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    元スレ女友「アンタの体質って何なの?」男「…」

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    1 :

    倉庫

    女友「ったく本当に…まんまと捕まっちゃうなんて」

    「…」

    女友「ねえアンタ、この街に住んでるなら〝体質〟ぐらい持ってるでしょ」

    「…」

    女友「…なら、ここは一先ず脱出する為に協力しなさいよ」

    「むぐぐ」ゴソゴソ

    女友「変に声を出すな。見張りの奴にバレたらどうすんのよ」

    「…」

    2 :


    女体化希望

    3 = 1 :

    女友「見る限りだと…見張りは三人ね、アタシ一人じゃちょっとキツイかも」

    女友「だからアンタに手を貸して欲しいのよ。わかる?」

    「むぐ…」

    女友「…とりあえず縄を解いてっと」パラリ

    「…」

    女友「なによ。アンタも解いてほしそうな顔ね…ま、協力してくれるならやってあげてもいいケド?」

    「…」コクリ

    女友「良い判断。じゃあ解いてあげる」パラリ

    「…?」

    女友「なに? 足の拘束だけでも十分でしょ?」

    「…むぐ」

    女友「猿轡と腕の拘束はそのままよ。でも、感謝しなさいよね」

    4 = 1 :

    女友「さて、じゃあ──」

    女友「──大丈夫? 平気? どこか怪我してない?」

    「大丈夫、へいき」

    女友「…よかった。じゃあ解いてあげるから待ってて」

    「うん」

    「……」

    女友「これでよし。さて、これから脱出するわよ」

    「彼のは解いてあげないの?」

    女友「良いの。相手は男よ? 一応ハンデは負わせておかないと」

    「……」

    女友「それにどうしてここに一緒に捕まってるのか…それも気になるし、嫌な予感もするのよ」

    「わかった。貴方がそういうのなら」

    5 :

    女友「それにしてもやけに警備が多いわね。あの学校──『西林校』は人手が足りてるのかしら」

    「……」

    女友「今のところだとアタシたちが通ってる『南火校』と一々揉めてるし、」

    女友「…けが人が多くて人手が足りないと思ってたけれど、そうでもないみたいね」

    「むぐ」

    女友「なに? ああ、アタシたちは南火校の生徒よ。アンタの制服は、『東風校』みたいね」

    女友「あの甘ちゃん共が通ってる共学校…
       …なんでその生徒が西林校生徒に捕まってんのよ」

    「……」

    女友「ま、どうでもイイケド。詳しくは聞かないでおくから、とにかく…」

    女友「…ここから脱出するから、手助けしなさい」

    「…」コクリ

    6 = 5 :

    ~~~~

    女友「さっきも言ったけど見張りは三人。性別は全員男、西林校は男子校だから当たり前だけど」

    「みんな身体が凄いおおきい」

    女友「下手に相手したらこっちも酷い目に合う。だからアンタに活躍してもらうわ」

    「……」

    女友「まずアンタがドアを抜けて先に進む。勢い良くね、
       そしたら見張りがそっちに向かうはずだから」

    女友「…後は簡単に後ろをとれる。任せなさい、問答無用で見張りの奴らをとっちめてあげるから」

    「……」

    女友「だいじょーぶよ。安心して、こっちも〝体質〟持ちだから」

    「相手も体質持ちだったら?」

    女友「…その時はもしかしたら、アンタの手助けが必要になるかも」

    「……。わかった、任せて」

    7 = 5 :

    女友「じゃあ行くわよ。覚悟はいい? アンタの活躍にかかってるんだからね」

    「…」コクリ

    女友「おっけ。それじゃあ──」

    女友「──脱出、開始よ」

    ~~~~

    「はぁ~あ。見張り役ってのも退屈だよなぁ」

    「だなぁ。最近は南火校とのいざこざも多いしヨォ、変に大将が張り切って大変だぜ」

    「にしても、あの南火校の生徒…可愛い子多いよな? さっすが女子校なだけある」

    「おいおい。別名鬼ヶ島校って呼ばれてるところだぞ? めちゃくちゃ性格悪いに決まってるじゃん」

    「こっちは男子校だ! 女の子と知り合いたい!」

    「何いってんだお前は──誰だ!?」

    「むぐぅっ!?」ダダダ!

