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元スレ春香「いつからだろう」

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551 = 543 :

皆それぞれの思いを持ってライブを見ている

ライブに出たいという気持ちは一つ

ただ……

(今回のライブはいろいろと、もう足引っ張りたくありません)


(次のライブで絶対認めてもらうの)


(恩返しがしたいんだ)


それ以外の気持ちはバラバラ

………………。

私はライブに何を求めているのだろう…

552 = 543 :

私の気持ちを整理する

皆自分の状態よりもライブに出たいという気持ちを優先している

それに対して私だけが不満を持っている

恐らくライブをやりたくないと思っているのだろう…

それは何故か…

私にはライブに出る理由がない

ライブをやって、例えそれが成功したとしても

それで今の状況を乗り越えられるとは思えないからだ

響ちゃんの足の状態

あずささんだって…

それに貴音さんも…

やよいも、他の皆も

このままライブを迎え、終えた向こう側に何があるのか

553 = 543 :

足を壊して泣いている響ちゃん

それと同じように他の皆も何かしらのダメージを受け…

…暗い765プロの日常

そういう未来しか私には考えられない

「………………」

そもそも私がアイドルをやっている理由は何なのだろう…

なぜ歌うのか

私が歌う歌はどこへ届くのか

………………。

私はこの前まで何を考えていた

今を乗り越えてまた皆と笑うためにライブをやる…

プロデューサーさんを助けるために練習をする…

………本当にそうだろうか


暗い闇に私1人取り残されていった

554 :

ブラック企業の社蓄みたいだなアイドル達

555 :

プロデューサーが渡米から帰ってきた初ライブだからやりたいってのはわかるがそれで足を壊したりしたらアイドル続けられないやん
初ライブできなくてもまだチャンスはあるんだし治療に専念した方がいいんじゃ

556 :

実はこれ全員偽物じゃないかって気までしてきた

557 :

ライブが9.18ばりのお通夜になりそうな気が……

558 = 555 :

実はPの日記はダミーであっちではプロデューサー修行じゃなく演技を学んでてこれは765プロ全体を騙したドッキリだったとか

559 :

笑えねえよ

560 :

仮にドッキリだったとしても春香さんに暴力をふるった事は許されない

561 :

なんかマトモなのってはるるんと社長だけのような気がする

562 :

ちやほやされたいからアイドルやってるだけの方がよっぽどファンの方向いてるよね

563 :

まともな奴など居ないんだろう、良くも悪くも765プロの人間は全員当事者になるから仕方ないけど
こうしてみるとアイドルとして正しい姿は、他のアイドル事務所の子達の方で
765プロがいかに異質な存在かが判る、ってのも面白い

564 :

ピヨちゃんもまともな方だと思うが

565 :

まだ出てない人やアイドルもいますし765だけでまともなのいないと決めつけダメだ(震え声/出ないだろうが961876組)

566 :

この現状を見て社長はまだ動かないのか

567 :

ライブまであと4日

律子「よし、じゃあ始めるわよ」

あっという間に時間が過ぎて行く

伊織「ちょっと律子?」

伊織「やよいとプロデューサーがいないじゃない」

気がつけばもう3日過ぎた

今日を終えれば、あと3日

残りの3日もあっという間に過ぎて行くだろう

今日が一つの分岐点

律子「やよいは皆と合わせられるほど、まだ踊れないのよ」

律子「だからプロデューサー殿と2人で練習してるわ」

伊織「………」

律子「人の心配をしている暇はあるのかしら?」

律子「あなた達は昨日練習してないのよ」

律子「自分にもっと危機感を持ちなさい」

伊織「分かってるわよ…」

一通り話が済んだところで、練習が始まる

568 = 567 :

一晩過ぎて、皆の意識は更に高まったようだ

それぞれの思いを胸に頑張っている

春香「………」

私はライブに対して、どんな思いを持っているのだろう

協力、団結…

私の考えるそれらはもう、ここにはないのかもしれない

皆はただ前を向いて頑張っている

それだけ…

……………………。

このままライブを迎えたらその先どうなるか

(自分…車椅子なんかいやだぞ)

(踊りたい…ダンスがしたい!)

