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    元スレ淡「雲の切れ間に」京太郎「星が瞬く」

    SS+覧 / PC版 /
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    みんなの評価 : ★★★×5
    タグ : - 京太郎 + - + - 大星淡 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    1 :

    まえがき

    京太郎スレである

    京太郎スレである

    京 太 郎 ス レ で あ る

    ので、京太郎がメインに出てくるssが苦手な方はブラウザバック!あと遅筆と地の文に注意、おまけに書き溜めなし

    SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1426167617

    2 :

    私は一向に構わんッッッ!!!!!!

    3 :

    こいやっ!!

    4 :

    須賀京太郎にとって東京という土地は、憧れと、驚きと、そして若干の嫌悪を抱かせる場所であった



    長い期間開かれるインターハイ。その最中選手たちはずっと麻雀に明け暮れるのかというと、決してそうではない。
    地方から集まった生徒たちは高いビルにはしゃいだり、迷宮のごとき駅の内部に辟易したり、たまに漂う奇妙な異臭に鼻をつまむ羽目になったり、形は様々ではあるがエンジョイしているものが多い。
    特に試合に出る選手たちは息抜きという名目で遊びまわるものも多いようだ。

    そんななか、須賀京太郎は麻雀に明け暮れていた。

    「……ぉ、ツモ。500.1000」

    「あちゃ、逃げ切られたか……」

    「ふぅ、危なかった」

    僅差で逃げ切った京太郎は手元のスコアシートに対局の結果をサラサラと記し、手持ちのカバンに押し込んだ。

    「いやぁ、結構やるねあんた」

    「いや、マジで運が良かったよ。白の暗刻が配牌で来てたからな」

    上家の学生と軽く感想を交え、時計の針にちらりと目をやる。5時を少し回ったばかりである。

    「ん、そろそろお暇するかな」

    京太郎は席を立ち、支払いを済ませて、雀荘を後にした。

    5 = 4 :

    (東京のいいところは、ノーレートの雀荘がたくさんあるってところだな……)

    地元でノーレート雀荘といえば、京太郎は一つ上の先輩染谷まこの家、roof-topしか京太郎は知らない。
    しかしさすが東京というべきか、メジャーなゲームで、学生にも大流行の麻雀を行うためのノーレート雀荘はそこかしこにある。

    おまけに今はインターハイの真っ只中。付き添いできた部員やら、見学に来て熱に当てられたものやらで街は溢れかえっている。
    雀荘に入り席に着けばものの数分で四方が埋まり、すぐにゲームを始められる。数をこなすには絶好の環境に、京太郎は歓喜した。




    始まりは、長野県で行われた大会にて、一回戦で敗北したことだった。
    悔しかった。歯噛みした。しかしそれは理性で抑えられる範囲であった。
    自分たちの大会もあるのに、しっかりとアドバイスをくれた先輩や同級生の面々に申し訳が立たなかった、しかしそれは顔を出せぬほどではなかった。
    前よりも麻雀に費やす時間が増えた。しかしそれは可能な範囲、常識の範疇であった。

    6 = 4 :

    じわりじわりと麻雀という競技の熱が京太郎を蝕んでいたが、それはまだ仄かな光を発し始めた、熱してる最中の生鉄だった。

    それに一気に火が通り、バチバチと火花を散らすほどの熱を帯びさせたものは、インターハイの第二回戦、清澄、宮守、永水、姫松の戦いだった。

    痺れた、といった表現がおそらく当てはまる。京太郎は仲間たちの戦いを、対戦相手の強さを、間近に見せつけられた。
    そして、その激しい戦いの最中にこんな考えが脳裏をかすめた

    『俺もあんな戦いをしてみたい』



    闘争心に火がついたら居ても立っても居られない。
    二回戦インターハイ五日目、試合が終わった直後に京太郎は街へ飛び出した。最低限の荷物だけを持って雀荘に駆け込んだ。
    そして、店から締め出される時間まで対局に夢中になった。

    体の中の熱をできる限り吐いた京太郎は、しかしまだ体の内側に燻る火種に高揚しながら、呟いた。

    「楽しいじゃんか」

    前々から知っていた、とは言わない。
    こんなに楽しいのは初めてだった。明確な目標を持った麻雀は楽しかった。

    『彼女たちのように打ちたい』

    その熱だけが、京太郎を変えた。

    7 = 4 :




