元スレ女友「アンタの体質って何なの?」男「…」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
1 :
倉庫
女友「ったく本当に…まんまと捕まっちゃうなんて」
男「…」
女友「ねえアンタ、この街に住んでるなら〝体質〟ぐらい持ってるでしょ」
男「…」
女友「…なら、ここは一先ず脱出する為に協力しなさいよ」
男「むぐぐ」ゴソゴソ
女友「変に声を出すな。見張りの奴にバレたらどうすんのよ」
男「…」
2 :
女体化希望
3 = 1 :
女友「見る限りだと…見張りは三人ね、アタシ一人じゃちょっとキツイかも」
女友「だからアンタに手を貸して欲しいのよ。わかる?」
男「むぐ…」
女友「…とりあえず縄を解いてっと」パラリ
男「…」
女友「なによ。アンタも解いてほしそうな顔ね…ま、協力してくれるならやってあげてもいいケド?」
男「…」コクリ
女友「良い判断。じゃあ解いてあげる」パラリ
男「…?」
女友「なに? 足の拘束だけでも十分でしょ?」
男「…むぐ」
女友「猿轡と腕の拘束はそのままよ。でも、感謝しなさいよね」
4 = 1 :
女友「さて、じゃあ──」
女友「──大丈夫? 平気? どこか怪我してない?」
「大丈夫、へいき」
女友「…よかった。じゃあ解いてあげるから待ってて」
女「うん」
男「……」
女友「これでよし。さて、これから脱出するわよ」
女「彼のは解いてあげないの?」
女友「良いの。相手は男よ? 一応ハンデは負わせておかないと」
男「……」
女友「それにどうしてここに一緒に捕まってるのか…それも気になるし、嫌な予感もするのよ」
女「わかった。貴方がそういうのなら」
5 :
女友「それにしてもやけに警備が多いわね。あの学校──『西林校』は人手が足りてるのかしら」
女「……」
女友「今のところだとアタシたちが通ってる『南火校』と一々揉めてるし、」
女友「…けが人が多くて人手が足りないと思ってたけれど、そうでもないみたいね」
男「むぐ」
女友「なに? ああ、アタシたちは南火校の生徒よ。アンタの制服は、『東風校』みたいね」
女友「あの甘ちゃん共が通ってる共学校…
…なんでその生徒が西林校生徒に捕まってんのよ」
男「……」
女友「ま、どうでもイイケド。詳しくは聞かないでおくから、とにかく…」
女友「…ここから脱出するから、手助けしなさい」
男「…」コクリ
6 = 5 :
~~~~
女友「さっきも言ったけど見張りは三人。性別は全員男、西林校は男子校だから当たり前だけど」
女「みんな身体が凄いおおきい」
女友「下手に相手したらこっちも酷い目に合う。だからアンタに活躍してもらうわ」
男「……」
女友「まずアンタがドアを抜けて先に進む。勢い良くね、
そしたら見張りがそっちに向かうはずだから」
女友「…後は簡単に後ろをとれる。任せなさい、問答無用で見張りの奴らをとっちめてあげるから」
男「……」
女友「だいじょーぶよ。安心して、こっちも〝体質〟持ちだから」
女「相手も体質持ちだったら?」
女友「…その時はもしかしたら、アンタの手助けが必要になるかも」
女「……。わかった、任せて」
7 = 5 :
女友「じゃあ行くわよ。覚悟はいい? アンタの活躍にかかってるんだからね」
男「…」コクリ
女友「おっけ。それじゃあ──」
女友「──脱出、開始よ」
~~~~
「はぁ~あ。見張り役ってのも退屈だよなぁ」
「だなぁ。最近は南火校とのいざこざも多いしヨォ、変に大将が張り切って大変だぜ」
「にしても、あの南火校の生徒…可愛い子多いよな? さっすが女子校なだけある」
「おいおい。別名鬼ヶ島校って呼ばれてるところだぞ? めちゃくちゃ性格悪いに決まってるじゃん」
「こっちは男子校だ! 女の子と知り合いたい!」
「何いってんだお前は──誰だ!?」
男「むぐぅっ!?」ダダダ!
「お、おいっ! 男が一人逃げていったぞ!?」
8 = 5 :
男「むぐっ! むぐぅうううううう!!」ダダダ!
