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    元スレ女友「アンタの体質って何なの?」男「…」

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    101 = 49 :

    「ましてや体質を消すなどという──なんら現実味のない噂を鵜呑みにし」

    「…お前はこいつを危険な目に合わせるのが、目的なのか?」

    女友「ッ…だけど! それしかもう方法はないのよっ!」

    「それはお前の都合だろう。やり方は在る、この街を出て──研究施設に行けばいい」

    女友「なッ…!? あ、あんた! この子にモルモットになれって言ってるわけ!?」

    「それも一つのやり方だ。やれと言ってない、だが、まだそのほうが安全だ」

    「街の外──政府設立の研究所、黒い噂が耐えないが…ここにいるよりはマシだろう」

    女友「なんってッ…サイテーの奴! この人でなしッ!」

    「何とでも言え。勝手な都合でしか頭を回せないのならな」

    女友「こんなッ…こんな最低なやつだとは思わなかったわ…!」バン!

    「……」

    女友「行きましょ! もう顔なんてみたくない…ッ」ぐいっ

    102 = 49 :

    「…世の中はそんな奇跡は存在しない」

    「……」

    「すがる思いは叶わない。それが現実だ…」

    「…わかってる」

    「む…」

    「わかってた。世の中は、そんなに幸せじゃないってことは」

    「奇跡だって、それに神様だって」

    「そんなのはこれっぽっちも凄くないって」

    「──私は知っている」

    「……お前、その言葉…」

    女友「もう行くわよ! 死ねッ! 腐れ外道!」ブン!

    「むぉっ!?」

    「……」

    (大した暴れっぷりだ。まるで嵐だな)

    104 = 49 :

    「ふぅ…」

    (…師匠、貴方の言葉を思い出します)

    「世の中は運命で回っている。その運命は、結局は覆せない」

    「──どんな奇跡が起ころうとも、絶対に」

    「……人は神には勝てない」

    「………」

    ~~~

    カランカラーン

    「さて、帰るか」

    にゃーん

    「…む」

    「猫だと…野良猫か」

    にゃんにゃん

    「……」うずっ

    105 = 49 :

    「……よーしよし。どうだ、気持いいか?」

    ゴロゴロ…

    「むむむ。なんて大胆なやつだ、お腹を見せるなど…はしたないな…ふふっ」

    にゃーん

    「………」なでなで


    「──あらあら、ふふっ」


    「むっ?」

    「その子が懐くなんて、いやはや、なんともまぁ不思議なものだわ」

    「……」

    「あら? いいのよ、そのまま撫でてて。大いに結構、その子も嬉しがってるはずなのだわ」

    「…気配を消して近づく奴の前で、のんきに触るつもりもない」

    「警戒心が強いお方。いいわぁ、好きよそういうのって」

    106 :

    「…北山校の生徒か、いや、違うな」

    「ええ、制服を見てちょうだい。んふふ、わかるでしょう? 真っ赤な色合いで素敵な配色…」

    「…南火校生徒」

    「うふふ。そうなのだわ…」

    黒猫「…どうもはじめまして、私の名前は──黒猫と呼ばれてますの」

    黒猫「気軽に黒猫とお呼びくださいまし」ぺこり

    (っ…! こいつがあの黒猫…?)

    黒猫「あらまぁ、もしかしてご存知だったのかしら?」

    「…名前は聞いたことがあるぐらいだ」

    黒猫「なるほどぉ。私も有名になったものですねぇ、うふふ」

    「要件はなんだ」

    黒猫「んふふ、頭の回転が早い方は素敵ですわぁ。実に好みの男性です」

    107 = 106 :

