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元スレ紳士「お暇でしたら保健室の先生になってみませんか?」
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>>1の書くエロSSも見たいな…金髪でパンツ脱いだ
中は暗かった
俺は電気をつける
男「―-ッ」
その部屋は、どこか見たことのある
男「……“本来の私”の、部屋、か」
205号室と違うのは、東側に窓が無いこと
そこはただの壁だった
部屋の中には、誰も居ない
男「どう、いう――ぐっ!?」
ピキ、と、脳にひびが入るような感覚
男「あ、ぁあ……ッ」
もう一度、ひびが入る
男「――ッ」
また、ひびが
また、ひびが
……そうして、まるで砕け散るような感覚が、襲う
俺は電気をつける
男「―-ッ」
その部屋は、どこか見たことのある
男「……“本来の私”の、部屋、か」
205号室と違うのは、東側に窓が無いこと
そこはただの壁だった
部屋の中には、誰も居ない
男「どう、いう――ぐっ!?」
ピキ、と、脳にひびが入るような感覚
男「あ、ぁあ……ッ」
もう一度、ひびが入る
男「――ッ」
また、ひびが
また、ひびが
……そうして、まるで砕け散るような感覚が、襲う
――十月も、半ばにさしかかろうかという時期のことである
俺は何も、する事がなかった
……いつものことだ
知り合いなど、大していない
友達と呼べる人間と、共に時間を過ごしたのはどれくらい前だろうか
男「……はあ」
男「いつ、死のうかな……」
なにかきっかけが、ほしかった
どこで暮らしていても付きまとう、自殺の願望
世界なんて、面白くない
このまま暮らしていたところで、何か将来があるとは思えない
金もどうせ、底をつく
ならそのまえに……
部屋のチャイムがなった
男「はいはい」
インターフォンから、聞きなれない名乗りを聞く
がちゃりと、扉を開けた
警察「どうも」
警察手帳を、見せられた
俺は何も、する事がなかった
……いつものことだ
知り合いなど、大していない
友達と呼べる人間と、共に時間を過ごしたのはどれくらい前だろうか
男「……はあ」
男「いつ、死のうかな……」
なにかきっかけが、ほしかった
どこで暮らしていても付きまとう、自殺の願望
世界なんて、面白くない
このまま暮らしていたところで、何か将来があるとは思えない
金もどうせ、底をつく
ならそのまえに……
部屋のチャイムがなった
男「はいはい」
インターフォンから、聞きなれない名乗りを聞く
がちゃりと、扉を開けた
警察「どうも」
警察手帳を、見せられた
男「警、察……?」
何かやってしまっただろうか
一瞬、身構えてしまう
警察「ああいえ、お話をお聞きしたいのですが」
男「……はい」
警察「隣に住んでいる……」
隣人の名前など、しらなかった
だからこのとき、初めて俺はその名を聞いた
男「自殺……した……?」
隣の部屋で、女性が自殺した
彼女の仕事先から、連絡があって、捜査に来たそうだ
発見されたのは、今さっき
いやそんなことよりも、その名前が、重要だった
男「あ……、あぁ……」
彼女の名を、俺は知っている
時たま思い出す、昔の記憶
俺がとても楽しかった頃の、思い出
その中で笑っていた、彼女の姿
ずっと――また会いたいと、思っていた
何かやってしまっただろうか
一瞬、身構えてしまう
警察「ああいえ、お話をお聞きしたいのですが」
男「……はい」
警察「隣に住んでいる……」
隣人の名前など、しらなかった
だからこのとき、初めて俺はその名を聞いた
男「自殺……した……?」
隣の部屋で、女性が自殺した
彼女の仕事先から、連絡があって、捜査に来たそうだ
発見されたのは、今さっき
いやそんなことよりも、その名前が、重要だった
男「あ……、あぁ……」
