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    元スレ八幡「ブラコンめ」沙希「シスコンめ」

    SS+覧 / PC版 /
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    151 :

    乙です
    やっぱりぼっちを理解できるのはぼっちなんですよね。特に勘違いの仕返しが最高でした
    俺の中でこのSSは文句なしの一番です。プリクラ話も楽しみに待ってます

    はまちのメインヒロインは沙希で決まり

    152 :

    とつかわいい
    いやむしろさいかわいい

    ゲーム版にはさいかルートもあるらしいしメインヒロイン化待った無しやな

    153 :

    なんか銀魂に似てる

    154 :

    八幡の心の独白が口から出るようになるとこんな会話になるのかな
    奉仕部内じゃやや言葉選んでるっぽいし

    155 :

    >>142
    材木座涙拭けよwww

    156 :


    完結しちゃうのかと思ったらまだ続いてた
    楽しみに待ってる

    157 :


    >>142ワロタwwwwww

    158 :

    >>142
    そいやお前出番ないよな

    159 :

    友情出演してるだろ、プリクラの隅っこに

    160 :

    乙 めっちゃ良かった

    161 :

    なにこれおもしろい
    このスリーマンセルやばいな
    癖になるわ…

    乙!最高だ!!

    163 :

    こんばんわ>>1です
    プリクラ編やってきますー

    それとageたほうがいいんですかね?

    164 = 163 :

    土曜日


    ピンポーン

    「はいはーい。」

    時刻は午前11時過ぎ。
    玄関に立っていたのはお兄ちゃんのお客さんだ。

    「こ、こんちわ。」
    「あ~これはこれは沙希さーん。兄がお世話になってます~。」

    川崎沙希さん。
    驚くべき速度でお兄ちゃんに急接近したダークホース。
    大志くんは学校で見かけるけど、お姉ちゃんとこうして再び顔を合わせる事になるとは。

    165 = 163 :

    大志くんは学校で見かけるけど、お姉ちゃんとこうして再び顔を合わせる事になるとは。
    ううむ・・・考えてみればお兄ちゃんの部活関連の女の人以外はなかなか情報得られないからなー。
    灯台下暗し。ごめんネ大志くん。小町が絡んであげられなくて。
    直接言う機会は多分無いだろうから、心の中で謝っておくヨ☆

    「あ、いやこちらこそ・・・えっと・・・八幡、いる?」
    「あぁちょっと待っててくださ・・・ってうえぇぇぇ!?は、はち・・・」

    ななななななんですってー!?お兄ちゃんが既に名前で呼ばれているですとー!?

    166 = 163 :

    「え!?あ、あの・・・だからこれは・・・」

    うっわーマジですか。だって1週間ですよ?
    小町が言うのもなんですが、兄の攻略難易度はビニールテープでレインボーブリッジからバンジージャンプするくらいですよ?
    強くてニューゲーム?

    しかし・・・ほう・・・ちょっと照れたこの感じ・・・これは・・・
    第一印象とのギャップがまた・・・うんうん・・・たまりませんなぁ。

    はっ!?いかんいかんお兄ちゃんじゃあるまいし・・・

    167 = 163 :

    「こんにちわ小町ちゃん。」
    「あ、戸塚さーん。こんにちわですー。」

    沙希さんの後ろからひょこっと顔を覗かせる戸塚さん。
    ふむー。やっぱりお兄ちゃんと沙希さんと戸塚さんとは珍しい組み合わせだなぁ。

    「八幡を迎えに来たんだけど、いるかな?」
    「っと、そうだった。ちょっと待っててくださいねー・・・お兄ちゃーん!」

    「聞こえてるよ。」

    身支度をしていたのか、着替え終えて階段から降りてくるお兄ちゃん。

    168 = 163 :

    「はちまーん。おはよ。」
    「あ、お、おはよう。」
    「おう、おはよ。」

    ほほう・・・このトリオ・・・ありかもしれない・・・

    「つーわけで小町ぃ。今日は沙希と彩加と出かけるわ。」
    「ふへぇ!?あ、あぁ~うん、かしこまりかしこまちぃ~。」
    「なんだよその頭悪そうな返事・・・」

    いかんいかん動揺が表に出てしまった。まさかお兄ちゃんまで名前呼び捨てとは・・・しかしこれはいける・・・いけるぞ・・・!
    ごめんなさい結衣さん雪乃さん。小町は誰の味方かと言われたらお兄ちゃんの味方なのです、テヘッ☆

