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元スレ美琴「ちょっとアンタ!」 禁書「なぁに?」
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上条「お!インデックスも一緒に来てくれたのか」
美琴「アタシが連れて来たのよ」
禁書「違うよ!ちゃんと自発的に来たんだよ!」
上条「ハハハ……インデックス、ごめんな。昨日、メシ作ってやれなくて」
美琴「いや、それはアンタのせいじゃな」
禁書「…ホントだよ」
美琴「…インデックス?」
禁書「ホントだよ。とうまはいっつもそう!」
上条「あ~…だからゴメンって。どんだけ腹減ってたんだよ……」
美琴「アタシが連れて来たのよ」
禁書「違うよ!ちゃんと自発的に来たんだよ!」
上条「ハハハ……インデックス、ごめんな。昨日、メシ作ってやれなくて」
美琴「いや、それはアンタのせいじゃな」
禁書「…ホントだよ」
美琴「…インデックス?」
禁書「ホントだよ。とうまはいっつもそう!」
上条「あ~…だからゴメンって。どんだけ腹減ってたんだよ……」
禁書「違うもん…」
上条「ん?」
禁書「……とっても怖かった。…とっても寒かった、とっても暗かった、とってもとっても寂しかった!」
内なる不満をブチまけながらじりじりとにじり寄るインデックス。
上条「お、おい、インデックス、」
禁書「とうま!!」
上条「はいぃ!」ビクッ
上条「ん?」
禁書「……とっても怖かった。…とっても寒かった、とっても暗かった、とってもとっても寂しかった!」
内なる不満をブチまけながらじりじりとにじり寄るインデックス。
上条「お、おい、インデックス、」
禁書「とうま!!」
上条「はいぃ!」ビクッ
美琴「あっ…」
御坂美琴は見た。
怪我人に飛びかかるシスターを。
上条「あっ…」
上条当麻は見た。
いつも通り、飛びかかってくるシスターを。
ドサッと身体に重みが加わる。
ああ、屠殺前のニワトリとは、こんな気持ちなのかと悟りはじめた。
上条(こいよインデックス…。お前が俺に噛み付くことでストレスが晴れるってんならいくらでもくれてやる)
上条(だけどそれで良いのかよ!イヤなことがあったら噛み付くだけでお前は良いのかよ!)
上条(それでいいと思ってんならいいぜ!まずはーーその幻想を)
御坂美琴は見た。
怪我人に飛びかかるシスターを。
上条「あっ…」
上条当麻は見た。
いつも通り、飛びかかってくるシスターを。
ドサッと身体に重みが加わる。
ああ、屠殺前のニワトリとは、こんな気持ちなのかと悟りはじめた。
上条(こいよインデックス…。お前が俺に噛み付くことでストレスが晴れるってんならいくらでもくれてやる)
上条(だけどそれで良いのかよ!イヤなことがあったら噛み付くだけでお前は良いのかよ!)
上条(それでいいと思ってんならいいぜ!まずはーーその幻想を)
ズキリと痛みが走る。
ギプスをした左腕に。
上条(ぶち殺………あれ?)
気がつくと上条当麻は、
禁書「とうま…」
禁書「とってもとってもとっっても、心配したんだよ…」ギュッ
抱きしめられていた。
ギプスをした左腕に。
上条(ぶち殺………あれ?)
