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    元スレ紳士「お暇でしたら保健室の先生になってみませんか?」

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    102 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 11:13:41.56 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-118)
    放課後

    金髪「どうも」

    (女)「待ってたよ、こちらへどーぞ」

    金髪「……はい」

    ブロンドの髪をひらりとたなびかせて、少女は座る

    (女)「綺麗な髪だね」

    金髪「自慢の髪ですわ」

    (女)「自慢できるだけある。私のとは比べ物にならないもの」

    金髪「貴方のも、そう卑下するものではないですわ」

    (女)「そうかな」

    金髪「ええ」

    (女)「それは嬉しいな。……それで、今日はどうしたのかな」

    金髪「……はい」
    103 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 11:17:15.77 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-83)
    金髪「単刀直入に、申し上げます」

    (女)「どうぞ」

    金髪「……女性が……、その。女性に恋をするのは、おかしいでしょうか」

    (女)「女性が、女性に?」

    金髪「……はい」

    (女)「なるほど、ね」

    (女)(ああ……)

    いつかは来るかもしれない、と思っていた
    女子校であれば、起こってもおかしくないとは思っていた

    (女)(同性愛の是非、か)

    分かっていても、これは……むずかしい
    104 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 11:24:39.01 ID:E1ZDL3JQ0 (-24,-9,-1)
    支援
    105 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 11:28:25.07 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-131)
    金髪「女子校だから、でしょうか」

    金髪「私は男というものを知らないからでしょうか」

    金髪「私は……、おかしいのでしょうか」

    (女)「……ふむ」

    自身が経験していないからこそ、どう答えるべきかしばし悩む

    (女)「いや」

    だから、俺自身思っている事を言った

    (女)「おかしい、なんてことはない」

    先生として、こう答えるのはもしかしたら、間違っているかもしれないのだが

    (女)「好きならそれでいいと、私は思う」

    (女)「だけど、その相手がどう思うかは、私には分からないな」
    106 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 11:33:52.40 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-178)
    紳士「どうしました、元気がないようですが」

    (女)「学校でな」

    あの後、少女と二言三言の他愛無い会話を交わし、彼女は頷いて去っていった

    (女)「同性愛について、生徒に聞かれたんだよ」

    紳士「愛があればどんな障壁も乗り越えられましょう」

    (女)「そうは言うが、現実は厳しい」

    (女)「高校生にそれでいいと言ってしまうのは、相談を受けた大人として、どうかな、と」

    紳士「ふふ、先生として、悩んでおられますな」

    (女)「そりゃあ、今は先生だからな」

    紳士「そうでした。くっくく」

    (女)「何がおかしい」

    紳士「いえ。あれほど嫌がっていたのに、今では先生なのだな、と」

    (女)「ふん」
    107 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 11:41:23.77 ID:avPuxqzF0 (-24,-9,-1)
    支援
    108 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 11:43:54.08 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-176)
    紳士「まあ。そうですね、そういったものは経験で覚えていくものでしょう」

    (女)「そんなもんかね」

    紳士「そんなものです」

    紳士「ということで、私と」

    (女)「なんでそうなる。っていうか前々から思ってたけど、お前そっちの気あるのか」

    紳士「いえ、両刀というだけです」

    (女)「あるんじゃねーか」

    紳士「専門じゃないですよ」

    (女)「はあ……」

    (女)「結局、どうしたもんかなあ」

    紳士「ふふ、貴方は立派に先生へとなっていっていますね」

    紳士「……本筋から逸れていくことにも、気がつかず」

    (女)「え?」

    紳士「いえ、なにも。……さあ、夜も深い。終身の時間ですよ」
    109 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 11:51:19.32 ID:eJiVNcz90 (+0,+12,-1)
    110 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 11:57:57.94 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-147)
    眼鏡「先生、どうしたんですか?」