    「…良いから早く言え」

    黒猫「そう焦らずに。いえ、なんともまぁ不可思議な噂を耳にしまして」

    黒猫「一昨日、西林校の生徒が屯するアジトを──襲ったのですが」

    黒猫「その際に、推定でも七人の生徒が……再起不能状態になっていたのですよぉ」

    「それがどうした、俺になんの関係がある」

    黒猫「ですわよねぇ。単純に考えれば、きっとそれは、
        西林校の生徒にやられたと考えるのがベストなのだわって想います」

    黒猫「しかし、どうやらそれは東風校の生徒の仕業だという話が出てきてますの」

    「不思議な話だな。なぜ西地区に東風生徒が居るんだろうか」

    黒猫「ええ、ええ、私も凄く不思議に思うんです。けれど、なんでしょうかぁ…」

    黒猫「…ここ数年、他の地区で〝東風生徒〟を見かけたという話をよく耳にするんですよ」

    108 = 106 :

    「……」

    黒猫「まぁ噂の類ですから、なにも信ぴょう性がないのはわかっているのですのよ」

    「そうだな」

    黒猫「不思議なものですねぇ…私、こういうのって時々運命を感じづには居られないんですの」

    「…運命?」

    黒猫「ええ、ええ、運命ですよ」

    黒猫「例えばばったり──仲間を再起不能にさせたかもしれない東風生徒と、」

    黒猫「例えばばったり──ここ数年と他の地区を嗅ぎまわっている東風生徒と、」

    黒猫「幸運にも、いやはや、相手方には──〝不幸〟にも」

    黒猫「会えて、会話して、仲良く慣れるんじゃあ無いかしらって…思うんですのよ?」

    「……」

    109 = 97 :

    しえん

    111 :

    不幸体質か

    112 = 106 :

    黒猫「うふふっ」

    「…そうだな、応援しておくよ」

    黒猫「ありがとうございます。それで、そのひとつお伺いをしたいのですがぁ」


    黒猫「──〝誰を〟お探しになられているのですか?」


    「……」

    黒猫「なんて、聞いてみちゃったりしちゃおうかしらって思ってますのぉ」

    「……」

    黒猫「いえ、いえいえ、なんら関係はないのです」

    黒猫「誰が誰を探そうが、誰が誰を見つけようが、一切として私は関与するつもりはありません」

    黒猫「しかしですねぇ…けれどですねぇ…」

    黒猫「それがもし仮に、私の活動に支障を来す要因となりえるのであれば───」


    黒猫「──容赦なく、ズタボロの雑巾以下にするつもりですの」

    113 = 106 :

    「…そうか、そいつは気をつけるべきだな」

    黒猫「ええ、ええ、その通りですわ。きっとその東風校の生徒さんには…」

    黒猫「…よくない不幸が訪れるはずでわぁ」

    「そんなヤツが見かけたら注意しておく。わざわざ忠告、すまなかったな」

    黒猫「うふふ、いいのだわ。ふふ、さっきから…なんでしょう、不思議ですねぇ」

    黒猫「貴方、依然にお会いしたことありませんこと?」

    「馬鹿なことを言うな。もしや口説いてるつもりか」

    黒猫「まぁ! そんな…はしたない思惑などありません!」

    「そうか」

    黒猫「んふふ、それもいい気がしますけれどねぇ。今日はこのへんとしておきましょう」

    にゃーん

    黒猫「…この子に気に入られた貴方に、幸運が有らんことを」

    114 = 106 :

    「……」

    黒猫「…あ、そうそう。最後にひとつ面白いうわさ話を」

    「どうした」

    黒猫「ここ最近、南火の生徒二人組が──なにやら不思議な行動をしているみたいですの」

    「……」

    黒猫「なんともまぁ、馬鹿げた話でしょうけれど。笑ってしまうような話でしょうけれど」

    黒猫「ですが気になる話ですよねぇ…そう想いませんか?」

    「さあな」

    黒猫「ふふ、釣れないお方。ではでは、それでは」

    「………」

    「………ッ…」

    ガン!

