元スレ春香「いつからだろう」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
451 = 438 :
春香「や……」
何を言えばいいんだろう
私が何かを言ったところで、何か変わるだろうか
小鳥「やよいちゃん…!」
何でこうなるんだろう…
微かにあった繋がりがまた無くなっていく
せっかくここまで来たのに…!
私に近づいてくる足音
「どうするのよ…」
春香「え…」
452 = 438 :
伊織「あんたの言う団結…協力」
伊織「こういう時はどうするのよ」
どうする…
春香「……」
どうする…!
春香「うう…」
どうするって…
…どうすればいいの?
春香「どうもできないよ」
口から出てきた言葉は予想してもいないものだった
453 = 438 :
伊織「今…何て……言った…?」
春香「あはは…何て言ったのかな」
伊織は目を丸くしていた
伊織「あんたの言う団結って……何…だったのよ…」
何も言い返せない
伊織「あの時の意志は…」
表情が段々と険しくなっていく
伊織「あんた…ねー!」
春香「うっ…」
(全っ然練習にならないじゃない!!!)
伊織が罵声を上げればまたバラバラになってしまうだろう
454 = 438 :
伊織「ーーーーーーーーーー」
もうどうにもならないのかな
また…バラバラに
私、皆と笑っていたいよ
春香「はは…」
もうすぐ罵声が飛ぶ
………………。
……………………。
「だめですよ、伊織さん!」
伊織「え…」
455 = 438 :
…あれ?
「怒ったら…めっですよ!」
この声は?
何が起こったのだろう
誰かが伊織に話しかけている?
伊織「や…よい?」
やよいが笑っていた
伊織「さっきまで…」
やよい「えへへ…」
やよいが笑っていた
伊織「……」
伊織「分かったから…手…どかしなさい」
やよい「……」
伊織は罵声を上げなかった
伊織の頭から手を退かしたやよいは、また無表情になった
456 = 438 :
今日はもう終わりです
千早「逃げられると思いなさんな!春香わっほっほい!」
457 = 438 :
>>448
顔面麻痺というより、不安に押しつぶされてしまっているという現れです
458 :
>>437
信頼はしてるけど嫌な予感するし前に足を痛めたのに無理してジョギングしたりしてたの見たから不安だったんだろ
459 = 458 :
これ虚淵も真っ青なbadendにいきそうで怖いんだが…
460 :
高木「僕と契約してアイドルプロデューサーになってよ!」
461 :
>>458
それでも(現状の)皆の前でそんな態度をとれば、後の状態含めて「やっぱり…」という風になる
少なからず心理状態に良い影響を与えるとは思えない、って事じゃないか?
行動が正しくても、結果が望むものにはならないジレンマって所かな
462 :
少しだけ皆の心が通った結果として張り続けてた気がほんの少しずつ緩んでいってるんだろうな
全体で見ると悪くは無い傾向なんだけど、如何せん今までが無理をし過ぎてそのツケが大きすぎる
463 = 458 :
とりま天使を取り戻すのを優先しよう(混乱)
464 :
ライブまで残り5日
一週間に例えれば土日を省く
月曜日から金曜日までの5日間
学校でいう基本的な1週間での投稿日数
感覚的にそれくらいだ
やよいの顔は無表情のまま変わることはなかった
伊織は私を睨みつけて帰って行った
私に対して嫌悪感を抱いているのだろう
465 = 464 :
ついこの前繋がりかけた輪がまた無くなって行く
私を底へ突き落とすかのような出来事が
まるで狙ったように降りかかる
私に対する誰かのイタズラじゃないだろうか
そう思えたりもする
466 = 464 :
「おはようございます…」
挨拶のトーンは低い
いや、低いのが元々当たり前だったっけ
なんて…そんなわけないか
響「春香…」
心細そうに私に話しかけてくる響ちゃんに、私は問う
どうしたの?…と
響「貴音が…来てないんだ」
春香「え?」
たしかに来ていない
いつもはラーメンを食べている姿が、今日は見当たらない
でも、よく見れば伊織もまだ来てないし…
そんなに焦ることじゃないんじゃないかな
467 = 464 :
春香「まだ集合時間まで1時間あるし、心配することじゃないよ」
春香「伊織もまだ来てないし」
春香「いつもは早い2人が今日は遅いなんて、何か変だね」
響「そうじゃないんだ…」
春香「え…?」
響「自分昨日貴音と約束したんだ」
響「一緒にラーメン食べようって…」
響「2時間前には来るって言ってたんだ…」
響「貴音は約束を破るような奴じゃないぞ」
春香「……」
468 = 464 :
響「何かあったんじゃ」
春香「でも…」
春香「ほら、寝坊したとか!」
春香「今ならもう起きてるだろうし」
春香「電話したら繋がるんじゃーーー」
響「それが…電話しても繋がらないんだ」
春香「………」
嫌な予感がする
ゴミ箱から溢れているカップが目に映る
まさか…いや、でも
響「事故…とか」
バン!
