私的良スレ書庫
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元スレ上条「白いワンピース」
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ステイルが何かをポケットから取り出す。
それはほんの小さな十字架のついたネックレスだった。
あれには見覚えがある、俺があれ何をしようと大丈夫だ。
「……これはあの子の記憶を[ピーーー]のに必要な道具だ」
ステイルは俺に近付いてその十字架をよく見せてくる。
「これは『魔術』の一品だよ。君が何なのかは知らない。しかしこれは簡単に壊すことは出来ない」
「でもね、どこかに放り投げたり、川に捨てたり、それを持って逃げることは可能だ」
「この子はそのうち頭痛で苦しみ出す。そんな風になる女の子の前でこれを僕から取り上げることが出来るか? これが無ければ彼女は死ぬ。自分にそんなに自信があるなら僕からこれを奪ってみろ!」
俺はもう迷わない。
「テメェからそれは奪わないし、奪うつもりもない」
右手をそっと十字架に向けて伸ばす。
「ただそれにちょっとばっかり壊れてもらうけどな」
右手が十字架に触れた瞬間、パキンという音がし、チェーンの部分がバラバラになり十字架が地面へと落ちる。
「な、なんてことをしてくれたんだ!!」
ステイルに胸ぐらを掴まれる。
「自信があるならこれを奪えってテメェがいったんだろうが。この十字架は俺がもらうぞ。奪わねえって言ったばっかで悪いけど」
十字架を拾い上げ、ポケットに入れる。
もしかしたらこれがあればオルソラのようにイギリス清教に関係を持てるかもしれない。
もしかしたらインデックスに関して協力しやすくなるかもしれない。
もしかしたら……、
そんな淡い幻想を抱いて。
「じゃあ、やってもらおうじゃないか。君の方法とやらをね」
「じゃあ最初に一つだけ言わせてくれ」
「なんだい?」
「……は?」
魔術師達が固まる。
ステイルの手が離れる。
まあ俺も前は知らなかったけどな。
「詳しくは知らないけどな。脳には記憶の容れ物がいくつかあって、本をいくら覚えて知識を増やしても思い出などの記憶とは容れ物が違うために圧迫されることはないらしい」
「でも彼女は事実毎年苦しんでいるんですよ? そんなこと……」
「85%」
「……なぜそれを?」
「インデックスが10万3000冊を覚えるのに使った脳の容量だって?」
「ええ、そうですが」
いつの間にか受け答えは神裂に変わっていた。
「じゃあもう一つ聞く。インデックスが記憶を消さなければならなくなったのは何歳からだ?」
「彼女の歳が2桁になってからですが」
「はあ……いいか、テメェら。インデックスが10万3000冊を覚えるのに脳の85%使うだろ? そしたら残りは15%だ。この15%では一年間しか記憶出来ない。ここまではいいか?」
「はい」
「じゃあなんでインデックスは6歳や7歳で死なずに10歳まで生き延びた?」
「……!」
「教会だよ、神裂、ステイル」
「赤ん坊の頃の記憶がどうとかなんてそんな詳しいことまでは知らねえ。ただインデックスの場合魔道書を覚えるということで脳の残り容量は減っていってるはずなんだ。だからやっぱり10歳までに死ななかったってのはおかしいんだよ。テメェらは教会に騙されてるんだ。禁書目録なんてシステム作った奴がこいつを野放しにするわけ無いだろ。そんな奴らがこんな極東に派遣されるような下っ端のテメェらなんかに本当のことを言うかってんだ」
「じゃあ、僕達のやってたことは何だっていうんだ……。くそっ……!」
「待ってください!じゃあそれがわかったところでどうするんですか?」
「なんだテメェら見てなかったのかよ」
「何をですか?」
「さっき俺が何を壊したかだよ。俺の右手には幻想殺しってのが宿っている。超能力も魔術も効かない、霊装だって壊せる。こいつが今『歩く教会』を着ていないのは間違って触ってしまうと服が破壊されてしまうからだ」
