元スレ京太郎「修羅場ラヴァーズ」久「もうちょっと、近づいて」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★
51 = 36 :
上手く先送りしたな
52 :
トランプタワーがまた一段
53 = 1 :
京太郎の返事は、保留。
男としては情けない限りだが――久は、くすりと笑った。
「そうね。なら、期待して待ってようかしら」
「……すんません」
「ううん、いいの。急だったしね」
「でも――予約は、しておこうかしら?」
一瞬の甘い匂い。
少し遅れて、首筋に小さな痛み。
「ふふ……それじゃ、待ってるからね?」
その傷は確かに、久という存在を京太郎に刻み込んで。
京太郎には、二度と忘れることのないバレンタインとなった。
54 :
二度と忘れることのない
二度と来ないバレンタインじゃなかった……よかった 京太郎は生きてるんだね
55 :
死人のように生きてなきゃ良いけどね...。
56 :
――それは、2月の13日のことでした。
57 = 1 :
「いやー、調理室を借りれるとはねぇ」
揺杏ちゃんを先頭に帰宅する私たち。
部活動は今日はお休み。
だって、明日の準備でみんな忙しいから。
「……にしても、良かったわ。何とか形になって」
私の隣で、ホッと溜息を吐くチカちゃん。
思い返すと、彼女はずっと駆け回ってたようか気がする。
「あはは……お疲れさま」
それでいて自分のチョコも頑張って作ってたから、きっとみんなの2倍も3倍も疲れてるのかな。
でも、おかげでみんな無事にチョコを作ることができました。
58 = 1 :
「うっし! コレでフェアだからな!」
爽ちゃんが自信満々にみんなの顔を見渡して、満足気に頷く。
抜け駆けもなし。小細工もなし。
そう、私たちは――
「ええ……後は、京太郎次第ね」
――明日。
みんなで、彼に告白をします。
59 :
ヒューッ
60 = 1 :
みんなで一緒に作ったチョコレート。
彼がどれを選ぶのかは、わからないけれど。
例えどんな結果になっても、きっと後悔は――
「……あれ?」
カバンの中に、ある筈の小包。
手で探っても、開けて確かめても見つからなくて。
「どーした?」
「……チョコ、忘れちゃったかも」
思い当たるのは、調理室に忘れて来ちゃったということ。
……学校が閉まる前に、急いで取りに戻らないと。
61 :
やな予感
62 :
薬物、身体を使ったパフォーマンス(身体に塗って誘う、体液、毛等を混ぜる)、抜け駆け以外の一切を認める。
63 = 1 :
タイミングはギリギリ。
何とか閉まる前に、調理室の鍵を借りることが出来ました。
「あ、あった……!」
そしてやっぱり、調理室に置き忘れていた私の手作りチョコレートの小包。
一応開けて中身を確認すると、そこにはしっかりと私のお手製チョコレートがありました。
ホッと一息、これで安――
「ぁわっ!?」
――心した瞬間に、ズルりと滑る足元。
焦っていたせいでしょうか、調理室の床が濡れていたことに気が付かず。
私は、思いっきり全身で転んでしまいました。
64 = 1 :
「いったぁ……」
固い床に受身も取れず。
そして転んだ時に何かを引っ掛けてしまったのでしょうか、私の指先は小さく血が滲んでいました。
「……あ」
慌てて顔を上げて確認すると、少し皺くちゃになった小包。
その中にある、私のチョコレートは――
65 = 1 :
「……ほっ」
ようやく、安心。
箱は皺くちゃになっていたけど、中のチョコレートは無事でした。
これなら、帰りに包みを買ってお家でラッピングすれば、明日にはちゃんと彼に渡すことができる筈です。
「良かったぁ……」
今はとりあえず、この包みに入れて帰ろう。
そう思って私は、少し慎重にチョコレートを仕舞いました。
指先から、赤い血がチョコに染み込んでいることには気付かずに。
66 :
チョコ食べると鼻血出るからな 鉄分をいれたんだな
67 = 1 :
バレンタイン、当日。
彼が、私たちのチョコレートを選ぶ瞬間。
不思議と、私は確信めいた予感を抱いていました。
68 = 1 :
何故、でしょうか。
彼が、私のチョコレートを摘んだ時に。
私の胸の中に、緊張とも、ときめきとも違う、新しい高鳴りが生まれたのです。
口を動かす度に。
まるで、私そのものが、彼の下に転がされるような気がして。
69 :
あっ……
70 = 1 :
気が付いた時には。
私は、ありとあらゆる幸せよりも温かい、彼の胸の中に包まれていました。
じくりと痛む指先さえも、私を祝福しているような気がして。
「……あぁ……」
私は、確信したのです。
この痛みが、私に幸せを運んでくれたのだと。
71 = 1 :
流した赤色は、幸せの彩り。
そのことに気が付いた私の未来は――きっと、幸せに満ちていることでしょう。
72 :
修羅場と言うよりヤンデレが強い。ヤンデレは好物なのでバッチリですが、京太郎は襲われる側や翻弄される側が似合う。
修羅場の宮守で脱衣麻雀をしたらもう一度団結できるかな。
73 :
ヤンデレでええやん!
74 :
幸せの青い鳥ならぬ赤い血か。
75 :
3月2日行こうdatが使えなくなるってまじかよ・・
76 :
>>75
今の専ブラのほとんどはSS速報とかの外部の板見れるだけのブラウザになるらしいね
ユーザの書き込み情報とか外部に売る気満々だし流石に仕様変更後の2chの住民になろうとは思えないな
77 :
「部長はいつ先生に告白するんだー?」
その日、初めて。
竹井久は、飲んでいた紅茶を吹き出すという経験をした、
78 :
来た!清澄先生編来た!これで勝つる!
