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元スレ上条「二人で一緒に逃げよう」 美琴「………うん」
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パァン!!! パァン!!!! パァァァン!!!!
鳴り止まない銃声。鉄橋の上を走る列車の車内にいた黄泉川は、すぐ横で川に向かって発砲する部下たちを見る。
と、そんな彼女の視線の先……部下の警備員たちの身体の更に向こうに、よく見知った顔があるのが分かった。
1つ後ろの車両の窓から、眼下の川を忌々しげに見つめるその少女の顔は………
黄泉川「白井!!!???」
そう叫んだ瞬間、黒子は窓から消えていた。まるで、瞬間移動でもしたかのように。
黄泉川「まさか!!??」
黄泉川は咄嗟に顔を戻した。
ザッパァァァァァァァァン!!!!!!!!
という音と共に、水飛沫が盛大に上がった。
上条美琴「!!!!????」
川から顔を出していた上条と美琴が後ろを振り返る。
上条「お前は……!?」
黒子「ようやく見つけましたわ、御坂美琴!!!!!!!!」
美琴「黒子!!!???」
列車から、黒子が空間移動(テレポート)を使って2人の眼前に現れていた。
黄泉川「撃ち方やめ!! 撃ち方やめ!!!」
車内にいた黄泉川は部下たちに叫ぶ。
黄泉川「撃つな!! やめろ!!! 白井が下にいる!!!」
それを聞き、「ええっ!?」という声を同時に上げ、警備員たちが慌てて発砲を止めた。
黄泉川「あのバカ……っ! 待ってろ、って言ったのに!!」
黄泉川は大きく舌打ちし、川を眺めた。
列車は既に鉄橋から抜け出るところだった。
車内にいた黄泉川は部下たちに叫ぶ。
黄泉川「撃つな!! やめろ!!! 白井が下にいる!!!」
それを聞き、「ええっ!?」という声を同時に上げ、警備員たちが慌てて発砲を止めた。
黄泉川「あのバカ……っ! 待ってろ、って言ったのに!!」
黄泉川は大きく舌打ちし、川を眺めた。
列車は既に鉄橋から抜け出るところだった。
上条と美琴の前に現れた人物、それはかつての美琴のルームメイトにして後輩、白井黒子だった。
黒子「お久しぶりですわねぇ、 お 姉 さ ま ? 」
美琴「黒子……っ」
ニヤリ、と黒子は川の水で濡れた髪を額にくっつけながら不気味な笑みを見せる。
黒子「私、とってもとってもとーーーーーーっても、お姉さまにお会いしたかったんですのよ?」
美琴「………あんた何でここに!?」
上条「………………」
黒子「何で? 決まってるではありませんの」
歪んでいた口元を更に歪め、黒子は言う。
黒子「貴女をこの手で殺すためですわよ、お姉さま!!!!!!」
美琴「!!!!!!!!」
その瞬間、フッと黒子が2人の前から消えた。
美琴「……………っ(黒子はどこに!?)」
黒子「お久しぶりですわねぇ、 お 姉 さ ま ? 」
美琴「黒子……っ」
ニヤリ、と黒子は川の水で濡れた髪を額にくっつけながら不気味な笑みを見せる。
黒子「私、とってもとってもとーーーーーーっても、お姉さまにお会いしたかったんですのよ?」
美琴「………あんた何でここに!?」
上条「………………」
黒子「何で? 決まってるではありませんの」
歪んでいた口元を更に歪め、黒子は言う。
黒子「貴女をこの手で殺すためですわよ、お姉さま!!!!!!」
美琴「!!!!!!!!」
その瞬間、フッと黒子が2人の前から消えた。
美琴「……………っ(黒子はどこに!?)」
1秒後、彼女は現れた。2人の背後から。空中で。美琴の頭を思いっきり蹴り飛ばせる角度で。
黒子「さよぉならぁお姉さまぁ」ニヤリ
美琴「!!!!!!!!!」
黒子の容赦ない蹴りが美琴の後頭部を狙う。
が、しかし………
黒子「!!!!????」
上条「……………」
それを許す間も与えず、振り返った上条が水中から思いっきり飛び上がってきた。
黒子「なっ!?」
黒子の頬を、上条の右拳が狙う。
ドゴォッ!!!!!!