まあ首輪を破壊する時にこいつに触るだろうから着てないってのもあるんだけどな。
「その力でこの子にかかっている魔術を破壊すると言うのですか?」
「ああ、魔術がどこにかかっているかも分っている」
久々にインデックスに向き直る。
「インデックス、俺を信じてくれ」
「さっき魔術師が私を追ってるのは私の為って言ったのはこういうことだったんだね」
「ああ、そうだ。今からインデックスを助ける。少し口を大きく開けてみろ」
「わかったんだよ」
俺はインデックスの口に手を入れながら言う。
「おい神裂にステイル。まだ俺のことが信じられないなら信じさせてやる。こいつは魔術が使えないんじゃない」
バキィッ
「こういうとっておきの時に魔術を扱えるようになってるってことをな!」
インデックスの眼球に真っ赤な魔法陣が浮かび上がる。
そして、
「ーーー警告、第三章第二節。Index-Librorum-Prohibitorumーーー禁書目録の『首輪』、第一から第三まで全結界の貫通を確認。再生準備……失敗。『首輪』の自己再生は不可能、現状、10万3000冊の『書庫』の保護のため、侵入者の迎撃を優先します」
「ーーー『書庫』内の10万3000冊により、防壁に傷をつけた魔術の術式を逆算……失敗。該当する魔術は発見できず。術式の構成を暴き、対侵入者用の特定魔術を組み上げます」
「ーーー侵入者個人に対して最も有効な魔術の組み込みに成功しました。これより特定魔術『聖ジョージの聖域』を発動、侵入者を破壊します」
インデックスが着々と魔術の準備を進める。
ステイル達はまだ状況がよくわかっていないようだ。
「ほら見ろ。インデックスはちゃんと魔術を使っている」
俺はもう、女の子1人救えないような無力な人間になんてならない。なってやらない。
目の前の少女を助けることのできる嬉しさに右手を握り締めた瞬間、ベキリとインデックスが作った亀裂が裂ける。
ゴッ!!と。亀裂の奥から光の柱が襲いかかってきた。
右手を前に出す。
ある程度は打ち消せるが、完全には打ち消せない。
でも俺はこんな攻撃に対する方法を見つけた、手に入れた。強くなったんだ。
何のために家ん中じゃなくて外に出たと思ってんだ。
俺は前に出した右手で光の柱を押さえつけると、手首をねじり、そのベクトルを斜め後方へと無理やりに逃がす。ビルや歩道橋が破壊される音が響く。
今は光の柱を後ろに逃がしていることで俺への負担は少ない。少しずつ前へ進む。
インデックスの作った亀裂、さらにその先の魔法陣を右手で引き裂く。
「警、こく。最終……章。第、零ーー……。『 首輪、』致命的な、破壊……再生、不可……消」
ブツン、とインデックスの口から全ての声が消えた。
……その時インデックスの顔が少し笑った気がした。
そして思い出す。あの北極海での不思議な出来事を。
「ああ、どういたしまして、インデックス」
「上です!上!!」
「え?」
突然の叫び声に俺は上を見る。
ビルや歩道橋を破壊した後に生まれた、何十枚もの光り輝く羽がまるでこなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいいのように舞い降りてくる。
……また、繰り返すのか?
また、怪我をして
また、記憶を失って
また、インデックスが誰か分からなくなって
また、インデックスに嘘をついて
また、インデックスを傷つけて
また、自分にも嘘をついて
そしてまた、インデックスにあんな顔をさせてしまうのか?
そんなこと……
そんなこと、あっていいはずがねえだろうがッ!!
パキン
軽い音と共に俺の周りの羽が消える。
(何が……、何が起こったというのですか?)
まだだ、まだ羽はある。
こんなんじゃ足りねえ。
今なら、
こんな力を見つけた今なら、
あとはそれを手に入れるだけ。
……なんだ、簡単なことだったじゃないか。
さあ右腕に集まれ、幻想殺し。
全ての幻想を喰らい尽くせ!!
