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    元スレ八幡「ブラコンめ」沙希「シスコンめ」

    SS+覧 / PC版 /
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    651 = 638 :

    ・・・恐らく言ってないんだろうな。そりゃそうか。
    三浦はなんだかんだで周りを結構見ている。
    けれど時には見るだけじゃ判らない事もあるんだ。
    海老名さんが自分から言い出さない限り、見る事はできないんだろう。

    いや、俺も三浦の事そこまで知らんけど。


    「あいつの趣味はある程度わーってるけど、今の海老名は別のモン見に行ってるみたいでさ」
    「別の?」
    「もうあんたら2人しかいねーっしょ」

    652 = 638 :

    ふむ・・・
    まぁ若干気にはなっている。
    確かに俺と彩加の事でいつもの鼻血が流れる事もあるんだが、俺と沙希にも結構食いついてくる。

    「あーしはね、正直言うとあんたら2人はちょっと怖かったんよ」
    「へ?」
    「最初の弁当ん時よ、言ってる事は無茶苦茶だったけど、目はとても見てらんなかったわ」


    いや、あれはさぁ・・・確かに俺はマジだった部分もあるけどさぁ・・・

    653 = 638 :

    沙希をチラっと見る。
    案の定、ちょっとヘコんでる。一応本人が言うには演技だったらしいし・・・
    ・・・ウン、真相は闇の中にポイ。


    「川崎にゃ枕で痛い目にあった後って事もあるし、ちょいとね、ビクついてたんよ」

    あ、更にヘコんだ。
    しかし何なんだ三浦のやつ・・・

    654 = 638 :

    「あん時と目つきは殆ど変ってねーのに、今はなんつーの?よく言い表せねーんだけど・・・そう感じないんよ」
    「ま、どの道こいつの目は腐ってる上に、あんだけシスコンっぷり披露しちまったしな」
    「うるへーよ恐怖のオーラバトラーめ、お前はどうせ大志から離れてもまだ次控えてんだろ。あと2回変身残してんだろ」


    そういえば後から聞いたが、最初の弁当バトルの時、頑なに大志を引き合いに出してたのは小町と同い年だからという理由だ。
    マジで最初から罠だったと思い知った瞬間だったぜ。こいつ何者だよ。
    受験の事あってか、今でこそ大志につきっきりだったが、大志が入学して一安心してしまえば、次のフリーザ様となるのだろう。

    655 = 638 :

    「何が変身だよ、あんたは小町が入学しても離れそうにないけどな」
    「離れるわけねーだろ、あんま俺を見くびんな」
    「ほれ、そーやってるとこ。」

    ん?
    いつものしょーもないやり取りを控えめにやってると、三浦が指摘してくる。
    え?こーやってるとこ?

    656 = 638 :

    「多分でしかねーんだけど、あんたらの表裏なさすぎる態度が気に入ってんじゃねーのかな」
    「んー・・・実感ないなぁ」
    「慣れすぎてしまったな、こりゃ」
    「今だってあーしが居るのに完全に自分らだけで話てたじゃん。自由すぎんのあんたら」


    そんなもんか?

    657 = 638 :

    「海老名もなんだかんだでムズかしー子なんよ。そこがおもしれーんだけどさ」
    「よく見てんのね」
    「流石はF組のおかんだわ」
    「っ!だーっ!もー!そんなんじゃねーし!」


    そう言って、踵を返して校門へ向かって行く。
    駐輪場は目の前だ。

    「あーしもちょっとだけ羨ましいんよ」
    「へ?」
    「受かるといーな、2人とも」

    658 = 638 :




    少し、考えてみる。
    俺は今まで教室におけるカースト制度の最下層だった。
    そんな俺を含む集団を、トップカーストの更に頂点に君臨する女王が"羨ましい"と言った。


    「そんなもんかね?」
    「さぁ?」


    女王はもう1つ言っていた。"自由"だと。
    もしかしたら俺たちは、今の俺たちは・・・そんな堅苦しい制度の外側にまで来たのかもしれない。
    ・・・んなわけねーか。俺の位置はいつだって変わってないさ。
    最下層だろうが外側だろうが、俺の望んだ位置。