黒子「きゃん!!!!」
容赦なく、上条は全力で黒子を殴り飛ばした。
美琴「黒子!!!!」
唐突に殴られ、思わぬ形で体勢を崩されたためか、黒子は反撃を試みることも出来ず、ザバァンと音を立て水中に倒れ込んでいった。
黒子「さよぉならぁお姉さまぁ」ニヤリ
美琴「!!!!!!!!!」
黒子の容赦ない蹴りが美琴の後頭部を狙う。
が、しかし………
黒子「!!!!????」
上条「……………」
それを許す間も与えず、振り返った上条が水中から思いっきり飛び上がってきた。
黒子「なっ!?」
黒子の頬を、上条の右拳が狙う。
ドゴォッ!!!!!!
黒子「きゃん!!!!」
容赦なく、上条は全力で黒子を殴り飛ばした。
美琴「黒子!!!!」
唐突に殴られ、思わぬ形で体勢を崩されたためか、黒子は反撃を試みることも出来ず、ザバァンと音を立て水中に倒れ込んでいった。
美琴「黒子ぉっ!!」
心配するような美琴が思わず黒子の元に向かおうとする。
上条「駄目だ御坂!! 来い!!」
咄嗟に上条は美琴の身体を掴まえ、彼女を黒子から引き離す。
美琴「でも……黒子が!! 黒子が!!」
上条「忘れたのか!? あの白井はもう以前の白井じゃない!! お前を殺そうとしてるんだ!!!」
美琴「!!!!!!」
上条は美琴の身体を引っ張りながら岸に向かって泳ぐ。
美琴「でも……あのままじゃ黒子が溺れ死んじゃうよ!!」
上条「あいつなら大丈夫だ。そう簡単には死なない」
美琴「だけど!」
上条「いい加減にしろ御坂!! 向こうはお前を殺しに来たんだ!! こっちが投降出来ない以上、これから相手を殺すことだって出てくるんだぞ!! いつまでも甘えてんじゃねぇ!!」
美琴「!!!!!!!!」
上条「まだ分からないのかよ!? それだけの覚悟を持たないと、生き延びることなんて出来ないんだよ!!!!」
美琴「…………っ」
上条の顔を、次いで黒子が倒れた場所を見る美琴。
上条「なるべく殺したくないんなら、逃げるのが一番だ」
美琴「………………、」
上条が美琴を岸へ連れて行く。美琴は名残惜しそうに何度も後ろを振り返っていた。
心配するような美琴が思わず黒子の元に向かおうとする。
上条「駄目だ御坂!! 来い!!」
咄嗟に上条は美琴の身体を掴まえ、彼女を黒子から引き離す。
美琴「でも……黒子が!! 黒子が!!」
上条「忘れたのか!? あの白井はもう以前の白井じゃない!! お前を殺そうとしてるんだ!!!」
美琴「!!!!!!」
上条は美琴の身体を引っ張りながら岸に向かって泳ぐ。
美琴「でも……あのままじゃ黒子が溺れ死んじゃうよ!!」
上条「あいつなら大丈夫だ。そう簡単には死なない」
美琴「だけど!」
上条「いい加減にしろ御坂!! 向こうはお前を殺しに来たんだ!! こっちが投降出来ない以上、これから相手を殺すことだって出てくるんだぞ!! いつまでも甘えてんじゃねぇ!!」
美琴「!!!!!!!!」
上条「まだ分からないのかよ!? それだけの覚悟を持たないと、生き延びることなんて出来ないんだよ!!!!」
美琴「…………っ」
上条の顔を、次いで黒子が倒れた場所を見る美琴。
上条「なるべく殺したくないんなら、逃げるのが一番だ」
美琴「………………、」
上条が美琴を岸へ連れて行く。美琴は名残惜しそうに何度も後ろを振り返っていた。
場面が飛び飛びになってレス多くなってごめん。
今日は以上です。
続きはまた明日ぐらいにでも。
ではこれで。
今日は以上です。
続きはまた明日ぐらいにでも。
ではこれで。
おつー!