79 :
咲ももどっちもヒッサもヤバいからな…まさに地雷原
80 = 1 :
「な、なに言ってんの……?」
むせ返り、息苦しさに涙目になりながら優希に突っ込む。
突然の爆弾発言に、折角の休憩時間だというのに久の心はさざめき立つ。
「第一、告白ってそんなの」
「そんなの?」
「あ、ありえないし……先生と生徒だし……」
部員たちの生暖かい視線が妙に妙に突き刺さる。
頰に強く熱が集まっていくのを自覚した。
らしくない、と思っても止められない。
81 = 78 :
次回「バトリング」
回るターレットから、久に熱い視線が突き刺さる
82 = 1 :
「立場、ということなら……部長は3年生ですし。卒業すれば年齢も問題ないですよね」
切り込んでくるのは優希だけではない。
済ましたように見えて、意外と恋愛に興味津々な和。
それなりに長い付き合いのまこは生暖かい目で見てくるし、咲も苦笑しながらも二人を止めようとはしない。
「……練習! 休憩終わり! 大会まで時間無いんだから!」
「あ、逃げた」
「ヘタレたな」
対して、久の打つ手は逃げの一手。
部長権限で無理矢理会話を終わらせ、練習を再開する。
恥ずかしさを誤魔化すように、両の手の平を強く叩いて。
83 :
ファッキューひっ……あれ!?
84 = 1 :
「まったく、もう……」
両肩をいからせ、早足に廊下を歩く。
優希の発言と妙な空気のせいで、碌に練習に集中できなかった。
「この後、どんな顔して先生に会えばいいのよ……」
大会に向けての打ち合わせと、今後についての話し合い。
部長と顧問という関係上、当然それは避けられない。
避けるつもりもないが――どうしても、さっきの発言を意識してしまう。
「そりゃ、先生のことは……嫌いじゃ、ないけど」
85 :
でもこっから修羅場なんでしょう?
86 = 1 :
全国に行きたいという久の夢に、真面目に向き合ってくれて。
宮永咲というキーパーソンを連れて来てくれた。
大人として、男性として、久の手の届かない所を一生懸命カバーしてくれた人。
「……」
背中だけじゃ、物足りなくて。
横顔を、視線で追ってしまうこともあったけれど。
「……い、いきなり……告白なんて……ねぇ」
ぶつぶつ呟きながら廊下を歩く。
生徒とすれ違うことがなかったのは、久にとって二重に幸運なことだった。
なんせ――今の自分を鏡で見れば、恥ずかしさで悶絶してしまうような表情を、彼女は浮かべていたのだから。
87 = 78 :
ネリーかわいい
88 = 1 :
不意に、開けっ放しの窓から風が吹く。
程良い涼しさを持った風に、久の頬と思考は強制的に冷まされた。
「……はぁ」
一つ溜息をついて、窓を閉める。
こんなのだから、部員たちに言いようにからかわれるのだろう。
「……もう」
しかし、お陰で冷静になれた。
職員室の前で、久は気を引き締めてドアに手をかけ――
「俺も、愛してるよ……貴子」
89 :
えぇ…
90 :
そっちかあ
91 = 78 :
やはりか
92 = 1 :
「ああ、わかってる」
「はは、浮気なんてしないって」
「そうだな……」
「……電話じゃ、言えないから」
「全国」
「全国大会が終わったら、言いたいことがあるんだ」
93 = 1 :
身体が、意思に反して固まって。
聞きたくない言葉だとしても、耳を塞ぐことすら出来なかった。
「……ん? 竹井か?」
結局、電話が終わって久に気付いた京太郎がドアを開けるまで。
久は、まるで床に縫い付けられたかのように、一歩も動けなかった。
「……電話、してたの?」
「あぁ……待たせちゃったか。ごめんな」
ううん、と首を横に振って。
久は、職員室に足を踏み入れた。
94 = 1 :
貴子、という女性は先生の愛する人なんだろう。
私が後ろ姿を見ていた時。
きっと――その人は、私よりもずっと近い距離で。
「先、生……」
知らないうちに、手を強く握る。
強く込み上げてくる気持ちは悲しさなのか、悔しさなのか。
それすら、彼女にはわからない。
わかったとしても――その手に、彼が触れることはないのだから。
95 = 1 :
ベッドに潜り込んで、目を閉じても。
久の心の中には、彼のことばかり。
「……痛い」
爪の食い込んだ手の平から、噛んだ爪から血が出ても。
彼女の心の渦は、止まらない。
いつも、中心にあった筈の彼が、今は果てしなく遠い。
「……あぁ」
だから。
「そっか……」
痛みの中で、彼女は気が付いた。
「……そうすれば、いいんだよね」
彼が触れてくれないなら――自分で、触りにいけばいいだけ。
96 :
これはもしかして先生編1の教育実習生Verかな?
97 :
この世界線でもヒッサは爪を噛むのか…
98 = 1 :
「竹井、二人きりで話って?」
必要なモノは、たったの3つ。
「……先生とは、3年の付き合いだから」
「おう?」
「先生にしか、言えないことがあるの」
夏が近づいている時期。
差し出したアイスティーを、彼は何の疑問も抱かずに口にした。
「貴子さんって……風越のコーチよね?」
「竹井……?」
「もし、そんな真面目な人が」
「恋人が教え子に手を出したって知ったら、どうなっちゃうのかしら?」
100 = 78 :
アウトーッ!
みんなの評価 : ★★★
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