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    元スレほむら「思い出せない…私は何者だ?」

    SS+覧 / PC版 /
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    みんなの評価 : ★★★
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    851 = 849 :


    “上条 恭介”


    そういやそんな欠席者もいたな。と朝のホームルームでのなんやかんやを思い出す。

    なるほど、ずっと休んでいたクラスメイトはこの病室のヌシだったか。


    マミ「この部屋にいるのね」

    さやか「……はい」


    可能かどうかはやってみなくてはわからない。

    だが、もしも私やマミの基本的な治癒魔法で彼の腕を直すことができるのであれば、さやかの願いもまた別に叶えることはできるだろう。


    ほむら「どうしたさやか、入らないのか」


    病室前まで来たはいいが、さやかがずっとモジモジと尻ごみしている。


    さやか「…えと、ちょっと、最後にあいつとは変な感じで…そのままだったから」

    マミ「喧嘩でもしたの?美樹さん」

    さやか「……私が悪いんです、恭介の気持ちも考えないで……無神経が過ぎていたんです」


    さやか「……でも、もう大丈夫」

    さやか「二人の魔法で治らなくても、恭介の腕はきっと……」

    ほむら「失礼しまーす」


    さやかの言葉が長くなりそうだったから、強制突入する。がららら。


    さやか(ってうぉい!私まだ心の準備が…)

    マミ(あらら……しかたない、私達はここで待ってましょっか)

    852 :

    ナイスほむさん
    ここは空気読まないほうが話がすすみそう

    853 = 849 :


    広い病室の窓際にその子はいた。


    恭介「……誰?」


    寝たきりのまま、うつろな目をこちらに向けて歓迎してくれた。


    ほむら(私の病室よりも高級だな)


    彼は左手が動かないらしく、そのせいで松葉杖もうまくつけないのだとか。

    やっていたバイオリンができなくなってしまい、それらのショックもあって休学中とのこと。

    なるほど人生とはうまくいかないものだ。

    しかしこの子も私と同じで、幸薄そうな顔をしている。

    こういった不運はある種、星の下のなんぞであるのかもしれない。


    ほむら「やあ」

    恭介「……?」

    ほむら「クラスメイトだよ、転校してきた」

    恭介「ああ……さやかが前に言ってた……」


    自己解決したら、彼はそのまま窓側を向いてしまった。

    私には興味がない。それどころではない。


    そんな気に食わない態度だった。


    それだけでも私の機嫌は非常に悪くなるばかりだったが。

    ここはひとつ、このいけすかない男のペースというものを完璧に崩してやろうとも思い、逆に燃え上がる感情もあった。

    854 = 849 :


    ぬうっ。


    ほむら「私の名前は暁美ほむらだ」

    恭介「うわあっ?!」


    時間を止めてベッドの窓側の下から這い出ると、彼は跳ねて数センチずれた。

    素っ頓狂な声を上げた部屋のヌシに、扉のガラスでは「何事だ」と二人が慌ただしくうごめいている。


    恭介「な、な、な」

    ほむら「さやかの友達だ、よろしく」


    左手を差し出す。

    が、恭介は驚いたような奇人変人でも見るような目で私を見たまま動かない。


    こんな奴の腕を治すくらいなら私の制服の袖についたシミを落とした方がまだまだ良い気がしてきた。


    ほむら「挨拶くらいするべきじゃないか?」

    恭介「……君は、僕を馬鹿にしているのかい」

    ほむら「?何が」

    恭介「僕の左手を見ればわかるだろう、動かないんだよ」


    強い口調で包帯ぐるぐる巻きの左手を差し出してきた。

    被害妄想の強い子だ。怪我した方の手を求められただけでここまで剣幕になるとは。いじめられっこの発想というやつだ。


    私は恭介の左手を、同じく左手で握った。


    ほむら「よろしく、恭介」

    恭介「……」


    怪訝そうな顔だ。

    さやかはこの男のどこが良いのだろう。

    彼のバイオリンによほどゾッコンなのだろうか。だとしたら非常に純粋に音楽が好きなのだろう。

    そう思うと、さやかの願いはかなり純粋な部類になるのではないか、と思った。

    855 = 849 :


