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    元スレ八幡「ブラコンめ」沙希「シスコンめ」

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    301 :

    訂正
    >>226
    あーしさんは"姫菜"じゃなくて"海老名"呼び
    名前で呼ぶのはガハマさんの方だった




    こんばんわー
    先日がえらいシリアス状態だったので、息抜きにプチエピソード置いときます
    プリクラ話より更に短いくらいです

    302 = 301 :

    屋上手前:踊り場


    「小町の成績はどうなの?」
    「あぁ、もちっと伸ばせば総武高に届くかな。文系が伸びてないのがやや危ういってとこ。」
    「そっかぁ、小町ちゃんがんばってるんだね。」

    あれから数日。
    季節はとうとう冬へと足を踏み入れた。
    ある程度天気が良くても、流石に屋外での食事は難しくなってきた頃だ。

    303 = 301 :

    以前の勝負の時は屋上でのランチだったが、この季節の風は冷たい。
    たかが数日だというのに、あっという間に寒くなるものだ。

    そんなわけで、屋上の1歩手前。踊り場の床が昼休み中の俺たちのテリトリーとなっていた。

    「大志はどうなんだ?」
    「こっちもあと1歩ってとこ。だけど以前話した時に比べれば凄い勢いで伸びたと思う。苦手教科はあんまりないんだけど、全体的に補強したいかな。」



    2学期も終わろうとしている。
    高校入試を控えた中学3年生にとって、次に迎える冬休みは正念場である。

    304 = 301 :

    「僕も中学生の頃のこの時期は大変だったなー。」
    「まぁ受かったあたしらが先輩なんだし、あたしらが教えてやれば受かるさ。」
    「そだな、入試問題とかまだ取っておいてあるし。」

    甘やかし根性全開である。

    305 = 301 :

    「ってか八幡。あんた文系得意なんだろ?なんで小町の文系が伸び悩んでんだよ。」
    「あいつ文系で行き詰ると上手い事俺を丸め込んで、結局俺が問題解いちゃうんだよ。あいつの作文7割は俺が書いたまである。」
    「それはちょっと・・・」
    「いや、別に伸び悩んでるってわけじゃないんだ。そこら辺のツケが回ってきただけであって、文系学力自体は悪くない。」

    そう、結局纏めるところは自分で纏めるし、教えてやれば飲み込みも早い。
    俺が解いた問題の回答を見て答えを覚えているんだ。
    つまり間接的に俺がしっかり教えていると言える。

    306 = 301 :

    「はぁ・・・小町、理系はさほど問題無さそうだな。」
    「良く判ったな。」
    「計算高いしな。」
    「そこに繋がっちゃうんだ・・・」



    否定はせん。

    307 = 301 :

    「甘やかすにも限度ってもんがあるでしょ。」
    「うっさい。特徴がある方が可愛げがあるだろ。」
    「何?全体的に優秀になった大志が特徴のない子だって言うの?」
    「さっき全体的に補強したいって言ったばかりだろ。水増ししてんじゃねぇよ。」




    「・・・」
    「・・・」




    308 = 301 :

    階段


    ヒキタニくんと戸塚くんが昼休み教室から出て行くようになってから数日・・・
    ついに私は突き止めた!2人の密会場所を!

    携帯の容量は十分か・・・?

    ・・・オッケィ!
    動画撮影機能・・・ON!
    グフフフフフ・・・これだけ焦らされたんだもの・・・写真なんかじゃ済まさないわよぉ~。
    いざ!秘密の薔薇園へ!


    「ヒキタニくーん!戸塚くーん!見ーつけたぞー!」

    309 = 301 :






    「るっせぇぇぇぇ!それはてめぇが風呂上りに服も着ねぇでうろちょろしてっからだろうが!集中できるわけねーだろ!!」
    「やっかましい!余計なお世話だ!それと集中力は関係ないだろ!自分の甘やかしを棚に上げといてよく言えたもんだよ!!」
    「あ、海老名さん。アハハ、見つかっちゃったね。」



    oh・・・ジーザス。



    カメラ越しに映り込んだのは、もみくちゃになりつつあるヒキタニくんとサキサキ。
    ショッキング発言と共にショッキング映像がバッチリ録画されてしまった。



    310 = 301 :

    「ヒヒヒヒヒヒキタニくんとササササササキサキはすすすす既にそんななななな!?」
    「あれ、海老名さん。何でここに。」
    「ん?何、あんた1人?あとサキサキ言うな。」


    何平然としてるのぉ!?
    既に2人はそれが日常!?
    知らないうちにとんでもない事に首を突っ込んでしまった!?