彼女の名を、俺は知っている
時たま思い出す、昔の記憶
俺がとても楽しかった頃の、思い出
その中で笑っていた、彼女の姿
ずっと――また会いたいと、思っていた
彼女は、隣に、住んでいた、のか……
警察「彼女の遺品の中にこれが」
男「……?」
それは一枚の封筒
あて先に、俺の名前だけが書いてあった
警察「これが、結構な数あるんですよ」
男「……!」
警察「なんで、名前だけなのか分かります?」
男「……彼女……は、俺の住所を、しらなかった……」
覚えていてくれた
彼女はずっと、俺の事を、覚えていてくれた
忘れていると、思っていたのに
男「彼女と別れたのは……、小学四年生の、時……」
彼女が引っ越してしまったのだ
その日、いつかまた会おうといって、俺と彼女はタイムカプセル――いや、タイムマシンを作ったのだった
未来の自分達に、届きますように、と
警察「彼女の遺品の中にこれが」
男「……?」
それは一枚の封筒
あて先に、俺の名前だけが書いてあった
警察「これが、結構な数あるんですよ」
男「……!」
警察「なんで、名前だけなのか分かります?」
男「……彼女……は、俺の住所を、しらなかった……」
覚えていてくれた
彼女はずっと、俺の事を、覚えていてくれた
忘れていると、思っていたのに
男「彼女と別れたのは……、小学四年生の、時……」
彼女が引っ越してしまったのだ
その日、いつかまた会おうといって、俺と彼女はタイムカプセル――いや、タイムマシンを作ったのだった
未来の自分達に、届きますように、と
警察「……それはまた、ニアミスですな」
会いたかった彼女が、隣にいて
半年間も、隣にいて
しった時には、もう
男「な、何故、彼女、は……」
警察「……仕事がうまく行っていなかったようですね。まあ、よくありますわ」
男「……何をしていたん、ですか……」
警察「えーと、それは個人情報だからなあ……」
男「お願いします……ッ! 教えて、ください……ッ!!!」
警察「ん、むう……」
警察「……養護教諭、だよ。保健室の先生。勤務先までは、さすがに簡便してくれよ」
男「保健室の……先生……」
彼女は、夢を、叶えた、のか……
何年も忘れていた、感覚
ぼろぼろと、涙があふれた
男「ああ……あぁああ……ッ」
会いたかった彼女が、隣にいて
半年間も、隣にいて
しった時には、もう
男「な、何故、彼女、は……」
警察「……仕事がうまく行っていなかったようですね。まあ、よくありますわ」
男「……何をしていたん、ですか……」
警察「えーと、それは個人情報だからなあ……」
男「お願いします……ッ! 教えて、ください……ッ!!!」
警察「ん、むう……」
警察「……養護教諭、だよ。保健室の先生。勤務先までは、さすがに簡便してくれよ」
男「保健室の……先生……」
彼女は、夢を、叶えた、のか……
何年も忘れていた、感覚
ぼろぼろと、涙があふれた
男「ああ……あぁああ……ッ」
なんと残酷な運命か
なんと非道な運命か
彼女は夢を叶え、そして俺を覚えていくれて、隣の部屋までやってきていたというのに……!
最期まで俺も、彼女も、気づく事はなかった
その上、夢を叶えたせいで、死んだ
こんなにも近くにいたのに……。たった一枚の壁をはさんで、隣にいたのに
男「……う、あああ……」
嘆かずにはいられなかった
声を上げずにはいられなかった
世界の誰もが、俺など気にしていないと思っていた
こんな世界、さっさと終わってしまえばいいと思っていた
全てがつまらない、全てが面白くない
生きている事に喜びなどなく
明日を追うことに生などなく
夢はどこかに、置き忘れた
男「ぁあ……あああああああああああああああ」
そんなくそったれな世界の中で
ただ一人、覚えてくれた人が
今はもう、いない
なんと非道な運命か
彼女は夢を叶え、そして俺を覚えていくれて、隣の部屋までやってきていたというのに……!