気がつくと上条当麻は、
禁書「とうま…」
禁書「とってもとってもとっっても、心配したんだよ…」ギュッ
抱きしめられていた。
上条「イ、インデックスさん…?」
禁書「わたし…とうまの帰りが遅いから、てっきり魔術師に襲われたんじゃないかと思って…」グスッ
禁書「でもわたし一人じゃ助けになるようなこと何も出来なくて……待つことしか出来なくて…」
禁書「わたしの存在のせいで死んじゃったらって……また傷ついたらって…思ったら」
上条「バカヤロウ!」
禁書「ひっ」ビクッ
上条「俺が襲われるのに、お前は関係ない。だからもうそんなこと言うな」
禁書「わたし…とうまの帰りが遅いから、てっきり魔術師に襲われたんじゃないかと思って…」グスッ
禁書「でもわたし一人じゃ助けになるようなこと何も出来なくて……待つことしか出来なくて…」
禁書「わたしの存在のせいで死んじゃったらって……また傷ついたらって…思ったら」
上条「バカヤロウ!」
禁書「ひっ」ビクッ
上条「俺が襲われるのに、お前は関係ない。だからもうそんなこと言うな」
禁書「でも、わたしの10万3000冊の魔道書のせいで」
上条「それが狙いなら、敵はまず寮に向かうだろ?」
禁書「でも、でも!……でも………」
上条「インデックス」
禁書「ヒグッ…グスッ…」
上条「俺個人が狙われる時はお前のせいじゃない。おそらくこのクソったれな右手のせいだ」
上条「だからもうそんなこと言うな。お前の存在のせいなんて言うな」
禁書「だって、」
上条「だってじゃない。お前にもしもそんなことを言うヤツがいたら、俺が右手でぶっ飛ばしてやるよ」ギュッ
禁書「ふぇ…ふぇぇぇぇん!とうま!とうまぁぁぁ!」
上条「それが狙いなら、敵はまず寮に向かうだろ?」
禁書「でも、でも!……でも………」
上条「インデックス」
禁書「ヒグッ…グスッ…」
上条「俺個人が狙われる時はお前のせいじゃない。おそらくこのクソったれな右手のせいだ」
上条「だからもうそんなこと言うな。お前の存在のせいなんて言うな」
禁書「だって、」
上条「だってじゃない。お前にもしもそんなことを言うヤツがいたら、俺が右手でぶっ飛ばしてやるよ」ギュッ
禁書「ふぇ…ふぇぇぇぇん!とうま!とうまぁぁぁ!」
美琴「……」
少女を護る約束をする少年。
それを涙で受け止める少女。
ドラマのワンシーンのような世界を見ていた御坂美琴は
美琴(昼間っからサカってんじゃないわよ)
なにやらご機嫌ナナメだった。
少女を護る約束をする少年。
それを涙で受け止める少女。
ドラマのワンシーンのような世界を見ていた御坂美琴は
美琴(昼間っからサカってんじゃないわよ)
なにやらご機嫌ナナメだった。
ちょっと休みます。
すぐ再開するか、明日の夜か、どっちかわかりません
すぐ再開するか、明日の夜か、どっちかわかりません
美琴「お取り込み中だけどいいかしら?」
上条「おぉ、いたのか御坂」
禁書「やっほーみこと」
美琴「風穴開けるわよ?」
上条「冗談だよ冗談」
禁書「短気はダメだよ? みこと」
美琴「インデックス? 後でちょっと」
禁書「冗談なんだよ冗談」
上条「てか、お前らいつから名前で呼び合うようになったんだよ?」
上条「おぉ、いたのか御坂」
禁書「やっほーみこと」
美琴「風穴開けるわよ?」
上条「冗談だよ冗談」
禁書「短気はダメだよ? みこと」
美琴「インデックス? 後でちょっと」
禁書「冗談なんだよ冗談」
上条「てか、お前らいつから名前で呼び合うようになったんだよ?」
禁書「昨日だよ」
上条「そうか、昨日御坂がメシ作ってくれたんだっけか」
美琴「ふふん。感謝しなさいよ?」
上条「ああ、マジで助かったわ」
禁書「みことね、案外料理上手なんだよ」
美琴「案外って何よ案外って」
他愛のない話は弾み、あっという間に時間は過ぎた。
上条「そうか、昨日御坂がメシ作ってくれたんだっけか」
美琴「ふふん。感謝しなさいよ?」
上条「ああ、マジで助かったわ」
禁書「みことね、案外料理上手なんだよ」
美琴「案外って何よ案外って」
他愛のない話は弾み、あっという間に時間は過ぎた。
------------
「じゃあね」と別れの挨拶をして病院を出た時には、真っ赤な斜陽が輝きかけていた。