    「明日は準決勝、か」

    それなりに遠くの雀荘にいた京太郎は、ホテルまでの帰路をのんびりと歩いていた。

    「……なんか、差し入れでも買ってくかな」

    今頃メンバーは明日戦う対戦相手の対策会議でも開いていることだろう。甘いお菓子あたりをもって激励に行こう。
    そう思った京太郎は、長野のものよりもだいぶ小さいコンビニへと入った。

    「いらっしゃいませ」

    店員の無機質な挨拶を聞き流し、お菓子コーナーに目を通す。

    (んー……なにがいいかな?きのこたけのこは余計な争いが生まれたらやだし……アルファート……とか、あとは雨なんかもいいかもな)

    適当に量のあるものを引っ掴みカゴに放り込んでゆく。そして会計に向かう前に、雑誌コーナーに立ち寄ってみた。

    (お、最新号だ)

    思えば今日は愛読する雑誌の発売日だったか。
    これ幸いと雑誌を手に取りパラパラと京太郎は目を通す……

    8 = 4 :

    ……

    ……アア

    ……アアアアア

    (……ん?)

    ふと、なにやら叩きつけるような音が聞こえる。思わず読みふけってしまった京太郎は顔を上げた。

    そこは、ガラス越しの滝が見えた。

    「……うわ、マジかよ」

    雨である。土砂降りである。天地を逆さまにしたとはこのことか。
    5秒で全身が濡れ鼠になるであろう夕立の中を慌ててかけてゆく人や傘をさす人、水を弾き飛ばす車が行き交っている。

    「……あ、やべ」

    京太郎はコンビニの入り口近くに目を向けた。そこには傘コーナーがあったが、黒いビニール傘一本しか見当たらない。

    「やばやば」

    雑誌を戻し、傘へと駆け寄る。この雨の中を走って帰るのは避けたいところだ。
    最後の一本を手に入れようと京太郎は腕を伸ばし……



    「ふぃ~やばかったー!」

    突如水の塊がコンビニの中に飛び込んできた。
    なにやら黄色と白が混ざったような……水っぽい何かである。京太郎や店員が目をぱちくりするのを意にもせず、水塊はバチャバチャと体を振っている。

    「えーと、タオルと、傘傘……」

    思いの外かわいらしい声をしているその水はまず近くのタオルに目をつけたようで、それを手に取った。そして反対側に設置されていた傘にも目をつけてを伸ばし……

    「ん?」

    目があった。それはもうバッチリと

    垂れ下がった濡れそぼった前髪から覗く瞳は、その惨めな惨状とは反対にキラキラと輝いていた。
    さながら星のようだ、と京太郎は思案する

    お互い傘に手を伸ばした姿勢で、少しの間、見つめ合う

    9 = 4 :

    「……どうぞ」

    京太郎はおそらく女であろう相手に、最後の一本を譲った。流石にここで傘を取ってしまってはカッコが悪いと、男の子のプライドが叫んだのだ。

    「ほんとに?ありがとっ!」

    髪の隙間から覗く……多分、整った顔立ちの女はにっこりと笑うと傘を手に取り、レジへと向かった。

    (仕方ない、走って帰るか……)

    京太郎は苦笑し、ガラス戸の外へ目をやる。雨の勢い未だ止まず。明日風邪を引くことにならなければいいが……と考える。
    相手レジで会計を済ませた後、出入り口でかるく屈伸をする。そして、コンビニの外へ……

    「えー、お会計800円になります」

    「はーい……あ」



    「……お札、ずぶ濡れ、小銭もない」

    「……申し訳ありません、その……それ、お札、ですか?」

    「……わからない」



    深くため息を吐いて、京太郎は再びレジへ向かった

    10 :

    やったー京淡だー

    11 = 4 :

    「やーありがとー!助かったよ!まさか財布の中身がずぶ濡れなんて想像もしてなかった!」

    タオルでゴシゴシと髪を拭う女を京太郎は……先ほどより若干引きつった苦笑で応じた。

    「いやいやいいよ。傘を譲ったついでだ」

    「ごめんね、お金出させちゃって。絶対返すから!」

    一通りぬぐい終わった彼女はまだ湿った髪を手櫛で整える。すると……10人いたら12人が美少女というであろう美貌か姿を現した。
    眉目秀麗だのなんだの様々な褒め言葉が当てはまるであろう顔立ちの中で、一際目が魅力的だった。
    夏の満天の夜空のような輝きを宿すその瞳は、見るものを捉えて離さない。