春香「………」

569 = 567 :

律子「春香?」

気がつけばミスをしていたようだ

春香「すみません…」

春香「もう一回お願いします」

律子「………」

律子「もう一回いくわよ」

深呼吸して、1度気を取り直す

集中…集中………

…………………………

ライブの最後に今踊っているダンスを披露する

それが終わればライブも終わる

そして、ライブが終わったら…

(自分…もう立つことも…できないのか?)

(なぁ春香…もう歩くこともできないのか?)

春香「!!!」

律子「春香!?」

春香「うぅ…すみません」

躓いて転けた体を起こす…

……………あれ

春香「えっと…」

どうしたのかな…

起き上がれないなんて

律子「春香、まさか足挫いたの?」

春香「いや、そうじゃないです」

ゆっくりと立ち上がる

よし………

今度は起き上がれたみた…

バタンッ!

気がついた時には、私は倒れていた

派手に倒れたみたいだ

570 = 567 :

律子「はる…か」

血相を変えて私に近づいてくる

周りの皆も私に寄ってくる

あはは…

何でそんなに心配そうな顔をしているのかな

皆が私に呼びかけている

体が動かない

私…どうしちゃったんだろう

「………香」

何かが聞こえる

「…………………!」

「おい………………」

何だろうこの声

何処か聞き覚えがあるような

571 = 567 :

「……………香」


あれ………これって


「…………春香」


プロデューサー…さん?


P「春香」

春香「!」

春香「はい」

反射的に私は起き上がる

P「大丈夫か?」

そう私に聞いてくるプロデューサーさんに私は頷く

P「そうか…」

プロデューサーさんは手を握り締めながら私を見る

何かを言いたそうな、そんな表情

その光景が何かに重なった

572 = 567 :

ライブ1週間前、今から3日前の朝

その時も、プロデューサーさんは何かを言いたそうに私を見ていた

P「なぁ…」

言葉を詰まらせ、何かを言おうとする

あの時も、今も

プロデューサーさんは何を言いたかったのだろう

手を握り締めたままプロデューサーさんは何かを言う

その言葉は予想もしない物だった

573 = 567 :

P「もう…辞めにしないか?」

その言葉に皆は耳を疑う

律子「や…やめる?」

「やめるって…何を?」

P「ライブを中止にするんだ」

突然の出来事にまだ頭が追いつかない

「中止ってどういうことなんだ…なぁ、プロデューサー」

P「響」

P「俺が何も気付いていないとでも思ってるのか?」

P「これ以上、お前らを潰すわけにはいかない」

「………」

P「なぁ…もう…いいんだ」

そう言ってプロデューサーは頭を抱える

この前まで私達に指導してきたプロデューサーさんとは、別人に見えた

574 = 567 :

P「俺はプロデューサーを辞めるべきなのかもしれない」

美希「え?」

P「分からないんだ、何も」

P「俺がお前らに何を教えてるのか、何を教えたいのか」

P「何で俺が指導しているのか」

P「お前らが何を考えてるのか…」

…………………………

P「俺が指導しても、お前らは傷ついていく」

P「やよいも、一向に踊れるようにならない…」

頭を抱えながら、プロデューサーさんは続ける

575 = 567 :

P「ハリウッドから帰って来た時、俺はお前らが新米に見えた」

P「技術は勿論、仕事に対する姿勢や考え方」

P「そういうものがまだまだ未熟だと思った」

春香「………」

お前ら何やってたんだ?

あの時の言葉が脳裏に浮かぶ

失望した…とも言われた

P「でも、それがチャンスだと思ったんだ」

P「俺がハリウッドで学んだことを生かすチャンスだと」

P「でもな………」

P「俺が指導する度に」

P「お前らは崩れて行くんだ」

P「はは…」

P「俺が指導すると、お前らはダメになって行く気がするんだよ…」

P「もう俺に気を使わなくていいんだ」

P「嫌なら嫌だと言っていいんだ…」

P「なぁ…」

576 = 567 :