勢い良くドアを開ける
気がついたら外へと向かっていた
469 = 464 :
…そんなはずはない
そんなことがあるはずない!
宛先もなく街中を走る
救急車…人が集まってる場所…
そんなものは何処にもないはず…
貴音さんが事故に合ってないと分かればそれでいい
時折私を見て指さす人達がいたが、そんな事は御構い無しに走った
ただただ走り回った
470 :
普段から早い貴音や伊織がいないと不安マッハだな
471 :
普通に考えれば、事務所に連絡はあるだろうから小鳥さんとかに確認すればわかりそう
それに思い至らない、信じて待てないのは自分に余裕がない、普段通りじゃない証拠
本番まで日がないこのタイミングでそれに気づけるか、微妙に時間切れな雰囲気も続きが気になるいいスパイス
472 = 470 :
>>471
小鳥さんは出てて響しかいない可能性あるだろ
響なら貴音を心配していち早く動いてるだろうし事務所にいるってことは留守番任されてるから動けなくて不安で仕方ないのかも
473 :
余裕がないからか何故か春香を責める伊織がなぁ…
何もかも春香に頼りすぎなんだよな
完全復活してる子が現れない限り厳しそう
474 = 470 :
千早は春香のおかげで戻ったとはいえまだ完全復活したわけじゃないもんな
響かやよいみたいな元気で明るく事務所のマスコットみたいなキャラが元に戻れば少しはマシになるんじゃないかとは思うけど…
475 :
無理だろうな
そもそも以前と同じ状態に戻ろうとしてる時点で間違いだと思う
春香はそれも含めて、と言ってるが実際は違ってるし全員が今を受け入れるのも難しい
476 :
……………………
どれくらい走っただろうか
気がつけば、私はもう走れなくなっていた
春香「足が……」
幸いにも近くにベンチを見つける
春香「ふぅ……」
荒い息を整えようと大きく息を吐く
……………………。
貴音さんは何処にも居なかった
救急車も通ったりしなかった
無事…なのかな?
春香「いや…」
経験からだろうか
無事だとは思えない
春香「じゃあ…どこに」
頭を抱える私に近づく人の気配
「何してんのよ…あんた」
春香「伊織…」
477 = 476 :
春香「何でここにいるの?」
伊織「あんたこそ何でここにいるのよ」
春香「それは…」
貴音さんの身に何かあってるかもしれない
でも、また確証はない
私の憶測で無駄に皆を不安にさせるわけにはいかない
伊織「はぁ…」
伊織「話なら聞いてるわよ」
春香「え?」
伊織「私が事務所に着いたら、あんたが出て行ったって話題になってたのよ」
春香「え…」
時刻を確認する
今はとっくに練習時間だ
私…そんなに走ってたんだ
478 :
春香「………」
伊織「………」
2人歩きながら道を辿る
響ちゃんが貴音さんのことを皆に話したそうだ
それで今捜索中と…
伊織がここにいるということはつまり
そういうことだろう
春香「じゃあ皆も今貴音さんを探してるんだね」
伊織「違うわ」
春香「え?」
伊織「やよいはプロデューサー達とレッスン中よ」
春香「…レッスン…中?」
伊織「練習に全くついていけてないのはやよいだけよ」
伊織「人を探すくらいなら、レッスンでも受けて少しでも踊れるようになってもらわないと困るわ」
伊織「1人くらい減ったって、それで貴音が見つからないなんてこともないわよ」
伊織「ま、私がそうさせたんだけど」
479 :
伊織はなぜそんなにやよいに対して冷たくなったのか
480 :
そらおめーあれよ、身体に飽きたんだろ(ゲス顔)
481 = 479 :
>>480
かすみちゃん交ぜれば怠慢期解消できますかね?
