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    元スレ淡「雲の切れ間に」京太郎「星が瞬く」

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    みんなの評価 : ★★★×5
    タグ : - 京太郎 + - + - 大星淡 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    501 = 70 :

    もちろん、相手の暗刻がなんなのかなど読めるはずもないだろう。しかし、やっちゃったと思わずにはいられない。
    わずか五巡目で生牌を危険視など普通はしない。しかし、咲にその考えが甘かった。

    「ツモ、リンシャンカイホー」

    責任、払い

    頭がクラクラする。

    淡の総合能力は確実に咲に勝る。
    しかし、他二人のブーストで、咲の火力、スピードが恐ろしいことになっている。

    (勝てる?これ)

    責任払いの5200、安くない。
    己の中に生まれた不安をしかし、淡は強引に呑み下した。

    (弱気なこと考えるな!負けるわけにはいかないじゃん!!)

    三人が協力したからなんだ。そんなもの言い訳にはしない。私が優位なんだから目をつけられるのは当たり前。

    (負けるわけには……!!)

    焦る。最初にあった余裕など、最早かけらも残っていない。

    502 :

    ……

    …………

    ………………

    食いしばった奥歯が痛い。ような、気がする。

    半荘1回目が終わった。
    死に物狂いで打って、上がったのは二回。
    最初の満貫のツモ、そのあと、咲にたいしてなんとか3900の直撃。

    しかし、点差はわずか7000点まで縮まってしまった。



    強い。

    顔を覆う。手の隙間から差し込む蛍光灯の明かりがひどく鬱陶しい。

    強い。

    このままでは凌ぎきれない。

    どうしよう

    どうしよう

    絶望が淡の胸の内を埋め始めた。
    負けるのが、恐ろしい。
    負けてしまう、恐ろしい。
    悔しい、悔しい。
    みんな、他のみんなは全員+収支で帰ってきて、私のせいで全て台無しになって、負けて

    いやだ

    いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ

    「どう、しよう」

    休憩時間は長くない。まだ余裕はあるが、二回目の対局が迫ってくるのが恐ろしい。

    「……」

    救いを求めて、スマートフォンを見る。周りに誰もいないいまこの廊下で、唯一、何かにつながっているモノだ。
    すがるように、ホームボタンを押す。




    LIMEが、一件

    須賀京太郎:怖かったら呼べ

    503 = 498 :

    きょうあわーーー!!

    505 = 70 :

    吹き出しを消すのを忘れていたのでうえのさんのふあんになりますごめんなさい
    こんどこそおやすみなさい

    506 :

    おつー
    良いところで~!!

    続き待ってます~

    507 :

    おつー

    あわあわ出来て満足だ

    508 :

    乙!
    次回はイケメンタイムか……あわあわ

    510 :

    乙あわ

    511 :

    涙目あわあわしてきた

    512 :

    あわーん(´・ω・`)
    って感じのあわあわもあわいい!あわいがあわあわしててあわいくてあわあわがゲシュタルト崩壊していくんだアワワワワワワワワ

    513 :


    わるいあわあわにいたずらしたい

    514 :

    おつ

    最後のかっこよすぎ

    515 :


    照が怯がえてるって一体過去に何やらかしたんですか咲さん……

    516 :

    我ら麻雀の七つ星!

    真のドラゴンロード!松実玄!
    全ての自風は我が手の中!明華!
    唸る拳が立つ巻き起こす!宮永照!
    ジャジャ~ン!私☆淡!
    灼熱の卓上すら瞬間凍結!氷の牌!透華!
    バリアンの白き盾!ドルべ!

    そして私が麻雀7皇を統べるもの、亦野誠子だ……



    今日はよくわからない時間に更新する可能性あり、別に注意しなくてもいい

    520 :

    夜明け頃に更新予定かな?

    521 :

    そろそろじゃね?あわあわだし

    522 :

    あわあわしてきた

    523 = 70 :

    投下するぞ!スリップストリームで私についてこい!

    うそごめん、加速しないで、少ししか書けない

    524 :

    わーい!