最期まで俺も、彼女も、気づく事はなかった
その上、夢を叶えたせいで、死んだ
こんなにも近くにいたのに……。たった一枚の壁をはさんで、隣にいたのに
男「……う、あああ……」
嘆かずにはいられなかった
声を上げずにはいられなかった
世界の誰もが、俺など気にしていないと思っていた
こんな世界、さっさと終わってしまえばいいと思っていた
全てがつまらない、全てが面白くない
生きている事に喜びなどなく
明日を追うことに生などなく
夢はどこかに、置き忘れた
男「ぁあ……あああああああああああああああ」
そんなくそったれな世界の中で
ただ一人、覚えてくれた人が
今はもう、いない
その翌日からだったか、俺にとって204号室は消えてしまった
おそろしく深い悲しみから、あまりに濃いつらさから
俺は身を守る術を、それしかもたなかった
男「……」
世界はゆっくりと、時を刻む
時間が進む中で、俺はただ放心して、前を向く
男「ああ……」
男「俺は……」
朝から晩まで、今日は何をしていただろう
何故こんなに放心しているのだろう
まったく、わからなかった
男「気が、抜けてるな、俺……」
男「しゃきっとしよう」
ぱんと、顔を叩く
その時、だった
紳士「お暇でしたら保健室の先生になってみませんか?」
男「保健室の、先生……?」
おそろしく深い悲しみから、あまりに濃いつらさから
俺は身を守る術を、それしかもたなかった
男「……」
世界はゆっくりと、時を刻む
時間が進む中で、俺はただ放心して、前を向く
男「ああ……」
男「俺は……」
朝から晩まで、今日は何をしていただろう
何故こんなに放心しているのだろう
まったく、わからなかった
男「気が、抜けてるな、俺……」
男「しゃきっとしよう」
ぱんと、顔を叩く
その時、だった
紳士「お暇でしたら保健室の先生になってみませんか?」
男「保健室の、先生……?」
残り少ないんだから黙って見てろ馬鹿ども。感想も保守も支援も今は邪魔なだけ
このレスにも反応するなよ
このレスにも反応するなよ
>>920
はい
はい
>>920
わかったごめんね(´;ω;`)ウッ
わかったごめんね(´;ω;`)ウッ
――くらりと、倒れそうになる
男「あ……れ」
そこは今さっき入ってきた、204号室
男「……ああ」
全てを、思い出した
男「そう、だった……」
俺は自ら、204号室を、忘れたのだった
男「……そう、か」
男「そういう、こと、だった、か……」
世界Aにおいて、彼女は205室の主となり、生きた。俺は、きっかけを得て自殺した
世界Bにおいて、俺は205室の主となり、生きた。彼女は、204号室に住み、そして半年後に、死んだ
彼女とは、俺の幼馴染
小学生時代に仲がよくて、でも、引っ越してしまった子
彼女が引っ越した二年後に、俺もまた引っ越してしまった
子供どうしだ。どちらも越してしまえば、これではあえなくなる
俺は危機感を覚えた
だから、タイムマシンなるものに、俺は追加で新しい住所をいれたのだ
男「あ……れ」
そこは今さっき入ってきた、204号室
男「……ああ」
全てを、思い出した
男「そう、だった……」
俺は自ら、204号室を、忘れたのだった
男「……そう、か」
男「そういう、こと、だった、か……」
世界Aにおいて、彼女は205室の主となり、生きた。俺は、きっかけを得て自殺した
世界Bにおいて、俺は205室の主となり、生きた。彼女は、204号室に住み、そして半年後に、死んだ
彼女とは、俺の幼馴染
小学生時代に仲がよくて、でも、引っ越してしまった子
彼女が引っ越した二年後に、俺もまた引っ越してしまった
子供どうしだ。どちらも越してしまえば、これではあえなくなる
俺は危機感を覚えた
だから、タイムマシンなるものに、俺は追加で新しい住所をいれたのだ
ゆっりゆっらっらゆりゆり!想像してひらいたら違った大事件だった
でもちょー面白いから許す
でもちょー面白いから許す
男「ひさしぶりに、泣いたなあ……」
そんなことをいいながら、また、頬を伝うものがあった
男「ああ……」
俺は、204号室から、出た
そうして、隣
205号室のドアノブに、手をかける
男「とっくに、終わってたんだ……」
俺の世界に、彼女はいない
彼女の世界に、俺はいない
ただそれだけの、お話
男「ああ……」
自殺なんて、馬鹿のすることだ
きっとだれかが、泣いている
皮肉だった
男「ちくしょう……」
?「……お帰り」