鉄橋に美琴の力でぶら下がった方がいいんじゃ?と思ったけどそうしたら下手したら撃たれてたんだなww
そして次回は川からあがってまた濡れ場ですね、わかります!
鉄橋に美琴の力でぶら下がった方がいいんじゃ?と思ったけどそうしたら下手したら撃たれてたんだなww
そして次回は川からあがってまた濡れ場ですね、わかります!
うわー、いよいよ術の効力の現実味が出てきたな
ところで>>1はこのスレで完結させるつもりかえ?
ところで>>1はこのスレで完結させるつもりかえ?
術式の影響なのはわかってるけど、みんな正気じゃなくなってるな。
黒子は大丈夫なのか。あと上条さんと美琴のこの先が心配。
黄泉川先生の鬼畜ぶりになんとも言えない俺です。
黒子は大丈夫なのか。あと上条さんと美琴のこの先が心配。
黄泉川先生の鬼畜ぶりになんとも言えない俺です。
相変わらず有事の際の上条さんの判断力と精神力は異常
たぶん黒子は数メートルはぶっとんだだろうな
たぶん黒子は数メートルはぶっとんだだろうな
大人の男も一撃で沈める全力パンチで女子中学生を水没させておいて
あの程度じゃ死なないは説得力がねぇよwww
まあ上条さんはもう場合によっては[ピーーー]気だから美琴用の方便だろうけど
あの程度じゃ死なないは説得力がねぇよwww
まあ上条さんはもう場合によっては[ピーーー]気だから美琴用の方便だろうけど
さすがにアンチスキルの増援が近くにいるだろうし、黒子なら体重軽いから浮かびそうだけど
うつ伏せにさえなってなきゃな
うつ伏せにさえなってなきゃな
アニメでシェリーが吹っ飛ばした時のアレくらいのをやってそれでそのまま水の中って
上条さん流石
上条さん流石
御坂ぁぁぁぁっぁあ!!
俺はお前が泣くまで!!!!!
殴るのをやめない!!!!
俺はお前が泣くまで!!!!!
殴るのをやめない!!!!
水中戦だからそこまで全力パンチ出来ないだろう
それに常日頃から電撃くらってるし平気そうだ
それに常日頃から電撃くらってるし平気そうだ
つまり>>1マダー?ってことか・・・
その頃。上条と美琴が逃げ出した列車では、黄泉川たち5人の警備員が最後尾車両に集まっていた。
当然のことながら、既に鉄橋は通り過ぎている。
警備員「どうします隊長?」
黄泉川「………………」
口をへの字に結び、黄泉川は座席に座ったまま何も喋ろうとしない。4人の警備員たちが反応に困り、顔を見合わせる。
黄泉川「………………」ザッ
警備員「!!!」
と、急に黄泉川が立ち上がった。
黄泉川「不本意だが、我々は当初の予定通り本部に向かうじゃん。御坂美琴は別働隊が既に動いているからそっちに任せよう………」
表情を変えず黄泉川は言う。
警備員「……奴らを追ったジャッジメントの白井はどうしますか?」
黄泉川「回収部隊を向かわせる。どうせあいつなら死んでることはないだろうしな。だが、帰ってきたら説教じゃん」
背後にあった窓に近付く黄泉川。カーテンを開け、外の景色を望む。
黄泉川「まだ夜明け前か……。……お?」
黄泉川の眼前にあった窓ガラス。そこに、幾つかの水滴がポツポツと現れ始めた。
黄泉川「雨じゃん」
瞬く間に水滴はガラス一面を覆い、やがて窓を叩きつけるほどの威力になった。
それを横目で見ながら黄泉川は顔を戻し、胸中に呟いた。
黄泉川「(これだけの大雨の中、山に入れば即お陀仏。この手で奴を始末出来なかったのが唯一の名残じゃん)」
当然のことながら、既に鉄橋は通り過ぎている。
警備員「どうします隊長?」
黄泉川「………………」
口をへの字に結び、黄泉川は座席に座ったまま何も喋ろうとしない。4人の警備員たちが反応に困り、顔を見合わせる。
黄泉川「………………」ザッ
警備員「!!!」