ドダァ!!
「あ。コケた!」
「馬鹿だアイツ! おいそこのお前! そいつを捕まえろ!」
「よ、よし! って、待て! 後ろ後ろ! お前ら後ろッ!?」
「えっ?」
女友「ふんッ!」
ビリリリリリリリッ!!!
「んぎゃっ!?」
「なん、」
女友「きゃああ?! ご、ごめんなさい! アタシ…こんなつもりじゃなくって」
「、ってオイ! 何やってるんだ! そのスタンガンは…!?」
9 :
女友ってことは女の友達ってことで良いんだよ
10 :
ワキガだ
11 = 5 :
女友「ち、違うんですっ! アタシは別に怪我をさせたかったワケじゃなく…!」
「い、いいからそれをよこせ! オイ!」
女友「わ、わかりました…渡せばいいんですね…?」
「お、おう…わかればいいんだよ…」すっ
女友「じゃあスイッチを付けて渡しますから」
「え、ンギャアアアアアアアアア!!!」ビリビリビリビリ!!
女友「…ふぅ」
「お、お前ら! 大丈夫か!? 今から人を呼ぶ──」
女「……」
女「──ふわぁ~……」
「──から…待って…あ…? なんだ…眠気が…」パタリ
男「……っ?!」
12 = 5 :
女友「これでよしっと、案外簡単に片付いたわね」
女「うん」
男「……」もぞもぞ
女友「アンタも良くやったわ。まさかコケるとは思わなかったケド」
男「むぐ…」
女友「はてさて。見張りはとりあえず放置しておいて、後は脱出するだけね…それと」
女「わたしは大丈夫」
女友「…本当に? 頭が痛いとか、胸が苦しいとか無い?」
女「うん。平気」
女友「そっか。じゃあ行くわよ、騒ぎを聞きつけて来る奴も居るかもしれないし」
男「むぐぐ」
女友「アンタも早く起き上がって!」
13 :
「北山校」は実際に存在しそうだな
14 = 5 :
~~~
女友「…変ね」
男「…?」
女友「最低でも数人と鉢合わせになると思ったけど、案外…」
女友「…まあいいわ。とにかくもう少しで出れるはずよ、早く急いで!」
女「……」
たったったった
女友「──あのドア! 確かあそこから入れられたハズ!」
男「…!」
女友「このまま行けば上手く出れるはずよ、早く───」
女友「──と、思ったけどやっぱダメ」すっ…
男「?」
ガッ!
男「……ッ!?」ドッサァアア!
15 = 5 :
男「…ッ? …ッ?」
女友「あっらー派手に転ぶものね。ちょっと足をかけたつもりだったんだケド」
男「…っ!?」
女友「ま、とにかく、なるほどね。西林校生徒が少なかった理由はコレか…」
「おい! ここかよ男どもの巣窟ってのは!」
「らしいよー? ウチラのボス…黒猫さんが言うにはそうらしいねぇー」
男「……?」
女友「このドアの外から聞こえる声……南火校生徒の…」
女友「…そっちに人を送ったってワケか。それじゃあ人も少ないわよねっと」ぐいっ
女「あ…」
女友「逃げるわよ! 南火校の『黒猫組』は最悪中の最悪なんだからッ!」だだっ
男「むぐぅっ!?」
16 = 5 :
女友「アンタは囮役よ! 黙ってあいつらに捕まってなさい!」
女「ま、待って…」ぎゅっ
女友「良いから! アンタこそあの黒猫組に見つかっちゃアウトなのよっ!?」
女「っ…」
女友「お願いっ…アタシの言うことを聞いて…! ……アンタの体質は絶対にあいつらにバレちゃだめなのよ…?!」
女「……」
女友「…ね? 気持ちもわかるけど、ここは置いていくしか無いの…っ!」ぐいっ
女「……!」
たったったったった
男「……むぐ」
どっかん!!