    659 = 638 :

    そんな事なんかよりも・・・


    「んじゃ、とりあえず今日は祈っとくか」
    「同感」


    三浦の話を聞いている内に、俺たちの不安めいたものが軽くなっていた事の方が重要だった。
    やっぱおかんだわ。あいつ。

    660 = 638 :

    そんなこんなでカーチャンまじおかんでした
    もうちょっと書こうにも社畜モードなのでなかなか時間取れませんね

    661 :

    乙 原作読んでるけどおかんがさきさき苦手な描写あったかわからん よかったら教えて

    662 :


    あーしさんマジおかん

    663 = 638 :

    元々近寄りがたいイメージだったのと修学旅行のまくら投げで泣かされた
    ここではその直後にアレがあったので、今みたいな立ち位置に置いた感じです

    664 :

    乙乙!
    三浦株ストップ高だなあ。ほっこりしますわ。

    665 :

    よい…よいわぁ

    666 :

    呼び方姫菜じゃなかったっけ?

    667 :

    >>666
    姫菜は結衣だけだったと思う

    668 :

    相模はどうしてるのかねぇ…

    669 :

    小町と大志って実は学校違うんだよな

    670 :

    あれ?塾だけ同じなん?

    671 :

    >>669
    手持ちのテキストはそこらへんや誤字などをまるまる修正したりしています
    序盤の方にも書きましたが、終わったらどっか別の形で置いておくかもしれません

    672 :

    いいねえ
    こういうほのぼのしたの最高だよう

    673 :

    ほんと予想外のとこから伏線拾って来るな
    くそぅ、PCでじっくり読みたいぜ

    674 :

    さきさき終わったらめぐり先輩見てみたいなチラッチラッ

    675 :

    >>671
    渋なんかにアップするなら、後々を考えて酉を付けた方が良いんじゃないかな?

    676 :

    もうハーメルンで良いやん
    色々あるが無難っちゃ無難だし

    677 :

    >>676
    ハメより渋のほうがよくね?

    678 :

    >>677
    あそこは読みづらい
    理想郷にでも置いとこう

    679 :

    多重投稿しよう!

    680 :

    なるほど、渋かハーメルンですか
    とりあえず垢のある渋を選択肢にしてみます
    色々とありがとうございました

    どっかにテキストごとアップしようとなんてシテマセンヨ



    こんばん皆さま
    >>1の初SSもどうにかこうにかエンディングが見えてまいりました
    もう少しばかりお付き合いをお願いします

    今回は終盤の前編みたいな感じです

    681 = 680 :

    昼休み


    「まずは第1段階だなー」
    「あの子たちの勉強見るのもひと段落かぁ」
    「フフ、お疲れ様2人とも」

    俺も沙希も午前中からダラーっとした感じ。
    完全に気が抜けてる。やりきった男と女。
    ・・・ん?何か変だったな、今の。

    ちゃんと午前中の授業でノート取ってたのを褒めてほしいくらいだ。

    682 = 680 :

    「彩加こそ。なんだかんだで俺らの妹と弟の問題なのに、最後まで付き合わせちまって」
    「構わないよ。2学期の期末試験もおかげですごい良くできたんだよ」
    「確かに同時にやってたしね、そう言われると照れるかな」

    そう言えば彩加の成績がどのくらいかって知らないなぁ。

    いや、直接聞くことはやめておこう。
    これは遠慮ではない。俺の楽しみとして取っておくのだ。
    彩加の成績は卒業するまで聞かない。
    俺ってば徳とポイントの高い男だしな!

    683 = 680 :

    「つってもそりゃお互い様だろ。俺だって理系は今まで全捨てだったんだぜ?」
    「八幡、記憶力はいいんだから数式とか覚えるの得意だと思うんだけどな」
    「こいつは式の当て嵌め方がわかっちゃいないんだよ」

    うるへー。
    まぁ理系に限ればほんと教わってばかりだったので何も言えん。
    しかもおかげで追試まで回避できたし。

    684 = 680 :

    「いいじゃないか、その代わり文系はほぼ全範囲こっちが見てもらったんだし」
    「そうだよ、ほんとに助かったんだから」
    「まー、そりゃそうだがね」

    その辺は否定しない。
    つってもこいつらは俺の理系と違って結構甘えた教え方でも覚えるの早かったし。
    あれ・・・?これだと俺だけダメな子じゃね?