    しかもこちらのトリオ、女性は沙希さんオンリー!フフフ・・・これは一本道ルート待ったなし!
    ・・・とは言い難いのがお兄ちゃんなんだよなぁ・・・なーんせ戸塚さんが大穴に控えてるし。
    ぐぬぬ・・・小町は許しませんよ!そんな・・そんな・・・

    169 = 163 :

    「そんじゃ、何かあったら連絡するわ。」
    「いってきます。小町ちゃん。」
    「はーい、いってらっしゃーい・・・あ、沙希さん沙希さんちょっと待ってください。」
    「ん?あたし?」

    沙希さんを呼び止める。
    そしてお兄ちゃんの死角に入るようにして・・・




    「沙希さん、メアド交換してもらってもいいですか?」

    170 = 163 :

    「あたしとか?ま、まぁいいけど。」
    「ありがとうございます~。これで大志くん経由じゃなくても小町が色々サポートしちゃいますよー。」
    「へ?あぁ、そりゃどうも・・・?」

    うーん、よしよし。予想通りちょっと判ってない感じの返事だ。
    うふふふ、今はそれでいいですよー。
    ぽちぽちぽち・・・っとほい完了っ。

    「沙希ー。どしたー?」
    「うん、今行くよ。それじゃ、えっと、妹さん、どうも。」
    「えへへー、"小町"でいいですよ~お姉ちゃん。」
    「うわぁぁ、まったくもう!意地が悪いところは兄とそっくりだな・・・」

    そう言って沙希さんも歩き出した。

    171 = 163 :













    「ま、まぁ何かあったらあたしにもメール寄越しなよ・・・小町。」





    ・・・・・
    ・・・・
    ・・・
    ・・






    は・・・
    は・・・・・
    破壊力すごっ!?
    くっは~!なんじゃこりゃぁぁぁぁ!小町殉職しちゃうよ!

    172 = 163 :

    総合アミューズメントパーク『ムー大』

    カラオケ、ゲーセンから居酒屋に至るまでなんでもござれのごった煮空間。
    本当になんでもあるんで、昼飯もここで済ませちゃおうという流れだ。

    「とっ言っても俺、さほど腹減ってないぞ。」
    「ならクレープとかでいいんじゃないか?」
    「あ、いいねクレープ!八幡は甘いのが好きだよね。」

    クレープか・・・うん、今の腹具合にはぴったりかもしれん。
    選ぶものによっては量も調整できるし、うむ、悪くないチョイスだ。

    173 = 163 :

    オープンテラス式のクレープ屋を見つけ、沙希に席を取って置いてもらう。
    丸机に椅子が3つ。っかー!意味はわかんねぇけどそこはかとなくリア充臭がする。いやほんと意味わかんねぇけど。
    俺と彩加でクレープを注文しに行く。使いパシリは男の仕事だからな。決して彩加と2人っきりになりたいわけではない。



    「いらっしゃいませー。」

    女の子の店員が元気よく挨拶する。

    「アップルカスタードとハムチーズサラダ1つずつ、彩加は?」
    「僕はストロベリー生クリームを1つ。」

    特別読み切り!さいかちゃんストロベリー!生クリーム添え!作:比企谷八幡。
    このままでは俺がストロベる。
    さっさと沙希の所へ戻って平常運転に切り替えよう。

    174 = 163 :

    「戻ったどー。ほい、サラダ。」
    「ありがと。」
    「サラダもこうしてみると美味しそうだねー。僕クレープって甘いものってイメージだから、なかなかサラダ注文できないんだ。」
    「そうだね。最初はちょっと戸惑うかもね。」
    「まぁ俺はどの道甘い方選んじゃうけどな。」

    他愛のない会話をしながら食べ始める。
    こうして3人で食事をするのは先週散々やってきた。
    普通であれば俺の心に執筆している『敗北!トラウマ日記帳』の新たな1ページとなるくらいのエピソード。



    しかし俺は全く新しい自由帳の記念すべき1ページ目に記載した。
    こうして3人で机を囲んで食事ができるのも、あの1週間の・・・あぁやめだやめだ。
    誰に語りかけてるわけでもないのに気恥ずかしさが湧いてくる。