午後4時近くの秋の暮れの空は、心なしかとても澄んでいるような感じがする。
清々しい気持ちのまま、二人でスーパーで食材を購入しそのまま寮に戻る。
土曜日夕方、穏やかな時間がそこにあった。
禁書「ただいま!」ガチャ
美琴「おかえり」
禁書「…」
美琴「?」
禁書「みこと」
美琴「なに?」
禁書「おかえり!」
美琴「ふふ。ただいま、インデックス」
「じゃあね」と別れの挨拶をして病院を出た時には、真っ赤な斜陽が輝きかけていた。
午後4時近くの秋の暮れの空は、心なしかとても澄んでいるような感じがする。
清々しい気持ちのまま、二人でスーパーで食材を購入しそのまま寮に戻る。
土曜日夕方、穏やかな時間がそこにあった。
禁書「ただいま!」ガチャ
美琴「おかえり」
禁書「…」
美琴「?」
禁書「みこと」
美琴「なに?」
禁書「おかえり!」
美琴「ふふ。ただいま、インデックス」
今からとてもだらだらします。
投稿が遅くなりますので他のスレを見ててくださいね~
投稿が遅くなりますので他のスレを見ててくださいね~
>>265
乙季節の変わり目だし体壊さないようにねぇ
乙季節の変わり目だし体壊さないようにねぇ
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禁書「みことー、何か手伝おっか?」
カウンターからヒョコッと顔だけを出して問うインデックス。
背伸びをしているのか、心なしかぐらぐらして見える。
美琴「遠慮しとくわ。先にお風呂入って来なさい」
禁書「あー!遠慮しとくっていったね!?機械オンチだからってばかにしてるね!?」
美琴「今日はカレーよ」
禁書「わーい!」
先ほどまで腕をばたばたさせて猛抗議していたのに、『カレー』と聞くとあからさまに喜び勇んで風呂場に向かった。
銀髪少女の扱い方が、だんだんとわかってきた気がする。
単純…もとい、純粋な子なので、悪い人についていかないか心配だ。
禁書「みことー、何か手伝おっか?」
カウンターからヒョコッと顔だけを出して問うインデックス。
背伸びをしているのか、心なしかぐらぐらして見える。
美琴「遠慮しとくわ。先にお風呂入って来なさい」
禁書「あー!遠慮しとくっていったね!?機械オンチだからってばかにしてるね!?」
美琴「今日はカレーよ」
禁書「わーい!」
先ほどまで腕をばたばたさせて猛抗議していたのに、『カレー』と聞くとあからさまに喜び勇んで風呂場に向かった。
銀髪少女の扱い方が、だんだんとわかってきた気がする。
単純…もとい、純粋な子なので、悪い人についていかないか心配だ。
美琴(ってアタシは母親かよ)
一人でツッコんで、一人で苦笑する。
どうやら私はやっぱり、あの子に母性を感じているのかもしれない。
美琴(アタシ何を悩んでたんだろ…バカじゃないの)フフッ
ふっきれたように笑うと、心に余裕ができた。
------------
禁書「むむむ…」
何か、釈然としない。
なぜだろう?
先ほどまでの会話の、どこかがおかしい。
焼き付けられ、録音された記憶を巻き戻す。
『あー!遠慮しとくっていったね!?機械オンチだからってばかにしてるね!?』
『今日はカレーよ』
『わーい!』
そうか。
ここで御坂美琴の超巧妙かつ不可避の心理トリックが発動したんだ。
禁書「……やられたんだよ」
脱衣所で、うなだれる少女が一人いた。
禁書「むむむ…」
何か、釈然としない。
なぜだろう?
先ほどまでの会話の、どこかがおかしい。
焼き付けられ、録音された記憶を巻き戻す。
『あー!遠慮しとくっていったね!?機械オンチだからってばかにしてるね!?』
『今日はカレーよ』
『わーい!』
そうか。
ここで御坂美琴の超巧妙かつ不可避の心理トリックが発動したんだ。
禁書「……やられたんだよ」
脱衣所で、うなだれる少女が一人いた。
禁書「しょうがないからおとなしくお風呂に入るんだよ…」
脱衣所と直結している浴槽へ入る。
ひたひたと冷たく硬い感触が足裏から伝わってくる。
だから冬はキライだ。
シャワーのヘッドを下に向け、180°回るレバーで温度を調節、お湯を出す。
ふわっとした暖かい湯気に包まれた身体が、たまらなく心地良い。
禁書「♪」