    311 = 301 :

    「だだだだだってほら!コレ!思わずそのまま録画しちゃったんだよ!?」

    "るっせぇぇぇぇ!それはてめぇが風呂上りに服も着ねぇでうろちょろしてっからだろうが!集中できるわけねーだろ!!"
    "やっかましい!余計なお世話だ!それと集中力は関係ないだろ!自分の甘やかしを棚に上げといてよく言えたもんだよ!!"

    「ほらぁ!どうしたらいいのよ私!」
    「は?あんた、あたしたちのケンカ風景なんて録画してどーすんの?」
    「海老名さんの趣味のソレとはちょっと違うんじゃねーか?」










    「いや、その、ハハハハ・・・だ、大丈夫!私腐ってもノーマルだって全然オッケーだから!腐ってる方がイイけど!そっちもちゃんと判ってるから!」
    「は、はぁ・・・」
    「どうしたんだ海老名さん。」

    312 = 301 :

    大丈夫!大丈夫!私だってBLだけを詰め込んでいるわけじゃない!
    ノーマルだってちゃんと認めた上でそっちに走ってるんだ!だから大丈夫!
    サキサキは背もスラリと高い方だから男装キャラとして脳内変換するのもお手の物だからぁ!




    「ごめんね海老名さん。2人はいつもこんな感じだからさ、ちょっと教室だと・・・ね。」
    「う、うんうんうん!そうだよね!そうだよね!流石にそうだよね!大丈夫!ちゃんと判ってる!」
    「え、あぁ・・そりゃどうも・・・」
    「大丈夫とか判ってるとか、海老名さんさっきからそればかりだぞ・・・?」


    そんな事を言いつつも2人はお互い服を掴んだままの姿勢だ。
    あーもー何コレ?私何をしにここに来たの?

    313 = 301 :

    「ほら2人とも、まだお弁当半分も残ってるよ。」
    「おっと、そうだった悪い悪い。」
    「うん、そろそろ食べきっちゃおうか。」


    改めて・・・戸塚くんすげー。
    当たり前のように自然に纏めちゃったよ・・・
    それをすんなり聞き入れてお弁当に戻る2人・・・え?ホントどーゆー関係なのこの3人。

    314 = 301 :

    「おい、海老名さん。あとは俺ら弁当食ってるだけだぞ?」
    「えっ?あ、何ていうかそのー、タイミングを逃しちゃってね・・・ハハハ。」

    鼻血噴出してお弁当をダメにするのは流石に良くないと思って、即録画!即脱出!後に堪能!ってプランだったのに・・・

    「あぁ、2人の迫力に押されちゃったかな・・・?」
    「ん、それほどでもないと思うけど?」
    「あぁ、どうせいつもこんな感じだしなー。」

    い、いつも・・・?
    いつも戸塚くんは2人の赤裸々なトークを平然と聞いてるの?




    「いつも突っかかってくるのは沙希だし。」
    「いつも突っかかってくるのは八幡だし。」





    「・・・」
    「・・・」





    「なんだぁ!?」
    「なんだと!?」

    え、ちょ、えぇぇ!?

    315 = 301 :

    「はいストーップ。」



    戸塚くんは2つのフォークを器用にそれぞれのお弁当箱に突き刺す。
    取り出されたのは小さなウインナー。その手を交差させるようにスッと振り上げ・・・


    「「!?」」

    2人の口へホールインワン。


    「「んんんんんんんんんー!?」」

    ウィンナーを口に含んだままバッと立ち退く2人。



    「もう、すぐこれなんだから。」

    仕方ないなぁといった感じに微笑む戸塚くん。



    「「モゴモゴ・・・ゴクン・・・ごめんなさい。」」

    なんと・・・
    なんと鮮やか・・・
    この光景こそ録画したかった・・・くっ!