と、急に黄泉川が立ち上がった。
黄泉川「不本意だが、我々は当初の予定通り本部に向かうじゃん。御坂美琴は別働隊が既に動いているからそっちに任せよう………」
表情を変えず黄泉川は言う。
警備員「……奴らを追ったジャッジメントの白井はどうしますか?」
黄泉川「回収部隊を向かわせる。どうせあいつなら死んでることはないだろうしな。だが、帰ってきたら説教じゃん」
背後にあった窓に近付く黄泉川。カーテンを開け、外の景色を望む。
黄泉川「まだ夜明け前か……。……お?」
黄泉川の眼前にあった窓ガラス。そこに、幾つかの水滴がポツポツと現れ始めた。
黄泉川「雨じゃん」
瞬く間に水滴はガラス一面を覆い、やがて窓を叩きつけるほどの威力になった。
それを横目で見ながら黄泉川は顔を戻し、胸中に呟いた。
黄泉川「(これだけの大雨の中、山に入れば即お陀仏。この手で奴を始末出来なかったのが唯一の名残じゃん)」
グジャッ
耳障りの悪い音を響かせ、2人分の足が地面を踏み込む。
上条「ハァ……ゼェ……」
美琴「……ゼェ……ハァ……」
何とか黒子や黄泉川の手から逃れた上条と美琴。彼らは今、大雨によって滑りやすくなった山の斜面を登っていた。
美琴「きゃっ!」ズルッ
バシャッ!
上条「御坂!?」
振り返る上条。美琴がぬかるみに足を取られ転んでいた。
上条「大丈夫か!?」
美琴「だ……大丈夫」
何とか立ち上がる美琴。可愛らしい服も泥だらけになっていた。
上条「気を付けろ」
言って上条は辺りを見回す。小さな山とは言え、深夜のためか数m先は真っ暗で何も見えない状態だった。おまけに空からは雨が大量に降り注ぎ、そのせいか斜面も滑りやすくなっている。鉄砲水の恐れもあるため、2人はなるべく急いで川から離れていたが、悪天候に見舞われた山の危険はそれだけでは済まなかった。
上条「何とかしてまずは、まともな道を見つけないと……。ほら」ギュッ
美琴「あ……」
上条「ちゃんと俺の手握ってろ? 迷わないようにな」
美琴「………うん」
2人は固く手を握り、歩みを進める。
それからどれほど歩いたのか。上条と美琴は、ただ手を握り、ひらすら道なき道を登ったり降りたりしていた。
美琴「ハァ……ハァ……ハァ……」
上条「一向に空が明るくならない。おまけに雨脚もさっきより強くなってるみたいだ」
美琴「ハァ……ゼェ……ハァ…」
と、その時だった。
上条「!!!!!!!!!」
突如、上空の一点がピカッと光った。
上条「隠れろ!!」
咄嗟に上条は美琴の身体を引っ張り、木の陰まで連れて行く。
美琴「ど……どうしたの? ……ハァ……ハァ……」
上条「アンチスキルだよ」
顔を上げると、木々の間に地上にサーチライトを向けて飛行しているヘリコプターの姿があった。
黒色のボディとその装甲に描かれたマークを見るに、アンチスキルのものであることは容易に想像がついた。
上条「俺たちを探してるんだ……」
美琴「ハァ……ハァ……」
降り注がれるサーチライトが、まるで獲物を探すように地面の一部をなぞり照らしていく。その光は、上条と美琴が隠れていた場所より数m先を蠢いた後、すぐに遠くまで行ってしまった。
上条「……行ったか。よし……先を急ごう」
美琴「ハァ……ハァ……うん」
美琴の手を握りながら、上条は彼女をゆっくりと立ち上がらせる。
それからも2人は、出口の無い迷路をさ迷うに山を歩き続けた。
上条「尾根が……見つかればいいんだけど……」
方位磁石もない状況下、上条たちは道なき道を歩いている。一応、山を下るようにしていた彼らだったが、いつの間にか逆に登っていることもあり、ほとんど迷っていると言ってもよかった。
そもそも2人はまだ、ただの高校生と中学生であって、登山家でもクライマーでもない全くのど素人。死んでないのが奇跡だった。
