
「やめて!スミレやめて!忘れて!私泣いてないもん!高校100年生は泣かないもん!」
「ふふ、淡ちゃんの泣き顔、写真撮っちゃった」
「タカミー!?」
「あっはははは、淡~、ちょっとイケてないんじゃなーい?」
「うわああぁぁぁぁぁ!!」
もうダメだ、私はこのメンバーにこのネタで一生からかわれ続けるだろう。想像するだけで頭の中がすっからかんになる程に恐ろしい。
でも、まぁ、いやじゃ、ない。
「淡」
そのあと、珍しくテルーが気を使って私を控え室の外に連れ出してくれた。
テルーは私をからかってこないからなんとかかんとか、一息つくことができた。
「あぁ……ありがとテルー……あー……はずかしー……」
「気にすることはない」
テルーは何やら口に白い棒を咥えてピコピコと揺らしている。みたところ棒付きキャンディーの棒の部分か。
先程きょーとろーからもらった、ベトつく飴を思い出す。
710 = 70 :
きょーとろー……?どういう……ことだ……
×先程きょーとろーからもらった、ベトつく飴を思い出す。
↓
◯先程きょーたろーからもらった、ベトつく飴を思い出す。
「淡、あの男子は、清澄の生徒?」
ビクッと、思い切り体が震えた。
この状況からして、あの男子、というのはどう考えても……
「テルー……見てたの?」
「うん」
「……どの、あたりから?」
「脳みそってスゲー大食いってあたり。彼のおかげで私のお菓子好きが間違いではないことが証明された」
「ああぁぁぁぁぁほぼぜんぶじゃぁぁぁぁん!!」
またも撃沈、もうやめて、とっくに淡ちゃんの点棒はゼロだ。
つまりボロボロ泣きながらつぶやいたあのつぶやきもこのつぶやきも……あああわあわあわあわぁぁぁぁぁぁぁ!!!
「彼のおかげで、淡は変われた。本当は私たちの役割だっただけに、ちょっと悔しい」
ポンっと頭に手を置かれた。そのままなすがままに撫でられる。抵抗する気はない、気力がない。
「淡、あの男子の前では素直だったね」
「ちがうもーん……あの時だけだもーん……気の迷いだったんだもーん……」
「淡」
テルーは、ポンっと私の頭を軽く叩いた。
じっと、目を見つめてくる。
「ちょっとゴメンね」
「え?」
「照魔鏡!!」
「アワァァァァァァァ!!!??」
711 :
照魔鏡wwwww
712 = 70 :
突然なんだと言うのだ、慌てて壁にもたれかかっていた体を起こすと、テルーはこちらを見て、にっこりと笑った。
「うん。うんうん。淡、青春だね」
「なにそのよく雑誌で作る作り物笑顔!?」
「大丈夫、私は全部わかってる」
「覗いたからでしょ!なに!?なにを覗いたの!?」
「淡の淡い恋心、彼への」
「……へぇ、恋心、へぇ……へえあ!?」
「ふぅん、淡はあの彼に抱きしめて欲しいんだね、それで……あれ、それだけだ。それ以上は想像できない?キスとか浜辺で追いかけっことか××××とか『イリアステルに削除されました』とか歯磨きプレイとか」
「なにいってんの!?何言ってんの!?」
もうテルーの大暴走は止まらない、超絶営業スマイルで私も知らない私の心の内を暴くだけだ、もう絶対楽しんでる。
「ふふ……淡」
「ぎぎぎぃ……なによぉ……」
もうスクラップ寸前の私の肩を、ポンっと叩くと、やっと普段通りの無表情……に、少しだけ笑みを浮かべた。
「叶うと、いいね」
「……ふんっ」
散々からかわれた私は、ツンっとそっぽを向いてやった。それでもクスクス笑うテルーが鬱陶しい。
でもまぁ、そのテルーのおかげで、私は京太郎への想いに気づくことができた。
でもやっぱ納得いかないのでそのあとテルーのお菓子を奪って食べてやった。バレた。これは……面倒なことになっちゃった……
713 = 70 :
ここまで、今日中に次スレを立てたいね。
714 :
かわいい
715 :
かわいすぎる
716 :
来いよ京淡! 新スレなんて捨ててかかってこい!