    685 = 680 :

    「あんたはほんと両極端な生き物だよ」
    「こらこら、ぼく八幡、人間」
    「八幡、あんな事言ってた割には教えるの上手なんだもん」


    あんな事・・・あぁ、小町の件か。
    いや俺としてはお前らに対しても甘やかした教え方だったと思うぞ。
    本気で教えたら学年3位が3人になるくらいにはする。

    686 = 680 :

    「それでも受験勉強中は流石に甘やかさなかったみたいだな」
    「そりゃ、あいつらはな。それも今日で終わりそうだけど」
    「あ、試験は午前中で終わるんだっけ?じゃぁ2人はもう帰っちゃったかな」

    居ないと判ると寂しいもんである。


    ・・・・・
    ・・・・
    ・・・
    ・・


    687 = 680 :

    食事も終わり、片付けに入りながら彩加が聞いてくる。

    「そういえば奉仕部って3学期入ってからどんな活動してるの?」
    「あー、そうなぁ・・・」

    基本的に暇つぶし=奉仕部活動だが、3学期は意外とそうでもない。

    「城廻先輩の依頼がそこそこあるかな。生徒会の引き継ぎ期間だし」
    「次期生徒会長って雪ノ下は立候補しなかったの?」
    「あいつは一応勧められてたけど辞退したよ。そもそも奉仕部だから生徒会には入らないとさ」


    つまりは今年も奉仕部は存在し続けるのである。
    来年度は3年生だけの部になっちゃうよ?しかも3年生って途中から引退に入るしどーなんのさ。

    688 = 680 :

    ・・・いやどうもこうもないか。
    あの調子のまま3年生ラストまでのんびり行くんだろう、きっと。

    「しかしまぁ、目立った事件も無いみたいで何よりさ」
    「まぁなー。つっても3学期ってイベント特にないしよ。卒業式は流石に3年と教員側で段取りしてるし」

    目立つ校内イベントが無いんで、目立つ事件も起こしようがない。
    これじゃまるで俺がイベント毎に悪事を働く不良みたいじゃん。ちげーよ、そんなんじゃねーし!

    689 = 680 :

    「ま、あんたがまた変な事件起こしたら盛大に笑ってやるよ」
    「・・・そりゃどーも」
    「その代わりちゃんと考えて行動するんだよ?八幡。奉仕部だけじゃなくて僕たちにも話してね」


    勿論だよ、わーってる。


    そんな事になったらきっと本当に笑われるんだろうな。
    それが堪らなく嬉しい。
    その場面になったわけでもないのに、笑われると判っている事がこんなにも嬉しい。

    690 = 680 :

    「あとはそんなに目立つもんでもないが、恋人の浮気調査だのもあったな」
    「なんか探偵みたいだね、バレンタインが近いからかな?」

    クスクスと彩加が笑う。
    そう言われてみればそうだな・・・
    由比ヶ浜がコミュニティから情報を集め、俺がスネークして現場を押さえ、雪ノ下が有無を言わせず論破する。
    勿論その後のご関係の方は、当の本人たちで何とかしてもらう。

    来年から探偵部に改名するか?

    691 = 680 :

    しかしバレンタインか・・・

    「・・・合格発表が14日なんだよなぁ」
    「そうだね、あいつらには合格祝いとしてチョコやりたいところだよ」
    「八幡にはあげないの?」


    「・・・・・あ、あげるけどさ」

    ボソッと言う沙希から目を逸らせない。
    違うか、逸らしたくないんだ。
    この一字一句、聞き逃したくもない。

    「お、おいおい、彩加にもあげるんだぞ」
    「判ってるよ!」


    この気恥ずかしさ。どれくらいぶりだろう。
    あれだけトラウマとなった昔の俺は、いつもこんな気持ちだったのか。

    あぁ・・・変わってねぇな、俺。

    692 = 680 :

