私的良スレ書庫
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元スレ村娘「勇者様ですよね!」勇者?「……違うが」
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―――― ザシュン・・!!
白服α「……は、っ!?」
< グラッ
白服α(何だと……『銃』すら見切った私でも、見えなかった?)ドシャ
白服α「が、ぁ……貴様なにをした」
勇者?「ワイヤーを使う必要はないと思ったんだ、どうやらお前は以前に両断された経験があるらしくてな」
白服α「……!?」
勇者?「簡単に言えば、お前が今まで受けた中で最も威力のあるダメージを『再現』した」
白服α「貴様……なに、者だ」
勇者?「別に化け物とかではないんだがな」
白服α「化け物じゃない…? ならなんだ、人外じゃないと言うならお前は!」
勇者?「……」スタスタ
勇者?「立てるか」
村娘「ありがとうございます勇者様…」
勇者?「行くぞ、追っ手の速度は異常だからな」
白服α「……っく」
勇者?(……斬られた傷が塞がりかけているな、まったく人外はどちらか分からないな)
< タッタッタッ
白服α(クソ、逃げられた……!!)フラフラ
白服α(はぁ……はぁッ、ぐぁ…血を流し過ぎたのか)フラフラ
白服α(あの男は一体何者だ、何故か顔や表情が思い出せない)
白服α(淫魔でなく、化け物じゃない……?)
白服α(ふざけてるッ……人間の筈がない)
少女「………おかあさん」
村娘「少女っ、無事で良かった……」
少女「お母さんこそ! 大丈夫? 怪我はない?」
村娘「あはは、久しぶりに走ってちょっと疲れたかな」
勇者?「……」スタスタ
村娘「勇者様、約束を覚えてくれていたのですね」
少女「やっぱり知り合いなんだね」
勇者?「……まあそうだな」
―――― 数時間後
村娘「それでね、勇者様はサキュバス達を連れて……」
少女「遠くに旅立ったんでしょ、もうそこは何度も聞いたよ」
村娘「ふふ、あの頃は今も鮮明に覚えてるわ」
少女「……」チラッ
勇者?「なんだ」
少女「……勇者さ、このまま一緒に住まない?」
村娘「ちょっと何言ってるの!」
村娘「ぁぅ……すいません勇者様」ぺこり
勇者?「……」
勇者?「とりあえず返事はする、断る」
少女「え、なんでよ」
村娘「少女、勇者様にはね……」
勇者?「そうじゃなくてな、今度はお前達2人が生きてる間に帰れなくなる」
村娘「……はい?」
勇者?「悪いがな」
少女「私達2人って……勇者だって死んじゃうわよ!」
勇者?「老衰はしない体質だ」
勇者?「それにな、何も二度と会えない事は無いはずだ」
少女「えっ、そうなの」
村娘「……」
勇者?「少し『慣れ』さえすればいつでも来れる、だからまずはやりたい事をやらせて貰う」
勇者?「お前達2人は街の騒ぎが治まるまで隠れてろ、いいな」スタスタ
< ガチャッ
< バタン
村娘「……」
< ガチャッ
勇者?「……何か用か」
村娘「あの、21年間聞きたかったんです」
勇者?「何がだ」
村娘「勇者様の家の傍に埋葬された『友人』、勇者様とどんな関係があったんですか!」
勇者?「『友人』は友人だろう」
村娘「違います!! 私、夫を失って初めて気づいたんです!」
村娘「この手で墓標に花を添えた後、私は……っ」
村娘「……初めて会った時の勇者様とまったく…まったく同じ『目』をしていた」
勇者?(ほぉ)
村娘「勇者様、あなたは私を何度も鬱陶しく思っていたのでは?」
村娘「幼いとはいえ、愛する人を亡くした所へ私が来たのは目障りだったのでは?」
勇者?「さぁな」
村娘「……知りたいんです、何故今回も助けて頂いたのかを」
勇者?「最初からそう言えば教えたが……まあいい」
勇者?「………『魔王』」
村娘「?」
勇者?「『魔王』だ、あそこに埋葬されたのは」
村娘「ま、ま魔王? とは、やっぱりあの?」
勇者?「そうだ」
村娘「……でも、ならどうして戦争が?」
勇者?「それを後々調べる、『魔王』は俺とずっといたんだからな」
村娘「しかし、勇者様と魔王は友人だったんですか…? どうにも信じられないというか」
勇者?「『魔王』は俺の妻でもあったと言えば納得か?」
村娘「!?」
勇者?「……後は自分で想像するんだな、俺はもう行く」
村娘「また、会えますよね」
勇者?「……そうだな」スタスタ
勇者?「………」
勇者?(しまった、言いそびれたな)スタスタ
勇者?(俺は勇者じゃない)
―――― 「『魔女狩り』って知ってるかい」
「なんだ? 淫魔を狩るのか」
―――― 「ちょっと違うかな、要するに【怪しい奴は魔女】っていう考え方が実現された行為だね」
「……?」
―――― 「ぼくのいた世界ではね、大昔に魔女狩りが行われたんだ」
―――― 「酷いものだったよ、女子供関係なく痛めつけられる時代だった」
「あまりこっちの世界には縁がなさそうだ」
―――― 「くす、そうかもね」
―――― 「この世界は本当に素晴らしいよ……『ファンタジー』そのもので、ぼくの世界とは大違い」
―――― 「……でもね、それでもぼくの世界と同じ悲劇は繰り返してはいけないよ」
―――― 「拷問は痛くて辛いし、死刑より酷い刑もある」
―――― 「■■■■■は、絶対に『魔女狩り』なんていけないよ」
「…あ、ああ……覚えておこう」
―――― グシャぁァァッ!!
