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    元スレ咲「お姉ちゃんとケンカしてなかったら」

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    251 = 1 :

    「わかったよ…じゃあ残ったおかずは私が食べるから、お味噌汁くらいは飲んでね」

    「…!うん、ありがとう咲」

    「うん、まあ昔はよく私が食べきれない分をお姉ちゃんが食べてくれてたし…お互い様かな?」

    「いい妹を持って幸せ…」ナデナデ

    「どちらかというとお前がダメな姉って感じだけどな」

    「むっ…」

    誠子「確かに咲ちゃんが姉って言われた方がしっくりくるところはありますね」

    尭深「それは少しわかる…」

    「………!」ガーン

    「そ、そんなことないですよ!お姉ちゃんは立派なお姉ちゃんですよ!」

    「………咲ぃ」ウルウル

    「よしよし、泣かないでお姉ちゃん」ナデナデ

    菫誠子尭深(…咲ちゃんが立派な姉にしか見えない……)


    「……よし、みんな食べ終わったな」

    「はい」

    照咲菫誠子尭深「ごちそうさまでした」パチッ

    252 = 1 :

    照の部屋

    「…咲、お風呂どうする?」

    「あー……私ちょっと食休みしたいからお姉ちゃん先に入ってきてよ」

    「わかった、それじゃ入ってくる」スタスタ…ガラッ

    バタン

    「……………………」ポツーン

    「……………………」ポツーン

    「………一人だとなんか寂しい……」


    ガラッ

    「わっ!咲、どうしたの?」

    「…お姉ちゃん、一緒に入っていい?一人だとなんか寂しくて…」

    「咲………うん、いいよ。おいで」

    「うん、ありがとう」トテトテ

    253 = 1 :

    「まったく……咲は寂しがり屋なんだから…」ナデナデ

    「お、お姉ちゃんだって同じでしょ!」

    「はいはい」ナデナデ

    「むー……」

    「じゃあ髪洗ってあげるからここ座って」

    「あれ、お姉ちゃんは?」

    「私はもう洗っちゃったから大丈夫」

    「え、私だけ洗ってもらうの悪いよ…」

    「気にしなくていい。はい、シャワーかけるから目つぶって」シャワァァァ

    「ん」

    「シャンプーしまーす」ワシャワシャ

    「んー♪」

    「どう?痛くない?」ワシャワシャ

    「うん、ちょうどいいよ」

    「なら良かった」ワシャワシャ

    「♪」

    254 = 1 :

    「……」ワシャワシャ

    「♪」

    「……」ワシャワシャ

    「……ねえ、お姉ちゃん」

    「……ん?」ワシャワシャ

    「……ううん、なんでもない」

    「もう……なに?」ワシャワシャ

    「呼んでみたかっただけだよ」

    「……………」ワシャワシャ

    「♪」

    「……………とりゃ!」グリグリ

    「いだだだ!何するのお姉ちゃん!」バタバタ

    「正直に言わないと頭グリグリの刑!」グリグリ

    「いだだだ!呼んでみたかっただけだよぉ!」ジタジタ

    「ほんとのほんと?」グリグリ

    「ほんとのほんとだよ!」ジタバタ

    255 = 1 :

    「なら良し!」ピタッ

    「もー…お姉ちゃんてば乱暴なんだから…」イタタタ

    「くすぐりのほうが良かった?」ワキワキ

    「ど、どっちも嫌だよ!」

    「はいはい、じゃあくすぐりはまた今度ね。シャンプー流すから座って」

    「くすぐりは遠慮しておくよ…」チョコン

    「シャワーかけるから熱かったら言ってね」シャワァァァ

    「んー♪」

    「よし、完璧」

    「ありがとうお姉ちゃん」

    「どういたしまして。次は背中流すね」

    「あ、うん。ありがとう」

    「痛かったら言ってね」ゴシゴシ

    「うん、平気だよ」

    256 = 1 :

    「…そういえば咲、少し痩せた?」ゴシゴシ

    「え、そうかな…」

    「うん、なんとなくだけど…そんな感じがする」ゴシゴシ

    「うーん…8月の頭に夏風邪引いたから、そのせいかな…」

    「え、そうだったの?大丈夫?」ゴシゴシ

    「うん、そんなにひどくなかったし平気だよ」

    「…言ってくれればお見舞い行ったのに……」ゴシゴシ

    「いや、お姉ちゃんその頃インハイだったし…」

    「麻雀より先のほうが大事」ゴシゴシ

    「もし今後そういうことがあったらちゃんと言って」ゴシゴシ

    「でも……」

    「わかった?」ゴッ

    「う……わかったよ…」

    「よし、いい子いい子」ナデナデ

    「うぅ~…」

    257 = 1 :