717 :
あわいい
719 :
乙
安心させてから地獄へ突き落とす照さんさすが
720 :
京憧、京衣、京戒、(妄想の中では)よりどりみどりやで……全部書くのは死んでも無理だけど
ところでベクター、書く前に聞くが、海編は今まで通りの文体と台本形式のどちらがいい?
721 :
今までで
722 :
(書きやすい方で)ええんやで?
723 :
やりやすい方でいいと思うけど、どっちでも変わらなさそうなら淡成分が味わい安そうな今までどおりで
724 :
恋愛ものは地の文が欲しいから今まで通りがいいな。
725 :
なに!?京淡の後は京憧、京衣、京戒が全部見られるのではないのか!?
726 = 70 :
時系列を気にしたら負け
「海に行こう!」
「……うん?」
唐突であった。
本当、本当に唐突であった。
第1巡目で不要牌を切ったら人和されちゃいましたーってくらい唐突だった。
りんりんらんらんと真横で鼻歌を歌っている淡をスルーし麻雀指導本『これであなたも神域の打ち手』を読みふけっていた京太郎は思わず聞き返してしまった。
「あ、いまうんっていったね!いいましたね!はい、確かに言いました!」
「まて、何もかもをお前の中で進めていくな」
とうっと、淡の頭にハエも殺せないチョップをかます。いった~いと、オーバーなリアクション。
「だって、せっかくの夏だよ!?麻雀だけで終わらせたらアラフィフになっちゃうよ!」
「お前その麻雀だけで終わらせる奴がこの東京に今何人いると思ってんだ」
「そいつらは全員アラカンになればいーの!私とキョータローは違う!」
ミャーミャーとやかましい猫のように騒ぎ立てる淡を前に、京太郎は深く、深海より深く、地球のコアくらい深くため息を吐いた。
短い付き合いだが、こう言い始めた淡が頑固だというのは重々承知している。ちうしれ、にもらずいぶん困らされたものだ。
「はいはいわかったわかったいってやるよ」
「やたー!じゃあ早速水着買いに行こう!」
「え?」
「だって持ってきてないでしょ?買わなきゃじゃん」
「あー……うん、そうか、そうだよな、変なことないよ……な?」
「ないない、ないよ、全然ない。すごく自然!」
727 = 70 :
というわけで、二人は仲良く連れ立って近くの水着専門店へとやってきた。
「水着、専門店……か。長野にこんなものはなかったな」
「え?マジ?」
「長野は内陸の土地だぞ」
「あっ……」
何かを察した淡はそれ以降何も言わず、そのまま店内へ徒歩を進めた。男女合わせて置いてあるらしく、カップルも少なくない…が、金髪コンビの二人は結構目立つ。
「じゃあ先に京太郎えらんじゃってよ!」
「そうか?じゃあ……予算的に……うん」
京太郎はどんな水着を選ぶのか、と目を輝かせる淡を背に、京太郎はドンドンと買い物カゴの中に商品を放り込んで行く。
「こんなもんかな……」
・麦わら帽子
・サングラス
・アロハシャツ
・真っ黒なトランクスタイプ
・サンダル
・ボディタオル
「……キョータロー……」
「な、なんだよ」
「ヤクザ?」
「ちがわい!」
しかしすでに淡の頭の中には浜辺のレディ達に恐れ慄かれる金髪長身でサングラスをかけた威圧感満載の筋肉モリモリマッチョマンしか浮かばなかった。
728 :
京ちゃんの水着はブーメランっすね!
729 = 723 :
ちうしれだなんて大胆すぎでしょ淡さん!