    魔力を左手に込める。

    治療術。私は得意ではないが、ある程度はできる。


    ほむら『マミ、治療を試している』

    マミ『ええ、続けてみて』


    包帯越しに伝わる体温は正常。しかし、握手の体裁があるというのに、握力は全く感じない。


    恭介「?」

    ほむら『無理だな、魔力を込めてみたが、回復した様子はなさそうだ』

    マミ『……そう…私が治したらどうかしら』

    ほむら『根本的に単なる治療術とは趣が違うようだ、神経、腱……私も詳しくはないが、重要な部分でダメージを負っているようだね』

    マミ『そっか……うん、わかったわ、美樹さんにも伝えておくわ』

    ほむら『病室に入らないのか』

    マミ『うん……美樹さん、やっぱりまだ決心がつかないって』


    恭介「いつまで握っている気だい」

    ほむら「おっと、失礼」


    彼の手を離す。腕は、力なくベッドの毛布の上に落ちた。


    恭介「わざわざ来てくれてありがとう……でも、もう帰ってくれないか」

    ほむら「ああ、言われなくてもそうするよ」

    恭介「……」


    腕が治らないとわかったら、もう用はない。

    もう病院の匂いは飽きたし。


    ほむら「そうだ、最後にひとつだけ」

    恭介「?」


    彼の横たわるベッドに歩み寄る。


    ほむら「ちちんぷいぷい」

    恭介「……!!出てけっ!!」

    ほむら「うお」



    CDウォークマンを投擲してきやがった。この野郎め。

    退散だ。くそ。ちょっとおちゃめなまじないをかけてやっただけじゃないか。

    858 :


    奇人変人マジシャンさんに嫌われるとは恭介も中々やるなww

    859 :

    オツマム
    さすが卑屈代表恭介、限りなくネガティブ

    860 :

    別に>>1が恭介嫌ってるわけじゃなかろ
    キャラの人格否定とかやめようぜ

    861 :

    でもまあ、まど界における卑屈代表といえば恭介くんでしょう

    862 :

    まあ、腕が治らなくって自暴自棄に入っちゃってるから仕方ないちゃっ仕方ないよ

    さやかに退院したの言わなかったのも気まずいってのもあっただろうし………多分

    863 :

    キャラが卑屈なんじゃなくて時期がだけどね

    864 :

    投下速度もさることながら、一文一文が短いのに的確で
    面白さやキャラクターのかっこよさが伝わってくるというのは、本当に上手いと思う
    正直羨ましいです

    865 :

    左手を差し出すってどうなのよほむほむ…

    866 = 860 :

    昔某料理漫画 (食キングだったかな?) で、左手でした握手は無効、裏切っても良いとかいうのがあったなそういえば

    867 :

    >>865
    治療を試す為じゃないの?

    868 :


    杏子「……いないじゃん」


    「ピエロのパリー、2時から始まるよ~」


    杏子(賑やかだな、パフォーマンスの通りってやつか……ん?)


    “Dr.ホームズのマジックショー”


    杏子「ドクター…ほーむず?」

    杏子「…ワトソン」

    杏子「いや、まさかな…?いや、でも」

    杏子「あ~…変身した時にそれっぽい格好してたような…まさか魔法を使ってマジックなんかやってるんじゃ…」


    QB「暁美ほむらの魔法については、僕も予想がついていないよ」

    杏子『ん?』

    QB「何度か暁美ほむらの戦闘を見てはいるけど、何を駆使しているのかさっぱりだよ」

    杏子『…ふーん、まあ、どうでもいい事だな』

    QB「どうかな、暁美ほむらと戦う事になるかも…」

    杏子『ならねえよ』

    869 :


    上条 恭介という少年は、現在ひどく傷心しているので、いつもより気が立っているらしい。

    さやか曰く、普段ならば温厚であるとのこと。


    そう言われてみればそうかもしれないと思える。

    芸術家や音楽家は、ネタに詰まると非常にカリカリするというのは良く聞く話だ。

    まぁ彼の場合は、もう二度と弾けないという、致命的なものなのだけど。


    私にとってはどうでもいい話だ。


    ほむら「……」


    夕焼け空が眩しい。

    病院の屋上は見晴らしが良く、オレンジに陰る見滝原がよく観察できた。



    さやかは、今日は契約するつもりはないそうだ。

    契約をするならば、まずはまどかと話をしてから、だそうである。

    その他様々な思いがあるのだろう。

    そこまで冷静になっても、人間をやめるというのだ。彼女の決心は固い。


    マミは後輩ができるからと張り切る反面、それ以上に魔女の宿命を背負うこととなるさやかを心配している。

    特に、彼女の願い事の内容に対して懸念を抱いている風に私は見えた。

    他人のために願い事を使うのは、あまり良い事ではない。彼女はそれを知っているようだ。


    私のように、最初から願いなど覚えていなければ全てが楽なのだが。

    自分を変えるということは、覚悟していても難しいものだ。

    872 :

    夕食後にデザートを食べるとマミるな。もう色々とタプンタプンだ。

    873 :

    >>872
    おいおまえ!
    [ピザ]さんのことマミっていうな!