プロデューサーさんは大声で叫ぶ

P「もう…どうすればいいか分からないんだ!!!」

P「すまない…」

P「こんなダメなプロデューサーですまない」

P「すまない…!」

すまない…そう、何度も謝り続ける

この前まで厳重に指導していた人と違い

そこには…

今にも壊れてしまいそうな弱々しい人物がいた

まるで会社が倒産して行き場を失い

泣いて家族に謝り続けるような

我を見失い、自分というものを無くしてしまった

人の姿をしたヒトに成り果てていた

577 = 567 :

貴音「何を…言ってるのですか…あなた様」

震えながら貴音さんはプロデューサーさんに近づく

貴音「わたくしは、ここに居ます」

貴音「見てください…いつもの四条貴音です、あなた様」

貴音「お気を確かに…」

貴音「何故…謝られるのですか」

貴音「あなた様が、苦渋の決断をしてハリウッドへ行ったことが」

貴音「間違ってたことになってしまうでしょう…!」

震えながらプロデューサーさんに話し続ける

ここまで取り乱した貴音さんを見るのは初めてかもしれない

それがより一層、事の深刻さを漂わせる

578 :

私はただ黙ったままそれを見ているだけ

やよいの時と同じ様に…

何もできる気がしない

その時、私の横から声がした

「謝って欲しくなんかないの!」

美希だった

美希「ミキ、全っ然プロデューサーの指導嫌だなんて思ってないの!」

美希「ミキは練習したいからしてるだけなの!」

美希「謝られるようなことなんか何にもないの!」

P「美希…」

珍しく大声をあげる美希

貴音さん同様、これも初めてかもしれない

貴音「そうです、あなた様」

貴音「ただ胸を張ってわたくし達を指導してくだされば良いのです」

P「………」

プロデューサーさんは下を向いて黙り込む

579 = 578 :

P「やよいの指導があるから、今日はもう来れない」

そう言って立ち上がると、

そのままプロデューサーさんは歩いて行った

「……………………」

練習場は静寂に包まれる

私が倒れ、プロデューサーさんが来て…

いきなりの出来事にまだ困惑している

さっきまでプロデューサーさんが居た余韻がまだ残っている

律子「再開…しましょっか」

律子さんの言葉に皆は動き出す


580 = 578 :

律子「春香?」

春香「え?」

律子さんは私に疑問に呼びかける

私だけその場に座ったままだったようだ

皆はもう元の位置に着いている

切り替えが早い…

私は立ち上がる

春香「……」

今から始める練習は何のためにやるのだろう

581 = 578 :

さっきのプロデューサーさんを見て、皆は更に気合いが入ったようだ

私だけやる気が起きない

春香「……」

(自分…もう歩けないのか?)

…………………………。

春香「すみません…律子さん」

春香「今日はもうお休みしていいですか?」

律子「春香?」

律子「………」

律子「そうね、さっきのこともあるし今日はもう休みなさい」

練習をする気になれなかった私は

そのまま練習場を出て行った

582 :

クライマックスやな
sageるなんてもったいない

585 :

皆は変わろうと思うあまりおかしくなっていき
春香は変わりたくないと思うあまりおかしくなっていく

586 :

春香「………はぁ」

やっぱり私には

皆と同じように練習に集中することは無理みたい

このまま練習を続けていいのかどうか

私は逆に不安になった

そう…ライブを終えた後のことを考えると

いや、その他にも…

皆と作るステージが形だけのものになってしまう気がする

その考えが、頭から離れない

587 = 586 :

休む、といっても家に帰るつもりはない

身体を休めただけで済むような話だと思えないからだ

何処かで気分を紛らわすか

あるいは…

春香「ん……」

道端に並ぶ料理店

そういえば、まだお昼を済ませていない

時間的にも…丁度いい頃合かな?

私は近くにあった店に入った

588 = 586 :

見渡すと、中はまあまあ広い

春香「食券を買うんだね」

券を受け付けに出した私は席に着く

……………………。

たまには1人で食べるのも悪くない

落ち着いていい感じだ

気分を紛らわせるにはちょうど……

「空見上げ~手を繋ごう~」

春香「え…?」

店に流れる曲に耳を澄ます

聞き慣れた歌のような

589 = 586 :

「この空は輝いてる~世界~…」

春香「これって…」

春香「………」

ライブまであと4日だよね…

春香「って、そうじゃない…!」

何でこんな時にライブの事を考えなくちゃいけないの

今は考えたくない……!