俺はまだまだ、強くなれる。
目の前の少女のために、自分のために。
「ォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオッッッ!!!」
右腕に集まり半透明な竜となった見えない力。
雄叫びをあげたそれが全ての羽を喰らい尽くす。
ーーーーーー
ーーーー
ーー
インデックスは?
インデックスは無事か?
見るとインデックスは気持ち良さそうに眠っていた。
……あーあ、この白いワンピースどうしようか。
舞夏だったら汚れててもちゃんと綺麗にしてくれるよな? うん。
いや、そもそも受けとって貰もらえるか?
あーでもやっぱり『歩く教会』じゃなくてよかった、マジで。
この力使ってたらあれ壊れて、インデックスの噛みつきだけじゃ無くてステイルや神裂の攻撃も受けてただろうからな。
あれ、でもその前インデックスに触ったっけ? あれ?
『歩く教会』で思い出したけどあの店まだ閉まってねえよな?
竜がただの右腕の姿に戻る時、俺はそんなことを考えていた。
街には人が戻り始める。
ここが学園都市ということもあるのか、この時間帯そんなに人が多いわけではない。
粉々になった羽の欠片が街頭の光を受けてインデックスを照らす。
目の前の少女は白く輝いていた。
「上です!上!!」
「え?」
突然の叫び声に俺は上を見る。
ビルや歩道橋を破壊した後に生まれた、何十枚もの光り輝く羽がまるでこなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいいのように舞い降りてくる。
……また、繰り返すのか?
また、怪我をして
また、記憶を失って
また、インデックスが誰か分からなくなって
また、インデックスに嘘をついて
また、インデックスを傷つけて
また、自分にも嘘をついて
そしてまた、インデックスにあんな顔をさせてしまうのか?
いじょー
インデックス戦終了です
>>112
指摘されるまで気づきませんでした、ありがとうございます
あーまじやらかした。
予定が空けば今日の夜に最後の投下します
遅くても明日には投下するつもりです
では
ほんとすみませんでした、粉雪……
「上です!上!!」
「え?」
突然の叫び声に俺は上を見る。
ビルや歩道橋を破壊した後に生まれた、何十枚もの光り輝く羽がまるで粉雪ように舞い降りてくる。
……また、繰り返すのか?
また、怪我をして
また、記憶を失って
また、インデックスが誰か分からなくなって
また、インデックスに嘘をついて
また、インデックスを傷つけて
また、自分にも嘘をついて
そしてまた、インデックスにあんな顔をさせてしまうのか?
>>112をコピペしたとかじゃないのかい?
そんなにこなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいいがショックだったのか…
心まぁで白く染まることはない
些細な言い訳はいいから素直にララライして待ってるぞ
些細な言い訳はいいから素直にララライして待ってるぞ
こんばんはー
昨日はすいません、忙しくて……
拗ねてたわけじゃないんだからね!