    874 :

    ピザさんwwwwww

    876 = 868 :


    「見つけたぞ、ほむら」


    幼げな声。


    杏子「……探したよ」


    ませた彼女が、魔法少女の姿でフェンスを飛び越える。

    かじったチュッパチャプスが吹き飛ばされる。



    QB「やあ、暁美ほむら」

    ほむら「君もか」


    彼女の肩には、まるで魔法少女のように、マスコットキャラが乗っていた。

    色合いとしては悪くない。



    ほむら「…どうしてこの庭に?杏子」


    遠い距離のままに会話する。

    私は変身しない。


    キュゥべえ「杏子は君に興味があるそうだよ」

    ほむら「……」

    杏子「なあ、話しようぜ」

    ほむら「何を話すというんだ」

    杏子「なんでもいいだろ?同じ魔法少女なんだからさ」

    ほむら「………」


    この子は……。

    877 :

    >>872-874
    お前らまとめて屋上な
    保険金かけてくるといいよ!

    878 :

    >>872-874のクビに変なタトゥーが…

    879 = 868 :


    近付かない。

    相手がフレンドリーに話しかけてこようが、一定の距離は保つ。

    肩の白猫は気休めにもならない。



    ほむら「話すことがあると言えばね、杏子……」


    指輪をソウルジェムに変え、前に突き出す。


    ほむら「……君は、自分の意思を貫いているか」

    杏子「……」


    難しい顔を見せる。

    おちゃらけない様子を見るに、問答をする構えはあるようだ。


    杏子「…貫いてるさ、徹頭徹尾…」

    ほむら「……そうか」

    杏子「なんだよ」

    ほむら「……」



    この子は嘘をついている。

    いや、強がっているとでも言うのか。

    880 :

    マミさんにはちょっと人気の喫茶店(現場から遠く離れた場所)に誘っておくから>>872-874は安心して逝ってくれ

    881 = 869 :


    ほむら「君が何を願い、魔法少女になったのか……そこまで踏み込むつもりはないけど」

    ほむら「きっと、今の君の姿とは違うのではないかな」


    杏子「……」


    もし彼女が初志を貫徹しているのであれば、普段から夜の街をさまよう不良少女にはなっていないはずなのだ。


    杏子「…私の願いは叶ったさ……ただ、その先の結果が裏目に出て、取り返しのつかない事になっちまったのさ」


    そういう事も大いにある。


    杏子「今の私の姿が違う?ったりめーさ……私の願いは、もうどう足掻いても戻ってきやしないんだからな」

    QB「きゅぷっ」


    片の白ネコが払われた。


    杏子「もう他人の為に魔法は使わない……私の初志はそれだよ」

    杏子「そこが私の始まりだ」

    杏子「……それまでの私は、もう終わってるんだ」


    哀愁の漂う表情。

    黄昏が表情に影を落とす。

    882 = 869 :


    ほむら「なら、君は私と関わらない方が良い」

    杏子「!」


    エレベーターへ向かって歩く。


    杏子「どうして…」

    ほむら「この町にはマミという魔法少女がいる」

    杏子「マミ…」

    QB「杏子は昔……きゅぷ」

    杏子「あいつがどうしたんだよ」


    ほむら「…彼女の信念と君の信念は相容れないだろう、それと同じ」

    杏子「……そうだけど」

    ほむら「まあ、私も君寄りといえば君寄りな感覚でいるんだけどな、使い魔に対しては」

    杏子「なら…!」

    ほむら「しかし君ほど極端にルーズでもない」


    ほむら「…私はマミと共に見滝原にいることを選んだ」

    杏子「……」

    ほむら「そんな私と居るということはね、杏子……君の信念を変えるしかないということなんだよ」


    さやかもじきに魔法少女となる身だ。

    彼女はマミと同じか、それ以上に正義を重んじる魔法少女となるだろう。

    そうなれば、さやかは杏子の事を許さないはずだ。


    グリーフシードを多くストックしておきたい気持ちはわかる。

    頷ける合理性はあるが見滝原でそのスタンスは許されない。




    杏子「…なんでっ、どいつもこいつもっ、わかってくれないんだよぉ!!」


    叫んだって許されない。



    杏子「私はこうするしかないんだよぉ!!」


    槍を構えて突撃したって許されない。


    カチッ

    884 :

    おつかれマム

    886 :

    マムで定着してるのね

    887 :

    というか何でマムって名前になったんだ

    888 :

    てか、なんでマムなの?
    みくちゃんでしょ?

    891 :

    マミ
    [ピザ]
    ブタ
    ピザ
    マブ
    デミ
    ブミ
    ピミ
    マザ
    デザ
    ブザ
    ピタ
    マタ
    デタ
    ブブ

    893 :

    >>891
    マタさんは全然別の意味だろ

    894 :

    そのうちsagaしないでデブってかいたら[マミ]ってなったりするかな

    895 = 893 :

    sagaするのはいいがsageも入れろよ……

    896 :

    ほんとなんでこのスレではマムなんだろう
    気になってしょうがないわ

    897 :

    お前らデミさんのことマミマミ言うな

    898 :

    一食でも抜いたら餓死する人をマミというやつはゆるさない

    899 :

    まあマミさんは蓄えあるから何食か抜いても餓死しそうにないよな

    900 :

    だけどその蓄えなくなったらマミさん価値なくなっちゃうよね


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