    316 = 301 :

    「そういや海老名、あんた自分の昼飯は?」
    「え?あぁ今日は元々ここに来るつもりだったから早弁しちゃった、ハハ・・・」
    「ワルイコめ。」

    しかも任務失敗だし・・・まぁいいや。

    「元々って・・・最初からあんなの録画するつもりだったのかい?変なヤツだねあんたも。」
    「だ、大丈夫!あれは後でちゃんとPCに移して携帯のは消すから!」
    「いやほんとあんな動画どーすんだよ・・・」
    「どうもしないよ!?」
    「まぁまぁ、ね?海老名さん。以前言った通り騒がしかったでしょ?」

    確かに・・・まぁ・・・目的は達成できなかったけど・・・
    本当に騒がしく・・・無茶苦茶なランチタイムだったけど・・・

    317 = 301 :




    ヒキタニくんとサキサキの珍しい光景が見れたからよしとしよう。



    「ふふふ、そうね。」

    318 = 301 :

    以前、ヒキタニくんに言った事がある。

    "そうやって、どうでもいいと思っている人間には素直になるとこは嫌いじゃないよ"

    この間の教室でのお弁当交換の様子を思い出してみる。

    ・・・・・


    "素直"と"本音"は・・・似ているけど違う・・・

    "本音"でぶつかり合っているヒキタニくんとサキサキは・・・うん・・・


    嫌いじゃない。









    あ、でもこの動画はほんとヤバイかも。別の種類の鼻血出そう。

    319 = 301 :

    今回はホント短いけどこれで切り上げです
    次のイベントは期末試験か冬休みあたりですかねー

    320 :

    乙!
    短いけれど楽しかった。海老名さんもこの空気に触れて少し変われればいいんだけれどね。

    321 :

    我をここまで悶えさるSS… 恐ろしい破壊力だ!

    322 :

    中学上がってから他人を名前で呼んだ記憶がないことに気づいた…

    323 :

    素晴らしいぞ!乙!

    324 :

    葉山拒否られすぎて悲しくなるな

    325 :

    >> 324
    でも葉山みたいなタイプは実際少しウザい時がある

    326 :

    ここにいるやつ大半非リアだしな 葉山を好きになるやつは少ないと思う

    327 :

    海老名さんをスリーマンセルに追加したフォーマンセルがみてみたいなぁ…みたいなぁチラッ

    328 :

    上でもでてるけどまともな書籍だと
    。」←こうはならんよ

    329 :

    >>326
    そういうこと言うなよ…

    330 :

    >>328
    。」という書き方が間違いだとどこで覚えた?
    現代では"」"の直前には"。"を使わない人が多数派なだけで、それが間違いだという記述はどこにもないはずだよ
    現に小学生の時に作文書くときには"。」"が採用されていたはず
    確かにくどいから最後の句点は使わない人が多いけどね
    横書きだととくに

    331 :

    まあ元は印刷用の仕様らしいからな

    332 :

    乙です
    ウインナー使い戸塚彩加△
    あと海老名さんはいったい動画をナニに使うんでしょうね?

    333 :

    >>324
    >>325
    >>326
    まさに青春の塊である葉山くんは、個人的にはそんなに嫌いなキャラじゃありません
    むしろ今のヒッキーに対する位置は結構気に入ってるまである

    なので青春特有の悩みに直面させた次第であります
    海老名さん的な事では断じてない断じて


    >>293
    >>328
    >>330
    確かにこれだと国語の教科書みたいな感じですね
    次からはとりあえず指摘にある書き方で書き溜めてます

    334 :

    葉山は嫌いじゃないけど、ホント嫌いじゃないんだけどイケメンは[ピーーー]

    335 = 333 :

    どうもー、再開してきますー

    336 = 333 :

    奉仕部

    「そっかー、小町ちゃんも受験シーズンかぁ」
    「おー、だから期末試験の勉強と受験勉強の面倒で最近はいっぱいいっぱいだわ」

    早いもんだなー。3学期って短いし、合格発表あったらあっという間に終わっちゃう。
    小町ちゃんが合格したら、同じ学校かー。なんか不思議な感じ。
    と言いつつも、ヒッキーは部室で勉強している。