では
「どうもありがとうございました」
「また何かあったら来るといいね? あの子もいろいろあるんだろ?」
「はは、なかなか来たいもんじゃないですよ、病院なんて」
「それはそうかもしれないね?」
「それにあいつはここならみてもらえると思ったんで」
「随分と信用されたもんだね?」
「ま、それについてもいろいろあるんですよ。じゃ、失礼します」
病院を出ると3人の魔術師がいた。
神裂、インデックスの顔には笑みが、ステイルは真顔を装っているが明らかに嬉しそうだ。
どうやら和解したらしい。
俺は3人に笑いかける。
ステイルは不機嫌そうにタバコに火をつける。
インデックスが嫌そうな顔をする。
それを見て慌ててタバコをしまうステイル。
「「ぶふっ」」
俺と神裂はそのコントに堪えることは出来なかった。
「どうでしたか? 結果は」
「ああ、俺もインデックスも異常なし。全然へっちゃらなんだと」
「それは良かったですね」
「うん!」
インデックスは嬉しそうだ。
「じゃあ、僕達はいつまでもここにいても仕方がないからね、帰らさせてもらうよ」
「そうか、じゃあな神裂、ステイル」
「ここにこの子の今後のことが書かれているからしっかり読め………って何で君はこの子がここに残ることをもう分かっているんだい?」
「それは……、ねえ? インデックスさん」
「え? 私に振られても困るだけかも!」
「「ははははっ」」
「……何か上手く誤魔化されたような気分だよ」
「ふふっ。さて、もう時間です。帰りましょう、ステイル」
「ああ、分かっているさ」
「ではお元気で、インデックス、上条当麻」
「じゃあな」
「本当に今回はあの子を救って頂いてありがとうございました」
「気にすんな、俺がしたくてしたことだ」
「それでもやはり……」
「救われぬ者に救いの手を、だろ?」
「!? ……それでもやはりあなたはこちらのことに関しては素人な訳で」
「あーもういーからいーから、また遊びにこいよ? どうせ住所は調べたんだろ?」
「はい……」
「いつでも待ってる。だよな? インデックス」
「もちろんなんだよ!」
「ではまた甘えさせて頂きます」
「かおり、時間は大丈夫なのかな?」
「はっっ!!」
神裂はインデックスの指摘を受けるとステイルの襟元を掴み、跳んで行った。文字通り、跳んで行った。
「おーおー。聖人やべー、はえー」
「さすがってところだね」
「さて、今日は何から買いにいこうか?」
「私はお腹が減ってるんだよ」
「やっぱりインデックスはインデックスだな」
「……そこはかとなくバカにしてるね?」
「いやいや、安心しただけだよ。じゃあ先にスーパー寄って昼飯一緒に作るか」
「ふっふーん、私の頭の中の器具の場所や使い方、レシピは未だ健在なんだよ!」
「流石完全記憶能力ってところか?」
「でもこれもとうまのおかげかも。ありがとうね、とうま」
「ああ、どういたしまして、インデックス」
「それでごはん作って食べ終わったら服なんだよ!」
「分かってるよ、お前に似合うの買おうな」
「私ほどになればきっとどんなのでも似合うと思うんだよ」
「ああ、そうかもな」
「なななななにを言ってるのかなとうまは!?」
「何ってインデックスはどんな服を着てもきっと似合うんだろうなって」
「そんな恥ずかしいセリフ、平然と言わないで欲しいんだよ!」
「なにおうっ。本当のことなんだからいいだろ? それにお前自分で言ったんじゃねえか」
「はあ……やっぱりとうまはとうまなんだね」
「それさっき上条さんが言った!」
「その前には私が言ったもん!」
「こ、こんなとこで完全記憶能力使うな!」
「覚えてることは仕方がないんだよ」
「うぐ……」
「ねえとうま?」
「ん? なんだインデックス?」
「ううん、何でもない」
「何だよそれ……」
「とうま、とうま」
「……何だよ?」
俺は呆れたように答えた。
なぜなら俺は覚えている。
この後6万回くらい意味も無く名前を呼び続けられる予定だからだ。
だが俺の記憶は外れた。
「私ね、こんなだからいろんな魔術師に狙われたりすると思うんだよ」
「……」
「でも私たちの世界ではそれが普通。そんな私が辿る地獄への道に、とうまはついて来てくれる?」
あの時答えられなかった質問。
もう答えなんて決まっている。
「行かない」
「……っ」
インデックスの顔が歪む。
「コラ、人の話は最後まで聞け」
不安げな目を俺に向けるインデックス。
「地獄なんて誰が好き好んで行くかってんだ。俺が地獄からひきずりあげるに決まってんだろうが、バカ」
インデックスの顔が明るくなる。
「じゃあその時は……」
「……」
ーーー助けて、とうま。
それは初めて出会った時から、
インデックスが斬られたあの時から、
俺が神裂にやられたあの時から。
記憶を失ってからもずっと。
ずっと、ずっと、言って欲しかった言葉。
「ああ、もちろんだ。お前がいつどこにいようと助ける。嫌だって言っても絶対に離さねえ」
「それは勘弁して欲しいかも」
「え?」
「でも私はきっと嫌になんてならない。だから絶対に離さないでね、とうま」
「離すもんか。俺は、きっとお前と会うために過去へやってきたんだ」
そうやって俺たちは手を繋ぐ。
昼ごはんのおかずと買う服を考えながら。
……舞夏にも一着買ってやろう。
このワンピースは汚れ過ぎててきっと受け取ってもらえないだろう。
するとこのワンピースは俺たちが貰わなくちゃいけない。
あー不幸だー。
ただ、
「なあ、インデックス」
こんな不幸なら、
「なあに、とうま?」
俺は喜んで貰うつもりだ。
「大事にしろよ、」
以上で終わりです。
読んで頂いた方、ありがとうございました。
自分がもともと書きたかったのは
・上条さんが覚醒して強くなることで早く事件を解決する上条さん最強SS
・インデックスさんとのほのぼのSS
でした。
どちらも一気に書きたかったんで、これはそれの下準備ってところです。
でもとりあえず一区切り。
また書きにきますのでよろしくお願いします!