    「お、おう……」

    部活仲間も美少女が多いが、それとは別で、明朗快活でありかつ、美術品のような美しさを持つ不思議な魅力の少女だった。

    「ねぇ、名前と連絡先教えてよ。また連絡するから」

    「おお、俺は須賀京太郎。今携帯出すから待ってろ」

    美少女に連絡先を聞かれる、という時点で京太郎は先ほどの傘タオル計800円の支出の価値はあると思った。若干舞い上がりつつ、京太郎は懐から携帯を取り出す。

    「ふーん、キョータロー、覚えたよ!私は大星淡!ちょっとまって、スマホスマホー」

    濡れそぼった服を漁り、淡も携帯を取り出した。
    お互いの連絡先をいざ交換しようとして……



    「……携帯、つかない」

    「……」

    深く深く、京太郎はため息を吐いた

    12 = 4 :

    とりあえずここまで
    投下予告と投下終了宣言はほとんどやらないと思うんでおなしゃす

    13 :

    乙ですー
    期待して待つわ

    14 :


    期待してる

    15 :

    乙おつ
    期待してます

    16 :

    乙なのよー
    楽しみに待っテル

    17 :

    良い雰囲気
    すごく期待できる

    18 :

    乙です
    これは期待

    19 :


    京淡たまらんね

    21 :

    京淡だーー!
    おつー!

    22 :

    結局京太郎は、口頭で電話番号を教えた後に恐ろしいほどの土砂降りの中をホテルに向かって全力疾走していた。
    大星淡の二の舞にならないように、店員にビニール袋を数枚貰い、それで何重にも貴重品や買った品を包むという工夫を凝らしてある。

    一緒の傘で行く~?という淡の提案は大変、それはもう大変魅力的であったが京太郎と淡のホテルは真反対の方角にあり、とても往復する暇はなかった。

    「はしるーはしるー、おれーたーちー……」

    中学時代のハンドボールで鍛えた体力にはまだ余裕があるが、容赦なく降り注ぐ水が体温を奪っていき、おまけに視界も悪い。今日は麻雀ではそれならに勝てたが、厄日と言わざるを得なかった。

    23 = 4 :

    ようやく宿にたどり着いた京太郎。
    透明の自動ドアの向こうでずぶ濡れの京太郎を店員が少し嫌そうな顔で見たが、しまってあったタオルで体を拭い始めるとすぐ笑顔になった。

    (やれやれ、水を滴るいい男にもサービスは無しか?……なーんて)

    とりとめのない考えをしながら服に染み込んだ水を絞り出し、肌に張り付いた水滴その他もろもろをぬぐい落とす。

    (……果たして、連絡し返してくれるかね?)

    連絡先を互いに交換すればよかったが、京太郎は淡の電話番号を聞けなかった。なんと自分の番号を暗記していなかったのである。
    絶対連絡すると淡は言っていたが……

    (まぁ別にいいか、800円くらい)

    800円で美少女に恩を売り、その報酬は夕立の中のランニング、少々どころではなく気落ちするが、表情には出さない。

    「さて、冷えちまったし風呂でも入るか」

    それなりにさっぱりした京太郎は、水ががぼがぼとなって気持ちの悪い靴を踏み鳴らしホテルの中へと入った。

    24 = 4 :



    ……

    「あら、須賀くん」

    「んぉ?」

    大浴場近くで風呂上がりの牛乳を一気飲みしていると後ろから声をかけられた。
    振り返ってみれば、我らが清澄麻雀部の部長にして策略家、竹井久の姿があった。手にはタオルの入ったカゴを抱えている。

    「もうお風呂入ったの、早いわね」

    「はは、ちょっと集中砲火を受けまして……そういう部長こそ」

    「夕飯前にさっと入っちゃおうと思ってね」

    時計を見てみると短針は6を長針は2を指している。
    こうなると入浴時間は40分程度、風呂上がりのケアを含めるともっと余裕がなさそうだ。女性は長風呂と思っていた京太郎は少しポカンとする。

    「いやだって、暑い部屋に五人寄り集まってあーだこーだ頭働かせたら汗かいちゃったんだもん」

    少し恥ずかしそうに久は笑う。試合中は大胆不敵にして相手の裏をかき思考を引っ掻き回す、悪待ちの部長とは同一人物とは思えないほど、その仕草は可愛らしい。

    25 = 4 :

    「で、どう?今日も雀荘で打ってきたんでしょう。勝てた?」

    「まぁまぁ、といったところですか……その話は後の方が良さそうですけと?」

    「え?あぁそうね、流石に時間が……また後で、みんなでお話ししましょ」

    じゃねー、といって久は女湯へと駆け込んで行く。
    軽く手を振って見送った京太郎は、瓶をカゴにつっこみ自分の部屋へと戻った。

    26 :

    良かった、ここの久は鬼畜じゃないんだね!

