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    元スレ紳士「お暇でしたら保健室の先生になってみませんか?」

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    851 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 04:18:15.67 ID:lRtc1bnu0 (+35,+30,-191)
    黒髪「ここまで……ですね」

    栗毛「こ、これ……」

    ツインテ「す、すごい、なあ……」

    日記の節々に、涙のあとがあった
    引っかいたようなあとも見える

    日記からは、“本来の私”の苦悩が、痛さを覚えさせるほどに滲み出ていた

    眼鏡「せ、先生……」

    ひし、と眼鏡の少女は俺の服の裾を掴み、顔を伏せる

    「入り浸っていた……、そういう、ことか」

    今の自分がやっている保健室の先生とは、余りにかけはなれた姿
    ……いや、謹慎によって、保健室がリセットされた、と考えるべきだった

    もとより入り浸っていた生徒は、謹慎により保健室から離れた
    結果、普通の子達が入れるようになり、今ここに居る子たちが、保健室へとやってきた

    「リセット……。そうか、このタイミングで、俺が入れ替わっているのか」

    紳士「……然様」

    「……」
    852 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 04:27:16.35 ID:MZKW2Qql0 (-1,+13,-12)
    しえん
    853 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 04:29:49.36 ID:lRtc1bnu0 (+35,+30,-150)
    「まさか……」

    “本来の私”はどこへ行った

    嫌な予感が頭をよぎる
    “俺”がどこへ行ったかの答えを、思い出す

    「……おい、どういう、ことだ」

    紳士「……さあ」

    「……これ、は……」

    「い、いや、だが死んではいない、はずだ」

    (女)「ここに体が、ある。……彼女としての生活も、続けられている」

    紳士「……」

    金髪「……本来の中身は、いったい……」

    (女)「……っ」

    (女)「……気は引けるが……、他のページも、読んでみるしかない」

    どこかに、手がかりが、あれば
    854 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 04:30:39.22 ID:1kdIdOHX0 (-22,-10,-1)
    支援
    855 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 04:30:54.37 ID:2tMszf690 (-22,-10,-1)
    支援
    856 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 04:39:36.80 ID:lRtc1bnu0 (+35,+30,-166)
    後ろのページから、段々と前へ前へと、時間を遡る

    九月はほとんど、十月とかわらない生徒への呪詛ばかり

    (女)「……ん」

    9/19
    彼のように自殺をする、というのも手かもしれない

    (女)「彼……?」

    ところどころに、自殺とセットのようにして彼、というのが出てきていた

    (女)「……これか……!」

    9/4
    休日だから、勇気を出して、あの人の家を尋ねてみた
    だけど、追い返されてしまった
    そのときに聴いた言葉が頭から離れない
    ……彼は、自殺をしてしまったらしい
    いつ? どこで? それもわからない
    彼にまた会いたいと思って、もう十七年もたっただろうか
    私のことを忘れていてもいいから、会いたかったのに
    ひどいよ
    857 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 04:42:56.17 ID:lRtc1bnu0 (+35,+30,-116)
    金髪「……貴方の事、ですね」

    (女)「……ああ」

    金髪「一七年前……。貴方が小学生の頃ではありませんか」

    (女)「…………ああ」

    覚えていない
    全く、覚えていない

    (女)「君は誰、なんだ……」

    まるで思い出そうとすると、そこだけ隠されているような感覚

    紳士「……」

    紳士はなぜか、少しさめた顔をしていた

    (女)「続きを、読むぞ」

    日記を、めくっていく
    858 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 04:50:16.47 ID:6LokfhA30 (-22,-10,-1)
    支援
    859 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 04:55:25.62 ID:lRtc1bnu0 (+35,+30,-285)
    八月は夏休みだったからだろうか
    呪詛は見当たらない
    それよりも、一般的な日常の生活が、たくさん書かれていた
    知り合いと遊びにいったとか、研修が大変だったとか

    でも、保健室の事には、ふれていなかった

    (女)「……こ、れは……」

    8/14
    お盆休み、実家に帰る前に、私は昔遊んだ土地へと行ってみた
    山がきれいな所で、昔とあまりかわっていなかった
    いつも書いている彼とは、ここで出会ったのだけど、
    四年生の頃に私が引っ越してしまってから、会えていない
    そうそう、タイムカプセルを彼と埋めた
    たしか彼は「これはタイムマシンだよ」なんていっていたっけ
    今度一緒に開けようと言っていたのに、結局開けずじまい
    今日は小さな宿にとまる

    8/15
    好奇心に負けて、一人でタイムマシンを掘り返してみた
    そしたら、あとから入れたような缶の中に、手紙がはいっていた!
    住所が書かれていて、もし見る事があったら連絡をください、って書いてあった!
    いつ入れたものだろう、きっとずっと昔だと思うのだけど……
    でも今日は、恥かしくて、尋ねることができなかった
    近いうちに今度、勇気をだしていってみよう
    860 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 05:03:36.09 ID:lRtc1bnu0 (+35,+30,-174)
    (女)「俺があとから、手紙を入れた……?」