    337 = 333 :

    「小町さん、受かりそうなの?」
    「もーちょいって感じ。まぁ残りの期間で十分埋められる範囲だと見てる」
    「そういえば沙希の弟くんは?」

    大志くんだっけ?あの子も中学3年生だったはず。

    「あぁ、同じく総武高受けるみたいだし、最近じゃ2人纏めて面倒見てる・・・って由比ヶ浜」
    「うん?」
    「お前沙希の事名前で呼んでたっけ?ちょっと前『川崎さん』じゃなかったか?」
    「そういえばそうね、比企谷くんがみっともない負け方した時はまだ名前では呼んでなかったと思うけど」
    「だー、みっともないは余計だ」
    「あ、あはは~・・・えっとね・・・」

    そう、修学旅行では普通に名前で呼んでた。
    でも・・・恥ずかしながら・・・

    338 = 333 :

    「ヒッキーと最初にお弁当交換した時の沙希、すごい怖くってさ・・・なんか馴れ馴れしかったのかなー・・・って思っちゃって・・・」

    思わずそんな空気を読んでしまったのだった、あたしは。
    うぅ・・・情けない・・・

    「お前・・・あれから沙希と話した事ある?」
    「いや・・・ハハハ・・・実は無い」
    「由比ヶ浜さん・・・本人の居ないところで空気を読んで、本人の居ないところで元に戻ったのね・・・」

    339 = 333 :

    「でも!もう大丈夫だから!ちゃんと"沙希"っていつでも呼べるんだから!」
    「んじゃ呼ぶ?」

    へ?

    「一応部活動中なのだけれど・・・?」
    「そっか。依頼者じゃねーしな」
    「あ、その辺はちゃんと律儀なんだヒッキー」

    340 = 333 :

    でも、すごいなぁ沙希。
    あんなにムキになるヒッキー初めて見た。
    さいちゃんの話だと、小町ちゃんや大志くん絡みの話じゃなくても遠慮がなくなってきているらしい。
    ヒッキーはゆきのんとも結構そんなやりとりしてるけど、沙希とヒッキーのはそれと全く違う。

    341 = 333 :

    強いて言うなら、そう・・・ライバル。
    2人はほんのちょっとだけ似ている部分があって・・・全然違っていたりする。
    けど、そのほんのちょっとの似た部分がぶつかり合う。
    全然違うからこそぶつかり合う。
    だけど・・・ちゃんとお互いを理解している。

    ヒッキーはよく軽口のようなノリで自虐ネタを使う。
    ケンカするような友達いねーし、みたいな事も言った事があると思う。

    そんなヒッキーの事を真ん前からぶつかってケンカ相手になってくれる・・・強い信頼関係。

    342 = 333 :

    「ま、呼び名は好きにしとけよ。お前は勝手にあだ名つけて、勝手に定着させるようなヤツだろ」
    「そうね、妙なところで強引なところがあるわね」
    「あ、まぁ・・・そうなんだけど・・・」


    なんかゆきのん、最近ヒッキーに対して前ほど否定的じゃなくなってきてるー。
    以前のような関係に戻るのにちょっと時間が掛かってるのかな・・・?

    それともヒッキーが・・・前よりほんの少しだけ、柔らかい感じになったから・・・かな?

    343 = 333 :

    「俺だって『ヒッキー』って呼ばれ方に1度も納得しなかったじゃん」
    「えー!いいじゃん『ヒッキー』って!呼びやすいし、愛着わくじゃん!」
    「苗字的には小町もそれに当て嵌まるんだけど?絶対呼ぶなよ!?絶対だぞ!?」
    「よ、呼ばないよ!小町ちゃんは小町ちゃんじゃん!」
    「『マッチ』もダメだからな」
    「・・・しゅん」

    ふふ・・・
    でもやっぱりヒッキーは小町ちゃんの話をしている時が一番元気なんだな。

    あーあ、沙希といい小町ちゃんといい・・・妬けちゃうなぁー。






    「あ、でも・・・」
    「うん?」
    「『さきさき』はやめとけ、バラバラに引き裂かれるぞ。マジもーほんとブラッコンすごいですね」
    「そんな事されるのはヒッキーだけなんじゃ・・・」

    姫菜は『サキサキ』って呼んでたし。

    「それほどでもない」
    「何が!?」

    344 = 333 :

    土曜日


    「ひゃぁ~・・・終わったぁ~」
    「つ、疲れたッス・・・」


    本日の比企谷家のリビングでは入試問題が拡げられている。
    高校入試前のラストスパートの為、俺たちは講師となっているのだ。
    ちっ・・・大志のヤツは招き入れたくなかったけどな!