730 = 70 :
さて、今度は淡の番……となって、焦るのは京太郎である。
淡に手を引っ張られるままに連れてこられたが、女性用水着が木々のように辺りにそびえる女性水着コーナーは、なかなか近寄りがたいものがある。
これどうかしらとか彼氏に聞いてたりしてる人もいるから問題はないだろうが……
「あ、これかわいい!どうどうみて!」
と、声のほうを向くと淡は一つの商品に目をつけたらしく京太郎に見せびらかしている。
「あー……首の後ろで結ぶ奴か」
「そうそう!ホルターネックって奴!ビキニだよビキニ!」
どうどう~?と胸の辺りに水着を当てて見せびらかしてくる淡。その涼しげな水色の水着は淡によく似合うように思える。特に、こう、なかなかに豊満な淡のバストを持ち上げるように強調するビキニ姿を想像すると……
「ふふーん、これ気に入ったっぽいね、じゃあとりあえず保留!」
おもわずぼーっとしてたら悟られたらしく、淡はそれを買い物カゴに放り込んでしまった。どうやら好みを悟られたようだ……
「じゃあこれは?どう?真っ赤なパレオ!」
次に取り出されたのは、やはりというか、なかなか大胆に胸を露出するパレオタイプのビキニだ。下半身には長めのスカートのようなものがついているため、必然的に肌色の多い上半身に目がいってしまう。情熱的な赤色もまた、淡には似合うだろう。
「なるほど~、きょーたろーは正直さんだね!じゃあ次は~」
と、ドンドンと淡は水着を漁る。
731 :
これはいいカップル
あれ?まだ付き合ってない...?
732 = 70 :
ふと、淡の買い物カゴに大量の水着が積み重なった頃、ふと京太郎の視界に白い水着が目に映った。それを見逃さなかった淡はその視線の先の水着をバッと手に取る
「ふんふん、モノキニかぁ~」
取り出された純白のモノキニ。
ヘソの辺りにレースで編まれた花弁のような部位があり、そこから四方向に花弁が開いたようなデザインだ。胸の谷間、脇腹など、なかなかに挑発的なデザインをしている。
「ふふ~ん……こういうの、好きなの?」
「どうだか」
ニヤニヤと笑いながらたずねる淡に京太郎はそっけなく顔を背けた
……耳まで真っ赤だが
「ふふふふ~ん……ほんっとーに嘘つけないねーきょーたろーはさ!じゃあこれに決めた!サイズは~……」
「い、いや別に好きとは」
「あれ?嫌い?」
「いや、別に、どっちでも……その……」
「あ~もーかわいーなー!」
んーっと背伸びして淡は京太郎の頭を撫でてやった。
「ななっな、なにすんだよっ」
「うんうん、かっこいいきょーたろーもかわいーきょーたろーもいいね!じゃあ買ってきまーす!」
そのまま、選考落ちした水着を一瞬で元の場所に戻すと、他の幾つかの商品と一緒に淡はレジへとかけて行った。
「……知られてはいけないことを、知られた気がする」
周囲の生暖かい視線をこらえながら、よろよろと京太郎もレジへと這っていった。
淡のお買い物
・モノキニ
・ラッシュガード
・麦わら帽子
733 = 723 :
ははは、これで付き合ってないとかあり得ないでしょ(棒)
734 :
付き合ってるけど、突き合ってはいなさそう
735 = 724 :
短篇その1とは打って変わって攻めに回る淡可愛い……
736 = 70 :
そして、そのまま淡に引っ張られるがままに電車を乗り継いで、ついに二人は海へと到着した!