    525 = 70 :

    握りしめたスマートフォン。すでにスライドしてLIMEを開いている。
    須賀京太郎が試合開始直前に送ってきていた短い文章が、他愛のない会話の一番下に表示されていた。

    (……なんで、わかんのよ)

    試合開始する前、というのが激しくムカついた。
    私がこうなることを、見越していたかのようだ……いや、事実そうなんだろう。だって須賀京太郎、私が負けると予想していたのだから。

    「……」

    既読はつけてしまったが、無視してしまおうか。
    気分転換で開いただけで、返信する気分ではなかった、言い訳はそれで済む。
    不本意だが私は、凄まじい重圧に襲われているのが傍目から見ても分かるだろうから。

    でも……

    「……」

    指が、動く

    なんで、書こうか

    偉そうに、とか、舐めるな、とか、憎まれ口でも送ろうか

    そんな心配は無用と、強がって突っぱねようか。



    結局、打ち込んだのは、『助けて』と、たったこれだけ。

    あぁ、情けない、一皮剥ければ私はこんなに弱かったのか。

    視界がじんわりと滲んでくる。そして、震える指で、送信を押した。


    途端、奇妙な電子音がなる。

    「はいはい、呼ばれて飛び出て即参上」

    音の方を振り向くと、いま読んだばかりのはずの、金髪の男がこちらへ歩いてきていた。

    526 :

    かっこいい……

    527 = 70 :

    「ほれ」

    何を言うでもなく、その大きな手を差し出してきた。見ると、そこには小さな棒付きキャンディー。

    「脳みそってスゲー大食いな器官でさ、しかも甘いもんしか受け付けねーらしいぜ」

    「……そうなんだ」

    なんとも、どうでもいい豆知識を聞かされた。
    くれるのだろうと思って、それを手に取る。包み紙をとって、口に咥えた。

    ……甘酸っぱい、けど少しベタついている。
    夏の気温のせいか。

    「……びみょー」

    「ははっ、まぁもらいもんの飴だからな、文句はその人に」

    「もらったものを誰かにあげる?フツー」

    笑う余裕がないから刺々しくツッこむけど、このノッポはどこ吹く風だ。

    ーーー気楽そーな顔してさーーー

    「……なんで、送ってすぐに来たの?」

    「こりゃ呼ばれるなって思って。紳士たるものレディの呼びかけには5秒以内に応じるもんだぜ」

    「ストーカー?」

    「ちげーよドアホ」

    「アホだと~?」

    あぁ、全く、こっちの気分も知らないで

    楽しそうに、話しやがってさ

    528 = 522 :

    やだ、イケメン...

    529 = 70 :

    「こっぴどくやられたな、どーだうちのタイショーは」

    「……一対一なら勝てるし」

    「それ麻雀じゃねーし。で、どうだ。言った通りだろ?」

    「……」

    「お前、うちのあのあれにまくられて負けるって」

    ポンっと、頭に手が置かれて、撫でられた。言葉とは裏腹に、手つきは優しい。

    「……なんで、わかったの?私が負けるって」

    「そりゃあ、3人がかりで潰されるだろーなーーって思ったんだよ」

    「……ふーん」

    安直な答えを聞かされた。確かに、あの3人に事実私は追い込まれている。大ピンチだ。血の池の方が生ぬるい地獄だとすら思うも。

    「それと……もう一つ」

    スッと、頭から手が離れる。顔を上げると、こっちをじっと見つめていた。

    「お前は、お前が負けるのを怖がってるから、負ける」

    その目は、真剣だったけと言ってる意味はまるでわからない。

    530 = 70 :

    「なぁ、麻雀で勝つって、なんだと思う?」

    「……そんなの、点数が少しでも高ければ勝つでしょ」

    「そおーだそのとーりだ!たとえ百点棒一本でも多い奴の、勝ちだ。100点でも低けりゃそいつの負けだ」

    何を、当たり前のことを。京太郎は続ける。

    「そのルールのせいてで俺の部内の一年生四人の中では、トップ率はダントツドベの0.95だ。わかるか、10回やって1回目トップになれるかどーかだ。そりゃそーだ、何もかもが劣ってる俺があいつらに容易に点数合戦で勝てるわきゃないからな」