17 = 5 :
「やーと開いたぜぇ…ん? 誰だこいつ?」
「…東風校の制服だねぇ? なんで西林校のアジトに居るのかなぁ?」
男「………」
「見たところ縛られてんぞ。捕まったんじゃね?」
「みたいだねぇ。それに、私らにも見つかっちゃったわけだねぇ…ふふふふ」
男「……」
「おーい! オマエラぁ! こっちこい! 珍しい奴がいんぞ!」
「なになにー? お、東風じゃん。めずらーし」
「ったく体でかいだけで弱っちいなぁこいつら」
「ねぇねぇどうするぅ? この子?」
「あー…どうすっか。黒猫さんにはなんら司令もらってないしな」
「…じゃーあ、好きにしちゃおっかぁ?」
18 = 5 :
男「…むぐ」
「ぎゃははは! おまえってほんとゲスいよなぁ!」
「どうすっべ? 裸にひん剥いて、東地区のどっかにつるしとく?」
「おもしろそー! じゃあじゃあ! 写メ取ってみんなにおくろーよー」
「いいなぁそれ! ぎゃは! おい、おまえ……どうするぅ? くはは、これからちょっと…」
「…おれらの相手してもらおうかって話なんだけどもよぉ?」
男「……」
「まったく運が悪いなぁ…オレら南火校…しかも黒猫組に見つかったからには」
「それなりのご褒美ってのをあげねえとなっ?」
「きゃははは! じゃあ、まずは声をきかせてよぉ? んふふ!」
「おい! オマエオマエ! 確か───『爪が伸びやすい体質』だったよな?」
「そうだよぉん! だからぁ~」
ズズズズ…
19 = 9 :
東西南北
風林火山
20 = 5 :
ジャキン!
「その猿轡を切ってぇ~」ズバァ!
男「っ……」パラリ
「…貴方の声をきかせて欲しいなぁ?」
「おうおう! 何言うつもりだ? 助けを乞うつもりか? いいぜー! まぁ無視するけどな!」
「ひっでー! ぎゃはははは!」
「きゃはははっはは!!」
男「……はぁ」
男「なんともまぁ──本当に、本当に」
男「──運が悪いというのはこういう事なんだろうな」
「なんだぁ? くひひ、そう悲観すなって! もしかしたらやみつきになっかもよ?」
「楽しい思いさせたげるヨォ~?」
男「……」
男「…いや違う。俺のことを言ってるんじゃあ無いんんだよ」
21 = 5 :
男「これもまた……〝師匠〟的に言わせれば…
男「運命と思えば──いいんだろうか、わからないが」
男「──女性を泣かせてしまうことになってしまうのだな…」
「…ねぇつまんなーい! もっと泣いてよぉ? 叫んでよぉ?」
「頭が狂ってんじゃねーの? ぎゃははは!」
男「……」
「ねぇ? アンタの言葉を最後に聞いてあげる、後はずっと叫ぶか泣いてるばっかだろうし──」
「──だから、ねぇ? 何か言い残すことはあるかなぁ?」
男「…そうだな」
男「とりあえず形式として聞いておく。なぁお前ら───」
「──下着の色は、何色だ?」
22 = 5 :
~~~~
教師「神に認められた土地──『黄泉市』」
教師「今から二十年前、この辺り一帯を襲った〝大地震〟がありました」
教師「過去推定最高の震度と言われる地震は、街を壊し、人を襲い、そして命を脅かしました」
教師「生存者はゼロだと推測され、救助隊も政府も絶望に覆われていました」
教師「──しかし、そうではなかったのです」
教師「死亡者は一人も居ない。重傷者も居ない。けが人も皆無」
教師「なんと! この災害による被害は──人の命を取らなかったのです!」
教師「奇跡とは、まさにこのようなことを言うのでしょう。先生も、まさに神を信じました」
教師「後の人々はこの土地を──神が認めた場所として呼び始めるようになりました」
24 = 5 :
教師「元とあった3つの市を合併し──大きな街を作り上げ」
教師「ここを『黄泉市』と名付けたのです」
教師「しかしながら、奇跡はまだ起こりました」
教師「この大地震の後に、この3つの市に住んでいた人々に──」
教師「──特殊な〝チカラ〟が目覚め始めたのです」
教師「人々は恐れたものの、それは神が授けた力だと言う人もいれば…」