今度は書き溜めが全くないので予告とかはできませんが……
ではー
ありがとうございましたー
うざ条さん爆発
こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい舞う季節まで待ってるぜ
こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい舞う季節まで待ってるぜ
こんばんはー
2巻より先に3巻やる予定してます。
でも今日は1.5巻ってところです。
時系列は第一部の
ーーーその、白いワンピース。
の続き。
第一部→1.5→第二部(3巻)
の予定で
1.5は本編にあまり影響のない小ネタです。ほのぼのしたいです、では
「さーてインデックス、昼何が食べたい?」
「うーんとね、……。作るんなら簡単なのがいいかも」
「インデックスは作るの初めてだしな。じゃあスーパー行くか」
「楽しみだねとうま」
「……」
「とうま?」
「……いやまて、この時間帯なら」
「どうしたの?」
「ちょーっとだけまってくれ、インデックス」
「なんで?」
「もうちょっとしたらさ、昼だろ? だからさ、弁当とかおかずとかが多めに置いてあるんだよ、しかもちょっと安い」
「なるほどなるほど」
「でも今日はインデックスと料理をする。だから弁当は買わず、おかずだけ買ってメインだけをを今日は作りたいと思う。いきなり全部は難しいからな」
「じゃあ私オムライスがいいかも!」
「わかった、じゃあ卵とかも買っていこうな」
「うん! ふふん、オムライスー♪」
「っと……まだ時間はあるけど今からだと服見るには短すぎるよなあ……。よし、そこの公園行くか」
「わかったんだよ」
「さて、暇だな」
「暇だね、とうま」
「なあ、ちょっと聞いていいか?」
「なあに?」
「お前ってさ、あの状態の時のこと覚えてるの?」
「うーん、記憶としてはあんまりないかも。夢で見たちょっとした場面っていうくらいの曖昧さかも……」
「そうか」
「何でそんなこと聞くのかな?」
「いや、お前の使ってた魔術にちょっと興味があってさ……」
「どんなやつ?」
「竜王の殺息ってやつ」
「ああ伝説にある聖ジョージのドラゴンの一撃と同じくらいの威力のある魔術のことだね」
「伝説?」
「うん、昔ね、一つの街があってそこに王様と国民達がいたんだよ。そこに悪竜がやって来たんだけど、みんなはそれを倒そうとしたんだよ。そこで怒った悪竜が使ったのが強力なブレスーー竜王の殺息だね」
「竜王? 悪竜なのに?」
「まあその辺はまだいろいろあるんだけど長くなるんだよ」
「ふーん」
「でもなんで急にそんなこと気になったのかな?」
「インデックス、竜王の顎って知ってる?」
「名前は知ってるかも、見たことはないけど」
「そっか……。いや、こいつがそれなんだけどさ」
「オオオオッッ!!」
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