    それより彩加とストロベリるぜ!あ、俺のリンゴだった。

    175 = 163 :

    「まさかこうして3人で食うのを続けられるとはね。」

    沙希も同じことを思っていたのか、ふとそんなことを漏らす。
    まぁ内容はアレだったしなぁ・・・俺相当頭に血が上ってたし。

    「そうかな?僕はこんな何気ない関係結構憧れてたんだけどな。あ、女の子1人だから?小町ちゃんも呼べばよかったかな?」
    「い、いや!流石にもう・・・その・・・友達ってのに慣れてなくて・・・いっぱいいっぱい・・・次回以降で。」

    などと気恥ずかしそうに口走る沙希。
    普段の突っぱねた態度を見ているだけに、こういう場面に出くわすとニヤけてしまう。

    176 = 163 :

    「お前なぁ、俺が本音を言えるようにするのが目的だったんだろ?今のお前もすっげぇ口緩いぞ。本音ダダ漏れ。」
    「う、うっさい!あんただってそんなムカつくニヤけ面をポンポン見せるようなヤツじゃなかっただろ!」
    「なーに言ってんのぉー?これはお前が勝利宣言した時のニヤけ面の真似ですぅー。」
    「じゃあ真似すんな!と言うかそんな顔してない!」

    なんというか、先週丸々コイツとの口論に費やして思ったのだが・・・沙希は話しやすい。

    177 = 163 :

    雪ノ下とのしょーもないいがみ合いも結構好きだ。
    由比ヶ浜とのしょーもないじゃれ合いも結構好きだ。

    こいつは・・・なんだろう・・・そのどっちも内包していて、どっちとも全然違う。そんな新鮮な感覚。
    俺はこの感覚を忘れないように、また自由帳に・・・ってやめい。これほんと恥ずかしい。


    「アハハ、もう2人とも。喋ってばかりで全然進んで無いよ。」
    「あ、悪ぃ。」
    「あれ?彩加もう食べ終わっちゃったの?」

    見ると彩加のクレープは無くなっており、包み紙が綺麗に折りたたまれていた。

    178 = 163 :

    「うん、僕のはそんなに大きいやつじゃなかったからね。」

    何てこった。ストロベリーが彩加にストロベリられるところを見逃してしまった。

    「ゴミ捨てるついでにジュース買ってくるよ。何がいい?」
    「コーヒー。」
    「あ、ならあたしも。」
    「うん、待っててね。」

    こうしてまた2人ぼっち。前回も彩加はジュース買いに行って退場してしまったな。
    ジュースの女神さまはどうやら俺と彩加が一緒に居る事に妬いているらしい。困ったもんだぜ。
    仕方ないので戻ってくるまでに食い終わらせようとクレープを頬張る。

    179 = 163 :

    「あ、八幡。落ちそう。」
    「え?」

    齧り付いた場所が悪かったのか、俺の口元からポロリとリンゴが落ちかける。

    「あ。」

    その時、ひょいっと沙希の手が伸びた。
    見事にリンゴの一欠けらは地面への不時着を回避した。すげぇ。




    ・・・・・で、そのリンゴどーすんの?俺の口から落ちたやつなんだけど。

    180 = 163 :

    沙希もそれに気付いたのか、あわあわと口を開きながら『どうしよう?』みたいな目でリンゴと俺を交互に見る。
    いや、間に俺を見ないでくれ。俺だって困る。

    まさか自分で食べる気じゃないだろうな?そんな光景目の当たりにしたら八幡どうにかなっちゃうよ。

    沙希は。
    その手を。




    「・・・っ。」

    俺の口に戻した。

    181 = 163 :




    いやいやいやいやいやおかしいでしょ!
    数ある選択肢の中で一番おかしい選択でしょそれ!

    「あああああああああそんな顔しないでくれぇ!」
    「む、無理言うな!何でこの選択肢にしたんだよ!」
    「思わず手が伸びただけでキャッチできるとは思ってなかったんだよぉ!自分で食うわけにもいかないだろぉ!」
    「こっちの方がもっと恥ずかしいわ!どーすんだよこれぇ!なんかもう残りのリンゴも恥ずかしさの塊に見えて来ただろ!」
    「食え!何もかも忘れて食え!あたしも残り食うから!」

    182 = 163 :

    もう俺の自由帳が『羞恥!ハズカシメ日記帳』に変貌しつつある。

    俺たちは顔から赤みを振り払うように残りのクレープを食った。
    味なんて忘れた。


    「おまたせー。」

    彩加ぁぁぁ!待ってたよ彩加ぁぁぁ!