『湯』というのは不思議だ。
浴びるだけでほっこりとした気持ちになれる。
もしかしてその昔日本人たちが編み出した『湯治』というのは、こういう精神的安息、リラックスによる心理療法なのではないだろうか。
しかし、不満が一つ。
禁書「……湯量が少ないかも」
おそらく台所で、美琴が湯を使っているのだろう。
シャワーだけなのに水勢が弱いと、なんだか余計に寒く感じる。
なんとかして暖かいバスライフを味わうことは出来ないだろうかと思案すると、
禁書「!」
案外簡単に解決策が見つかった。
膝下まできているぬるま湯に、身をつけてしまえばいい。
今よりは幾分かマシだろう。
じゃばっ
ぬるい湯に身を沈める。
いやぁしかしぬるい。
思ったとおり、先ほどよりは幾分かはマシだが。
禁書「………」
しかし、より良い環境を求めるのが人の常だ。
どうにかならないかと思っていると、急に水勢が強くなり、温かいお湯が勢いよく降り注いできた。
ザーーーーーーー
昨日も聞いた音。
その音に、否応無く記憶は叩き起こされた た。
ザーーーーーーー
『あの時はおかしかった』と結論付けた、あの記憶が、少女の目が、少女の身体が。
ザーーーーーーー
確かな熱を帯びた、確かな記憶として、不確かな感情に揺さぶりをかける。
ザーーーーーーー
私を押さえつける身体の熱。
私を射抜く瞳の熱。
私に向けられた激情の熱。
熱、熱、熱、熱、熱。
ザーーーーーーー
その熱は次第に強く大きなうねりとなって少女の心に、容赦なく侵入する。
そのひとつひとつを大切にしたくて、味わいたくて、聴きたくて、感じたくて抱きしめたくて。
恋しくて。
薄れゆく意識の中で、熱を帯びほてった身体が大きくふらついた。
------------
ばさっばさっ
冷たくて気持ちいい。
ばさっばさっ
肌が喜んでいるような気がする。
ばさっばさっ
ううん、ちょっと寒いかも…
ばさっばさっ
いや、寒い。寒い寒い寒い
禁書「寒いんだよ!」ガバッ
あまりの寒さに起き上がると、御坂美琴が窓を開けてタオルで自分を扇いでいた。
バスタオル一枚の自分を。
ばさっばさっ
冷たくて気持ちいい。
ばさっばさっ
肌が喜んでいるような気がする。
ばさっばさっ
ううん、ちょっと寒いかも…
ばさっばさっ
いや、寒い。寒い寒い寒い
禁書「寒いんだよ!」ガバッ
あまりの寒さに起き上がると、御坂美琴が窓を開けてタオルで自分を扇いでいた。
バスタオル一枚の自分を。
美琴「あ、気がついた?」
悪びれることなく言い放つ。
半裸の人間を冬の夜の外気にさらして扇ぐとは、新しいプレイか何かかな?
と言いたかったが、いかんせん、頭が回らない。
ふわふわと宙を漂うような、気持ちの悪い感じだ。
美琴「びっくりしたわよ、まったくもう。浴槽で『ぐで~』ってなって『ぷか~』って浮いてるんだもん」
『もうちょいでココがいわくつきになるところだったわよ』と、シャレにならなかったかもしれないことを言う。
ああそうか、わたしはのぼせてたんだ。
美琴「今日はこのまま寝なさい」
『ヤダヤダ!ごはんが食べたいんだよ!』なんて言える気分じゃない。
吐き気とめまいがしてそれどころではないので、今日はおとなしく寝る事にした。
------------
おでこの冷却シートがひんやりして気持ちいい。
なにか柑橘系の匂いがしていて、それが導眠の引きがねとなったのだろうか?
すんなりと眠れた私は、夢を見た。
寝ている自分の頬に、そっとキスをする御坂美琴。
妙に生々しく、リアリティのある、ただの夢。
脳が創り出した偶像であり虚像。
そのニセモノの体験が、自分と同じシャンプーの香りと共に記憶に焼き付いた。
おでこの冷却シートがひんやりして気持ちいい。
なにか柑橘系の匂いがしていて、それが導眠の引きがねとなったのだろうか?
すんなりと眠れた私は、夢を見た。
寝ている自分の頬に、そっとキスをする御坂美琴。
妙に生々しく、リアリティのある、ただの夢。
脳が創り出した偶像であり虚像。
そのニセモノの体験が、自分と同じシャンプーの香りと共に記憶に焼き付いた。
インデックスさんが美琴さんを気にしはじめたようですがそんなことは露知らず、寝かしつけた後の美琴の行動やいかに--ッ!