    「クソッ…!」

    115 = 106 :

    「っ…やはりあの西林の生徒に捕まったのが痛かったか…」

    「厄介な奴に警戒された…これから一人では動きにくくなるッ…」

    「くそ…」

    (本当に…本当に…世の中は上手く回らない…)

    「…神は笑ってるのか、この俺のことを」

    「………」

    ~~~

    次の日南火校

    「……」

    女友「ほら、食べなさいって。もとから元気ないアンタが食べないと、死んじゃうわよ」

    「うん」

    女友「……大丈夫よ、これからまだ色々と出来るわ。きっと方法は見つかるわよ」

    「……」

    116 = 97 :

    黒猫が狂三で再生される

    117 = 106 :

    女友(…ダメね、昔から表情は乏しかったけれど。ここ最近は本当に酷い…)

    「……」

    女友「…アイツが言ってたことなんて気にしないの。馬鹿が言う奴は無視するのが一番なのよ」

    「…ううん、そうじゃない」

    女友「え?」

    「きっと彼は正しい。自分で自分のことを責任持てないことに──」

    「──私はきっと甘えているだけだって」

    女友「っ…そ、そんなことないわよ! だって、仕方ないじゃないっ」

    「…私はどうにかしたいって思ってるだけで、なにも行動はしてない」

    「貴方や周りに迷惑をかけてるだけ。なにも、出来てない」

    女友「違う! そんなことっ…そんなことはない!」

    「……」

    女友「アンタは何も出来てないわけじゃない! だって、だってあたしが…あたしが救われてる!」

    118 = 106 :

    「…女友ちゃん」

    女友「だからそんなこと言わないでよっ…お願いだから…」

    「…」

    「うん。ごめんね…」

    ~~~

    「……」

    (来てしまった…極力近づかないよう気をつけていた、レッドゾーン)

    (南火校前…)

    (ここまではスムーズに来れた。人に見つからず、生徒にも見つかっていない)

    (後はあいつらを探すだけなんだが──むっ?)

    女友「はぁっ…はぁっ…!」

    「あれは…女友か?」

    (偉く息を切らして出てきたな…丁度いい、声を掛けるか)

    120 = 106 :

    「おい──おいお前!」

    女友「っ…!」びくっ!

    「ちょうどいい所に来たな。急にすまない、少し話しを──」

    女友「居なくなったっ!!」ぎゅっ!

    「──おおっ?」

    女友「あの子がっ…あの子が寮から居なくなって、一人で! 何処かに…!」

    「…なに?」

    女友「どうしよう、どうしようどうしよう…! ねぇどうしたらいい!? 私っ…!」

    「待て、落ち着け。もう少し状況を詳しく話せ」

    女友「う、うんっ…何時もなら部屋に居るはずなのにっ…居なくて、おかしいなって思ってて…っ」

    女友「だけど何処を探しても居なくてっ…聞いたら外に出たって言った子が居て、それでッ…!」

    「外に出たんだな。何処に向かったのかは分かるか?」

    121 = 97 :

    しえん

    122 = 106 :

    女友「っ…わ、わかんないわよ! あの子すぐに色んな場所に行っちゃうしっ…!」

    女友「前は書き置きぐらいしてたからっ…! すぐに見つけること出来たけど、今回はまったく…!」

    「……」

    女友「どうしよぉっ…だめ、これじゃあ見つかっちゃうっ…薬だって何時までもつかわからないのに…!」

    「…そうか」

    女友「ううっ…あたしのせいだっ…もっとあの子を見てあげてれば…っ」

    「……」

    「とりあえず落ち着け、まだ大丈夫だ。きっと間に合う」

    女友「ッ…そんなことわかりっこないでしょっ!? アンタになにが分かるのよっ!?」

    女友「そ、そうよっ…アンタのせいじゃない! アンタが余計なこと言うからあの子が変に考えてッ」

    女友「責任取りなさいよ! アンタのせいであの子がひどい目にあったらっ…!」

    「…わかった、責任を取ろう」

    123 = 106 :

