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    元スレ電「お姉ちゃん達はズルいのです」

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    タグ : - ヤンデレ + - 艦これ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    1 :

    「失礼します、司令官さん」

    ノックをしながらそう告げる声がした。
    この声は……電だ。

    「どうぞ」

    「はい、失礼します」

    またもや失礼します、と言いながらやっと入ってきたのは予想通り電だった。
    私は読んでいた本に栞を挟んだ。

    SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1421946879

    2 = 1 :

    「電か。どうしたんだ?」

    「司令官さんは今、お忙しいですか?」

    「ん?いや、正直言って暇だ」

    今日の任務は一通り終えて、今は大して忙しくない。
    国民を担う軍としてはどうかと思うが、元よりこの寂れた鎮守府に来る任務などたかが知れている。何より、ここら一帯は深海棲艦も姿を見せることは滅多にない。
    はっきり言ってやることが無かった。

    「あ、あの!」

    急に電の声が大きくなる。オドオドした様子から一変。下を向いていた顔も上がり、俺と目があった。

    「ん?」

    「そ、それなら……一緒にお話しません……か?」

    かと思えば、徐々にトーンは下がり、それに応じて顔も俯いてしまった。

    3 = 1 :

    可愛い電ちゃんの壊れていくまでを描いたお話です(予定)

    書き溜めが無いに等しいですが、一応大まかな構成はできているので逃げたりはしないかと

    4 = 1 :

    「……ふむ」

    つい出てしまう頭を働かせているときの口癖。それに反応して彼女はチラリとこちらに目を向けた。
    やはり、艦娘たちも随分と手持ち無沙汰らしい。

    「あの……」

    顔を覗き込んでくる電の目には不安が宿っているのがわかった。

    「ん、ああ、構わないよ。やっぱり暇なんだなぁ、って思っただけさ」

    「それならよかったのです」

    誤解が解けたらしく、電は小さく溜め息をつく。

    腕時計に目をやると、1500になろうとしていた。秘書艦が近くで時間を教えてくれていたからか、久しぶりに時計を見た気がする。
    もっとも、今日は休暇を言い渡しておいたのでその時報を聞けていないのだが。

    5 = 1 :

    「せっかくだから、おやつもどうかな?
    いっそのこと街に行くのもいいだろう」

    桜が散り、葉桜になりきろうとしているこの時期。外はいい気温じゃなかろうか。

    「えっ?いいのですか?」

    「暁達には内緒にして欲しいけどな」

    それを聞くと電は黙ってしまった。
    人を思いやる気持ちが強い彼女のことだ。たとえおやつと言えども姉達を裏切る気がしてならないのだろう。
    ……仕方がない。

    「やっぱり、外に行こう。この前鈴谷から聞いた喫茶店に行ってみようか。そこでお土産も買って帰ろう。これなら文句が出ないだろう」

    安心したのか、電は小さくニコリと笑った。

    「……はい!ありがとうなのです!」

    6 = 1 :

    始めた時間が悪かった……
    今日はもう寝ます

    7 :

    歪んだ愛情やめろ(期待)

    9 :

    支援砲

    10 :

    助けた敵もできれば沈めたいのです。

    11 :

    壊れるのかよぉ・・・

    12 :

    電ちゃん壊れないで...

    13 :

    壊れるなんて言いましたが少し違うのです。
    控えめな性格が少し強くなるだけなのです。
    これはとても素晴らしいことなのです。

    少しだけ投下。

    14 = 1 :

    この時間の街はいい意味で静かで落ち着いていた。
    途中近道だからと通り抜けた公園では、幼稚園児ぐらいの子供たちがブランコを勢いよく漕ぎ、その近くで更に小さい子達が砂場で何かを一生懸命作っていた。

    「平和だ……」

    「これも、司令官さんのおかげなのです」

    知らず知らずのうちに口から漏れていた感想に電が相槌を打った。

    「いや、そんなことはない。ここには深海棲艦なんて滅多に来ないし、何よりそれを防いでいるのは他でもない君達だ」

    これは常々思うことだ。
    人間では全く歯が立たない深海棲艦に対等に戦える艦娘。彼女ら無しでは人類はいまだに破滅の一途を辿っていたに違いない。

    「……そんなこと言わないで欲しいのです」

    「残念ながら私には何も出来ない。精々妖精さんと意思疎通出来るだけだ」

    「確かに、司令官さんは鎮守府から出ずに指揮を取るのです。ですが、傷付いた私たちを鎮守府で待っていてくれます。私たちは、また司令官さんに会いたくて、頑張ろうと思うのです」