そんなことをいいながら、また、頬を伝うものがあった
男「ああ……」
俺は、204号室から、出た
そうして、隣
205号室のドアノブに、手をかける
男「とっくに、終わってたんだ……」
俺の世界に、彼女はいない
彼女の世界に、俺はいない
ただそれだけの、お話
男「ああ……」
自殺なんて、馬鹿のすることだ
きっとだれかが、泣いている
皮肉だった
男「ちくしょう……」
?「……お帰り」
俺は顔をあげた
男「おま、え……」
そこには、見知った顔があった
何せここ数週間、ずっと見てきた顔である
女「……おかえり。ひさしぶり、だね」
男「……お、え……?」
女「おかえりっていわれたら、なんてこたえるの?」
男「あ……っと」
男「ただい、ま……」
女「よく出来ました」
そこにいたのは、紛れも無い
男「なんで……」
幼馴染の、姿だった
男「ああ……」
女「もう、泣かないの」
その再会は、とてもじゃないが格好のついたものでは、なかった
男「おま、え……」
そこには、見知った顔があった
何せここ数週間、ずっと見てきた顔である
女「……おかえり。ひさしぶり、だね」
男「……お、え……?」
女「おかえりっていわれたら、なんてこたえるの?」
男「あ……っと」
男「ただい、ま……」
女「よく出来ました」
そこにいたのは、紛れも無い
男「なんで……」
幼馴染の、姿だった
男「ああ……」
女「もう、泣かないの」
その再会は、とてもじゃないが格好のついたものでは、なかった
紳士「お帰りなさいませ」
男「……なんで、お前……」
そこは俺の部屋だった
しかし、出て行ったときにいたはずの、少女達がいない
女「この部屋にはね、204号室の鍵をもっていないと入れないの」
女「私もね、君と同じように、“君”になってたんだよ」
女「そして、先にここまでたどり着いて、待ってたんだ」
女「えへへ、私の、勝ちだっ」
紳士「難易度は、同じ。どちらも相手の顔を覚えておらず、自分が誰なのか分からない」
紳士「ただ、彼女の場合、隣に自分の死体がありましたから、気づけばすぐではありました」
紳士「しかしながら貴方は日記を書いていませんでしたから、それが大変大変」
紳士「とはいえ貴方は、日記に気づくまでがながかったですが」
紳士「……いやそれにしても何より。よく二人とも、たどり着きました」
紳士「心より、賞賛を」
男「……なんで、お前……」
そこは俺の部屋だった
しかし、出て行ったときにいたはずの、少女達がいない
女「この部屋にはね、204号室の鍵をもっていないと入れないの」
女「私もね、君と同じように、“君”になってたんだよ」
女「そして、先にここまでたどり着いて、待ってたんだ」
女「えへへ、私の、勝ちだっ」
紳士「難易度は、同じ。どちらも相手の顔を覚えておらず、自分が誰なのか分からない」
紳士「ただ、彼女の場合、隣に自分の死体がありましたから、気づけばすぐではありました」
紳士「しかしながら貴方は日記を書いていませんでしたから、それが大変大変」
紳士「とはいえ貴方は、日記に気づくまでがながかったですが」
紳士「……いやそれにしても何より。よく二人とも、たどり着きました」
紳士「心より、賞賛を」
紳士「ああ、自己紹介がおくれました」
紳士「わたくし、死神の紳士でございます」
男「死……神……?」
紳士「はい。いったでしょう、私は解かなくて言い、と」
紳士「それは、イレギュラーだからです」
紳士「私はね、あの日あなた方を同時に狩るつもりでおりました」
紳士「別の世界ではありますが、世界A、世界Bにおいて、あなた方二人は同時刻に自殺する予定でした」
紳士「ですが調べてみれば、これはまた不憫なお二人」
紳士「死神の私もびっくりの、運のなさ!」
紳士「そこで私は考えました」
紳士「二人の命を刈りとる前に、少しだけ贈り物をしようと」
紳士「……お二人を、再会させてあげようと」
紳士「ですから、ね。人の世にない力で再会させてしまった事を、どうか、お許しください」
紳士「そうでもしなければ……あなた方二人は、そう、どうしても相容れない。再会することは、できなかった」
紳士「わたくし、死神の紳士でございます」
男「死……神……?」
紳士「はい。いったでしょう、私は解かなくて言い、と」
紳士「それは、イレギュラーだからです」
紳士「私はね、あの日あなた方を同時に狩るつもりでおりました」