白服2「ひぎぃぃぁああああああ!?」
―――― スパッ
< ズシャッ
勇者?(……だから『俺』は宗教なんてものが存在しないようにした)
< シュルッ
勇者?(だから『アイツ』は人間に余計な力を与えないようにしてた)
白服4「クッ、何者だ貴様ァァッ!!」
勇者?「この世界はな、あくまでファンタジーでなければいけなかった」
ジャギィンッ!!
スパァッッ!!
勇者?「多少の発展は許そう、多少の戦争は許そう」
白服4「死ねぇ! 化け物ぉぉっ!!」
―――― ピタッ
白服4「……!! 糸?」ギギギ
勇者?「…………だが」ピンッ
―――― ツルッ
白服4「え」
< ゴトッ
勇者?「『魔女狩り』なんて大量虐殺は、絶対に許さん」
< シュルッ
白服4「うわあああ!? 腕が、腕がぁ!!」
勇者?「だからお前達妄執者は全員ここで死ね」
< ビチャッ
―――― カツ・・カツ・・・
騎士「止まれ、撃つぞ」
勇者?「マスケット銃か、よく狙うんだな」スタスタ
騎士「くっ、騎士達よ……これより神罰を代行する! 撃て!!」
―――― ズドドドォッ!!
勇者?「銃口を向ける速度が遅いな」シュルッ
騎士(いつのまに背後を……!?)
―――― スパァッッ
勇者?(装填すらさせん)
騎士2「ひぃ―――― ぐぉぇ」ギギギ
騎士3「ゼヒュ……ッゥ」ギギギ
勇者?(……)ピンッ
―――― ズシャァァ
< ドシャドシャッ
勇者?(……)シュルッ
勇者?(まだ奥にいるな)
勇者?(……『十字大聖堂』)スタスタ
勇者?(まだ未完成だが、四年前から『聖十字教会』の西側に位置する事実上の『軍施設』)
勇者?(奴らがサキュバスを監禁しているとしたら、ここしかないな)
< ザッザッザッザッ・・!
勇者?(……)
勇者?(不要、か)シュルッ
白服β「……囲め」
白騎士「了解ッ」
< ザッザッザッザッ・・・・
勇者?「……」
白服β「言うまでもなく、貴様は包囲された」
勇者?「確かに言うまでもないな」
白服β「武器の糸を捨てて大人しく投降するか、ここで我々に『神罰』を受けるか」
白服β「選べ化け物」
勇者?「斬れば良い、その腰にあるミスリル剣の刃で俺を一斉に斬り捨てろ」
白服β「………」
勇者?「………」
―――― 「殺せ」
白騎士「神罰を代行する!」シャキィ
< シャキィ
< シャキィ
< シャキィ
勇者?(……)
白騎士「うおおおおおおお!!!」
< ビュンッ!!
白服β「……ッッ!!?」
―――― 藍色のコートに身を包んだ男に騎士のロングソードが振り下ろされた瞬間、俺は見た。
勇者?「………」
―――― 刃が触れるか否かの刹那に、男は声無く何かを呟く。
―――― その直後、振り下ろした騎士のロングソードを筆頭としてその場にいた全員の剣が爆散した。
―――― まるで見えざる壁でもあるかのように、中心に立つ男を避けながら……
―――― ……破片は、血の雨を降らせる最悪の凶器と化して騎士達を襲ったのだ。
白服β(ぐぉ……!!)
―――― バキィィィンッ!!
白騎士「ギャ……ッは、ごぉ…っ」ドシャッ
< 「目、目が……ぁっ!! 耳がぁっ!!」
白騎士3「ヒュー……ヒュー……」フラフラ
白騎士4「し、神罰を・・・だい、代行する……っ」ビチャッ
勇者?(辛うじて生き残ったのがいるか)シュルッ
―――― ヒュルンッ
―――― スッパァンッッ
< ドシャドシャドシャッッ!!
勇者?(……)
勇者?(? 数が足りないな)
―――― シャッッ
ズドン!!
ドガッ!!
ガゴォォンッ!!
勇者?「~~ッ!!」メシャッ
勇者?(……成る程、『人外』は他にもいたか)ズルズルッ
白服β「やってくれたな悪魔め、数少ない『十字騎士』を全滅させやがって」スタッ
勇者?「……目で追えなかった、随分速く動くんだな」
白服β「ああ、貴様を殺すには充分過ぎるスピードだ」
―――― シャッッ
< ドゴンッッ!!