教師「…地震による危険に晒され、人の脳が進化したのだという人も居ます」
教師「政府は全力で研究を重ね──そして昨今、それは〝体質〟と呼ばれるようになりました」
教師「人が起こす奇跡のチカラ──体質は、みなさん生徒にも存在します」
教師「それは人によって多大なものもあれば、小さなものでもある」
教師「しかし、安易にその体質を使ってはいけません」
25 = 5 :
教師「この黄泉市に東西南北として設立された──」
教師「東風校、西林校、南火校、北山校」
教師「『黄泉市総合病院』を中心に立てられた学校ですが、」
教師「なんとも遺憾な話ですけれども、争いが絶えません」
教師「今から四年前にも、この四校によって行われかけた──」
教師「──〝四校戦争〟と呼ばれるもの」
教師「人を教える身として、教師という肩書きとして、先生はとても悲しい争いだと想います」
教師「ほんとうにっ…うぐっ…ほんとうにっ…先生はぁ…!」
「あーあ、また始まったよ先生の『泣き虫体質』が…」
「先生ー! もうその話何度も聞いて飽きましたー!」
教師「うぐぐ! なんて言い草ですか! 先生は皆さんの心配をしているのですよぉ!?」
26 = 5 :
「だって何かあるたびにその話するしさー」
「その四校戦争だって、未遂に終わったんでしょ? じゃあいいじゃん」
教師「そういう簡単に済む話ではありませんよぉ!? 先生はひどく悲しんでます!」
教師「あなた方のチカラは争いを生むためのものではありません!
人々の暮らしを良くするための、素晴らしいチカラなのですぅ!」
教師「だからぁ…だからですねぇ!」
「せ、せんせぇー! 山田クンの顔が真っ赤です!!」
教師「えっ?」
「『保温体質』みたいですからヤバイんじゃないっすか!?」
教師「な、なんと! 誰かこの中に『雨女体質』か『雨男体質』の生徒は居ますか!?」
「はーい! 私がそうですけどー?」
教師「よ、よかった! なら山田くんを雨で冷やしてあげてください!」
27 = 5 :
「そうしたいのはやまやまなんですけどー私って勝負事で三回連続で勝たないと、雨が降らせなくって~」
教師「じゃ、じゃあ隣の生徒とジャンケンをするんです! はやく!」
「はーい! じゃんけーん、ぽん!」
「せんせぇー! 山田くんの頭が燃えてます! すっげー燃えてます!」
教師「ぎゃー! し、仕方ありません! 先生の『泣き虫体質』の恩恵──大量の涙で冷やしてあげましょう!」
「じゃんけんぽん! 駄目だまた負けたー!」
「山田ぁー! ぎゃー! 火がカーテンにっ…ぁああああああああ!!!!」
男「……はぁ」
放課後
男「……」
「やぁ。今日はもう帰るのかい?」
29 = 28 :
ずいぶんゆっくりだがせめて落ちる前に完結させてくれ
30 = 5 :
男「ああ。今日は用事があるからな」
友「そうなんだ、見たところによると…そうだね眼鏡の修理をすると見た!」
男「見れば分かる話をするな」
友「あはは。ごめんごめん、それで? どうして眼鏡を壊したんだい?」
男「……」
友「実に男らしくないじゃないか。生真面目で、勤勉が取り柄の男が」
友「ここまでこうやって、痛い目を見てるなんてさっ?」
男「…変な言い方をするんじゃあない」
友「そうだね、あはは。ごめんね」
男「……」
友「でも、そっか。用事があるなら仕方ないよね、こっちも誘おうかなって思ってたんだけど」
31 = 5 :
男「誘う?」
友「そうだよ、クラスの皆が合コン? みたいなの開くんだってさ」
男「…お前が行くのか?」
友「誘われたからにはね。それで、君はどうする? 眼鏡の修理を終えたら来るかい?」
男「……」
友「うそうそ。冗談だってば、君が──」
友「──女の子を謙遜してるのは十分理解しているよ」
男「わかってるなら、冗談でも言うな」
友「うん、そうだね。ボクが悪かったよ」
男「じゃあ俺は行くぞ」がた…
友「うん! …あ、そうそう。そういえば最近、南火校が色々と活発みたいだから気をつけてね」
32 = 23 :
早く
33 :
面白いな
能力バトル???