    「咲、背中かゆいところない?」ゴシゴシ

    「あ、うん」

    「よし、じゃあ流すね」シャワァァァ

    「ふー、ありがとうお姉ちゃん」

    「どういたしまして。もう上がろうか」

    「うん、そうだね」

    ガラッ

    「うわ、あっつい…」

    「むしむしする…さすがに今日はクーラー入れようか…こんなんじゃ寝れない」

    「うん……さすがにこれは暑すぎるよ…」

    「スイッチオン…」

    ピッ……ゴォォォォォ

    「あ、なんか涼しい風出てきた…」

    「もう少しすれば涼しくなる…」

    258 = 1 :

    「さてと…まだ10時過ぎ…咲、何しようか…」

    「うーん…寝るにはまだ早いしね…」

    「……あ、そうだ咲!オセロやろうオセロ!」

    「え、オセロあるの?」

    「うん」ゴソゴソ

    「でもお姉ちゃん、オセロすっごい弱いじゃん…」

    「昔の私とは違う…菫にたくさん鍛えてもらった。今こそリベンジの時!咲、勝負だ!」ババン

    「お姉ちゃん、先に角二つ取っとかなくて平気?」

    「ば、馬鹿にしないで!もうハンデがなくても大丈夫になった!」

    「ふーん、じゃあ遠慮しないからね」

    「のぞむところだ!私がどれだけ強くなったか思い知れ!」

    259 = 1 :

    今日はここまでです。続きは明日も投下したいと思っておりますが、できない場合もあります。
    では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。
    次回もお付き合いいただけると嬉しいです。

    262 :

    おつおつ
    かわいい

    263 :

    角二つもらって勝負になるって絶望的に弱いな…

    264 :

    >>263
    (かど)が角(つの)に見えて、両側にホーンが付いたてるてる想像

    265 :

    やっと追いついたー!みんなかわいくてやばい
    ちょー昔に読んだ虎姫のメンバーがけいおんっぽいやつと雰囲気が似てる気がする…

    266 :

    続き投下します


    「お姉ちゃん白と黒どっちにする?」

    「先んずれば人を制す!もちろん黒!」

    「わかった、じゃあ私が白ね」

    「うん。じゃあ始めるよ…」トン

    「よっと…」トン

    「………」トン

    「………」トン


    一時間後

    「…………………」ズーン

    「お、お姉ちゃん…そんなに落ち込まないでよ…」

    「…菫にあんなに練習付き合ってもらったのに……また負けた…しかも5連敗…」

    267 = 1 :

    「お姉ちゃん…私から一つアドバイスしとくよ」

    「…?」

    「次に置こうと思ってるところ見つめる癖、どうにかしたほうがいいよ」

    「え…そんなに見てる?」

    「うん、盤面に穴があきそうなほどに…」

    「むー…こうなったら目隠ししてオセロするべき…?」

    「……お姉ちゃんそれ本気で言ってる?」

    「ん、なんで?」

    「目隠ししたら何も見えないじゃん」

    「……!…も、もちろん冗談に決まってる!」アセアセ

    「………」ジーッ

    「な、なに?ほんとだってば!」アワアワ

    「……まあいいや、そういうことにしておくよ」

    「むぅ……」

    268 = 1 :

    「ふぁあ……」アクビー

    「咲、眠いの?」

    「うん、少し……」

    「あ、もう11時半過ぎてるのか…」

    「結構オセロやってたんだね…」

    「よし、もう寝ようか咲」

    「うん…」

    「電気は……どうする?」

    「ん…お姉ちゃんがいてくれれば暗くても平気だから」

    「…わかった、じゃあ電気消すね」ナデナデ

    パチッ

    「咲、もうちょっとこっちおいで」

    「うん」モゾモゾ

    「……」ギュッ

    269 = 1 :

    「おやすみ、お姉ちゃん…」キュッ

    「うん、おやすみ」ナデナデ

    「……」ウトウト

    「……」ナデナデ

    「」スピー

    「……」ナデナデ

    「」クカー

    「咲………おやすみ」ナデナデ

    「」スピー

    「」スピー

    270 = 1 :