勇者?「ッ、ぐ」フラッ
―――― 「まだまだぁっ!!」シャッッ
< ガッ!!
< バチンッ!!
< ドズッ!!
勇者?(チィ……音速の12倍か? 服や移動した後に摩擦熱が発生していないのを見ると『魔法』に近いのか)
勇者?(……何にせよ、これでは埒が開かないな)メキッ
―――― ガシィィッ!!
白服β「なっ……」ブワッ
勇者?「接近戦は苦手でな、肉弾戦も特に嫌いだが……仕方ない」ミシィ
白服β(この俺を捉えた……!?)
勇者?「……」スッ
白服β(大丈夫だ、この一撃を乗り切ったら次は慎重に……!)
勇者?「……」ブンッ
< ゴチャァッ!!
勇者?「言っておくが『次』はない」ぽいっ
< ドチャッ
勇者?「………」
勇者?(……静かになったな、数少ないと言っていたが本当らしい)
< カツ……カツ……
勇者?(しかし建物内を見れば、『アイツ』が喜びそうな美術だ)
< カツ……カツ……
勇者?(全て大理石か? それも上等な白、だな)
< カツ……カツ……
勇者?「……さて」カツン
白服α「昼間は手痛い目にあったが、『次』はない」カツン
勇者?「面倒だな、そうまでして大量虐殺をしたいか」
白服α「正義が悪魔を裁くのが罪だというなら、貴様はなんだ」
勇者?「『魔女狩り』はこれからの未来に影を落とす、最悪の産物だ」
白服α「なぜ断言する、なぜ神のように全て分かる?」ヴゥン
白服α「お前は我々の神でもなければ未来を知ってる訳でも無い、なのに何故貴様が断言する!」
白服α「応えろ異形の怪魔!! 貴様は何者だ!!」
勇者?「……」
勇者?「お前達、人間を作った神……か」
白服α「…!」
勇者?「残念ながら俺はお前達の神でも無ければ怪魔でも無い」
勇者?「それは『断言が出来る』」
< カツ…カツ……
勇者?「しかしな、もう一つ残念な事に俺は未来を同じく『断言が出来る』」
白服α「なぜだ」
< カツ……カツ…カツッ
勇者?「とある友人がお前達人間の未来を幾つかの運命として、既に予知しているからな」
白服α「友人だと……!!」
勇者?「お喋りは終わりだ、仲良く雑談する気はないんでな」
白服α(……っ、上等だ)ヴゥン
勇者?「……」シュルッ
勇者?「……」ピンッ
―――― ヒュパァッ!!
白服α「はァッ!! 同じ芸は通じんぞ!?」ジャキィッ
< バチィッ
勇者?(魔剣をあそこまで容易に操れるのか)
勇者?(なら折角だ、『剣』の風情を味わうか)
< ヴゥゥ……ンッ
白服α「魔剣だと? 剣の勝負という事か!」ダッ
勇者?「いや、俺は接近戦は苦手なんだ」ヒュッ
白服α「!!」
―――― ズガガガァァッッ!!!
白服α「……!! 貴様、なんだ今のは……ッ」
勇者?「伸縮自在、長さはリーチとして最大の戦力だ」ヴゥン
白服α(どんな魔力があればそんな真似が出来る、クソ……!!)バヂィンッ
勇者?「右、左、フェイントだ……右」ヴンヴンッ
―――― バヂィンッ!! ヒュォッ!! ズバァッ!!
白服α(く、近づけない……!)
勇者?「……」ピタッ
勇者?(……この男、魔法障壁で対魔法を完璧にしてるのか?)
白服α(止まった? チャンス―――― ッ!!)バッ
勇者?(……)
勇者?(呆気ないな、まったく)
勇者?「【絶大なる衝撃を与えよ】」
< ドゴォォォッ!!
白服α「ゴフッ……!?」
白服α「……こ、この程度で……っ」ヨロッ
勇者?「【全身を引き裂け】」
―――― ブシャァ!!
白服α「ぐあああああ!!?」ドサッ
白服α(なんだ!? 何で魔法障壁が効かない!?)
勇者?「……その傷なら流石に戦闘不能だな」
勇者?「『次』からは、魔法障壁なんて張らずに俺を絞め殺すんだな……無理だろうが」スタスタ
白服α(……ッ、出血が止まらない……)
< カツッ・・カツッ・・・・
勇者?「部下なら全員始末した、最後はお前だ」
< カツ……カツ……
勇者?「『魔女狩り』の引き金は引かせん、悪いがお前には死んで貰う」
勇者?「大司教か? 神官か? なんて呼べば良い」
団長「……『騎士団長』、そう呼んでくれるかね悪魔の化身くん」ニヤリ
勇者?「……教会関係者とは程遠そうだな、どうやら」シュルッ
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