    「何その自虐情けない」

    「やめろ死にたくなる」

    えらそーに語ってたかと思えば途端に顔を曇らせる。

    「まぁともかく麻雀ってのはそういうゲームだ……で、淡、聞くぜ。いま、この麻雀で勝ってるのは誰だ?」

    唐突な、質問。
    何を変なことを聞いてくるのか、億劫な口を開いて答えてやる。

    「そんなの……私だよ。7000点、上にいる、けど……」

    「そーだお前はまだ勝ってる!お前の仲間たちが、稼いでくれたおかげでな」

    その言葉に、四人の顔が思い浮かぶ。
    四人は、必死でリードを広げてくれた。対策されまくって、まるで自分の麻雀を打てなかっただろう、それなのに、決して引かず、互角以上の成果を出さて、私にバトンを渡した。

    でも、そのリードは、もう……

    531 = 70 :

    「淡、お前が負けてるのは、お前が3対1に追い込まれてるからだけじゃねーんだ」

    「……」

    「お前は、麻雀の基礎を見落としてるぜ。大将戦が始まった時お前は28000点もリードしてた、それなのに、なんでお前は場をささっと流さなかったんだ?」

    「それは……」

    「こう考えてみろ、淡。28000点のリードってのは、仮にこれが個人戦だとすれば、お前は50000点だとすると2位は22000点っていう超超大差だ。おまけに実際は相手はまだ8万9万あるから箱割れにするのは難しい……だとすればお前がやることは一つ。速攻で流す麻雀だよ」

    京太郎の顔は、真剣だ。

    「そりゃ、早く上がれそうな高い手なら目指せばいいけど、普通はここまでの大差ならささっと鳴いて、パパッとクイタンなりなんなりで流したり、あるいは安めの相手にわざと振り込んだりしてもいい。お前は相手を無理やり遅らせられるんだし、相手が3人で挑んでくるならそれを潰すために早上がりに徹底すべきなんだ」

    「なんでお前がそうしなかったのか」



    「それはお前がこの大将戦を、チーム戦のラストじゃなくて自分一人の戦いとしか見てないからだぜ」

    「っ!」

    その言葉は、驚くほど強く、鋭く、私の胸を貫いた。

    そんなことないと叫ぼうとしてと、声がでない。

    反論したい、でも言い返せない、だってそれは、その通りだったんだから。

    532 = 70 :

    「お前は負けん気が強いからな……準決勝で負けたの悔しいって言ってたし。だから、この大将戦で自分も+収支で終わらせたかったんだ」

    「……私は」

    「そこが、お前の急所だった。高い手で上がって優位になりたかった、自分”も”勝ちたかった……そこが、相手を遅らせてなお食らいつく猶予を残しちまう、お前の弱点なんだ」

    まぁ咲のあれはそれでも勝てるかどうか怪しいと思うけど、と、京太郎は顔を少し引きつらせて語るが、私は、もう何も言い返せなかった。

    私は、私の勝手な欲望だけで、大局を見ずに、自分のことしか見ずに、その結果、みんなの稼いだ点数を無駄にしてしまった。

    もう、ダメだろうか、勝てないだろうか
    みんなに会わせる顔が、ない

    「……嫌だよぉ……」

    言葉が溢れる、涙が出てくる。

    「負けるの、やだよぉ……勝ちたいよぉ……!!」

    私が勝ちたいんじゃない、チームで勝ちたいんだ、今更私はそれに、気づいた。京太郎の、言葉で

    でも、もう遅い、私のリードはもう少ししかない
    もう……



    「諦めるにはまだ早いと思うけどな」

    すっと、前に何か差し出される。それは牌譜のようだ。
    涙をぬぐって、差し出されたそれを見てみる。

    533 :

    これ後で咲にリンシャン(物理)されるんじゃね?

    534 = 70 :

    「これ……牌譜のノート……?」

    「さっき言った、うちの一年四人で打った牌譜だ……お前に見せたの内緒だぞ?部長に知られたら殺されちまう」

    お前の偵察した詫びだ、と苦々しげに京太郎は言う。その牌譜に目を落とすと……

    (……南3局で、京太郎…1300点?)