    (女)「あーいや。色々保健室の先生は大変だなーって」

    (女)「で、今日は本物の体調不良か」

    眼鏡「あはは……、はい」

    (女)「君一人だけだと、最初を思い出すな――ん?」

    金髪「失礼します。体調不良、ですわ」

    (女)「ん、了解。じゃあまず熱を測ってみようか」

    昨日の事はデリケートだ
    向こうから触れてこない限りは持ち出さないようにと思って、俺はそう受け答えた

    金髪「ええ」

    眼鏡「あ……」

    金髪「おや……?」

    金髪「どこかで見た顔と思えば、中等次代の同級生ではありませんか」

    (女)「ん、なんだ、知り合い?」
    111 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 12:04:08.29 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-203)
    眼鏡「ど、どうも……」

    金髪「どうも。あまり喋らなかったから、覚えて無いかもしれませんわね」

    眼鏡「お、覚えてます」

    金髪「あら、嬉しい。……ん? でも同い年なのにこの学校では見かけなかったような」

    眼鏡「私あの、一年遅れて……」

    金髪「ああ、なるほど。ふふ、大変でしたのね」

    眼鏡「は、はい」

    ピピッ

    金髪「37度1分……ふむ」

    (女)「少し熱があるな。堰と鼻はでるか? それと頭痛」

    金髪「いえ、そういった症状は」

    (女)「ふむ。なら少し横になっていくといい」

    金髪「そうさせていただきます」
    112 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 12:08:44.41 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-170)
    眼鏡「すごい、大人っぽい人」

    (女)「ああ、そうだな」

    くすっと、彼女がはいったベッドのほうから、笑い声が聞こえた

    (女)「喋ってたら邪魔になっちゃうな」

    眼鏡「あ、あの、私も横になってもいいですか……?」

    (女)「ああ、どうぞ」

    眼鏡「あ。ありがとうございます」

    彼女も横になると、保健室にはとても静かな空気が流れた
    二つの寝息が、ベッドを囲うカーテンを越えて聞こえるようだった

    (女)「んーむ」

    仕事に戻ろうかとおもったが、なんとなくうとうととする昼下がり
    俺は勉強も仕事も少し後にして、手近にあった「保健室の先生お仕事ノート」を、手に取った
    113 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 12:12:50.45 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-136)
    ノートは何度も見返した
    まるでメモのように書かれた中身は、見慣れたものだ

    (女)「ん……?」

    ふとそれに気づいたのは、パラパラと文章を読まずにみていたからか
    最後のページを開いた、裏表紙
    少し厚い紙に、くぼみがあるような気がした

    (女)「なんだろう」

    俺はエンピツをとって、そこに色をつけてみる
    案の定、くぼみの周りにのみ色がついて、浮き出るものがあった

    (女)「“先生あのね。を目指すために”……?」

    (女)(なんのこっちゃ)

    新しい発見だったが、俺には良くわからなかった
    114 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 12:17:40.21 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-121)
    栗毛「あ、あの、先生……っ」

    ぼーとノートを見上げていたからか、訪問者に一瞬気がつかなかった

    (女)「お、おお、いらっしゃい」

    可愛らしい栗毛の少女である

    (女)「体調不良?」

    栗毛「いえ、その……、相談に」

    (女)「ん、了解」

    保健室を利用する人数は、俺が始めてから数えて、大体一日平均二十人
    そのうちの二割程度が、相談事だ
    昨日のように難しい相談をする子もいれば、お話を聞いてほしいだけの子もいる

    さてこの子には、どんな悩みがあるのだろうか
    115 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 12:20:30.72 ID:MM8zifyb0 (+19,+29,-15)
    スレタイで保健室の死神思い出した
    116 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 12:20:46.31 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-115)
    栗毛「秘密にしてくれますか……?」