    「お、おいっ! 男が一人逃げていったぞ!?」

    8 = 5 :

    「むぐっ! むぐぅうううううう!!」ダダダ!

    ドダァ!!

    「あ。コケた!」

    「馬鹿だアイツ! おいそこのお前! そいつを捕まえろ!」

    「よ、よし! って、待て! 後ろ後ろ! お前ら後ろッ!?」

    「えっ?」

    女友「ふんッ!」

    ビリリリリリリリッ!!!

    「んぎゃっ!?」

    「なん、」

    女友「きゃああ?! ご、ごめんなさい! アタシ…こんなつもりじゃなくって」

    「、ってオイ! 何やってるんだ! そのスタンガンは…!?」

    9 :

    女友ってことは女の友達ってことで良いんだよ

    10 :

    ワキガだ

    11 = 5 :

    女友「ち、違うんですっ! アタシは別に怪我をさせたかったワケじゃなく…!」

    「い、いいからそれをよこせ! オイ!」

    女友「わ、わかりました…渡せばいいんですね…?」

    「お、おう…わかればいいんだよ…」すっ

    女友「じゃあスイッチを付けて渡しますから」

    「え、ンギャアアアアアアアアア!!!」ビリビリビリビリ!!

    女友「…ふぅ」

    「お、お前ら! 大丈夫か!? 今から人を呼ぶ──」

    「……」


    「──ふわぁ~……」


    「──から…待って…あ…? なんだ…眠気が…」パタリ

    「……っ?!」

    12 = 5 :

    女友「これでよしっと、案外簡単に片付いたわね」

    「うん」

    「……」もぞもぞ

    女友「アンタも良くやったわ。まさかコケるとは思わなかったケド」

    「むぐ…」

    女友「はてさて。見張りはとりあえず放置しておいて、後は脱出するだけね…それと」

    「わたしは大丈夫」

    女友「…本当に? 頭が痛いとか、胸が苦しいとか無い?」

    「うん。平気」

    女友「そっか。じゃあ行くわよ、騒ぎを聞きつけて来る奴も居るかもしれないし」

    「むぐぐ」

    女友「アンタも早く起き上がって!」

    13 :

    「北山校」は実際に存在しそうだな

    14 = 5 :

    ~~~

    女友「…変ね」

    「…?」

    女友「最低でも数人と鉢合わせになると思ったけど、案外…」

    女友「…まあいいわ。とにかくもう少しで出れるはずよ、早く急いで!」

    「……」

    たったったった

    女友「──あのドア! 確かあそこから入れられたハズ!」

    「…!」

    女友「このまま行けば上手く出れるはずよ、早く───」


    女友「──と、思ったけどやっぱダメ」すっ…


    「?」

    ガッ!

    「……ッ!?」ドッサァアア!

    15 = 5 :

    「…ッ? …ッ?」

    女友「あっらー派手に転ぶものね。ちょっと足をかけたつもりだったんだケド」

    「…っ!?」

    女友「ま、とにかく、なるほどね。西林校生徒が少なかった理由はコレか…」


    「おい! ここかよ男どもの巣窟ってのは!」

    「らしいよー? ウチラのボス…黒猫さんが言うにはそうらしいねぇー」


    「……?」

    女友「このドアの外から聞こえる声……南火校生徒の…」

    女友「…そっちに人を送ったってワケか。それじゃあ人も少ないわよねっと」ぐいっ

    「あ…」

    女友「逃げるわよ! 南火校の『黒猫組』は最悪中の最悪なんだからッ!」だだっ

    「むぐぅっ!?」

    16 = 5 :

    女友「アンタは囮役よ! 黙ってあいつらに捕まってなさい!」

    「ま、待って…」ぎゅっ

    女友「良いから! アンタこそあの黒猫組に見つかっちゃアウトなのよっ!?」

    「っ…」

    女友「お願いっ…アタシの言うことを聞いて…! ……アンタの体質は絶対にあいつらにバレちゃだめなのよ…?!」

    「……」

    女友「…ね? 気持ちもわかるけど、ここは置いていくしか無いの…っ!」ぐいっ

    「……!」

    たったったったった


    「……むぐ」


    どっかん!!