上条「はは……鉄砲水を恐れて……川から離れたのが……間違いだったかな?」
美琴「ハァ……ハァ……ハァ……」
上条「でも…あのままあそこに残ってたら……捜索部隊に見つかってたし……」
美琴「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……」
美琴「ハァ……ハァ……ハァ……」
上条「一向に空が明るくならない。おまけに雨脚もさっきより強くなってるみたいだ」
美琴「ハァ……ゼェ……ハァ…」
と、その時だった。
上条「!!!!!!!!!」
突如、上空の一点がピカッと光った。
上条「隠れろ!!」
咄嗟に上条は美琴の身体を引っ張り、木の陰まで連れて行く。
美琴「ど……どうしたの? ……ハァ……ハァ……」
上条「アンチスキルだよ」
顔を上げると、木々の間に地上にサーチライトを向けて飛行しているヘリコプターの姿があった。
黒色のボディとその装甲に描かれたマークを見るに、アンチスキルのものであることは容易に想像がついた。
上条「俺たちを探してるんだ……」
美琴「ハァ……ハァ……」
降り注がれるサーチライトが、まるで獲物を探すように地面の一部をなぞり照らしていく。その光は、上条と美琴が隠れていた場所より数m先を蠢いた後、すぐに遠くまで行ってしまった。
上条「……行ったか。よし……先を急ごう」
美琴「ハァ……ハァ……うん」
美琴の手を握りながら、上条は彼女をゆっくりと立ち上がらせる。
それからも2人は、出口の無い迷路をさ迷うに山を歩き続けた。
上条「尾根が……見つかればいいんだけど……」
方位磁石もない状況下、上条たちは道なき道を歩いている。一応、山を下るようにしていた彼らだったが、いつの間にか逆に登っていることもあり、ほとんど迷っていると言ってもよかった。
そもそも2人はまだ、ただの高校生と中学生であって、登山家でもクライマーでもない全くのど素人。死んでないのが奇跡だった。
上条「はは……鉄砲水を恐れて……川から離れたのが……間違いだったかな?」
美琴「ハァ……ハァ……ハァ……」
上条「でも…あのままあそこに残ってたら……捜索部隊に見つかってたし……」
美琴「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……」
上条「何だって……こんな目に……。あ、いや、お前を責めてるんじゃないぞ御坂?」
美琴「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ……」
ボーッとした表情のまま上条の言葉を聞き入れる美琴。
上条「全ては……とある魔術師のせいなんだ……」
彼は先程から何やら話しかけてきている。
美琴「ハァハァハァ……ん……ハァハァハァ……」
上条「そう……全ては変な魔術のせいで……」
妙に上条の言葉がエコーがかって聞こえた。
上条「だから、お前の責任じゃない……」
美琴「…………ハァ…ハァ」
グラリ、
と視界が揺れた気がした。
そして、次の瞬間。
上条「何だ!?」
上条は突然声を上げる。と言うのも、急に腕が後ろに引っ張られる感覚があったのだ。
咄嗟に振り返る上条。
ズルッ
上条「!!!???」
刹那、美琴の身体がまるで地中に吸い込まれたように上条の視界から下方へと消えていった。
上条「御坂!?」
上条が見た光景。それは、足を滑らせた美琴が、20mはあるだろう崖下に今にも落ちそうになっている姿だった。
上条「御坂あああああああああ!!!!!!!!!!」
美琴「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ……」
ボーッとした表情のまま上条の言葉を聞き入れる美琴。