    女友「だから…え…?」

    「責任は取る。俺が女を見つけてやる、だから安心しろ」

    なでなで

    「…泣くな。可愛い顔が台無しだぞ」

    女友「……っ…な、泣いてなんか無いわよっ! ばかっ!」ゴシゴシ

    「そうか、なら行くぞ」

    女友「ぐす、なによ…なにか考えがあるってワケ!? アタシでもわからないっていうのに…!」

    「シチュエーションを考える」

    「な、なによそシチュエーションって…前もそんなこと言ってたけど…!」

    「俺の体質だ。それで女を探す、そうだなまずは一つ質問するが──」

    「──女の下着は、何色だ?」

    ~~~~

    124 = 106 :

    「……」

    (…この世に、神は居る)

    (すべての命を司り、人命も指先一つで消し飛ばせられる存在)

    「…じゃあどうして神は、人にチカラを与えたのだろう」

    「そんなことをしたら神様も…」

    「…」


    「──居た!! 待ちなさい女!!」


    「っ…」びく

    「はぁっ…はぁっ…! なに、してるのよ! ばか!」

    「友女ちゃん…」

    「心配、したのよ…! ばかばか! 本当にばかぁ!!」

    「……」

    「っ…どうして黙って居なくなったりしたのよ…! ダメじゃない、アンタがどんな状況かってわかってるの!?」

    125 = 106 :

    「…わかってるよ、わかってる。私がどれだけ迷惑をかけてるかって」

    女友「まだそんなことをっ…違うって言ってるじゃない! アンタは誰にも迷惑をかけてない!」

    「……」

    女友「アンタは人とは違う、最高のちからを持ってる…! それに、アタシは救われてる!」

    「…違うよ、そんなことはないよ」

    女友「わからやずやっ…怒るわよ!? もう怒ってるけど!」

    「…怒っていいよ、もう私はダメだと思う」

    女友「なんでっ…」

    「私はダメなんだよ。人に迷惑をかける存在、彼が言ってたとおり──」

    「──自分の問題を乗り越えられる勇気がない」

    「気持ちが無いんだよ…体質以前の問題…私はきっと、本気で願ってない」

    「どうにかしたいっていう気持ちが…本気じゃない…」

    127 = 106 :

    女友「そんなこと…!」

    「…じゃなかったら私は、女友ちゃんに任せっぱなしにしないよ」

    女友「あたしは好きでやってることよ!」

    「じゃあそれに、感謝してないって言ったら?」

    女友「っ……なに言ってるのよ…!」

    「私はね、心に鍵をかけてる」

    「人に対して壁を作ってる。貴方にも、そして全ての人達に」

    「…変われないんだよ、私はそういった人間だってことを」

    女友「あ、あんたは…そんな子じゃないわよ…っ!」

    「ううん。きっと、そう」

    「この体質もきっと意味があって…私が抱えるべき問題の一つなんだろうけど」

    「──私はそれさえも、どうでもいいって思ってしまってる」

    「だからね、そんな自分に──嫌悪してる自分が、居るうちに」

    「終わりにしたかったんだ…」

    128 = 106 :

    女友「なにを言ってるのよ…?」

    「ありがとうって、言いたかった。けど気持ちが無かった」

    「こんな私の為に頑張ってくれて、本気で言いたかった」

    「けど、私は無理だった。本気で、感謝も気持ちも湧いてはくれない」

    「…こんな偽物じゃ、きっと女友ちゃんも…傷つくだけだから」すっ

    女友「ま、待って! そっちは崖が…っ!」

    「私は終わりにする。このまま、この気持があるうちに」

    女友「だめぇええ!!」

    「……ごめんね──」



    「──それで全てを終わりにするのは、都合が良すぎるだろ」



    「………え?」

    129 :

    しえん

    130 = 106 :

    「そうは思わないか、なぁ──女よ」

    (いつの間にこんな近くに…!)