    27 :

    良い雰囲気のSSだ

    29 :

    いいゾ~これ

    30 :

    最近はナチュラルに鬼な久が多いからな

    32 :

    こんなスレを待ってた

    33 :

    続きはまだか!?

    34 :

    「……ん?」

    ホテルで自分にあてがわれた、女子メンバーとは距離のある部屋。
    京太郎は充電器を差し込んであった携帯電話を開いてみると3件の着信履歴があった。
    三軒全部同じ番号で、約2分おきに掛け直されていてそこから電話は来ていない。

    「……」

    なんとなく電話をしてきた人物がわかった京太郎は、何の疑いもなくその電話番号へと電波を飛ばした。

    ……数回ほどのコール音が響き、その後

    「はいはーい大星淡でーーーす!!」

    左耳から右耳へ点棒が貫いていったような大音量である。たまらず京太郎は頭を離し顔をしかめた

    「あれ?もしもーし、きょーたろーだよねー?もしもーーーし」

    「聞こえてるよ、てかうるせぇ、大星淡さん」

    「なんだー、聞こえてたなら返事してよー!こちとら何回も電話かけたんだからねー!」

    やかましいやつである、たまったものではない。

    35 = 4 :

    「はいはい申し訳ない……で、淡さん」

    「気さくに淡様と呼んでくれて構わないよ」

    「大星さん」

    「……淡でよろしく」

    「おうで、淡。何の用……ってのはわかってるけど、しっかり連絡してくれたな」

    「あったりまえじゃん!恩はしっかり返すもの!仇と同じくね!」

    少々喧しいものの、京太郎はこの淡のさっぱりとした物言いが嫌いではないようだ。少しだけ口角を上げて会話を交える。

    「でー、コンビニで京太郎がいってたホテルの名前で調べたら場所はわかったんだけどさ、今日はこんな雨だし明日は準決勝があるから、ちょっと無理そうなんだよね。明後日まで東京にいる?」

    「おう、勿論……ん?」

    受け答えの後、少し考える。
    明後日まで、というのは問題ない。明日の準決勝、清澄は必ず勝つだろう。万が一、いや那由多が一決勝に進出できないとしても、個人戦に出場する咲と和の付き添いでまだまだこのホテルに居座ることになる。
    問題は……

    「準決勝?」

    「そ、準決勝。淡ちゃんは高校100年生の大将だから忙しいのだ!」

    そう、準決勝である。言い草からして応援ではなく選手として出場するということであろう。そして、大将という言葉……

    「白糸台の、大星淡?」

    「え、今気づいたの?」

    36 = 4 :

    まったくである、勉強不足である。今この瞬間まで須賀京太郎は大星淡が白糸台の大将ということまで気がつかなかった……否、そういえば特集雑誌に名前が載ってるのを見たと思うし、清澄の会議においても名前を聞いたような気がする。

    「……いやすまん、そんなやつと偶然コンビニで知り合うとは思ってなかったからな」

    「んー、まー、それはしょうがないかー。この私と知り合うという幸運で頭の中が全部白になっても無理はない!」

    「いやそういうんじゃなくてフツーに忘れてた」

    「……」

    沈黙。

    「ともかく!そっちの都合がいいなら明後日にはお金持って届けに行くから、電話に出られるようにしておいてね!以上!じゃねー」

    そして唐突に電話は切られた。言いたいことを言われるだけ言われて終わった……いや、何度か冷たい返しをしたが

    「……偶然ってあるもんだな」

    携帯を再び充電器へ。京太郎は奇妙な出会いに驚きを感じながら、ホテルの食堂へと向かった。18.52分。もうすぐ夕食である。

    37 = 4 :

    ここのところ毎日食べてはいるが、ホテルの飯というのはうまいものである。スコールめいた雨の中マラソンでカロリーを多めに消費した京太郎はそれを補わんとかたい腹筋を押し上げるほどに胃の中を埋め尽くした。メンバーに冷たい目で(除、タコス。むしろ京太郎より食う)見られた気がしたが、知ったことではない。