上条「全ては……とある魔術師のせいなんだ……」
彼は先程から何やら話しかけてきている。
美琴「ハァハァハァ……ん……ハァハァハァ……」
上条「そう……全ては変な魔術のせいで……」
妙に上条の言葉がエコーがかって聞こえた。
上条「だから、お前の責任じゃない……」
美琴「…………ハァ…ハァ」
グラリ、
と視界が揺れた気がした。
そして、次の瞬間。
上条「何だ!?」
上条は突然声を上げる。と言うのも、急に腕が後ろに引っ張られる感覚があったのだ。
咄嗟に振り返る上条。
ズルッ
上条「!!!???」
刹那、美琴の身体がまるで地中に吸い込まれたように上条の視界から下方へと消えていった。
上条「御坂!?」
上条が見た光景。それは、足を滑らせた美琴が、20mはあるだろう崖下に今にも落ちそうになっている姿だった。
上条「御坂あああああああああ!!!!!!!!!!」
ガシィィッ!!!!
と、上条は咄嗟に美琴の腕を両手で掴んだ。
上条「ぐ……おおおおおおおおおおおお……」
思いっきり地に足つけ、彼は落ちそうになる美琴の腕を引っ張り上げようとする。
美琴「ハァ……ハァ……ハァ……」
上条「お、落ちるんじゃ……ねぇ……ぞ……」グググッ
が、何故か美琴の全身からは力が抜けており、そのせいか軽いはずの彼女の身体はまるで鉛のように重くなっていた。
上条「……御坂……自力で……登れないかっ……!?」
顔を苦痛で歪ませながら、上条は崖にぶら下がってる状態の美琴に質す。
美琴「ハァ……ハァ……」
だが、彼女は自力で登ろうとするどころか、返事さえも返してこなかった。
上条「絶対に……お前を落としは……しないっ……くっ……」
ズルッ
上条「ぐおっ……」
足が滑りそうになる。地面は大雨でぬかるんでいるせいか、普通に立っているだけでも精一杯だった。
上条「こんな所で……」
ズルッ
また、足が滑りそうになった。
上条「お前を……死なして……」
ズルッ…… ズルッ……
上条「なるもの……かぁっ……!」
ズルッ…
嫌な音を立てながら両足が崖淵に近付く。その度に美琴の身体が、暗い崖の底に吸い込まれていきそうになる。
だが、上条を苦しめるのは何もぬかるんだ地面だけではなかった。
上条「手……手が……」
この大雨である。美琴の腕と、その腕を握る上条の手の間に雨粒が潜り込んでいき、徐々に滑りやすくなっているのだ。しかも、今の美琴は全身から力が抜け落ちているため、極端にその身体は重くなっている。まさに、踏んだり蹴ったりの状態だった。
上条「!!!!????」
が、ここで更に災難が訪れる。
上条「あれは………」
上条が視線を向けた先……木々の間に、黒い装甲に包まれた飛行物体が見えた。その飛行物体は胴体から地上へ向けて光を発し、こちらに近付いている。
上条「ヘリが……戻ってきた!!??」
確認作業のためか、上条と美琴を探索しているアンチスキルのヘリコプターがもう1度、こちらに戻ってきたのだ。
上条「不幸にも……程があるだろがあああああああああ!!!! ……くっ!」
滑る足。滑る手。重い美琴の身体。接近するアンチスキルのヘリ。状況は完全に詰んでいると言ってもおかしくはなかった。
上条「み……さ……か……あ……あ……あ……」グググググッ
美琴「はな………して………」
上条「!?」
と、その時だった。足元から、掻き消えそうな小さな声が聞こえた。
嫌な音を立てながら両足が崖淵に近付く。その度に美琴の身体が、暗い崖の底に吸い込まれていきそうになる。
だが、上条を苦しめるのは何もぬかるんだ地面だけではなかった。
上条「手……手が……」
この大雨である。美琴の腕と、その腕を握る上条の手の間に雨粒が潜り込んでいき、徐々に滑りやすくなっているのだ。しかも、今の美琴は全身から力が抜け落ちているため、極端にその身体は重くなっている。まさに、踏んだり蹴ったりの状態だった。