    17 = 5 :

    「やーと開いたぜぇ…ん? 誰だこいつ?」

    「…東風校の制服だねぇ? なんで西林校のアジトに居るのかなぁ?」

    「………」

    「見たところ縛られてんぞ。捕まったんじゃね?」

    「みたいだねぇ。それに、私らにも見つかっちゃったわけだねぇ…ふふふふ」

    「……」

    「おーい! オマエラぁ! こっちこい! 珍しい奴がいんぞ!」

    「なになにー? お、東風じゃん。めずらーし」

    「ったく体でかいだけで弱っちいなぁこいつら」

    「ねぇねぇどうするぅ? この子?」

    「あー…どうすっか。黒猫さんにはなんら司令もらってないしな」

    「…じゃーあ、好きにしちゃおっかぁ?」

    18 = 5 :

    「…むぐ」

    「ぎゃははは! おまえってほんとゲスいよなぁ!」

    「どうすっべ? 裸にひん剥いて、東地区のどっかにつるしとく?」

    「おもしろそー! じゃあじゃあ! 写メ取ってみんなにおくろーよー」

    「いいなぁそれ! ぎゃは! おい、おまえ……どうするぅ? くはは、これからちょっと…」

    「…おれらの相手してもらおうかって話なんだけどもよぉ?」

    「……」

    「まったく運が悪いなぁ…オレら南火校…しかも黒猫組に見つかったからには」

    「それなりのご褒美ってのをあげねえとなっ?」

    「きゃははは! じゃあ、まずは声をきかせてよぉ? んふふ!」

    「おい! オマエオマエ! 確か───『爪が伸びやすい体質』だったよな?」

    「そうだよぉん! だからぁ~」

    ズズズズ…

    19 = 9 :

    東西南北
    風林火山

    20 = 5 :

    ジャキン!

    「その猿轡を切ってぇ~」ズバァ!

    「っ……」パラリ

    「…貴方の声をきかせて欲しいなぁ?」

    「おうおう! 何言うつもりだ? 助けを乞うつもりか? いいぜー! まぁ無視するけどな!」

    「ひっでー! ぎゃはははは!」

    「きゃはははっはは!!」

    「……はぁ」

    「なんともまぁ──本当に、本当に」

    「──運が悪いというのはこういう事なんだろうな」

    「なんだぁ? くひひ、そう悲観すなって! もしかしたらやみつきになっかもよ?」

    「楽しい思いさせたげるヨォ~?」

    「……」

    「…いや違う。俺のことを言ってるんじゃあ無いんんだよ」

    21 = 5 :

    「これもまた……〝師匠〟的に言わせれば…

    「運命と思えば──いいんだろうか、わからないが」

    「──女性を泣かせてしまうことになってしまうのだな…」

    「…ねぇつまんなーい! もっと泣いてよぉ? 叫んでよぉ?」

    「頭が狂ってんじゃねーの? ぎゃははは!」

    「……」

    「ねぇ? アンタの言葉を最後に聞いてあげる、後はずっと叫ぶか泣いてるばっかだろうし──」

    「──だから、ねぇ? 何か言い残すことはあるかなぁ?」

    「…そうだな」

    「とりあえず形式として聞いておく。なぁお前ら───」



    「──下着の色は、何色だ?」

    22 = 5 :

    ~~~~

    教師「神に認められた土地──『黄泉市』」

    教師「今から二十年前、この辺り一帯を襲った〝大地震〟がありました」

    教師「過去推定最高の震度と言われる地震は、街を壊し、人を襲い、そして命を脅かしました」

    教師「生存者はゼロだと推測され、救助隊も政府も絶望に覆われていました」


    教師「──しかし、そうではなかったのです」


    教師「死亡者は一人も居ない。重傷者も居ない。けが人も皆無」


    教師「なんと! この災害による被害は──人の命を取らなかったのです!」


    教師「奇跡とは、まさにこのようなことを言うのでしょう。先生も、まさに神を信じました」

    教師「後の人々はこの土地を──神が認めた場所として呼び始めるようになりました」

    24 = 5 :

    教師「元とあった3つの市を合併し──大きな街を作り上げ」

    教師「ここを『黄泉市』と名付けたのです」

    教師「しかしながら、奇跡はまだ起こりました」

    教師「この大地震の後に、この3つの市に住んでいた人々に──」

    教師「──特殊な〝チカラ〟が目覚め始めたのです」

    教師「人々は恐れたものの、それは神が授けた力だと言う人もいれば…」

    教師「…地震による危険に晒され、人の脳が進化したのだという人も居ます」

    教師「政府は全力で研究を重ね──そして昨今、それは〝体質〟と呼ばれるようになりました」

    教師「人が起こす奇跡のチカラ──体質は、みなさん生徒にも存在します」

    教師「それは人によって多大なものもあれば、小さなものでもある」

    教師「しかし、安易にその体質を使ってはいけません」

    25 = 5 :