    翌日・朝7時

    チュンチュンチュンチュン

    「………」ムクッ

    「」スピー

    「………………あれ、今何時?」キョロキョロ

    「」クカー

    「……7時か…こんなにすっきり目が覚めたのはいつ振りだろう…」

    「んむ~……」クークー

    「咲は…まだ寝てるのか…」ナデナデ

    「ん………」スピー

    「咲………」ナデナデ

    「んう~……」クカー

    (…小さいころと同じ顔して寝てる……)ナデナデ

    271 = 1 :


    コンコン

    「ん?」

    テルーアサダゾー…オキテルワケナイカ…

    「菫か…」ノソノソ

    ドアガチャ

    「おはよう菫」

    「ああ、おはy……照!?」

    「なに、そんなに驚いた顔して…どうしたの?」

    「ててて照がこんな時間に起きてるだと…!?天変地異の前触れか!?」ガクブル

    「菫、それは言い過ぎ。私だって朝早くに目が覚めることもある」

    「お前と知り合ってこのかた、そんなことは一度もなかったぞ」

    「じゃあ今日が記念すべき一回目だね」

    「毎日こうだと助かるんだがな…」

    「それは無理」

    「お前なぁ……」ハァ

    272 = 1 :

    「ところで咲ちゃんは?」

    「まだ寝てる」

    「」スピー

    「ぐっすりだな…」

    「うん」

    「すまないが…もうすぐ朝食の時間だから起こしてやってくれ」

    「わかった」

    「」クカー

    「咲、起きて…」ユサユサ

    「んん……」ゴロッ

    「咲…もうすぐ朝ごはん……」ユサユサ

    「ん~…あと5分……」

    「……咲、起きて」ゴッ

    「ひぇっ!?」ガバッ

    (…オーラ使って起こすってすごいな……)

    「やっと起きた…」

    「お、おはようお姉ちゃん…」ビクビク

    「おはよう」

    273 = 1 :

    「おはよう咲ちゃん、よく寝れたか?」

    「あ、おはようごz…ひ、弘世さん!?いつからそこに!」

    「ああ、ついさっきな」

    「あわわわ、すみません!みっともないところをお見せして…」ペコペコ

    「いや、気にすることないぞ。それに照よりよっぽど寝起きがいい」

    「私は今日ちゃんと起きれた」

    「今日だけな」

    「むー…」

    「起きてすぐですまないが咲ちゃん…そろそろ食堂に行かないと席が込んでくる…」

    「あ、はい。わかりました」

    「誠子と尭深は?」

    「ああ、先に言ってるってさ」

    「じゃあ待たせても悪いし早く行こう」

    「そうだな、行こうか」

    「咲、おいで」

    「うん」テテテ

    274 = 1 :

    食堂

    誠子「あ、先輩おはようございます」

    尭深「おはようございます」

    「おはよう、待たせてすまんな」

    誠子「いえ、そんなことないですよ」

    尭深「咲ちゃんもおはよう」

    「おはようございます」ペッコリン

    「よし、じゃあ食べるか」

    「うん」

    照咲菫誠子尭深「いただきます」パチッ

    照咲菫誠子尭深「……」モグモグモグモグ

    照咲菫誠子尭深「ごちそうさまでした」パチッ

    275 = 1 :

    「ふぅ……もう9時前か…」

    誠子「11時に駅ですよね、何時ごろ寮を出ましょうか」

    「そうだな、余裕をもって10時半くらいか」

    誠子「わかりました」

    尭深「10時半前に宮永先輩の部屋に行けばいいですか?」

    「そうだな、そうしてくれ」

    誠子「わかりました、ではまたあとで」

    尭深「お先に失礼します」ペッコリン

    「ああ、あとでな」

    276 = 1 :

    照の部屋・10時半頃

    「咲、準備できた?」

    「うん、ばっちりだよ」

    コンコン

    「あ、みんな来たかな」

    ドアガチャ

    「二人とも準備できたか?」

    「うん」

    「そうか。よし、ならそろそろ行こうか」

    「うん」

    「あの、いろいろお世話になります」ペッコリン

    「ん、気にするな」

    誠子「それにしてもプライベートで都心に行くのは久しぶりですね」

    尭深「確かに…」

    「まあそうだな、インハイはプライベートとは違うしな…」

    「おいしいお菓子たくさん……!」ワクワク

    277 = 1 :