上条「!!!!????」
が、ここで更に災難が訪れる。
上条「あれは………」
上条が視線を向けた先……木々の間に、黒い装甲に包まれた飛行物体が見えた。その飛行物体は胴体から地上へ向けて光を発し、こちらに近付いている。
上条「ヘリが……戻ってきた!!??」
確認作業のためか、上条と美琴を探索しているアンチスキルのヘリコプターがもう1度、こちらに戻ってきたのだ。
上条「不幸にも……程があるだろがあああああああああ!!!! ……くっ!」
滑る足。滑る手。重い美琴の身体。接近するアンチスキルのヘリ。状況は完全に詰んでいると言ってもおかしくはなかった。
上条「み……さ……か……あ……あ……あ……」グググググッ
美琴「はな………して………」
上条「!?」
と、その時だった。足元から、掻き消えそうな小さな声が聞こえた。
美琴「……はな……して……ハァ……ハァ……」
美琴だった。今までずっと黙っていた美琴が、搾り出すように言葉を発している。
上条「御坂!!??」
美琴「……今すぐ……離して………ハァ……ハァ……」
そう、美琴は言ってきた。
上条「なっ!? ……バ、バカ言ってんじゃねぇ!! 誰が離すか!!! …ぐおっ…」
だが、上条は美琴の言葉とは裏腹に、諦める意志は無い。既に限界を迎えているはずなのにだ。
美琴「……元々は……あんたは……関係……無かった……。ハァ……ハァ……巻き込まれる……必要は……無かった……」
上条「ぐっ……くおおおお……」
美琴「……なのにあんたは……ハァハァ……私を助けてくれて………ここまで一緒に……ついて来てくれて……ハァ…ハァ……もう……十分……十分だから……ハァ……ハァ」
上条「何を……言ってやがる……」
美琴「………私が死ねば……全て……終わる……ハァ……ハァ……黒子も……私を追いかける……必要も無くなる……し……佐天さんや……初春さんも……ハァハァ……私に怯える……必要も……無い……。学園都市が……平和に……なる……ハァハァ……」
上条「ふざけんな!! こっちは……そんなんで死なれちゃ……困るんだよ……っ」
ズズッ… ズズッ! ズズズッ!!
上条「…………っ」グググググッ
美琴「……あんたが……ここで死ぬ謂れは……ない………」
崖淵と上条の足の距離20cm。そして正面上空には接近しつつあるサーチライトの光。
だが、そんな状況でも上条は諦めない。
美琴だった。今までずっと黙っていた美琴が、搾り出すように言葉を発している。
上条「御坂!!??」
美琴「……今すぐ……離して………ハァ……ハァ……」
そう、美琴は言ってきた。
上条「なっ!? ……バ、バカ言ってんじゃねぇ!! 誰が離すか!!! …ぐおっ…」
だが、上条は美琴の言葉とは裏腹に、諦める意志は無い。既に限界を迎えているはずなのにだ。
美琴「……元々は……あんたは……関係……無かった……。ハァ……ハァ……巻き込まれる……必要は……無かった……」
上条「ぐっ……くおおおお……」
美琴「……なのにあんたは……ハァハァ……私を助けてくれて………ここまで一緒に……ついて来てくれて……ハァ…ハァ……もう……十分……十分だから……ハァ……ハァ」
上条「何を……言ってやがる……」
美琴「………私が死ねば……全て……終わる……ハァ……ハァ……黒子も……私を追いかける……必要も無くなる……し……佐天さんや……初春さんも……ハァハァ……私に怯える……必要も……無い……。学園都市が……平和に……なる……ハァハァ……」
上条「ふざけんな!! こっちは……そんなんで死なれちゃ……困るんだよ……っ」
ズズッ… ズズッ! ズズズッ!!