なにも考えてません。寝ますノシ
なにも考えてません。寝ますノシ
------------
購入した大量の食材を洗っていると、お湯の出が悪くなった。
おそらくインデックスが入浴したのだろう。
美琴(……インデックス、寒いだろうな…)
こちらの水勢が弱いということは、シャワーの湯量が少ないということだ。
『インデックスが寒い思いをしている』。
そう思うとなぜかとてもそわそわしてきた。
美琴(うーん…)
気温のせいか少しためらい、
美琴(えいっ!)キュッ
お湯を冷たい水に切り替えた。
購入した大量の食材を洗っていると、お湯の出が悪くなった。
おそらくインデックスが入浴したのだろう。
美琴(……インデックス、寒いだろうな…)
こちらの水勢が弱いということは、シャワーの湯量が少ないということだ。
『インデックスが寒い思いをしている』。
そう思うとなぜかとてもそわそわしてきた。
美琴(うーん…)
気温のせいか少しためらい、
美琴(えいっ!)キュッ
お湯を冷たい水に切り替えた。
冷水で野菜を洗いながら考える。
なぜあの子はあんなにも他人の庇護欲をくすぐるのだろうか。
同い年くらいだとは思うのだが、どうにも世話をやきたくなる。
あの子に関わった何人かは、この気持ちを理解してくれるだろう。
美琴(よしっ。下ごしらえ終了)
色々と思考するうちに、ゴロゴロとしたジャガイモと大きな角切りニンジンが仕上がった。
油をしいた大きな鍋の底で肉を炒め、赤みがなくなったら野菜を入れる。
そして湯を張り、煮込んでからルーを投入。
さらに煮込めば完成だ。
スパイスや隠し味を何にしようかと考えている間に野菜も良い色になってきた。
料理の最中は本当に何か悪いものでも取り憑いたのかと思うほど、暇だ。
だから妄想や独り言が増えるのは必然である。
それがたとえお嬢様でも、レベル5であっても例外はない。
美琴(…)
鍋の底の肉、野菜をじーっと見つめる美琴。
美琴(ぐへへ、いい色してんじゃねえかジお姉ちゃんたち…)
美琴(いやっ!やめてお肉男爵!何するの!)
美琴(うるせぇ大人しくしやがれ!)
木べらでひょいっとカレー用角切り肉をジャガイモと絡ませる。
美琴(おねぇちゃぁん!ジャガイモおねぇちゃぁん!)
美琴(逃げなさいニン子!早く!)
美琴(おおっと、逃がすかよぉ)
肉を木べらでニンジンへ突撃させる。
美琴(きゃああ!)
ジュワッという肉の音と共に、ニンジンにも肉汁が絡み付いた。
美琴(やめて!その子には…その子にはっ!)
美琴(ごちゃごちゃうるせぇぞぉ!)
ジャガイモお姉ちゃんの悲痛な叫び。
それは木べらの一振りによってまんべんなく絡まる。
美琴(…)
美琴(何やってんだろアタシ…)
そこでカムバックした。
ジュワッという肉の音と共に、ニンジンにも肉汁が絡み付いた。
美琴(やめて!その子には…その子にはっ!)
美琴(ごちゃごちゃうるせぇぞぉ!)
ジャガイモお姉ちゃんの悲痛な叫び。
それは木べらの一振りによってまんべんなく絡まる。
美琴(…)
美琴(何やってんだろアタシ…)
そこでカムバックした。
名役者の食材たちはそろいもそろってとても良い色になった。
そろそろお湯を入れようか。
と思ったが、最初食材を洗ってから20分ほどが経過している。
当然化粧などしていないインデックスは、もう風呂場から上がって夜風にあたっているはずだ。
が、カウンター越しに見えるベランダには、人影はない。
嫌な予感がする。
火を止め、エプロンを取り、風呂場へ急ぎ、ノックをする。
美琴「インデックス~?何してるの~?」コンコン
……返事はない。
嫌な予感は増幅された。
美琴「…インデックス?開けるわよ?」
鍵がかかっているが、レベル5の前ではそんなもの関係ない。
ホテルによくあるボタンロック式のチャチ戸は、力任せに回すとイヤな音で叫び、開いた。
火を止め、エプロンを取り、風呂場へ急ぎ、ノックをする。
美琴「インデックス~?何してるの~?」コンコン
……返事はない。
嫌な予感は増幅された。
美琴「…インデックス?開けるわよ?」
鍵がかかっているが、レベル5の前ではそんなもの関係ない。
ホテルによくあるボタンロック式のチャチ戸は、力任せに回すとイヤな音で叫び、開いた。
美琴「インデックス!」ゴチャッ!
勢いよく戸を開けるとそこには、
美琴「きゃぁぁぁぁ!」
禁書「ふにゃ~…」
グルグルと目を回したインデックスが、クラゲのように浮いていた。
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