    教師「この黄泉市に東西南北として設立された──」

    教師「東風校、西林校、南火校、北山校」

    教師「『黄泉市総合病院』を中心に立てられた学校ですが、」

    教師「なんとも遺憾な話ですけれども、争いが絶えません」

    教師「今から四年前にも、この四校によって行われかけた──」

    教師「──〝四校戦争〟と呼ばれるもの」

    教師「人を教える身として、教師という肩書きとして、先生はとても悲しい争いだと想います」

    教師「ほんとうにっ…うぐっ…ほんとうにっ…先生はぁ…!」


    「あーあ、また始まったよ先生の『泣き虫体質』が…」

    「先生ー! もうその話何度も聞いて飽きましたー!」


    教師「うぐぐ! なんて言い草ですか! 先生は皆さんの心配をしているのですよぉ!?」

    26 = 5 :

    「だって何かあるたびにその話するしさー」

    「その四校戦争だって、未遂に終わったんでしょ? じゃあいいじゃん」

    教師「そういう簡単に済む話ではありませんよぉ!? 先生はひどく悲しんでます!」

    教師「あなた方のチカラは争いを生むためのものではありません! 
        人々の暮らしを良くするための、素晴らしいチカラなのですぅ!」

    教師「だからぁ…だからですねぇ!」

    「せ、せんせぇー! 山田クンの顔が真っ赤です!!」

    教師「えっ?」

    「『保温体質』みたいですからヤバイんじゃないっすか!?」

    教師「な、なんと! 誰かこの中に『雨女体質』か『雨男体質』の生徒は居ますか!?」

    「はーい! 私がそうですけどー?」

    教師「よ、よかった! なら山田くんを雨で冷やしてあげてください!」

    27 = 5 :

    「そうしたいのはやまやまなんですけどー私って勝負事で三回連続で勝たないと、雨が降らせなくって~」

    教師「じゃ、じゃあ隣の生徒とジャンケンをするんです! はやく!」

    「はーい! じゃんけーん、ぽん!」

    「せんせぇー! 山田くんの頭が燃えてます! すっげー燃えてます!」

    教師「ぎゃー! し、仕方ありません! 先生の『泣き虫体質』の恩恵──大量の涙で冷やしてあげましょう!」

    「じゃんけんぽん! 駄目だまた負けたー!」

    「山田ぁー! ぎゃー! 火がカーテンにっ…ぁああああああああ!!!!」


    「……はぁ」


    放課後

    「……」

    「やぁ。今日はもう帰るのかい?」

    29 = 28 :

    ずいぶんゆっくりだがせめて落ちる前に完結させてくれ

    30 = 5 :

    「ああ。今日は用事があるからな」

    「そうなんだ、見たところによると…そうだね眼鏡の修理をすると見た!」

    「見れば分かる話をするな」

    「あはは。ごめんごめん、それで? どうして眼鏡を壊したんだい?」

    「……」

    「実に男らしくないじゃないか。生真面目で、勤勉が取り柄の男が」

    「ここまでこうやって、痛い目を見てるなんてさっ?」

    「…変な言い方をするんじゃあない」

    「そうだね、あはは。ごめんね」

    「……」

    「でも、そっか。用事があるなら仕方ないよね、こっちも誘おうかなって思ってたんだけど」

    31 = 5 :

    「誘う?」

    「そうだよ、クラスの皆が合コン? みたいなの開くんだってさ」

    「…お前が行くのか?」

    「誘われたからにはね。それで、君はどうする? 眼鏡の修理を終えたら来るかい?」

    「……」

    「うそうそ。冗談だってば、君が──」

    「──女の子を謙遜してるのは十分理解しているよ」

    「わかってるなら、冗談でも言うな」

    「うん、そうだね。ボクが悪かったよ」

    「じゃあ俺は行くぞ」がた…

    「うん! …あ、そうそう。そういえば最近、南火校が色々と活発みたいだから気をつけてね」

    32 = 23 :

    早く

    33 :

    面白いな
    能力バトル???