    345 = 333 :

    とは言うものの、実はそれなりに慣れてきている。
    元々沙希とつるむようになった時点でこいつが関わってくるのは避けられないしな。
    兄妹ぐるみで、しかも妹たちは同じ高校を目指すともなれば、ある程度は腹をくくるしかない。

    彩加がテニススクールの無い日だったり、俺と沙希がゼミの無い日は平日でもこの5人は集まったりする。
    こうして時間を見ては受験勉強の面倒を見たりしつつ、俺たちは俺たちで期末試験の勉強をしている。

    346 = 333 :

    こうなってくるとどうしても避けられないのが呼び方だ。
    俺は頑なに大志が『お兄さん』と呼ぶ事を拒否してきた。当たり前だボケェ。
    小町との"霊長類ヒト科オトモダチ権"を頂けただけでもありがたいと思ってほしいわ。
    とは言え大志は小町の事を「比企谷」と呼んでいるわけで非常にややこしい。
    『あの・・・』とか『すいません・・・』とかを使えよ。察せるだけの能力と経験はある。
    ましては『小町ちゃん』、それどころか『小町』とか呼ぶようになってみろ。俺は人を辞める。

    347 = 333 :

    ここで1つ問題が起こった。
    小町が沙希の事を『お姉ちゃん』と呼ぶようになってきたのである。
    元々小町は人を名前で呼ぶ事が多く、最近になっては彩加まで名前で呼ぶようになってきた。
    しかしそれと同じタイミングで、今まで『沙希さん』だったのが『お姉ちゃん』になってしまったのである。

    両方いっぺんに変えないと済まないんかい。

    もちろん沙希の方も最初は頑なに断ってきたが、最近ではすっかり定着してしまったのだ。やはり押しに弱い。
    沙希までそうなってしまっては俺もう立場ナシ。

    348 = 333 :

    悪あがきで小町に「俺が雪ノ下姉妹を呼ぶときだって2人とも苗字だろ」って意見したが、
    「正直横で聞いてるとものすごいややこしいんで今すぐやめなさい」って怒られた。やめねぇけど。

    まぁそんなこんなで、お前の姉貴に免じて特別に『お兄さん』と呼ぶ事だけは許可してやる。他意は無い。
    だから一定距離以上小町に近寄るんじゃねぇぞ?俺はいつでも貴様の舌を引っこ抜く準備はできてる。




    「八幡、変な事考えるのはやめな」

    リビングから沙希の冷たい声が発せられる。
    弟の事になると勘良すぎるだろお前。

    「アハハ、八幡、大人げないよ」

    彩加にまでダメ出しされた。ぐすん。

    349 = 333 :

    猫アレルギーの沙希は最初あまり我が家に上がる事はなかった。
    しかし小町が沙希と結構な頻度でメールのやり取りをする様になってからは、小町が気を利かせてカマクラを退避させる。
    メアドいつの間に交換したんだおのれら。
    俺と大志?するわけねぇだろ。

    カマクラはカマクラで超がつくほど無精なのか、大抵小町の部屋に隔離されてごろごろしている。
    たまに様子を見に行くが、特に不満はないらしい。

    そんなわけで最近では珍しくない光景だ。

    350 = 333 :

    俺はひと段落つきそうな頃合を見計らってキッチンに入り、休憩用のおやつ作りをしていた。
    ホットケーキにホットコーヒー。
    勉強で頭を使った後は甘いものに限る。


    「お前らー、メープルとハチミツどっちがいい?」
    「小町ハチミツー」
    「あ、俺はメープルがいいッス」
    「あいよ、沙希と彩加は?」
    「あたしもメープル」
    「あ、僕もメープルがいいな」
    「ほいほい、メープル3にハチミツ2、っと」


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