34 = 5 :
男「………」
友「四年前の戦争未遂から、南火校のトップ争いが絶えないみたいだよ。
でも、ここ最近は沈静化してるって話もあるし」
友「どうやらボスが決まりかけてるみたいだね、ボクの予想によるとあの赤髪の彼女が───」
男「その話はするな」
友「──あ、うん。ごめん、余計な話だったね…」
男「…じゃあな」
友「うん、また明日!」
男「……」スタスタ
友「……」
友「…君は本当に四年前から変わったね」
~~~
男「……」
男(メガネ屋は確か、そうか。南地区方面だったか)すたすた
35 = 5 :
男(…東地区にもメガネ屋があれば便利なのだが、そうも上手くは行かないな)
男「……」
男「コンタクトにするべきか、だが眼鏡は掛けるだけで便利なのだが──」
男「──むっ?」
男(この路地裏──なんだ変に視界に止まる)
男「…まさかな」すたすた
路地裏
男(くさい)
男(なんともまぁ清掃がなってない場所だ。東地区とは全く違う…)
ガサゴソ
男「…?」
男(なんだあれは。ゴミ袋が蠢いている? 犬か? それとも猫か…)
がさぁ!
男「むっ!?」
37 = 28 :
今回想シーンなんだろ
38 = 5 :
男「誰だ! 出てこい!」
男(人影が見えた。人だ、なぜこんな所に)
男「三秒数えるぞ。そのうちに出てこい…出て来なければ警察を呼ぶぞ!」
がさ…
男「……」
「もっくもっく…むしゃむしゃ」
男「…?」
「ごくん──おいしい」
男「なんだ…?」
ゴロリ!
男「むぉっ!?」
女「……」
39 = 5 :
男「っ…!? お、お前…」
女「……」
男「………、……。確か昨日のやつじゃあないか」
女「誰?」
男「…いや憶えてないか? あの倉庫に捕まっていた時に…」
女「……?」
男(まったく記憶残ってないようだ)
女「そんなことよりも、そういったことよりも」
男「なんだ?」
女「ふらんすぱん持ってる?」
男「は?」
女「お腹が空いてるの。けれど、食べきってしまった」
40 = 5 :
女「美味しそうな匂いに釣られて、ここまで来てしまったけれど」
女「あの量じゃ足りないから」
男「…確かこの周辺にパン屋はあったハズだが」
男「っ…!? ま、まさかお前…! ゴミ箱に捨ててあったパンを…!?」
女「?」もぐもぐ
男「やめろやめろ! 何を食べている! そんな清潔感皆無なものを!」
女「…たべたいの?」
男「いらん! 捨てろ、良いから捨てるんだ!」べしっ
女「あ…」
ポトリ
男「な、なんてやつだ…捨てられたパンを食べるなどと…!」
女「……」
41 = 5 :
男「…南火校の奴らは、こんな奴らしか居ないのか」
女「……」
男「常識外れすぎるだろう。昨日の、あの女にしろ。俺を襲ったあの連中にしろ…」
女「………」
男「さっきから黙ってどうした。とにかく、いいか捨てられたものを食すなどという──」
女「ひっぐ」
男「──……っ?」
女「ぐすっ」
男「お、おい。何を泣いている…っ?」
女「ふらんすぱんが…」
男「……いや、悲しむなよ。どうせならこの俺が買って、」
女「うううっ」
キィイイイイイイイイン!!!
43 = 5 :
男(なん、だっ?)
女「ふらんすぱん…ううっ…」
キィイイイイイイイイン!!
男「うっ…あっ…ひっぐ…?!」ボロボロ…
男「どうした、えっ? 急に涙が、なにっ!?」
男(俺の目から涙が出てくる!? それに胸が苦しく、喉が引きつって…!?)
男「ま、まさか…これは…っ」
「──みつけたぁああああああああああ!!!!!」
男「っ!?」
ダダダダダ!!
女友「なにやってる死ねッ!」バッ!!