    34 = 5 :

    「………」

    「四年前の戦争未遂から、南火校のトップ争いが絶えないみたいだよ。
      でも、ここ最近は沈静化してるって話もあるし」

    「どうやらボスが決まりかけてるみたいだね、ボクの予想によるとあの赤髪の彼女が───」

    「その話はするな」

    「──あ、うん。ごめん、余計な話だったね…」

    「…じゃあな」

    「うん、また明日!」

    「……」スタスタ

    「……」

    「…君は本当に四年前から変わったね」

    ~~~

    「……」

    (メガネ屋は確か、そうか。南地区方面だったか)すたすた

    35 = 5 :

    (…東地区にもメガネ屋があれば便利なのだが、そうも上手くは行かないな)

    「……」

    「コンタクトにするべきか、だが眼鏡は掛けるだけで便利なのだが──」

    「──むっ?」

    (この路地裏──なんだ変に視界に止まる)

    「…まさかな」すたすた

    路地裏

    (くさい)

    (なんともまぁ清掃がなってない場所だ。東地区とは全く違う…)

    ガサゴソ

    「…?」

    (なんだあれは。ゴミ袋が蠢いている? 犬か? それとも猫か…)

    がさぁ!

    「むっ!?」

    37 = 28 :

    今回想シーンなんだろ

    38 = 5 :

    「誰だ! 出てこい!」

    (人影が見えた。人だ、なぜこんな所に)

    「三秒数えるぞ。そのうちに出てこい…出て来なければ警察を呼ぶぞ!」

    がさ…

    「……」

    「もっくもっく…むしゃむしゃ」

    「…?」

    「ごくん──おいしい」

    「なんだ…?」

    ゴロリ!

    「むぉっ!?」

    「……」

    39 = 5 :

    「っ…!? お、お前…」

    「……」

    「………、……。確か昨日のやつじゃあないか」

    「誰?」

    「…いや憶えてないか? あの倉庫に捕まっていた時に…」

    「……?」

    (まったく記憶残ってないようだ)

    「そんなことよりも、そういったことよりも」

    「なんだ?」

    「ふらんすぱん持ってる?」

    「は?」

    「お腹が空いてるの。けれど、食べきってしまった」

    40 = 5 :

    「美味しそうな匂いに釣られて、ここまで来てしまったけれど」

    「あの量じゃ足りないから」

    「…確かこの周辺にパン屋はあったハズだが」

    「っ…!? ま、まさかお前…! ゴミ箱に捨ててあったパンを…!?」

    「?」もぐもぐ

    「やめろやめろ! 何を食べている! そんな清潔感皆無なものを!」

    「…たべたいの?」

    「いらん! 捨てろ、良いから捨てるんだ!」べしっ

    「あ…」

    ポトリ

    「な、なんてやつだ…捨てられたパンを食べるなどと…!」

    「……」

    41 = 5 :

    「…南火校の奴らは、こんな奴らしか居ないのか」

    「……」

    「常識外れすぎるだろう。昨日の、あの女にしろ。俺を襲ったあの連中にしろ…」

    「………」

    「さっきから黙ってどうした。とにかく、いいか捨てられたものを食すなどという──」

    「ひっぐ」

    「──……っ?」

    「ぐすっ」

    「お、おい。何を泣いている…っ?」

    「ふらんすぱんが…」

    「……いや、悲しむなよ。どうせならこの俺が買って、」

    「うううっ」

    キィイイイイイイイイン!!!

    43 = 5 :

    (なん、だっ?)

    「ふらんすぱん…ううっ…」


    キィイイイイイイイイン!!


    「うっ…あっ…ひっぐ…?!」ボロボロ…

    「どうした、えっ? 急に涙が、なにっ!?」

    (俺の目から涙が出てくる!? それに胸が苦しく、喉が引きつって…!?)

    「ま、まさか…これは…っ」


    「──みつけたぁああああああああああ!!!!!」


    「っ!?」

    ダダダダダ!!

    女友「なにやってる死ねッ!」バッ!!