    「……」

    「ち、近づかないで! 私はもう終わらせるの!」

    「…なにを恐れてる」

    「わ、私は絶対に周りを不幸にさせる…! だから、だから!」

    「だから死ぬと?」

    「っ…」

    「…駄目だな。なってない、それでも知識在る人間か」

    「死んで終わらせるなど、全く。どんな世代だ、今は平成だぞ」

    「肝っ玉溢れる根性は必要ないだろうに。もっと有意義に使え」

    「……」

    「生きろ。死ぬぐらいならそっちの根性を見せるべきだ」

    131 :

    私怨

    132 = 106 :

    「…貴方は言った、奇跡など起きないって」

    「ああ、起きないな」

    「縋る思いもっ…全て叶わないって!」

    「言ったな」

    「ならっ!」

    「……」

    「うっ…私は、私は…! ぐすっ…!」キィイイイイイイイイン!!

    「……」

    「こんな気持じゃ…誰もかもを傷つけるだけだから…っ」

    「…そうか、だがな」

    「──仮言葉で申し訳ないが、ひとつお前に助言をしてやろう」

    「俺が唯一無二、人を尊敬する人物が居る。いや、居たというべきか」

    「その人が言ってくれた言葉をお前に贈ろう」

    133 = 106 :

    「…え」

    「運命とは覆せないものだ。奇跡も起こらない、全ては必然だ」

    「運命を司る──絶対的な神に、人は勝てないと」

    「っ…」

    「だけどな、それは違うんだ」

    「神には勝てないかもしれない。運命に打ち勝つことも不可能かもしれない」

    「けれど──」


    「──その神に喧嘩を売ることは出来るんだ」


    「…喧嘩?」

    「そういうことらしいぞ。何時も言っていた言葉だ」

    「立ち向かうことが出来る。努力をする時間は、きっとあるらしい」

    「そしてそれを俺も、信じている」

    134 = 106 :

    「……」

    「運命とやらがお前を苦しめているのなら、逆に苦しめてやれ」

    「それはお前に出来る特権だ。
      全力で立ち向かう事ができる、お前だけが出来る道だ」

    「信じろ。自分はきっと、喧嘩が出来る筈だと信じこめ」

    「…怖いなら頼れ、近くにいるだろう大切な人間が」

    女友「っ…!」

    「死んで逃げるくらいなら、立ち向かえ」

    「…死んでなかったことになるのは、絶対にありえないハズだ」

    「……」

    「…俺はそう信じてる」

    「……喧嘩を売るなんて、そんなこと」

    「……」

    135 = 106 :

    「無理だよ…人は神には勝てないって知ってる…!」

    「…そうだな」

    「こんな体質になった…私の運命は、ぜったいに覆せない…!」

    「だからもうっ───」

    「……」

    「──終わりにする…」ふら…

    女友「あ…だめ…!」

    「…はぁ」


    「強情なやつだな」


    キィン! キィイイイイイイイイイイイイン!!!


    「っ……?」ふわり

    「いいだろう。では、俺が〝喧嘩を売ってやる〟」

    136 = 106 :

    「えっ? あっ?」ふわりふわり

    (身体ゆっくり、下に落ちて、なんで、これは?)

    「全てはそう運命に位置づけられて──それが神の力だというのなら」

    「絶賛俺も喧嘩売り中だぞ。だから、一緒にお前のも背負ってやろう」

    「人は自分の道を進む。それが最善だと思えば、それが最善なんだ」

    すたん

    「一先ずお前の死ぬかもしれないという──運命には勝ったみたいだぞ」

    「ふはは、どうだ?」

    「………」

    「む。この崖の下はいい風が吹くようだ──まぁ予想通りなんだがな」

    「え?」

    バッサアアアアアア!!