    183 = 163 :

    「はい。」
    「サ、サンキュー。」
    「う、うん。」

    裏声になりかけた。

    俺たちはコーヒーを受け取るとそのまま一口飲む。

    「あれ?八幡シロップは?」
    「あ、あぁ。最初の一口はそのまま飲みたいんだよ・・・」
    「あ、あたしも、そう・・・」

    この口の中でぽわぽわとしたリンゴとカスタードの甘みがヤバいんだ。



    ・・・・・
    ・・・・
    ・・・
    ・・



    184 :

    小町視点かわいい!

    >>163
    投稿者は「saga」を使うと良いらしいですよ。

    185 = 163 :

    ゲームコーナー

    ようやく目的地に着いた。
    そう、ようやくだ。
    時間にしたらそれほどでもないけど、とにかくようやく着いたんだ。

    「八幡、たしかこっちだよ。」

    あぁ、俺も今視界に入れたところだ

    "女子・カップル専用ゾーン"

    見間違えようがない。まさしく愛の国ガンダーラ。
    やべーよ本当にあったよ。

    186 = 163 :

    「すんなり行けるといいね、店員さんどこかな。」
    「や、やっぱり無理なんじゃないかな・・・」

    沙希がちょっと消極的になってきている。
    いや判る、すげー判る。気持ちはすげー判る。

    少し前までこいつも勘違い生命体だったんだ。
    あんなビックリドキドキイベントの直後だもの。"カップル"なんて単語が目の前にあったらどうなるか。






    意識しまくりですよホント。

    しかし今日の日を一番楽しみにしていた彩加の為にもここは避けて通れぬ道なのだ。

    187 = 163 :

    「あ、見つけたよ。」
    「んじゃちょっと待っててくれ、俺が聞いてくるよ。」

    ここは俺が男を見せる時。というかこの場面で俺が聞きに行かないと色々とオカシイ。


    「すいません、店員さん。」
    「っしゃーせ。何でしょっか?」

    軽いノリの店員さんだ。以前と同じ人物か・・・?
    しかしこれなら・・・いけるかもしれない。

    188 = 163 :

    「俺らプリクラ撮りたいんですけど、3人ってOKですかね?」
    「3人っすかー?一応カップル用として置いてあるんっすけどー。」
    「あっちの2人が連れなんですがね。」

    そう言って視線を2人に向ける。

    「おぉー、女子2に男子1っすか。」
    「いやー今日はですね、Wデートの男役が1人2役なもんでしてね。」
    「あ、あぁ~なるほど~。お兄サンやりますね~。」

    何をだよ。

    「いいっすよ。どうぞお通りくだっさい。」

    おっけぃ。大きく出てみるもんだぜ。

    189 = 163 :

    「ただし一応ですねー・・・」

    ん?

    「ホラお客さん。あっこにカメラありますでしょ?ウチもバイトとは言え仕事なもんでしてねー。」

    店員さんがやや小声になる。

    「入るところがカメラに収まっちゃうんでー、ウチが言い訳できるように判るように入って欲しいんっすよ。」

    バイトも大変だな、全く。

    「っつーわけでしてね・・・」



    190 = 163 :






    「あ、八幡おかえり。」
    「で、ど、どうだった。」
    「あぁ、オッケー貰えたよ。」
    「マジでか・・・」

    「・・・3人で手ぇ繋いで入場すればオッケーだってよ。」


    「う、うえぇ!?」
    「よく判んないけど、それで入れるのかな?」
    「俺も良く判らん・・・」

    191 = 163 :

    ゲームコーナー:数刻前

    むふん、本日は晴天ナリ晴天ナリィ。
    絶好のあるかな日和であーる。

    最近は他のあるかな勢も力を着けてきておるからな。
                     アナザー ファイティング テクニック
    特に!初心者を名乗りつつ百 戦 錬 磨 の 指 使 いを有する戦士たちを相手にした場合は特に困る!
    上級テクニックや基盤バグを知り尽くさねば初心者狩りができぬぅぅぅぅ!

    192 = 163 :

    む!?センサーに反応が・・・?
    あ、あれは我が盟友!八幡ではないか!?横にはと・・・戸塚氏!