482 = 478 :
私は理解できなかった
貴音さんの安否よりもレッスンを優先する伊織の気持ちが
春香「何…考えてるの?」
嫌悪な表情で伊織を見る
この時ばかりは伊織に腹が立った
でも、それを跳ね返すように伊織は私を睨む
伊織「あんたには言われたくないわね」
伊織「口では団結だの協力だの言っておいて、肝心な時に見放すようなあんたに」
伊織「口出しされたくないわ」
春香「………」
(どうもできないよ)
何も言い返せなかった
483 = 478 :
伊織「それに」
伊織「これは嫌がらせでも何でもないわ」
伊織「やよいを思っての事よ」
春香「え?」
伊織「貴音が戻って来た時にやよいだけ踊れなかったら意味が無いじゃない」
伊織「どうせあんたは皆で探そうとか思ってるんだろうけど」
伊織「何でもかんでも皆でやればいいってもんじゃないわよ」
春香「………」
たしかにそうなのかもしれない
あはは…団結って何だっけ?
伊織「かといって…」
伊織「放り出したのかと思えば今度は1人で飛び出して行くなんて」
伊織「わけがわからないわね」
春香「………」
その後会話はなく私と伊織は歩く
484 = 478 :
春香「ねぇ…伊織」
伊織「…何よ」
春香「伊織が私のいう団結を否定する理由って何かな」
伊織「え…」
春香「ちょっと気になってたんだ」
春香「伊織が眠れないって言ってた頃から」
春香「ううん、その前から」
春香「あんなに仲が良かったやよいに対しても」
春香「亜美やあずささんに対しても」
春香「全部…私の言うことを否定するかのように…」
春香「接してるように見えたんだよね」
伊織「……」
春香「違うかな?」
伊織は黙り込む
春香「できれば話して欲しいな…」
自分の考えを肯定する表情
否定する表情
どちらにも受け取れた
485 :
伊織「あんた…私の家柄がどういうものか知ってるわよね?」
春香「え…う、うんまぁ…多少は」
春香「お嬢様みたいで…いいよね」
伊織「私はそうは思わないわ」
春香「……」
伊織「何もしなくても欲しいものが手に入る」
伊織「気に入らないわね」
春香「……」
伊織「よくいるわ」
伊織「練習でミスしても笑ってごまかすような」
伊織「ただ気を使うだけでチームワークを作っているつもりなだけの」
伊織「お遊びをやっている集団が」
お遊び…
伊織「似てるのよ…それと」
伊織「そんなもの自分の成長の妨げになるだけよ」
成長の妨げ…
伊織「プロデューサーが帰ってきてそれが良く分かったじゃない」
伊織「やるなら本気でやらないと、意味ないわ」
伊織「…ただ仲良くするだけの仲間なんかいらないのよ」
そう…伊織は言った
486 :
つまりは自分に害になるようなら切り捨てる、けどやよいはそれでも特別な存在であるから、そうしたくないから成長して隣に立って一緒にいてほしいってわけだ
冷たくはなってるし考え方は少し変わっちゃったが根本的なやよいスキーは変わってないな
487 = 485 :
それが…伊織の本心?
春香「私達がそうだと言いたいのかな?」
伊織「……」
春香「ねぇ伊織…」
伊織は黙ったままこちらを見ようとしない
私は構わず続ける
春香「私達の団結ってそんなものだったのかな」
春香「亜美も、あずささんも、やよいも、他の皆も…」
春香「伊織にとってはその程度の仲間だったのかな?」
そう伊織に問いかける
すると今度は私に目を合わせてきた
そしてこう言い放つ
伊織「少なくともあんたはそう見えるわね」
春香「……え」
488 = 485 :
私が?
お遊びをやっている?
何…それ
春香「はは…笑わせないでよ」
春香「私の何処がそうなの?」
伊織「あんた…」
伊織「自分が正しいなんて考えてるんじゃないわよね?」
私が間違ってる?