    44 = 5 :

    「うぅおおッ!?」

    ズサァアア……

    女友「ちっ! 避けやがったわね…ッ…黙って当たっておきなさいよッ!!」

    「ふ、ふざけるなっ! いきなり飛び蹴りをしてくる奴が在るか!?」

    女友「アンタは女を泣かせた! だから蹴る! 常識でしょ!?」

    「違う!非常識だ!」

    「ひっぐ…」

    女友「あ、ああっ…だ、大丈夫っ? 泣かないでお願い…ねっ? 大丈夫だから、ほら平気よ?」

    「うん…」

    女友「っ…アンタ! この子に何をしたのよっ!?」

    「なにをしたって…」

    女友「許せないっ…アンタは一番しちゃいけないことをしたのよッ…!」ギリリッ

    45 = 5 :

    「な、泣かせたのは悪いと思っている…! だ、だが不可抗力だ! 泣かせたかったわけじゃあない!」

    女友「犯罪者は皆そういうのよッ! 見てなさいッ…女だからって甘く見てちゃ──」

    女友「──怪我するわよッ!」ダダ

    (く、来る! なんでこうなるんだ…!)バッ!

    バヂバヂバヂバヂ!!

    「っ……す、スタンガン……!!」

    女友「ぉおお!!」ガッ!

    「ッ!?」

    (壁蹴って方向転換、だと!)

    バヂィ!

    「むぉっ…!?」

    女友「……ふぅ、なによ案外動くわねアンタ…けど! もうアンタの〝弱点〟は見えた!」

    46 = 5 :

    「じゃ、弱点だと…っ?」

    女友「ええ、そうよ。アンタの弱点がバッチリ見えた、アンタ…その眼鏡の度があってないわね」

    「…なに?」

    女友「だから、そこにつけこませてもらうわ」ゆらり

    (確かに度はあってない、だが、何故バレた──まさか〝体質〟? 一体何の)

    女友「ふんッ」バヂィ!

    「ぐっ!?」

    女友「…人の視界って不思議よね。確かに見えてるはずなのに、それでも死角ってのが存在してる」

    「はぁっ…はぁっ…くっ…!」

    女友「見えないところ。確認できないところ。限界の先にあるのは──意識の隙間」


    バヂィ!


    「がぁああッ!?」

    47 = 5 :

    「っ…っ…!?」ドタリ

    (電撃がっ? 何故っ? アイツは動いていない、なのに俺は──)

    バヂ! バヂヂヂ!

    (──あ、あれは…地面に置かれた…スタンガン…?)

    女友「よくわかってないでしょうから言っておくけど、予めそこに置いておいたの」

    女友「アンタが踏むように、ってね。最大出力だから靴底も簡単に貫通するわよ」

    「っ…おま…!」

    女友「壁蹴った時に放り投げておいたワケ。その眼鏡の度があってれば、見えてたかもだけど…」

    女友「…ともかくチェックメイトよ。この犯罪者ッ」ビリ!!

    「んがぁっ!?」

    女友「よくもッ…よくもあの子を泣かしたわね…! あの子は絶対に泣かしちゃいけないのよ…!」

    48 :

    よくわからんが
    粗暴で治安悪い女子高って最高だと思います

    49 :

    女友「あの子は特別なの…! だから大切にしなくちゃいけない! 誰にも体質を知られちゃいけないッ!」

    「ッ……」

    女友「はぁっ…はぁっ…だから、だからあたしは…!」

    「…おま、え…」

    女友「っ…なによっ!?」

    「なんだ、以外だな…もっと…大人っぽいと思ってたぞ…」

    女友「っ…?」

    「下着くまさん柄なんだな…」

    女友「…へ? え、あっ! なななっ!?」

    「気にするな、人それぞれ趣味は在る…ま、俺の趣味ではないがな」

    女友「こ、こここここいつッ!!! 死ねっ!!」バッ!

    「……はぁ」


    「『くまさん柄は、抱きつく場面』」

    50 = 49 :

    ぐるん!

    女友「えっ?」ふわぁ…

    「──理由はわからん。だが、お前が怒っているのはわかった」

    女友「んっ」ぎゅっ

    「──だからこそ話をするべきだ。そうだろう、人は会話ができる生き物なのだから」

    女友「………」

    「知識在るべき生物は、きちんとした対話がベストだぞ」

    女友「…あれ? えっ?」


    女友(あたし抱きかかえられてる? 確かこいつをぶっ倒して、)

    女友(地面に這いつくばったやつを、背中から電気スタンガンで痛みつけたのに)

    女友(一瞬でこいつは立ち上がって、あたしを抱きかかえてて…何時の間に…!?)


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