    このような戦場で出会うとは最早これは運命!さながら我らは遠い昔から強い絆で結ばれた数百年越しの戦友に違いない!

    「はちま・・・む?」

    道行く人の1人と思っていたがよく見ると横で八幡に話しかけているあの女狐・・・いやあれは・・・女豹、いやそれも違う・・・魔女!?
    な、なんだあれわぁぁぁぁぁぁぁぁ!

    193 = 163 :

    違う!いつもの八幡じゃない!
    その女は魔女なのよ!ラリアットが弱点なの!


    うむむいかんいかん、もっとよく見たらいつものラスボス女でも遊び人女とも違う・・・あれは・・・誰でおじゃる?
    むむ・・・何か怪しげな密談をしておる・・・

    「プリクラってどっちだっけ?」
    「八幡、たしかこっちだよ。」



    ピコーン!



    「店員殿ー!」
    「あ、まーたアンタっすかぁ・・・今度は何やらかすんです?」
    「えぇい我の事ではなぁぁぁぁい!1つ頼みごとがあるのだが・・・・」

    194 = 163 :






    うむ!我の目論み通りである!
    八幡のヤツ、戸塚氏と魔女と手を繋ぎプリクラに向かって行きおった・・・




    パシャリ!








    ムホホホホ!今日の所は見逃してやるぞ八幡!だが!お主は後に知ることになる・・・
    この剣豪将軍、材木座義輝に妖刀を握らせていた事をなぁ!ムハハハハハハハ!!

    195 = 163 :

    プリクラ台

    「このプリクラ毎度毎度入場難易度高すぎなんですけどー。」
    「う、うぅ・・・」
    「まぁまぁ、でもやっと着いたねー。前回と同じ台でいい?八幡。」
    「おー。」

    正直見分けつかねーし。

    相変わらずサンプル画像にはモンスターどもが貼り付けられている。
    よくこんなのを他の人が見れるところに貼れるな。仮にこれが俺だったら磔だぞ、同じ読みでもこんなに違う。

    「そういや沙希、お前プリクラ撮った事あんの?」
    「いや・・・こういうのは初めて・・・」
    「あ、そうなんだー。いいの撮ろうね、沙希ちゃん。」

    196 = 163 :

    筐体は流石に3人だと狭い。
    そりゃそうだ、もともと女子・カップル用と言うのだから2人が限度なんだろう。
    なんという密度。

    「じゃぁ今日は背景これにしようかなー。」
    「プリクラは元々彩加の要望なんだし、任せる。」
    「うん、任された。」

    あぁ・・・以前まだ"戸塚"と呼んでいた頃の関係じゃ、今の返し文句は絶対無かったな・・・
    お前が彩加でよかったぜ。

    197 = 163 :

    「いいみたいだよ。」

    そう言って彩加が1歩下がる。

    横を見てみると。

    「・・・・・」

    うへぇ・・・
    目に見えて超緊張しておる。
    口元凄い事になってるもん、『へ』の字から更に口元を無理矢理釣り上げたような感じになってるもん。
    目凄い事になってるもん、ガン開きだもん。
    おいおい、そんなんじゃ三蔵法師の太陽拳は耐えられないぜ?以前の俺よりも無様な顔になりかねん。

    ま、それはそれで面白いんだけど

    198 = 163 :

    俺は以前撮った時のシャッタータイミングを思い出す。










    ここだ!

    「ふへぇ!?」

    パシャ!

    199 = 163 :

    帰り道

    「だーもう!何てことしてくれるんだよ!」

    沙希は1枚目のプリクラをつまみつつ俺に怒鳴りつける。

    「いいじゃねぇか、おかげでフラッシュに目を潰されずに済んだだろ?」

    真ん中で笑顔を作る彩加。
    渾身のニヤけ面で笑う俺。

    そして・・・





    「だからってこれは無いんじゃない!?」

    俺に頬を引っ張られて、びっくりしたような目で俺を見る沙希。

    200 = 163 :

    「アハハハハ。」
    「でもほら、これ2枚連続で撮ってくれるし!」

    そして2枚目。

    俺と沙希は頬の引っ張り合いどつき合い。
    それが写った画面を指さして笑いこけている彩加。

    「でも今日はバッチリいいのが撮れて良かったよ!」
    「やったな沙希。要望者がご満足のようだぜ。」


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