    (女)「もちろん」

    栗毛「そ、その。信じてもらえないかもしれませんが……」

    (女)「うん」

    大抵こうして始まるのは、お化けがみえるだとか、霊を感じるだとか
    そんなお話

    栗毛「私……、いえ、僕は……、男、なんです……」

    (女)「うんうん、そうかあ……そ……へ?」

    (女)「ご、ごめん、もう一度」

    栗毛「男、なんです」

    (女)「ここ、女子校だよね」

    栗毛「……はい。だから、誰にも相談できなくて……」

    これはまた、とんでもないのがいらっしゃった……
    117 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 12:29:20.89 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-153)
    (女)「そ、それ、本当……?」

    栗毛「……はい」

    顔からは、言われて見れば男かもしれない、と思う程度にしか分からない
    ほとんど女性である

    (女)「し、失礼して」

    胸を軽く触ってみる

    栗毛「わ、んっ……」

    (女)「あ、あるじゃないか」

    栗毛「これ、ぱっとです……」

    と言って、栗毛の少女――少年は、パッドを取り出して見せた
    そしてもう一度触らせられた

    (女)「……ない、っすねえ」

    栗毛「はい……」

    (女)「な、なんでこんなことに」
    118 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 12:32:19.64 ID:eJiVNcz90 (+10,+22,-1)
    ふぅ
    119 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 12:36:20.81 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-137)
    栗毛「その、家の事情なのですが……」

    栗毛「どうにも私の両親、というかお家が女性をほしかったらしくて」

    栗毛「男として生まれた私は、このように……」

    (女)「戸籍どうなってんの」

    栗毛「男です」

    (女)「学校に、入れなくない……?」

    栗毛「ここの理事長と両親が知り合いでして……、私立ですし」

    (女)「ああ、そういう……」

    絶句モノである。まさかこの女の園に、男が紛れ込んでるとは

    (女)(いや、俺も言えたもんじゃないな……)

    そう思うと、妙に親近感が沸いてきた
    120 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 12:42:07.87 ID:hb1lm7e70 (+10,+25,+0)
    あるある
    121 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 12:43:57.63 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-208)
    栗毛「もう、隠すのも大変で……、誰かに相談しないとやっていけそうも無くて……」

    (女)「あ、ああ、そうだよな。まあそうなるよね、普通」

    栗毛「もういっそ、だれかにばらして……、終わるなら終わるで、それもいいかな、とか」

    女装したままもぐりこまされて、誰にも相談できないというのは想像を絶する辛さだったろう

    (女)「い、いや、さすがにそうなると大変だろう、家の問題なんだろ?」

    栗毛「はい……、でも、もう、体も……」

    確かに、高校生となれば男女の違いははっきりと別れてくる
    どうがんばって隠しても、隠し切れない部分もでてくる

    栗毛「もう……」

    味方が、ほしかったのだろう

    (女)「わ、わかった。私は君の味方だ。絶対にばらさない」

    栗毛「ほ、本当、ですか!?」

    (女)「ああ、絶対だ」

    (彼)のはりつめた表情は、すこし、ほっとした表情へと変わった
    122 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 12:45:24.16 ID:5FSCwbXn0 (+10,+25,-2)
    がんばれよ
    123 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 12:49:37.24 ID:/SVC5+w10 (+6,+25,+0)
    エロゲみたい
    124 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 12:50:21.49 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-154)
    (女)「何を隠そう、実は俺も男だからな」

    栗毛「ふえ? あ、た、確かに喋り方は男らしいですが……」

    (女)「あ、えーと、そうか、言っても分からんか……」

    栗毛「き、気を使ってくださらなくても、大丈夫ですよ」

    栗毛「学校に僕の事を知っている人がいると思えるだけで、とても楽になります」

    (女)「うん。いつでも来い。俺も男として相談にのってやる」

    栗毛「あはは、それっぽいです」

    (女)「おう」

    三時間目終了の、チャイムがなった

    栗毛「あ、そうだ。授業でてなかったんだった」

    (女)「サボるのはあんまり良くない。ほら、解決したならさっさと戻れ」

    栗毛「は、はい、ありがとうございましたっ」

    (女)「おう」
    125 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 12:56:49.89 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-121)
    昼休み