    絶望的だ。ほぼ勝ち目はないしかし京太郎の南4局には、逃げ腰な姿勢は見当たらない、よどみなく、フラつきながらも上がりを目指している

    「一位の和に役満直撃すりゃ捲くって一位だ、勝ち目はあった、まだ諦められなかったんだ、結局負けたけどな」

    「さて……淡い、お前は今、どんな状況だ?」

    私は……大星淡は今……

    「私は……みんなが、稼いでくれた点数のおかげで、7000点リードして一位。残りは半荘一回。私は、相手の手を6向聴まで遅らせられる」

    なんだ、まだ、ぜんぜんやれるじゃん。すくなくとも、この男のこの牌譜よりも。
    てゆーか、私、有利じゃん。なんで、不安になってたんだろ。

    535 = 513 :

    振り返ったら部長が既にスタンバイしてそう

    536 :

    「……うん……うん」

    立ち上がる。話してる間に、あと少しで第二回開始の時間が迫っていた。

    迷いは、断ち切った。
    不安は、投げ捨てた。
    よどみなんて、もう、ない。

    まだ飴はけっこう大きい。流石に咥えたまま会場には行けないから、口から出して、京太郎にもたせた。

    「え、おま、これ」

    「ありがと、きょーたろー。でも、敵に塩送ったこと、こーかいさせてやるから!!」

    不安なんて微塵もない、支えてくれたみんなのおかげで、私はまだ有利なんだから、あとはそれを私が最後までつなぐ。つないで見せる!

    「おい待て!ほら!」

    ああなんだと言うのだ!大きな声で呼び止められ振り返る。ぬっと、ハンカチを差し出された。

    「涙ふいてけ、顔ひでーぞ」

    「……サンキュー!」

    受け取って、今度こそ走り出す。
    私は負けない、白糸台のみんなのために、そして、お節介なこいつからアイスクリームをおごってもらうために!

    「勝つぞぉ!うおおおおお~!!」

    「会場で叫ぶなって~!!」

    537 :

    あわいいいいいいい

    538 :

    敵に塩ならぬ砂糖を送ったのか
    照ならすごい喜びそう

    539 = 70 :

    ……

    ぽつんと、取り残されてしまった。手元には、淡がなめていた飴だけがある。

    「やれやれ……あいつの言うとおり、塩送ったことを後悔するかもな……しかし、これどーしろってんだ……」

    手元の飴を見る。さすがに舐める気にはなれない。
    もったいないけど、捨てちまうか……

    と、考えていると、突然にゅっと湧き出した手に飴をかっさらわれた。

    「うお?! ……て、え?」

    「……」

    するとそこにはなんとインハイチャンプ宮永照。口にはすでに棒付きキャンディを咥えている。

    「……え、えーと」

    「激励に来た、つもりだった」

    ぽつりと呟いた。そして、こちらを見上げてくる。

    「……役目は横取りされたけど、ね……ありがと、淡の友達さん」

    そういって彼女は去ってしまった。

    飴の処理はすんだが、どうにも……釈然としない。

    「……帰るか」

    トイレにしては長く出すぎただろう。大の方でしたといいわけでもするか。
    俺は、もうすっかり静かになった廊下を、清澄の控え室に向けて歩き出した。

    540 = 70 :

    今更だけど個人解釈混ざりまくりねこれ……淡がかなり自己中な感じに書いちゃった、ごめんなさい、ケジメしてきます。今日の投下終わりです。

    541 :

    おつですー

    542 = 538 :


    ちゃっかり飴ちゃん持ってくのねテルー

    544 :

    あわあわかわいいわあわあわ

    545 :


    あわあわは自己中というか負けず嫌いなイメージだから問題ない

    546 :

    あわいいから問題ない

    547 :

    これは惚れますわってくらい京ちゃんかっこいいな

    548 :

    おつ、いやーいいっすねえ

    550 :

    黒咲さんでホセを拘束しろ!


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