    「思えば私、都心に行くのは初めてかもしれないです」

    「そうなのか?」

    「はい、前にお姉ちゃんに会いに来たときは日帰りだったので…」

    「ああ…そういえばそうだったね」

    「長野と東京往復で日帰りか…なかなかハードだな…」

    「まあ今日は時間はたくさんあるんだし、ゆっくりしていくといい」

    「はい、ありがとうございます!」





    「着いたな」

    「淡は…まだ来てないみたい」

    「なんだかんだでもう11時前なんだが…」

    278 = 1 :

    「あ、ねえ菫…あれ淡じゃない?」

    「ん?どれだ?」

    「あれ、こっちに向かって走ってくるあれ」ユビサシ

    「あ、ほんとだ淡だ」

    ドドドドドド

    「おっ…お待たせ…しました…」ヒューヒュー

    「虫の息だな…寝坊したのか?」

    「………」コクコク

    「淡ちゃん大丈夫?」

    「だっ…大丈夫……」ヒューヒュー

    (おおよそ大丈夫な人の顔じゃない……)

    「淡、死にかけのところすまないがそろそろ電車が来る。歩けるか?」

    「はい……」ゼェゼェ

    「よし、なら行こうか」

    279 = 1 :


    ドアガシマリマースゴチュウイクダサーイ…プシュー

    「弘世さん、どのくらい電車に乗るんですか?」

    「そうだな、まあ二時間くらいかな」

    「臨海は会場が近くてズルい。来年はこっちのほうでやるべき」

    「まあそういうなよ、うちなんて近いほうだろ」

    「まあそうだけど…」

    誠子「そうですよね…沖縄とか北海道なんて来るだけで一苦労ですよね」

    尭深「交通費と滞在費がすごいことになりそう…」

    「そういえば、長野の強豪校ってどこなの?」

    「うーん、ここ最近は風越ってところが全国に行ってたけど…」

    「今年は龍門渕が出てきた」

    280 = 1 :

    とりあえず、いったんここまでとさせていただきます。
    夜にまた投下するかもしれません。
    では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

    281 :

    待ってたよ、乙

    284 :

    続き投下します


    「ふーん、強いの?その龍門渕ってところ」

    「淡、龍門渕の試合見てないの?」

    「うん、白糸台の試合しか見てないよ。他の高校とか興味ないし」

    「なら録画を見ておいた方がいい。龍門渕の天江衣はすごい……淡といい勝負できると思う」

    「あ、私も見たよ。確かにすごかった」

    「え、そんなに?」

    「あれは照とか淡いと同じで化け物の類だな」

    「化け物って……ひどい菫…」

    「あ、すまん。つい本音が…」

    「そうだ、あの人もすごかったよね」

    「あの人?」

    「えーと、あれ…名前が思い出せない…鹿児島の巫女さん」

    「ああ、神代小蒔だな」

    285 = 1 :

    「あ、そうです、その人!」

    「神様降ろすって本当なのかな?」

    「いや、さすがにそんなオカルトありえないだろ…」

    「…神様?」

    「ああ、なんでも身体に神様を降ろして麻雀するらしい」

    「えー、なにそれずっこい」

    「もし来年あたる機会があったら鏡で見てみる」

    「鏡に神様うつったりするのかな?」

    「…!…なんか面白そう…神様見たい…!」

    「いいなぁ、お姉ちゃんは鏡が使えて…私も鏡使えたら良かったのに…」

    「大丈夫、神様見えたらどんな感じだったかちゃんと教えてあげるから」ナデナデ

    「うん」

    286 = 1 :

    「おっと、そろそろ着くな」

    ドアプシュー

    「わ、すごい!ビルばっかり!」

    「よくあんなに高いビル建てられるよね。大工さんすごいなぁ」

    「淡、ちょっといいか?」チョイチョイ

    「ん?」

    「淡、お前に一つ頼み事がある」

    「え、めんどくさいのは嫌ですよ?」

    「いやなに、そんなに大変なことじゃない」

    「ほんとですか?」

    「ああ。咲ちゃんの手を握っておいてほしいんだ」

    「え、なんで?」

    「淡、照の方向音痴は知っているよな?」

    「…!…もしかしてサキも…?」

    「ああ、そのとおりだ」

    「…わかりました。サキの手を離さなければいいんですね?」

    287 = 1 :

    「ああ、すまんな」

    「テルの手はどうするの?」

    「照の手は私が握っておく。これで抜かりない」

    誠子(弘世先輩も大変だなぁ…)

    尭深(姉妹で極度の方向音痴ってすごい…)

    「菫、なにしてるの?早く行こうよ」

    「ああ、すまん。だがその前に照、手を出せ」

    「…?これでいい?」スッ

    「ああ」ギュッ

    「い、いきなり何?」

    「気にするな、お前に迷子になられたら困るだけだ」

    (…なんだ、そういうことか……)