    黒髪「あの子、います?」

    (女)「いるよ。寝てる」

    黒髪「そうですか。ならいいんですけど、手出したりしてませんよね」

    (女)「は? いやいや、するわけないだろう」

    黒髪「とかいって、この前は膝枕してたじゃないですか」

    黒髪「ちょっと警戒してるんですからね」

    (女)「そ、そういわれてもなあ……」

    (女)「ああ、ところで元気娘はどうした」

    黒髪「今日の昼休みは、部活の集会なんだそうです」

    (女)「なるほど、部活やってるのね」
    126 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 13:01:13.82 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-112)
    金髪「貴方、こちらで寝ている方が好きなのですか?」

    黒髪「ふ、ふえ!?」

    (女)「あ、おはよう」

    金髪「おはようございます。ごめんなさい、少し話が聞こえたもので」

    黒髪「い、いや、好きとか、そんなんじゃなくて、と、友達としてはもちろん好きだけど……」

    金髪「友達ではない好きもある、と?」

    黒髪「へ!? ち、ちょっと何言ってるのよ貴方」

    金髪「気に障ったなら謝りますわ。ですが、少々気になりましたので」

    黒髪「む、謝られるとなんとも言えないけど……、気になるって?」

    金髪「いえ、女性が女性を好きになるのは、どうなのかな、と」
    127 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 13:03:11.40 ID:G4nH9nl80 (+27,+29,-11)
    養教の勉強をしている俺には実にタイムリーなスレ


    男だけどな
    128 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 13:06:08.03 ID:/WsNVVlG0 (-27,-15,-1)
    129 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 13:07:32.11 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-135)
    黒髪「……いけないわ」

    金髪「なぜそう思われます?」

    黒髪「相手も困るし、周りも困るし、良い事なんて、何も無いもの」

    金髪「……でもそこに愛があれば」

    黒髪「そんなの妄想。愛は流動。固定じゃないわ、普通でも大変なのに、そんな歪な愛はどこかで綻ぶ」

    金髪「なるほど、納得ですわ」

    (女)「えーと……」

    なんとなく、立つ瀬が無い

    金髪「いえ、どの意見も一つの内。考えるのは、自分ですから」

    (女)(何も言って無いのに見抜かれた……!?)
    130 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 13:16:37.22 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-178)
    栗毛「先生ー、来ちゃいましたっ」

    (女)「お、よ、よう」

    栗毛「あれ、同じクラスの……」

    金髪「あ、あら、どうも、ごきげんよう」

    栗毛「ごきげんようです」

    金髪「な、なんで貴方がこちらに……?」

    栗毛「あ、ええと、息抜きが出来るから、かなあ」

    金髪「なな、なるほど。そうでしたか。そうですね、保健室はゆったりできますものね」

    栗毛「はい! ……えっと、同じ理由、ですか?」

    金髪「ま、まあ、そんなところ、ですわ」

    黒髪「あれ、貴方もしかして……」

    金髪「よ、余計な詮索は無用ですっ」

    (女)(おっとぉ……)
    131 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 13:24:17.71 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-111)
    ツインテ「お姉様ぁ!」

    黒髪「うへ」

    ツインテ「集会がおわりましたよ!」

    黒髪「それはよかったわね、離れなさい」

    ツインテ「大変でした、全然意見がまとまらなくて!」

    黒髪「それはお疲れ様、離れなさい」

    ツインテ「だから仕方なく最後は多数決。あーあー、とっても原始的なやり方ですよねー」

    黒髪「そうね、離れないと」

    黒髪「怒るわよ」

    ツインテ「す、素敵な顔だあ……」

    眼鏡「ふえ……?」

    黒髪「ああほら、貴方が騒ぐから起きちゃったじゃない」
    132 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 13:30:45.18 ID:x/hKfUOo0 (+14,+29,-1)
    うむうむ
    133 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 13:33:34.18 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-100)
    眼鏡「あや、皆さんおそろいで……」