紳士「別の世界ではありますが、世界A、世界Bにおいて、あなた方二人は同時刻に自殺する予定でした」
紳士「ですが調べてみれば、これはまた不憫なお二人」
紳士「死神の私もびっくりの、運のなさ!」
紳士「そこで私は考えました」
紳士「二人の命を刈りとる前に、少しだけ贈り物をしようと」
紳士「……お二人を、再会させてあげようと」
紳士「ですから、ね。人の世にない力で再会させてしまった事を、どうか、お許しください」
紳士「そうでもしなければ……あなた方二人は、そう、どうしても相容れない。再会することは、できなかった」
男「そう、だった、のか……」
紳士「言ったでしょう、敵ではない、と」
紳士「そしてほら、とてつもなく、損な役回りでしょう?」
男「……はは、そうだな」
紳士「仲良く、していただけますかな」
男「……おう」
女「ふふふー。私も5、6回くらい彼の事ひっぱたいちゃったよ」
男「あ、ああ、そうなのか……。俺は何回胸倉を掴んだかな……」
紳士「お二人とも、血気盛んでした、いやはや」
男「すまんな」
男「ん……、お前が死神だということは……」
男「俺達は、これからどうなるんだ?」
紳士「……ふふ、そうですね。貴方達は二人とも、死ぬ予定だったのですから」
男「そうだよな。お前が命を長引かせてくれていたわけだ」
紳士「……っふふ」
紳士「言ったでしょう、敵ではない、と」
紳士「そしてほら、とてつもなく、損な役回りでしょう?」
男「……はは、そうだな」
紳士「仲良く、していただけますかな」
男「……おう」
女「ふふふー。私も5、6回くらい彼の事ひっぱたいちゃったよ」
男「あ、ああ、そうなのか……。俺は何回胸倉を掴んだかな……」
紳士「お二人とも、血気盛んでした、いやはや」
男「すまんな」
男「ん……、お前が死神だということは……」
男「俺達は、これからどうなるんだ?」
紳士「……ふふ、そうですね。貴方達は二人とも、死ぬ予定だったのですから」
男「そうだよな。お前が命を長引かせてくれていたわけだ」
紳士「……っふふ」
紳士「これより先の問題は、そう、オマケのようなもの」
女「オマケ?」
紳士「ここにたどり着くまでが、私が自分で用意した、百点満点の問題」
紳士「でも。そう。この問題、実はオマケ点がありまして」
紳士「実質、百五点満点。なんです」
男「百五点……?」
紳士「どういう意味か。わかったならば。私は五点を差し上げましょう」
女「ま、また解答しなきゃなの……」
男「ここにきて、か……」
紳士「さあ、全てを思い出して」
女「……」
紳士「簡単な、最後の問題」
男「……」
紳士「貴方達は、これからどうなるでしょう」
女「オマケ?」
紳士「ここにたどり着くまでが、私が自分で用意した、百点満点の問題」
紳士「でも。そう。この問題、実はオマケ点がありまして」
紳士「実質、百五点満点。なんです」
男「百五点……?」
紳士「どういう意味か。わかったならば。私は五点を差し上げましょう」
女「ま、また解答しなきゃなの……」
男「ここにきて、か……」
紳士「さあ、全てを思い出して」
女「……」
紳士「簡単な、最後の問題」
男「……」
紳士「貴方達は、これからどうなるでしょう」
男「……」
女「……」
二人は、二人で、考える
男「こ、こうじゃないか……?」
女「ううん、たぶん……」
二人で、議論する
二人が思い返す、二つの物語
どちらも、とても面白く、そして、長かった
二人はたくさん、たくさん喋っていた
まるで17年分、一気に取り返すように
この世界はすでに、現実の世界ではない
だから時間は、たっぷりとあった
紳士(……百点でも、十分だったのですが)
彼らを再会させることが、目的だった
だけど私は……、死神のくせに甘い
私は最初から、それを用意してしまっていた
彼らが正解したら言ってやろう
こんなの、ヒントだらけでしたよ、なんて
女「……」
二人は、二人で、考える
男「こ、こうじゃないか……?」
女「ううん、たぶん……」
二人で、議論する
二人が思い返す、二つの物語
どちらも、とても面白く、そして、長かった
二人はたくさん、たくさん喋っていた
まるで17年分、一気に取り返すように
この世界はすでに、現実の世界ではない
だから時間は、たっぷりとあった
紳士(……百点でも、十分だったのですが)
彼らを再会させることが、目的だった
だけど私は……、死神のくせに甘い
私は最初から、それを用意してしまっていた
彼らが正解したら言ってやろう