    288 = 1 :

    「はいサキ、私たちも手つなご?」スッ

    「ええ、恥ずかしいよ…///」

    「だーめ。こんなところで迷子になったら絶対見つからないからね」

    「うぅ……」

    「もー、せっかく来年の高校100年生が手を繋いであげようというのに…」

    「うぅ…わかったよ」ギュッ

    「よろしいよろしい!」

    「よーし、じゃあさっそくインハイ会場に向かってしゅっぱーつ!」ダダダッ

    「わわっ、淡ちゃん引っ張らないで!」

    「あ、待ておい!…照、私たちも行くぞ」ダダダッ

    「わっ、菫ちょっと待って…」ダダダッ

    誠子「あ、先輩待ってくださいよ!」ダッ

    尭深「………」クイッ

    誠子「ん?なんだよ尭深…早く行かないと置いていかれるぞ」

    尭深「………」ジーッ

    誠子「…!…私たちも手、繋ぐ?」スッ

    尭深「…うん」キュッ

    誠子「よし、それじゃあ行こう!」ギュッ

    289 = 1 :

    インハイ会場

    「ついたー!」

    「おお…ここが…」

    「ちょっとここで待っててくれ、受付に行ってくる。照、行くぞ」

    「え、私も?」

    「当たり前だ。お前の手を離したらどこに行かれるかわからないからな」

    「むー・・・信用ないなぁ」

    「当たり前だ」

    ダイタイオマエハイツモ…アーアースミレウルサイ

    「結構大きいんだね、インハイ会場」

    「うん、私も初めて来たよ」

    「中ってどんな感じなんですか?」

    誠子「うーん、私たちもモニタールームしか入ったことないから何とも…」

    290 = 1 :

    「すまん待たせた…確認取れたぞ。控え室以外は入っていいそうだ」

    「やったー!行こう行こう!」

    「会場内は走るんじゃないぞ」

    「それくらいわかってますよー」

    「ならよし、行こうか」

    ドアウィーン

    「わぁ、中も広いですね…天井高い…」

    「さて、どこから行こうか」

    「やっぱり最初は競技室でしょ!」

    「うん、そうだね。弘世さん、競技室でお願いします」

    「わかった、競技室だな…といってもたくさんあるが」

    「決勝会場以外はどこも同じだし、一番近いところでいいんじゃない?」

    「それもそうだな」

    誠子「ここから一番近いっていうと…」

    尭深「競技室A…そこの角を曲がってすぐ」

    「そこの角を曲がってすぐだね!行こうサキ!」グイグイ

    「うん!」

    「あ、走るなって言ったのに…」

    「しょうがないよ菫、私たちも行こう」

    「ああ…」

    291 = 1 :

    「とーちゃーく!」

    「おお…すごい…広い…」

    「こんな部屋がたくさんあるのかー…さすが全国…」

    「はて……こんなに広かったかな、ここ」

    誠子「緊張してたんじゃないですか?それで周りがあんまり見えなくなってたとか…」

    「あー…確かにそうかもしれないな…」

    「菫…緊張してたんだ…ガラにもなく」

    「む…私だって緊張くらいするぞ」

    「ふーん」

    「興味なさそうだな」

    「うん」

    「なんか腹立つな」

    292 = 1 :

    「うわ、カメラがこんなにある!」

    「ほんとだ……なんか恥ずかしいね」

    「え、なんで?」

    「だ、だってこれ…自分が麻雀してるところをたくさんの人に見られるってことでしょ…?」

    「そんなの気にしない気にしない!サキ強いんだから、堂々と打ってればいいんだよ!」

    「そ、そんなこと言われても…」

    「咲、そんなに恥ずかしがることない…すぐ慣れるから」

    「…………………ぷっ」クスッ

    「………菫、なんで笑うの」

    「いや…照が初めて公式戦出たときのこと思い出してたんだよ」

    「!!!」

    「テルが初めて公式戦出たときのことって?」

    「私も気になります」

    「いやな、てr 照「す、菫!それ以上はダメ!」

    「えー。気になるよー!いいじゃん昔話の一つや二つ…減るもんじゃないし」

    「減るの。いろいろ減るの」

    「何が減るの?」

    「威厳」

    「ならいいじゃんもう無いよ」

    「!!?」

    293 = 1 :