    ツインテ「金髪お嬢様と栗毛美少女は初対面ですけど」

    栗毛「び、美少女……」

    金髪「そうですね、美少女です」

    黒髪「やっぱ貴――」

    金髪「余計です――」

    ツインテ「ちょっとなにお姉様の口に手を触れてるんですかー!!」

    (女)「こらー! ここは保健室だ静かにしろー!」

    ツインテ「はい」

    黒髪「ふん」

    金髪「ごめんなさい」

    栗毛「すいません……」

    眼鏡「あ、あはは……」
    134 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 13:45:10.42 ID:2tqSYSxD0 (+27,+29,-3)
    気が付いたらいも犯スレが落ちてしまっていたので
    135 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 13:45:33.06 ID:wy/dUmSvO (-23,-11,-1)
    136 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 13:47:09.56 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-103)
    (女)「帰り、おそくなってしまったな」

    なんだかんだで、昼のうちに仕事をすすめなかったから、残業することになってしまった

    (女)「まあたまにはいいか……」

    そろそろ保健室だよりというのも書かなければいけない
    その時もまた、こうなるだろうし

    (女)「月が綺麗だなあ」

    冬も間近なこの季節、月が良く冴える

    (女)「ん……?」

    校門のあたりで、人影があった
    137 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 13:50:43.05 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-112)
    眼鏡「あ、先生……」

    (女)「どうしたんだ、こんな時間に。三時間は前に帰ったんじゃなかったのか?」

    眼鏡「はい、一度帰ったのですが……」

    眼鏡「家の鍵を……、どこかに落としてしまったようで」

    (女)「む、鍵っこなのか」

    眼鏡「そ、そうですね。両親はあまり、家にはいませんから……」

    (女)「なるほど。それで、鍵は見つかったのか?」

    眼鏡「いえ……」

    (女)「そうか。……ん、もしかして、今まで探してたのか?」

    眼鏡「……はい」
    138 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 13:54:58.09 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-145)
    彼女の頬に、手を当てる

    (女)「ばか、凍るようだぞ」

    眼鏡「あはは、言いすぎですよ」

    (女)「手は? ……ほら、青白くなってる」

    (女)「全く何やってるんだお前は」

    眼鏡「で、でも、鍵が無いと家にも入れませんし……」

    (女)「一緒に探してやる、といいたいところだが……」

    眼鏡「そ、そんな迷惑かけられません」

    (女)「このままお前を外に出しておくわけにはいかないな」

    (女)「ウチへ来い」

    眼鏡「へ!?」

    (女)「仕方ないだろう。まあ一応先生の家だ、問題ないだろ」
    139 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 13:58:16.49 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-135)
    眼鏡「あ、えと……」

    バスの中で、彼女の手を握る

    (女)「こんなに冷たくなるまで外に出すなんて……」

    眼鏡「わ、私が悪いですから……」

    (女)「文句の一つもいいたくなるよ」

    眼鏡「あう」

    (女)「このままだと風邪をひきそうだな……、早く家につかないと」

    眼鏡「あ、あはは……、それもう、回避できないかなあ、なんて」

    (女)「……かもしれない。だが多少は症状もやわらげられればいいだろ」

    眼鏡「……はい」
    140 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 13:59:12.70 ID:CKMRNNkL0 (+19,+29,-16)
    紳助じゃねぇのかよ……
    141 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 14:02:02.24 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-136)
    家の前に着き、やっとそこで思い出す

    (女)(あ、男だった……!)