44 = 5 :
男「うぅおおッ!?」
ズサァアア……
女友「ちっ! 避けやがったわね…ッ…黙って当たっておきなさいよッ!!」
男「ふ、ふざけるなっ! いきなり飛び蹴りをしてくる奴が在るか!?」
女友「アンタは女を泣かせた! だから蹴る! 常識でしょ!?」
男「違う!非常識だ!」
女「ひっぐ…」
女友「あ、ああっ…だ、大丈夫っ? 泣かないでお願い…ねっ? 大丈夫だから、ほら平気よ?」
女「うん…」
女友「っ…アンタ! この子に何をしたのよっ!?」
男「なにをしたって…」
女友「許せないっ…アンタは一番しちゃいけないことをしたのよッ…!」ギリリッ
45 = 5 :
男「な、泣かせたのは悪いと思っている…! だ、だが不可抗力だ! 泣かせたかったわけじゃあない!」
女友「犯罪者は皆そういうのよッ! 見てなさいッ…女だからって甘く見てちゃ──」
女友「──怪我するわよッ!」ダダ
男(く、来る! なんでこうなるんだ…!)バッ!
バヂバヂバヂバヂ!!
男「っ……す、スタンガン……!!」
女友「ぉおお!!」ガッ!
男「ッ!?」
男(壁蹴って方向転換、だと!)
バヂィ!
男「むぉっ…!?」
女友「……ふぅ、なによ案外動くわねアンタ…けど! もうアンタの〝弱点〟は見えた!」
46 = 5 :
男「じゃ、弱点だと…っ?」
女友「ええ、そうよ。アンタの弱点がバッチリ見えた、アンタ…その眼鏡の度があってないわね」
男「…なに?」
女友「だから、そこにつけこませてもらうわ」ゆらり
男(確かに度はあってない、だが、何故バレた──まさか〝体質〟? 一体何の)
女友「ふんッ」バヂィ!
男「ぐっ!?」
女友「…人の視界って不思議よね。確かに見えてるはずなのに、それでも死角ってのが存在してる」
男「はぁっ…はぁっ…くっ…!」
女友「見えないところ。確認できないところ。限界の先にあるのは──意識の隙間」
バヂィ!
男「がぁああッ!?」
47 = 5 :
男「っ…っ…!?」ドタリ
男(電撃がっ? 何故っ? アイツは動いていない、なのに俺は──)
バヂ! バヂヂヂ!
男(──あ、あれは…地面に置かれた…スタンガン…?)
女友「よくわかってないでしょうから言っておくけど、予めそこに置いておいたの」
女友「アンタが踏むように、ってね。最大出力だから靴底も簡単に貫通するわよ」
男「っ…おま…!」
女友「壁蹴った時に放り投げておいたワケ。その眼鏡の度があってれば、見えてたかもだけど…」
女友「…ともかくチェックメイトよ。この犯罪者ッ」ビリ!!
男「んがぁっ!?」
女友「よくもッ…よくもあの子を泣かしたわね…! あの子は絶対に泣かしちゃいけないのよ…!」
48 :
よくわからんが
粗暴で治安悪い女子高って最高だと思います
49 :
女友「あの子は特別なの…! だから大切にしなくちゃいけない! 誰にも体質を知られちゃいけないッ!」
男「ッ……」
女友「はぁっ…はぁっ…だから、だからあたしは…!」
男「…おま、え…」
女友「っ…なによっ!?」
男「なんだ、以外だな…もっと…大人っぽいと思ってたぞ…」
女友「っ…?」
男「下着くまさん柄なんだな…」
女友「…へ? え、あっ! なななっ!?」
男「気にするな、人それぞれ趣味は在る…ま、俺の趣味ではないがな」
女友「こ、こここここいつッ!!! 死ねっ!!」バッ!
男「……はぁ」
男「『くまさん柄は、抱きつく場面』」
50 = 49 :
ぐるん!
女友「えっ?」ふわぁ…
男「──理由はわからん。だが、お前が怒っているのはわかった」
女友「んっ」ぎゅっ
男「──だからこそ話をするべきだ。そうだろう、人は会話ができる生き物なのだから」
女友「………」
男「知識在るべき生物は、きちんとした対話がベストだぞ」
女友「…あれ? えっ?」
女友(あたし抱きかかえられてる? 確かこいつをぶっ倒して、)
女友(地面に這いつくばったやつを、背中から電気スタンガンで痛みつけたのに)
女友(一瞬でこいつは立ち上がって、あたしを抱きかかえてて…何時の間に…!?)
みんなの評価 : ☆
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