「海だ~~!やったーーーー!!ジャカジャン!」
「せーかい中をぼーくらのー……何言わすかこら」
すでに体力をほぼ削られた京太郎は、元気よく飛び跳ねる淡についていくのがやっとである。
暑い、すんごく、暑い。午後1時くらいだろうか、もう日差しは生命ある全てを焼き尽くさんとするほどサンサンと降り注いでくる。いや、惨々と言うべきか。
「じゃあ早速着替えてこよう!海の家の前で待っててね!」
元気よく更衣室へ飛び込んでいく淡を見て、まぁ、せっかくなら楽しむか、と、苦笑いしながら京太郎も男性更衣室へと足を運んだ。
「……」
海の家の前のベンチの一つ。一人の男が腰かけている。
その長身は、どうやら足の長さが理由らしく腰の低いベンチのせいでなかなかに窮屈そうだ。
短めの金髪は麦わら帽子に収められ、鋭い眼光は真っ黒なサングラスに隠されている。
アロハシャツの隙間から覗く分厚い胸板や割れた腹筋、トランクスタイプの水着から覗く引き締まった太もも。
それは、誰が、どう贔屓目に見ても、近寄り難いくらい、怖かった。おまけにそれがはるか虚空を眺めているのである。尚更だ。
737 = 70 :
>>734
ロン(フィジカル
「おっまたせ~~~!」
すると、そんな人々が思わず振り向くくらいかわいらしい声が響く!男どもはその声の主人を見て鼻の下を伸ばし、女どもは嫉妬に目を細めた!
その恐ろしい金髪男とお揃いの麦わら帽子からは、しかに長く、艶やかに、きらめく金色の髪が揺れている。
顔は喜色に染まり、クリーム色のラッシュガードに覆われた体躯はしかし、でるとこは出て、締まるところは締まったボディを隠しきれていない。
肌は日本人離れして白く、シミ一つもない。そして、それより何より、帽子の影に隠れているはずの瞳が、何よりも魅力的に輝いていた。
だれだ!!?この美女におっまたせ~と言われたのは誰だ!?と男たちが視線を走らせる!果たしてその美少女の向かった先には……
「きょーたろー!」
「ダアアアバカ!!抱きつくんじゃぁねえ!!!」
「イージャンイージャン!役得でしょ!」
「こっちは命がけなんだ馬鹿野郎!!!」
あの、おっかない男であった。
男たちは血の涙で砂浜を染めた。
738 = 70 :
「えっへへへ~、じゃあ早速泳ごう!」
「はいはい……」
淡にひかれるがまま、海辺の方へと向かって行く。砂浜を濡らして、引いてまた濡らし、を繰り返している浅瀬へと足首をつからせる。
「ひゃーつめたい!」
「あぁ……すずしいな……」
アロハシャツと帽子はベンチの近くに置いてきた。もう濡れるのは怖くない。だんだんとテンションが上がってきた京太郎は、手首を掴む淡の手を外すと、ぐっと身をかがめ、そして跳ねた!
「わ!」
「イヤーっ!」
そのまま、ダッシュ、そしてバク転、派手に着水。周囲に盛大に水しぶきが飛び散った。
「す、すごーいきょーたろー!」
「へへ、昔取った杵柄ってな」
頭の先まですっかりずぶ濡れた京太郎は、警戒心なく駆け寄ってくる淡に、一気に水をかけた!
「ひゃっ!」
「どうだ!お前も濡れろ!」
「やったなこの~!どりゃー!くらえすたーすぷらっしゅ!!」
「ただの水かけじゃねーか!」
そのままギャーギャーと、色気も何もないまま二人は盛大に水を掛け合う。
ついた当初感じていた疲れは、すっかり京太郎から消え去っていた。
739 = 723 :
青春だな……うらやましすぎる
ちょっとそこ変わってくれ京太郎
740 = 70 :
「むぐむぐ……ぷはっ」
「どうだ」
「ちょっとはやいよー……」
暫くはしゃいだ後、少し離れた場所で二人は泳いでいた。淡は浮き輪装着、京太郎は立ち泳ぎである。
「お前がそんなのつけてるからだろ」
「むー、きょーたろーにはレディーを待つっていう精神がないんだね」
「お前以外にはあるよ」
「なにそれ!」
ギャーギャーと喚いてくる淡におもわず京太郎は笑ってしまった。それにつられて、少し遅れて淡も笑いだす。
「あははははっ!……ふー。ねー、京太郎」
「ん?」
急に真面目トーンになった淡に、京太郎も少しだけ真剣になる。
「……来年の夏も、その次の夏も、こうやって、二人で遊びたいな」
「……」
「もちろん夏だけじゃないよ。春は桜、秋はもみじ、冬は……雪、ないんだよなぁ……でも、インハイ出れば、こっちに来れるんだから……その……」
「……頑張って、麻雀」
「……おう」
こっぱずかしくなって、京太郎は浅瀬の方へとくるっと向いた。
「さあさあのろまな大星さん。浅瀬まで競争と行こうぜ。買った方がコーラ奢りな!」
「え、ちょ!」
「ヨーイドン!」
「ま、まってよー!きょーたろーのばかー!」
後ろで喚く淡を放って凄まじい勢いで京太郎は泳ぎ始めた。今日は散々やられっぱなしなのだから、このくらいの仕返しは、許してもらいたい
カン!