    保健室の先生をやっていたらすっかり忘れてしまうのだが、一応俺の中身は男なのだ
    今この部屋に入ったら、間違いなくばれる

    (女)「ち、ちょっと外でまっててな、すぐ、すぐだから」

    眼鏡「は、はい」

    部屋に入り、申し訳ないと思いつつも玄関を閉める

    (女)「お、おい、いるか」

    紳士「はい、おりますよ。ただいまとか、帰ったぞ、とか言わないのは珍しいですね」

    (女)「今はそんなこと言ってる場合じゃない、来客だ」

    紳士「はあ、入れたらどうでしょう、貴方の家ですよ」

    (女)「俺の家だからだめなんだっ」
    142 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 14:05:40.86 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-141)
    (女)「どうにかならないか、この部屋を見せるわけにはいかない」

    紳士「ああ、隠したいのですね」

    (女)「そうだ。うちの生徒だ」

    紳士「なるほど……」

    (女)「な、なあ、どうなんだ?」

    紳士「ええ、何とかなりますよ」

    (女)「ほ、ほんとか!?」

    紳士「はい。貴方を男から女に変えたように」

    紳士「この部屋も、変えることができます」

    紳士「ただし、内部だけですが」

    (女)「それで十分だ、いますぐやってくれ」

    紳士「分かりました」
    144 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 14:09:50.35 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-105)
    ふと瞬きをした瞬間だった

    (女)「な……」

    部屋は散らかった男の部屋から、がらりと様変わりしていた
    物数の少ないシンプルな部屋だが、十分女性的であった

    紳士「どうでしょう」

    (女)「大丈夫だ。すごいな」

    紳士「ええ、これしきは」

    (女)「ありがとう。……じゃあ、入れるぞ」

    紳士「はい。私は消えていた方が良いですね」

    (女)「そうしてくれると助かる」

    紳士「では」

    こういうときは紳士だな、と思った
    145 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 14:15:32.19 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-128)
    (女)「ど、どうぞ」

    眼鏡「お、お邪魔します……」

    おずおずと、入ってくる

    眼鏡「わあ、先生の匂いが……」

    (女)「へ? あ、まあここで暮らしているからかなー」

    (女)「と、とりあえずあったかいモノを入れるよ」

    (女)「そのあたりに座ってて」

    眼鏡「す、すいません……」

    (女)「いえいえ」

    (女)(おおお、おい、カップ、どこだ)

    紳士(右上です。インスタントーコーヒーは左下の開き戸。ポットはすぐ目の前)

    (女)(そ、そうか、ありがとう。ってお前どこから話しかけてるんだよ)

    紳士(細かい事は気にしないのです)
    146 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 14:20:14.89 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-133)
    (女)「コーヒーは飲めるか」

    眼鏡「あ、大丈夫です」

    (女)「よかった」

    (女)(コーヒー以外だと何があるか分からんしな……)

    紳士(紅茶がありますが)

    (女)(そ、そうなのか……。とりあえず、あとはこっちでやるからつっこまなくていい)

    紳士(承知)

    (女)「えーと、それ飲んだらお風呂に入った方が良い」

    眼鏡「お、お風呂、ですか!?」

    (女)「ああ。冷えた体を温めないと」

    眼鏡「そ、そうは、言いましても……」

    (女)「あ、着替えか……」
    147 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 14:21:04.32 ID:+D/TFo5W0 (-27,-15,-1)
    148 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 14:24:35.82 ID:fYIiItp5O (+23,+28,+1)
    リリエンタールスレかと思ったらやっぱり違った
    149 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 14:27:49.74 ID:XELzicwT0 (+95,+30,-83)
    俺はタンスをちょっと漁ってみる

    (女)「このパジャマなら着れるかな、ちょっとだぼつくかもしれないけど」

    (女)「下着は……」

    眼鏡「あ、あの、代えの下着は、その、持ってます」

    (女)「あ、ああそうか。ならいいな」

    眼鏡「あ、う……」

    (女)「じゃあ、風呂沸かしてくる」

    眼鏡「……はい」
    150 : 以下、名無しにか - 2011/10/30(日) 14:31:11.50 ID:PIOPqLmB0 (+24,+29,-32)
    途中まで読んだがなんかラノベっぽいな。

    しえ
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