こんなの、ヒントだらけでしたよ、なんて
男「一つ確認をしたい」
紳士「はい、なんでしょう」
男「俺が“俺”の姿で外に出れない時と、出れる時の二通りのパターンがあったな」
紳士「……はい」
二人は同時に、存在できない
俺達がこの紳士からもらったのは、それぞれの“人”という役目
世界にソレがあったから、俺は“私”の姿でそとにでれて、彼女は“君”の姿で外に出れた
どちらも、存在している人間を、演じたから、外を出歩けたのだ
新しい何かを、生んだわけではない
つまり
男「それは――既に彼女が“君”の姿で外に出ていたから」
男「で、あたっているな」
その世界に“俺”と“君”は同時に存在できない
だから、家から、出られない
紳士「……正解です」
男「よし」
これならば、そう
最後の問題にも、自信がつく
紳士「はい、なんでしょう」
男「俺が“俺”の姿で外に出れない時と、出れる時の二通りのパターンがあったな」
紳士「……はい」
二人は同時に、存在できない
俺達がこの紳士からもらったのは、それぞれの“人”という役目
世界にソレがあったから、俺は“私”の姿でそとにでれて、彼女は“君”の姿で外に出れた
どちらも、存在している人間を、演じたから、外を出歩けたのだ
新しい何かを、生んだわけではない
つまり
男「それは――既に彼女が“君”の姿で外に出ていたから」
男「で、あたっているな」
その世界に“俺”と“君”は同時に存在できない
だから、家から、出られない
紳士「……正解です」
男「よし」
これならば、そう
最後の問題にも、自信がつく
女「もう一つ、確認させて」
紳士「はい」
女「この、204号室の鍵をもっていなければ入れない部屋は」
女「私達を再会させるためにつくられた」
女「だから、再会を果たした私達がここから消えれば」
女「この部屋は、消える。……あたっている?」
紳士「……正解」
男「そう、か……」
女「……残、念……」
つまりもう、俺達は再会することが、できない
男「でも、ここで答えないわけには、いかない」
女「……うん。それを学んだのが、彼の問題」
紳士のだした最後の五点の、問題
答えは、出ていた
紳士「はい」
女「この、204号室の鍵をもっていなければ入れない部屋は」
女「私達を再会させるためにつくられた」
女「だから、再会を果たした私達がここから消えれば」
女「この部屋は、消える。……あたっている?」
紳士「……正解」
男「そう、か……」
女「……残、念……」
つまりもう、俺達は再会することが、できない
男「でも、ここで答えないわけには、いかない」
女「……うん。それを学んだのが、彼の問題」
紳士のだした最後の五点の、問題
答えは、出ていた
もともと会えなかったはずの二人が同じ世界で共に存在し続けられるのか?
紳士「ふふ、もう、わかっているようで」
男「ああ。ドヤ顔でいってやるぜ」
女「貴方が楽しそうに私達に不正解を突きつけたお返しよ」
俺達二人は横にならんで、紳士に向かう
二人「これで――チェックメイトだッ!」
紳士「く、くくくく……!」
死神は、その本性をさらけだす。世界がぐるりと、回転した
この部屋は今、役目を果たし終えたのだった
――さあ、答えを、聞かせていただきましょう!――
この問題は、とても簡単だ……!
――ほう……!――
その答えは――
――ふ、ふはは……ふははははははは!!!!――-
――そう、そのとおり、そのとおり!! 死神をも辞さぬその答え、それでいいのです!!!――
――大ぃぃぃぃ正ッ解ッですッ!!!!!!!!!!――
男「ああ。ドヤ顔でいってやるぜ」
女「貴方が楽しそうに私達に不正解を突きつけたお返しよ」
俺達二人は横にならんで、紳士に向かう
二人「これで――チェックメイトだッ!」
紳士「く、くくくく……!」
死神は、その本性をさらけだす。世界がぐるりと、回転した
この部屋は今、役目を果たし終えたのだった
――さあ、答えを、聞かせていただきましょう!――
この問題は、とても簡単だ……!
――ほう……!――
その答えは――
――ふ、ふはは……ふははははははは!!!!――-
――そう、そのとおり、そのとおり!! 死神をも辞さぬその答え、それでいいのです!!!――
――大ぃぃぃぃ正ッ解ッですッ!!!!!!!!!!――
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