741 :
ここの淡は大きい方なのか。
742 :
良い光景だ…感動的だな…さっきから血の涙が止まらんぜ
743 = 724 :
乙。連載開始時から読んでたけど最高のスレだったよ。
744 = 70 :
エピローグ
須賀京太郎にとって東京という土地は、憧れと、驚きと、そして若干の嫌悪を抱かせる場所であった
あった。過去形であって、もちろん今は違う。
須賀京太郎にとって東京という土地は、もはや長野についで二番目に長い時間を過ごした場所であり、もはや憧れや驚きなどとっくに枯れ果て、いまや臭い空気と濁った空と、蒸し暑い温度に嫌悪を抱くばかりである。
だが、それでも、ここには魅力がある。
「春のIH以来だな……」
去年の冬の頃に買ったキャリーバッグをどかっと地面に下ろし、京太郎は一息ついた。
予算を節約するために、交通手段は深夜バス。本来なら新幹線でひとっ飛びなのだが、個人的な理由により、夏休みに入ってから速攻で課題を終わらせた京太郎は一足早く東京入りしていた。
そのため、大会期間に入るまでは安ホテルで節約生活だ。財布の中にはバイト代が詰まっているが、無駄遣いは避けたい。
「……さて、あいつは……」
バスの止まる場所は教えてあったはずだ。
人で賑わう辺りを見回してみる。すると、見当違いの方向を向いてピョンピョンと跳ねている見慣れた金髪が目に映った。
ばれないよう、そろりそろりと近づいてみる。
「うーどこだろどこだろ……」
「……あーわい!」
「あわわわっ!」
後ろから、そいつを抱きすくめてやった。一瞬身を縮ませたものの、こちらの正体に気づいたそいつは、パアッと顔を明るくして無理やり振り向きこちらに抱きついてくる。
「きょーたろー!」
「春以来だな」
「うん!うん!長野県一位おめでとう!」
「おう!」
須賀京太郎。清澄高校二年生。
長野県男子個人一位である。
745 = 70 :
そのまま近くのカフェになだれ込んだ二人は、テーブルを挟んで、淡は紅茶を、京太郎は珈琲を口に運んでいた。
「いやー、本当に京太郎はすごいよ!」
「お前に散々叩き潰された成果が出たな」
「ふふーん、高校101年生の淡ちゃんのおかげだね!」
「お前それまだやってんのかよ」
苦笑いとともにブラックコーヒーを啜る。その好みだけは理解不能だと淡に突っ込まれた。眠いのだから仕方がない。
「で、京太郎……次の目標わかってるよね」
「おう、勿論……」
少し溜めて、宣言。
「次の目標は、俺とお前、揃って個人戦で優勝すること」
「そのとーり!二位なんてちゃちいことは言わないよ、やるんなら優勝!」
「そしてその後に……」
「エキストラマッチ!」
そう、今年の夏は、昨今さらに加速した麻雀旋風に乗るように、インターハイに新たな目玉が追加された。
それは、男子女子個人戦の1.2位を集めたエキストラマッチである。
「そこで戦うのが私たちの目標!忘れないでよね!」
「あったりまえだろ!お前こそ咲にやられんじゃねーぞ」
二人は、お互いの目標を再確認し、そして、お互いを激励しあった。
747 = 70 :
もいっこ!カン!
748 :
おつあわー
ちょーかわいかったよー!
みんなの評価 : ★★★×5
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