    「……そうか」

    それからはお互い何も言わずに目的の喫茶店まで歩いた。
    だが、その静かさが私には心地よかった。

    15 = 1 :

    「さて、何を頂こうかな」

    明るいウエイトレスに案内されて、窓際の席に着く。
    窓から道路を眺めてみる。
    まだ青々とした銀杏の木が並ぶ道路。
    車道を隔てた向こうの街路樹はどうやら桜らしい。
    春は桜、秋は銀杏。ここから見るとさぞかし綺麗なんだろう。葉桜になってしまったのが少し悔やまれた。

    「司令官さん……?」

    「――おっと」

    電に呼ばれて意識が戻す。ひとまず二人の間でメニューを開いた。
    様々なケーキが目に飛び込んでくる。

    「んー……あっ」

    メニューの右下に目当てのものを見つけた。たしか、これが以前鈴谷が話してくれたタルトだろう。これとコーヒーにしよう。

    「私は決まったが、電は決まったかい?」

    「えっと……このミルクとタルトがいいのです」

    呼び出しボタンを押すと、すぐに先程のウエイトレスがやって来た。
    注文を繰り返した後に軽く頭を下げて奥に向かったウエイトレスを見送ったら電が話しかけてきた。

    16 = 1 :

    「綺麗なお姉さんなのです」

    「あぁ、そうだな」

    「電もあんな大人の人になりたいのです」

    恐らく彼女は、見た感じ大学生のアルバイトだろう。どうでもいいことなので流したが。

    「電は顔が整っているから、将来絶対に美人になるよ」

    顔をみるみる赤くしていく彼女は実に初々しい。今の言葉は本心だが、彼女をいじるのは楽しい。

    「あ、ありがとうございますなのです」

    「本心だけどな」

    「はわわ!か、からかうのはやめて欲しいのです!」

    彼女は頑なに否定する。お世辞と思っているようだ。
    彼女はどうしてここまで自分に自信が無いのか。数年もすれば周りが羨むような美少女になっているはずなのに。

    「いや、本当に本心だ。私が電と同級生だったなら告白していたはずだぞ」

    笑いながらそんな夢物語を口にする。
    しかし学生か……
    今軍で働く艦娘達が解雇され、学生になるなんていうのは、私にとって何よりも平和の象徴に思えた。

    「……あの、司令官さん」

    「ん?どうしたんだ?」

    先程と打ってかわって静かに俺を呼んだ電はまた俯いていた。

    「さっきのがお世辞じゃないって言うのが本当でしたら……」

    「だったらなんだ?」

    「あの……私――」

    「司令官!」

    突然呼ばれて思わず店の入り口を見た。電の声を遮ってテーブルに近づいて来たのは、電の姉の一人である雷だった。

    17 = 1 :

    ひとまずここで中断

    18 :

    雷ちゃん!

    19 :

    ぼくは暁ちゃん!

    20 :

    ハラショー……

    21 :

    ハラショー

    22 :

    物凄くどうでもいいことだが電ちゃんの一人称って電なんじゃ・・・

    23 :

    >>22
    そうだわ……
    電ちゃん好きの方ごめんなさい

    24 :

    一応投下前に確認していますが、ミスがあればどんどん指摘して下さい

    以下投下

    25 = 1 :

    「おぉ、雷。偶然だな」

    「……お姉ちゃん、こんにちは
    なのです」

    「電もこんにちは。って言うよりズルいじゃない電だけなんて!」

    やはり言われてしまったか……
    腕を組んで口をへの字に曲げてプンスカ怒る雷。拗ねてしまったようだ。

    「いや、雷。電とは何となく一緒に甘いものでも食べに行こうかと思っただけだ。当然お土産は考えていたよ」

    「どうせ司令官のことだから、プリンを一人ひとつのつもりだったんでしょう?」

    「う゛……」

    雷にはバレバレのようだ。
    流石に暁型だけにお土産というのも気が引けるが、予算は大して多くはない。
    結果、メニューを見た限り一番安かったプリンを一人ひとつずつにしようと考えたのだが、浅はかだったか。