    「ほう。シマシマの縞パンか」

    138 = 106 :

    「あぶぶっ…!?」バッサアアア

    「『縞パンは無事にパンチラチャンス』…ふむ予定通りだ」

    ばっさぁああ…

    「………」ぽかーん

    「む。どうしたあっけにとられた顔をして、とりあえずスカートを押させたらどうだ」

    「貴方…一体なにものなの…?」

    「いい事を効くな。ここは自己紹介のタイミングだな」

    「改めて言おう。俺は東風校の──【王】」


    「【東の吸血鬼】こと、男だ」


    ~~~

    139 = 106 :

    北地区 喫茶店

    女友「……」ムッスー

    「ずず…」

    「おい、何時までふてくされてるつもりだ」

    女友「…なによ、あったりまえじゃない」

    「なにがだ」

    女友「あ・ん・たが! 東の吸血鬼だってこと! なんで黙ってたわけ!?」

    「色々と理由はあったんだ。仕方ないだろう」

    女友「なによ仕方ないって! こっちは色々とっ…複雑じゃない!」

    「だが良かったな。ちゃんと俺を見つけて」

    女友「なによその言い草はっ…!」

    「さて、本題に入るか」

    女友「ちょっと! 無視するなっ!」

    141 = 106 :

    「…本当に東の吸血鬼なの?」

    「良い質問だ。しかし、簡単には証明しづらいな」

    女友「…じゃあ消したらいいじゃない、そしたら証明にもなるでしょっ」

    「体質をか? すまんがそれ、デマだぞ」

    女友「は、はぃいいい!?」

    「だから信用するなと言ったんだ。俺にそんな体質は無い」

    「…そういった似た現象になり得ただけで、本当に消せるわけじゃあない」

    女友「な、なによそれっ…じゃ、じゃあ意味ないじゃない…!」

    「いや、そうでもないな」

    女友「…へ?」

    「確かに俺は体質を消すチカラは無い」

    「──しかし、制御する方法は知っているぞ」

    142 = 106 :

    女友「制御する…方法…?」

    「…ふむ。見せたほうが早いみたいだな」すっ

    かちゃ

    「今、俺はなにをした。言ってみろ」

    「えっ? えっと、眼鏡を外した…」

    「そうだな。とりあえず、今の俺は東の吸血鬼と呼べるレベルになってる」

    女友「馬鹿にしてんの?」

    「俺は本気だ。じゃあお前、俺に手を伸ばしてみろ」

    女友「なんですって?」

    「良いから早く。変にシチュエーションが変わったら面倒だろう」

    女友「なによ、まったく…はいはい。手を伸ばせばいいのね、これでいい──」

    ぽにょん!

    143 = 106 :

    女友「──きゃあああ!? な、なになに!? ど、どっどどおどおおお!?」

    「え、今なにが…」

    「──今起こったのはイベントだ」カチャ

    「イベント?」

    「そう、不意に伸ばされた腕。そして相手が女性、それで起こる──シチュエーション」

    「俺が間違って女友の胸を触るというイベントが発生した」

    「……」

    「信用出来ないか? では、今度はお前に──」

    「し、してる! 大丈夫!」こくこくっ

    「──そうか、ならいい」

    女友「ならいいっ…って問題じゃないわよっ…!」

    「そう怒るな、仕方ないだろう。これは俺の体質だぞ」

    144 = 106 :

    女友「なによそれっ…! さっきから体質体質って! 意味分かんないわよ!」

    女友「東の吸血鬼っ! アンタは一体なんの体質なのよ!?」

    「…そういえば言えてなかったな。すまない、隠すつもりはなかった」

    「特にお前らには隠すつもりはなかった」

    「…どういうこと?」

    「む、いやなに、これもまた必然かと思ってな」

    「まあいい、それよりも──俺の体質を教えよう」

    「四年前の四校戦争を食い止め、最強と謳われた東風校の元【王】を退け…」

    「…東の吸血鬼と呼ばれた、この俺の〝体質〟」

    「…それは…?」


    「──『LS体質』……」


    「そう、『ラッキースケベ体質』だ」

    145 = 106 :

    キツイので寝る
    落ちてたらそこまでで

    昼前には起きると思う

    146 = 129 :

    期待してまっせ

    148 :


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