春香「じゃあ…」
春香「伊織のやり方は合ってるのかな?」
伊織「……」
再び沈黙
prrrr…prrrr
そんな時私の携帯に電話がかかる
響ちゃんからだった
489 = 485 :
私が今何処にいるのか
貴音さんは見つかったのか
いろいろと聞いてきた
1度私と合流したいらしく
今居る場所を確認して、合流地点を決める
春香「今言い争っても仕方ないね」
春香「今は貴音さんを探すことに集中しよっか」
伊織「…そうね」
そうしてまた私達は歩き出した
490 :
団結という言葉で楽しく出来ればいい、そんなお遊び程度の仕事しか出来ない仲間では成長は見込めず
いっそ蹴落とす位の覚悟で競いあう方が、実力を伸ばす事が出来るってのは事実だしなぁ
伊織のアイドルをしている理由まで踏まえるとこの考え方には理解も納得も出来る
アイドルそれぞれの事情もあるけど、他の事務所の子達も頑張ってるだろうし、誰が悪いとは言えないな
491 = 486 :
これからに期待だな
492 :
でもユニット内で競い合うアイドルの歌とかは
正直なんの魅力も感じられない
それぞれが目立とうとか見せつけようとかしてて
なんでユニット組んでるのって聞きたくなる
AKBとかその典型的な駄目パターン
493 :
ももクロとは正反対のパターンだな
494 :
アニマスの団結はなんか少し違うよね
ざわわんの信頼と協力みたいな仲間が適切だと思う
495 = 486 :
ざわわんのあれは素晴らしい何回読んでも楽しめる
アニマスはたまに見るからいいくらいだ
496 :
………………。
そろそろ昼食の時間だろうか
どこの料理店も混雑している
春香「響ちゃんこの辺りにくるって言ってたけど…」
伊織「どこをつき歩いてんのよ…」
伊織は不機嫌そうに呟く
春香「どこにいるんだろうね」
周りを見渡す
どこにも響ちゃんらしき人は見当たらない
春香「あれ?」
そんな時、見覚えのある姿が遠くに見えた
しゃがんでいてよく分からないけど、あれは確かに…
春香「響ちゃん?」
よく見るとその人物は足を抱えてその場に座り込んでいる
春香「そんな…」
私はそこへ向かって走る
497 = 496 :
疲れからか足がもたつく
信号を渡り人混みを掻き分ける
伊織の声が聞こえてきた気がしたが、お構いなしに走った
春香「響ちゃん!」
響「春香…」
響ちゃんだった
足の状態は前より酷くなってるようで
しゃがんだ体制を維持することすら出来なくなっている
響「さっきまで何ともなかったんだけどな…」
控えめに笑いながら響ちゃんは足を摩る
その光景がとても惨めで私は目をそらした
498 = 496 :
響「貴音はまだ見つかってないんだよな?」
春香「うん」
響「そっか…」
響「貴音…」
響ちゃんの目は潤んでいた
見つからないという不安と
見つけてあげられないという悔しさからだろうか
響「今見つけるからな…」
地に手をついて立ち上がろうとするも
すぐにその場に崩れる
春香「だめだよ…」
響「でも…」
春香「今無理しても意味ないよ」
春香「ほら、皆探してるんだし…きっと見つかるから」
自分に言い聞かせるように話す
499 = 496 :
響「そうだな…はは…皆探してるんだよな」
響「……」
響「伊織も居たんだな」
春香「え?」
そこまで聞いて私はさっきまで伊織と居たことを思い出す
振り返ると、伊織は横断歩道の奥に立っていた
…いきなり走るんじゃないわよ!
そんな顔をしている
やがて信号が変わり伊織はこちら側へと歩き出す
春香「あはは…ごめん」
手と手を合わせ、私は謝罪のポーズをとる
…その時だった
響「あれ…おかしいぞ」
500 = 496 :
響ちゃんが震えながら指をさしている
その先に何かあるのかな?
そこには…
ただ車が走ってる風景しか
………
でもそれにしては異常にスピードが速いような…
車の走る先は横断歩道
春香「え…?」
…横断歩道?
………信号無視?
待って…そこには
春香「伊織…」
伊織はこちらへと歩いてくる
春香「待って伊織!」
声が届かないのか、伊織は意味深な表情を浮かべる
そんな…
…そんなことって!
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