私は受付から定食を貰うと、席に戻ってそれを口に流し込み

そそくさと店を出て行った

590 = 586 :

気分転換の筈が余計に…

春香「……まぁ」

また別の場所で気分転換すればいい

次はどこに行こう…

カラオケ…ゲームセンター…ショッピング…

えーとそれから…

春香「あ……」

連なっている建物に貼ってあるポスターが目に映る

私と皆が映っている、765プロのもの…

春香「何で…!」

ライブの事が頭から離れない

何処に行っても目に入ってくるのは765プロに関する物ばかり…

歩くのがどんどん速くなっていく

592 = 586 :

春香「もういい…」

こうなったら、カラオケでもゲームセンターでも、何処へでも行くよ!

私はやけくそになって街中を歩き回った

カラオケはオススメ曲に私の歌があり

ゲームセンターでは765プロに関連付けた遊び場を見て

ショッピングでは私や皆に関するグッズが目に留まる

私は見ない振りをして歩く

時間も考えず歩いた…

ただただ、歩き回った

………………でも、

気が休まることは全く無かった

593 = 586 :

……………………
……………………
……………………

どれくらい歩いただろう

春香「……」トボ…トボ…

街中を灯りが照らす

気がつけば夜になっていた

身体はダルく、足は重い

レッスンより疲れたかもしれない

春香「はは…何やってたんだろう、私」

……………………。

思考が回らない

私は今何処へ歩いているのだろう

594 = 586 :

行けるところは行き尽くした

もう何処も行くところはない

春香「お腹…すいたかな」

動き過ぎたせいか、少し空腹

家に帰らないと…

春香「そう…家に帰らないと」

…そうだ、私は今家に帰ってたんだ

ご飯を食べたらお風呂に入って

明日の準備をして………

……………………。

明日からまた練習か

あー嫌だ嫌だ……

そんなこと考えたくない!

595 = 586 :

もう練習とかしたくないな…

いや、練習をしてる皆を見たくない

だって…だって……

春香「……」

どうやらもう着いた様だ

難しいことはまた後で考えよう

取り敢えずご飯食べよっか

建物を見上げる

春香「…………え?」

私が歩いて歩いて…歩いた末に辿り着いた場所、そこは…

事務所だった

596 :

ほとんど呪いの域に達してるな

597 :

春香「………」

春香「何で…事務所に居るのかな」

春香「はは…」

家に帰らないと…

私は足を戻してまた歩き出す

頭の中に浮かんでくるのは皆の練習風景

時折見かけた765プロに関するポスター、グッズ…

春香「………」ブンブン

何も考えないように歩く

思考を振り払うかのように早足になる

でも歩けば歩くほど、ライブの事が鮮明に頭に入ってきた

598 = 597 :

春香「………」

気がつけば、私はまた足を戻していた

事務所の方へゆっくりと…

ビルに入り、階段を上がり、

そのまま事務所の扉を開けた

春香「………」

小鳥「……春香ちゃん?」

事務所に居たのは小鳥さんだけだった

599 = 597 :

小鳥「こんな時間にどうしたの?」

春香「………」

小鳥「律子さんから話は聞いたわ、体は…大丈夫?」

春香「………」

小鳥「………」

春香「皆は…」

春香「皆は今…何処に居ますか?」

小鳥「………」

小鳥「やよいちゃん以外はレッスンを終えてさっき帰ったわ」

春香「やよい…頑張ってるんですね」

小鳥「そうね、どうしても練習したいってやよいちゃんがね」

春香「そうですか…」

小鳥「それで、春香ちゃん」

600 = 597 :

小鳥「春香ちゃんは…どうしてここにいるの?」

春香「………」

春香「私…」

小鳥「うん」

春香「ライブに出たくないです」

小鳥「え?」

春香「私がおかしいんですかね…」

春香「響ちゃんや他の皆が頑張ってるのは分かってます」

春香「でも…足壊したりしたら」

春香「意味ないじゃないですか…」

小鳥「………」

春香「そんな響ちゃん見たくないです」

春香「このままライブをやるくらいなら、私…出たくないです」

少し驚いた表情をして、小鳥さんは黙っていた


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