    「……………………」グスッ

    「膝抱えて部屋の隅に座り込んじゃった……」

    「大丈夫なのかあれ…」

    「しばらく放っておけば元に戻ると思いますよ」

    「昔からああなのか?」

    「そうですね…お父さんがお姉ちゃんのお菓子食べちゃったときとかは一日中あんな感じでしたね…」

    「お菓子か…」

    「はい…」

    「ねーねー、それよりもテルが初めて公式戦出たときの話は?」

    「ああ…そうだったな……」チラッ

    「……………………」ズーン

    (こっちの話は聞いてなさそうだし大丈夫か……)

    「はーやーくー」

    「ん、ああ。それじゃ…」コホン

    咲淡「………」ワクワク

    尭深(地味に気になる………!)ワクワク

    294 = 1 :

    「いやな、あいつ、去年の春季大会が初めての公式戦だったらしくてな…」

    「ふんふむ」

    「それはもうこれ以上ないくらいに緊張してたんだよ」

    誠子「あの宮永先輩が……」

    「ああ、特にカメラを気にしてたみたいでな。でもまあそうだよな、初めての公式戦だったらカメラも初めてだったろうし」

    「それでそれで?」

    「ああ、変に意識しすぎて逆にカメラ目線になったりしてな…ぷっ、あの時の照の顔は思い出すだ下で笑える」

    「えー、祖見れ先輩だけずっこい!私もテルの情けない顔見たいー!」

    「まあ聞けよ。それで試合後に控え室に戻ってきてな…」

    『ずみ゛れ゛ぇ…ガメラやだよぉおお…ごっぢ見でぐる゛よぉぉ!』ビエー

    「って、それはもう情けない…そうだな…ちょうどこんな顔で」

    「(´;ω;`)」カオマネ

    295 = 1 :

    「ぶはっ!あはははははははは!!テルってばかわいー!あはははははははは!!」ゲラゲラ

    「ぷっ…淡ちゃん、そんなに笑ったらお姉ちゃんに悪いよぅ…くふっ!あははははははは!!」ケラケラ

    誠子「……………ぶふっ」プルプル

    尭深「………ゲホッ!?…ゴホゴホ」ビチャビチャ

    (……尭深、無理に笑いを堪えようとしてお茶を飲もうとしたが失敗)

    「……………菫」ゴゴゴゴゴ

    「ひぅっ!?」ビクッ

    「………………」ゴゴゴゴゴ

    「お、おい照…そんなに怒るなよ…」ビクビク

    「さっきの顔マネは何?」ゴゴゴ

    「…怒るところはそこなのか?」

    「当然……私はあんな情けない顔した覚えはない」

    「いや、お前あんな感じだったぞ。自分でも割とうまく再現できたと思ってる」

    「……そんなことない」

    296 = 1 :

    「何を根拠に…お前あの時の自分の顔見てないだろ」

    「見なくてもわかる。私があんなへなちょこな顔するわけない」

    「…本当にそう思っているのか?」

    「ロンおぶモチ」

    「…寮に戻ったら証拠写真がある。それを見ても同じことを言えるのか?」

    「!!?」ガタッ

    「い、いつの間に撮ったの!?菫の盗撮魔!!」

    「盗撮魔とは失礼な……へなちょこなお前があんまりにかわいかっt…ゲフンゲフン」

    「へ、へなちょこなお前があんまりに情けなかったからな…ちょっと記念撮影を…」

    誠子(弘世先輩も素直じゃないなぁ……)

    「ひどい……菫の鬼……」グスッ

    「!!?」アセッ

    「あー!菫先輩がテル泣かせてるー!いけないんだー」

    「お、おい!人聞きの悪いことを言うな!だいたいお前も爆笑してただろうが!」アセアセ

    「ふーん、知ーらない」フイッ

    「っこの………!」ワナワナ

    297 = 1 :

    「うぅ…咲ぃ…菫がいじめるよぉ」ダキッ

    「あーよしよし、泣かないでお姉ちゃん」サスサス

    「うぅ…咲ぃ……」ズビズビ

    「お、おい…悪かったって照…泣くなよ…かわいい顔が台無しじゃないか…」アセアセ

    「………///」グリグリズビズビ

    (照れ隠しに私に顔うずめるのはいいんだけど…鼻水…)サスサス

    「ほんとに悪かったって…お菓子でもおごってやるからさ…泣き止んでくれよ」アセアセ

    「……!」ピクッ

    298 = 1 :

    今日はここまでです。
    続きは、早ければ水曜日に投下できると思います。
    では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。


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