上条「…………っ」グググググッ
美琴「……あんたが……ここで死ぬ謂れは……ない………」
崖淵と上条の足の距離20cm。そして正面上空には接近しつつあるサーチライトの光。
だが、そんな状況でも上条は諦めない。
美琴「……お願い……離して……ハァ……ハァ……。あんたが……死ぬなんて……嫌……ハァ……ハァ……」
上条「お前を死なすぐらいなら……俺も死んだほうがマシだ……」
美琴「………ハァ……ハァ……」
上条「絶対に落とさない!! 絶対に死なせはしない!!!」グググググッ
ズッ……
上条「くっ………神様……俺は今まで不幸だった……そのせいで……何度も死にそうになった……」
美琴「ハァ……ハァ……」
上条「だけど……俺の大切な人まで……死なすのは……余りにも……理不尽だろうがああああ!!!!」
ズズッ………
上条「……お願いだ神様……こいつを……御坂を……死なせないでくれ……っ! ……頼むから……御坂を無事……学園都市から逃がすまでは……一緒に……いさせてくれっ……!」
美琴「ハァ……ハァ……」
上条「その代わり……ぐおっ……その代わり……」
ズズッ… ズズッ……
上条「その後は……俺の一生分の幸せ全部くれてやる!!!!!! 一生分の不幸を与えてくれてもいいから……っ!!!!!! 御坂を……死なせないでくれえええええええええええええ!!!!!!!!!!!!」
美琴「………………」ニコッ
上条「!!!???」
その時、美琴が顔を上げて、そして笑みを見せた。
上条「御坂………」
美琴「……ありがとう当麻……」
上条「!!!!!!!!」
美琴「………助けにきてくれた時……嬉しかったよ……」
そう言って、美琴は最後の力を振り絞るように上条の手を振り払った。
上条「美琴…………」
美琴の身体が、崖下に吸い込まれていく。
上条は、彼女の姿が徐々に暗闇に消えていく姿を見ているしかなかった。
上条「お前を死なすぐらいなら……俺も死んだほうがマシだ……」
美琴「………ハァ……ハァ……」
上条「絶対に落とさない!! 絶対に死なせはしない!!!」グググググッ
ズッ……
上条「くっ………神様……俺は今まで不幸だった……そのせいで……何度も死にそうになった……」
美琴「ハァ……ハァ……」
上条「だけど……俺の大切な人まで……死なすのは……余りにも……理不尽だろうがああああ!!!!」
ズズッ………
上条「……お願いだ神様……こいつを……御坂を……死なせないでくれ……っ! ……頼むから……御坂を無事……学園都市から逃がすまでは……一緒に……いさせてくれっ……!」
美琴「ハァ……ハァ……」
上条「その代わり……ぐおっ……その代わり……」
ズズッ… ズズッ……
上条「その後は……俺の一生分の幸せ全部くれてやる!!!!!! 一生分の不幸を与えてくれてもいいから……っ!!!!!! 御坂を……死なせないでくれえええええええええええええ!!!!!!!!!!!!」
美琴「………………」ニコッ
上条「!!!???」
その時、美琴が顔を上げて、そして笑みを見せた。
上条「御坂………」
美琴「……ありがとう当麻……」
上条「!!!!!!!!」
美琴「………助けにきてくれた時……嬉しかったよ……」
そう言って、美琴は最後の力を振り絞るように上条の手を振り払った。
上条「美琴…………」
美琴の身体が、崖下に吸い込まれていく。
上条は、彼女の姿が徐々に暗闇に消えていく姿を見ているしかなかった。
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