    「街をブラブラしてたら前に鈴谷さんに聞いた喫茶店があったから、何となく外から中を見てたんだけど、その目の前の席に司令官が座っているのが見えて入ったのよ!」

    なるほど。先程は窓際の席とは乙なものだとか考えていたが、それが裏目に出てしまったようだ。

    26 :

    「ぷんすか!」

    27 = 1 :

    「あの、ご一緒でよろしいですか?」

    先程とはまた違うウエイトレスが寄ってくる。
    連れの姉妹の相席を断るほど鬼ではないのではい、と答えた。

    「司令官達は何を頼んだの?」

    「2人ともタルトと、私がコーヒーで電はミルクだ」

    「なら、私もタルトとミルクで!」

    注文を終え、ウエイトレスが離れていったのを見て説得に入る。

    「あのな、雷。流石にここのタルトを全員分っていうのは私の財布が大変なことになるんだ。どうか、黙っていてもらえないだろうか……」

    「ダメよ!皆がかわいそうじゃない!」

    正義感の強い雷は提案に乗ってくれなかった。
    恐らく彼女は陰口なんてせずに堂々と皆に言うだろう。そうなると他の皆から何を言われるかわかったものではない。

    「…………ふぅ」

    深い溜め息を出して、私は腹をくくった。

    「確かに不平が出るのは好ましくない。しょうがない、皆にひとつずつ買って帰ろうか」

    久しぶりの散財もたまには悪くない……そう思うことにした。

    28 = 1 :

    「…………」

    「……あら?電、どうしたの?元気が無いわね」

    「……なんでもないのです。それよりも、さすがに司令官さんが可愛そうなのです」

    メニューとにらめっこしていたが、概算でもなかなかの金額になってしまう。我が鎮守府の艦娘は大して多くはないとはいえ、タルト1つが約800円。
    前に散財したときは、マイブームだった作家の長編小説のまとめ買いだったが、今回はそれを優に越えている。

    「いや、大丈夫だ。雷に言われて気がついたよ。確かに他の子からすると、贔屓することはあまり良いとは言えないな」

    「司令官がそうおっしゃるのなら構いませんが……」

    そうこうしているうちにタルト2つとコーヒーとミルクが出てきた。

    29 = 1 :

    「先に頂くよ」

    「私は気にしなくてもいいわ」

    「電もお先に頂くのです」

    苺を真ん中に構え、周りにはブルーベリー、キウイ、林檎などのカットされたフルーツが飾られている。
    フォークを刺すと、思ったよりも生クリームが占めていることが感触でわかった。
    まずは一口。

    「……うん、旨い」

    土台がサクッと音をたてる。詳しくは知らないが、パイと同じなのだろうか。
    その音をたたて飛び出した粉を逃すまいと生クリームがしっとりと口のなかで包み込む。
    更にフルーツの酸味もいいアクセントになっている。

    「なんと言うか……ヤバイな」

    鈴谷の説明が、ヤバいヤバいと抽象的だったのも頷ける。言葉に出来ない美味しさがあった。

    「はいなのです」

    電を見ると、なぜか先程までまとっていた淀んだオーラは消え、幸せそうな笑みを浮かべていた。

    「……ねぇ、司令官」

    今度は横から声が掛かる。

    「やっぱり待てないから、私に一口頂戴?」

    顔を近づけて首をかしげる。いったいどこでそんな技覚えてきたのか……

    「まぁ、一口ぐらいなら……」

    そう思い新しいフォークを貰おうとウエイトレスを探す。

    「あ、フォークはこれでいいわよ」

    「えっ」

    これは俺の声では無い。正面の電だった。

    30 = 1 :

    「いいのか?こんなおっさんと間接キスだぞ?」

    こう言ったが、自分はまだ30手前。おっさんだとは認めていない。あくまで便宜上だ。

    「司令官となら気にしないわ。それにフォークが勿体無いじゃない」

    まぁ、一理ある。

    「なら……」

    先程口に運んだ分と同じ量をフォークに乗せる。
    そのまま雷の口に運ぼうとしたとき

    「お、お姉ちゃん。司令官さんのではなくて電の分を分けてあげるのです」

    こちらの返事を待たずにせかせかとタルトにフォークを刺す。
    そこまで自分を削らなくてもいいんだがな……
    些か度が過ぎているように思える。

    「いや、俺があげるよ。正直全部食べれるか不安なんだ」

    何より、あんな幸せそうな顔で食べていた電の分を減らすのは気が引ける。

    31 = 26 :