    「アハハ、じゃあ当日は合格祝いかな。八幡のお家でいい?」
    「いいけど、もう受かった気か?」
    「何言ってんのさ、あんたとあたしと彩加が講師だったんだよ?」


    そーかよ。

    693 = 680 :

    2月14日


    世間はバレンタインデー。
    ちなみに今更言うまでもないが、俺は生まれてから小町からしかもらった事は無い。
    普段であれば爆破念波をそこ等中にばら撒くが・・・


    今年の合格発表は2月14日。

    今日の2時には合格者が張り出される。
    そんな中で俺は授業なんて受けてられるのか?

    「もー、お兄ちゃんがそんな不安がってどーすんのさ」


    ごもっともだ。

    694 = 680 :

    「そのおかげで小町は逆に気楽なんだけどなー」
    「それを目的として不安がってたんじゃねぇよ」
    「まーまー、今日はバレンタインだし、帰ったらチョコあげるからさ!」
    「へぃへぃ」

    ま、これで小町の不安が消えるなら安いもんだ。

    「とりあえず今日が終わったら家に集まるそうな」
    「おー!合格祝い&バレンタインですなー!彩加さんと大志くんにも渡さなきゃだしねー」

    こっちもこっちで完全に受かった気でいやがる・・・
    しかも大志にまで・・・だと!?くっそ!許せねぇ!・・・いかんいかん。
    あいつだって一緒に頑張ったんだ、丸坊主にするくらいで許してやらねぇと。

    695 = 680 :

    中学の前まで着く。

    「それじゃお兄ちゃん、発表の時会えたら総武高でね!」
    「あいよー、番号見つけたらメール寄越せよ」
    「うん!」


    さ、俺も戦地に向かうか。
    今から2時過ぎまで、拷問とも言える時間に身を投じに。

    696 = 680 :

    午後:現国


    3学期も半ばを過ぎると、はっきり言って授業で教える事はもう殆ど無い。
    私の受け持つ授業も例外ではなく、小テストと題したプリントを配り教壇に戻る。


    時刻は2時過ぎ。今日は受験生の合格発表の日だったな・・・



    チラリ、と窓の外を見る。
    合格者が張り出され、結果を見に来た未来の生徒たちが集まってきている。
    早い者はもう自分の番号を見つけている頃か。

    697 = 680 :

    生徒たちに目を戻す。
    真っ先に目に入ってくるのは、愛すべき煩悩の塊である2人。


    ふふ・・・判りやすいヤツらめ。


    2人とも打ち合わせでもしたかのように、ソワソワと机の下で携帯を見ている。
    こんな所だけは似ているんだな。
    自分たちも子供でありながら、まるで親のように振る舞ってきた2人。

    環境もあっただろう。責任感もあっただろう。何より愛おしさがあったのだろう。
    私が君たちを愛おしく思うように。

    698 = 680 :

    時刻は2時10分。


    ブルッ・・・


    川崎の携帯がマナーモードの振動を響かせる。

    見開かれる目。
    緩む頬。
    そして安堵の溜息。

    まったく、君はそんな顔もできたんだな。


    ブルルッ・・・


    もう1つの振動音。比企谷に目を移す。

    見開かれる目。
    緩む頬。
    そして安堵の溜息。

    君たちは本当に打ち合わせでもしたんじゃないか?

    699 = 680 :

    生徒たちの殆どは、まだ小テストに目を向けている。
    良く見ると手を止めているのはこの2人だけだ。
    周りなんて一切気にせず、2人は顔を合わせてニヤけている。

    何があったのか丸わかりだよ・・・仕方ない。


    「オホン、まぁ外のこんな様子だしな。終わったものから静かに出て行ってもいいぞ」

    700 = 680 :

    ガタッ
    ガタッ


    ・・・2人は立ち上がり・・・

    カツカツカツ・・・
    カツカツカツ・・・


    ・・・一直線に教壇に向かい・・・

    スッ
    スッ


    ・・・迷いなく解答用紙を提出した。

    想像通りの展開に笑いが出そうになる。
    本当に終わらせていやがったこの2人。


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