    そして、食後の女子メンバーの部屋。

    「さあ!明日の準決勝に向けて最終ミーティングを行うわよ!」

    「……あれ、これ俺がいていいんすか?」

    「いいですよ、同じメンバーなんですし、ね」

    持ち込まれたホワイトボードを前に京太郎含めたメンバーがリラックスした様子で座する。
    昼間、京太郎が不在の間に対策案をまとめあげていたのだろう。各々がそれを読み返し確認する作業である。

    「あぁそういえば、差し入れにお菓子買ってきたんだった。どうぞ」

    「なっ……ゆ、夕飯の後にチョコだなんて……京ちゃん、ひどいよ……」

    買い揃えた菓子の袋を破いてくと悪鬼羅刹を見るような目で咲が睨んできた。

    「いや、じゃあ食うなよ」

    とか言ってると、染谷先輩は俺に頭を下げ

    「わしはいただこうかの。甘いもの欲しかったとこじゃ。ありがとな京太郎」

    和ははにかんで軽く会釈し

    「私もいただきます。すいません須賀くん」

    部長は……すでに手を伸ばし

    「お~、たけのこの里がないのはあれだけどいいチョイスねー!」

    「……私も食べる」

    咲も流された

    「最初っからそういえばいいんだよ」

    「おう私もいただくじぇ!よくやったぞ犬!」

    「おめーやっぱダメだ」

    「は?」

    38 = 4 :

    「……イヤーッ!」

    突如!ユーキ=サンは体を跳ね上げ立ち上がりキョータロ=サンにパンチ!

    「グワー!」

    そのまま2人はもつれ込みカラテの応酬!!血中タコスを込めた技がぶつかり合う!

    「なにやってんのよあんたたち……」

    「放っとけ、すぐ戻るじゃろ」

    じゃれ合う二人をよそに四人はミーティングを再開。優希は完全にマウントを取り京太郎の腋を容赦なく擽る!

    「おらおらー!焼き鳥にしてやるー!」

    「やめ、やめっ……うははは、やめっ優希……!!」

    「あぁそういえば須賀くーん」

    「はーい」

    「おわっ!」

    部長の呼びかけに即応じた京太郎は優希をかかえて立ち上がった

    39 = 4 :

    「なんすか部長」

    「お、おまっ、おろせ京太郎!バカ!」

    ぽこぽこと京太郎を叩く優希を肩にかかえて部長の方を向く京太郎。

    「いや。実は……ちょっとお願いしたいことがあってね」

    「なんすか?」

    「あした、須賀くんも、会場に来てくれるわよね?」

    「そりゃもちろん」

    「おろせー!このー!」

    全身全霊をかけて応援……と行きたいが大声を出すわけにはいかない。チームメンバーとともに控え室で選手を見守る予定である。

    「そこでさ……ちょっと、頼みにくいんだけど。もう一つの準決勝の偵察に行って欲しいの」

    「もう一つの?」

    40 = 4 :

    もう一つの準決勝といえば、Aブロックの白糸台、阿知賀、千里山、新道寺の戦いである。

    「言うまでもないけど、私たちは優勝する」

    する、という物言いに京太郎は久の意志の強さを改めて感じる。この大会に、誇張なしに全てをかけているのだろう。

    「そこで一つ、不安要素があるの。白糸台の大将、大星淡」

    「え」

    先ほど電話で話した相手の名前が上がり、少しだけ京太郎は動揺した。

    「白糸台の新一年生、突如として大将として抜擢された超新星……データが少なすぎるのよ」

    「うむ……探したんじゃが、奴の牌譜が本当に数えるほどしか見つからなかった」

    そんなすごいやつだったのか、と今更ながら京太郎は思う。

    「須賀君には、大将戦だけでいいから、向こうの試合を見てきてもらって、向こうのチームの牌譜……できればなにか癖のようなものをつかんできて欲しいの。申し訳ないけど……お願いできるかしら」

    「え、あぁ、勿論です」

    半ば反射的に京太郎はそれを了承した

    41 = 4 :

    ここまでである。多分次回からもっと淡いと絡むよね?

    47 :

    おつつ。
    やっぱり京淡がナンバーワン!

    50 :

    おつー
    原作で関わりないのに京淡の安定感はなんなんだろうねあれ


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