    よかれと思って

    32 :

    「何よりも、電はもっと食べたいだろ?」

    「あの…………はい」

    小さく頷いたが、どうにか納得してくれたらしい。
    すでに半分食べているのを見る限りかなり気に入ったようだし、内心ほっとしていたりするのかも知れない。

    「それじゃあ司令官、あーん」

    ニコニコしながら口を開ける雷は、見た目相応か、それよりも幼く見える。
    とりあえずフォークをそっと小さな口にいれる。

    「んー!美味しいわ!」

    笑顔ではしゃぐ雷を尻目に、他人の口にフォークを入れると言うのは少し怖いことを学んだ。

    「…………」

    「ん?電、どうしたの?」

    見ると、電は先程の姿から一寸たりとも違わない。
    フォークをタルトに刺したまま動いていなかった。

    「……いえ、なんでもないのです。このタルトは美味しいのです」

    一度フォークを引き抜き、同じ位置にふり下ろす。
    先程よりも強く刺しているような気がした。

    33 = 8 :

    アカン

    34 :

    ハイライトさん失踪

    35 = 1 :

    「司令官!もう一口頂戴?」

    「はいはい。夕飯食べれなくなっても知らないぞ?」

    「大丈夫よ。暁じゃないんだし」

    「…………それ、暁には絶対に言うなよ」

    拗ねて顔を合わせようとしない暁が目に浮かぶ。
    端から見るには可愛らしいのだが、当事者となれば少し面倒くさい。

    「そう言えば、あの子またピーマン残してたわよ」

    「またか……今度見たら注意しておこう」

    雷と色んな話をしたり、タルトのお返しをもらったりしているうちに私と雷の皿とコップは空になっていた。

    「……さて、そろそろ帰ろうか」

    「そうね、ご馳走さま。美味しかったわ!」

    「………………あ、あの」

    「ん?」

    控えめに電が呼ぶ声がする。電の方を向くと、彼女はまだタルトを半分ほど残していた。

    「すみません司令官さん。まだ食べ終わって無いのです……」

    「いや、こちらこそ気にも止めなかったのが悪かった。ゆっくり食べていいぞ」

    「気にも…………」

    「ん?何か言ったか?」

    ぼそりと何か呟いたような気がしたがタイミングが悪く、隣の席で注文を繰り返すウエイトレスの声と重なって聞き取れなかった。

    「いえ、何も無いのです」

    電はそう言ってパクパクと残ったタルトを食べていく。

    「そうか?……あまり急がなくても良いぞ」

    黙々と食べる電にそう声を掛けたが、スピードは下がらなかった。

    36 = 1 :

    とりあえずここまで
    言っておきますが、電はまだ正常です。精々ひびが入っていそうなくらいです。
    書き溜めが赤字でひいひい言ってますんで、更に投下速度が遅くなるかも知れません。

    38 :

    >>13
    ほんとかー?ほんとに素晴らしいことなのかー?
    取りあえず電ちゃんが最終的にかわいそうなことにならないことを願う

    39 :

    可愛いよ
    こういうの待ってたんです

    40 :

    >>38
    (電にとっては)ハッピーエンドなんで安心してください。
    なお

    41 :

    >>1のその後を知る者はいなかった

    42 :

    >>41
    大丈夫だ。夜には帰ってくる

    今更ですが実は、ここで幸せなキスをして終了、なんて可愛らしいEDは考えていません。>>3にも書いているように電ちゃんの成長を記したものとなる予定です。
    受け入れられない方は、電ちゃん不信になる前に回れ右するか新たな扉を開いて下さい。

    43 :

    やっぱりヤンデレロリは最高だぜ!

    44 :

    >>43
    俺が書こうとした事をwww
    楽しみに待ってる

    45 :

    電ちゃん以外が電ちゃんの手により轟沈して司令官独り占めできてハッピーとかないよな?

    46 :

    おっと深雪の話題はそこまでだ

    47 = 1 :

    >>45そんな訳ないだろ(震え声)

    48 = 1 :

    今言うことに特に意味はありませんが、EDについて深く考えるのはやめましょう

    49 :

    勃起不全については深く考えよう

    50 :

    だから展開予想は作者困らすだけだからやめろとあれほど


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