    金髪「なるほど……、これならば、貴方が言っていた中学生以上高校生以下の時代という範囲から、すり抜けられる」

    (女)「……全然、覚えていない」

    紳士「……」

    (女)「なんでだ、まるっきり、まるっきり覚えてない……」

    (女)「どういうことなんだ……?」

    金髪「まるっきり、ですか」

    (女)「……」

    ページをまた、捲っていく

    七月は後半は比較的落ち着いていたが、前半はつらそうだった
    それでも、罵る言葉は見当たらない

    六月後半もまた、少し辛い文章がみえたが、時間を遡るにつれて、明るい姿になっていた
    生徒達に手を焼いている先生、といったような文面

    五月はすべて、明るい
    不良の生徒の話は、ほとんどでてこない
    頑張っているのが、よくわかった
    861 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 05:08:57.04 ID:AXCA21ul0 (+1,+16,+0)
    おもしろい
    862 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 05:13:40.74 ID:6LokfhA30 (-22,-10,-1)
    支援
    863 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 05:15:52.47 ID:lRtc1bnu0 (+35,+30,-235)
    これはどの月も同じであったが、ちょくちょく“彼”がでてきた
    八月の文面からさっするに俺の事をさしているのだろう
    俺の住所を発見するまでは、連絡先がわからなかったらしい

    とはいえ、書かれた昔の事を読んでも、俺は全くピンとこなかった

    四月は一日も欠かさず日記が記されていた

    4/28
    保健室の先生の仕事は、今日も大変
    でも、夢が叶って嬉しい
    私は何か気づくたびに「保健室の先生お仕事ノート」に書き込んでいる
    研修の時につくって、それからずっと使っている
    本当は「先生あのねを目指すために」っていう名前にしようとしていたけれど
    人に見られるかもしれないと思うと恥かしくて、やめてしまった
    ただちょっとわるあがき
    裏表紙に、あとをつけてやった

    (女)「……夢が叶って嬉しい、か……」

    九月や十月の日記を読んだあとでは、その言葉がとても、つらい

    (女)「……」

    たまらず、ぐっと拳を握る
    864 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 05:24:12.44 ID:lRtc1bnu0 (+35,+30,-180)
    日記を読み進めたことで、彼女の事をなんとなく、わかってきた
    思ったとおり、心優しい人間のようだ

    しかし彼女自身を見つけるための手がかりは、やはり何も、ない

    (女)「四月は、これでおわりか」

    もう日記をじっくりと読んでいるのは、俺と、ブロンドの少女だけであった
    結構な時間がたっている、すでに深夜だ

    (女)「あ、お、お前ら家に連絡は」

    黒髪「大丈夫よ。知り合いの家に泊まってくるって言っといた」

    黒髪「ここで寝てる二人も、ね」

    黒い紙の少女を中心に、眼鏡の娘はよりかかり
    元気な娘は、膝枕をされていた

    金髪「私もメールで連絡していますし、この子も」

    机に伏せて寝ている栗毛の少年の頭を、ブロンドの少女はそっと撫でる

    (女)「いつのまに」

    黒髪「貴方が日記に集中している間に。結局一番よんでるじゃない」

    (女)「す、すまん、どうにも気になってな」
    865 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 05:31:00.53 ID:1kdIdOHX0 (-22,-10,-1)
    支援
    866 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 05:34:48.29 ID:lRtc1bnu0 (+35,+30,-186)
    三月に入った
    どうやら、学校始まる前は引継ぎ作業をしていたようだ

    3/28
    もうすぐ四月
    早く生徒が登校してこないかな
    とってもたのしみだ!

    3/26
    養護教諭は、狭き門
    実家からはちょっととおいけど、やっと採用してもらった職場だ
    がんばって、立派な先生になろう
    あのねっていわれてやる

    3/24
    こちらに引っ越してきた事で、学校に行くのが楽になった
    研修のために毎朝5時おきは、ちょっとつらかった
    今日からは7時起きです

    (女)「……なるほど、な」

    (女)「さて、これで最後か」

    一番最初のページへ、たどり着く


    (女)「――ッ!?」

    俺は目を、疑った
    867 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 05:38:28.56 ID:6LokfhA30 (-22,-10,-1)
    支援
    868 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 05:39:19.20 ID:lRtc1bnu0 (+35,+30,-241)
    3/23
    今日から、日記をつけます

    やっと勤務先近くのマンションに引越しをできた
    業者の手続きに不備があったらしく、なんだかギリギリ
    ダブルブッキングだったらしい
    でも、相手の人が断ってくれたみたい
    ありがたいけど、なんだか申し訳が無い

    念願の角部屋だけど、相手も角がよかったのだろうか
    なら、私は204号室でも良かったかもしれない
    学校に近いし、家賃も高くないし、間取りは好きだし
    角じゃなくても十分いい部屋だ

    あ、そうそう鍵はいつもどおり、鉢植えの中に隠しました
    なくすと、いけないからね

    (女)「……な……ッ!?」

    金髪「どうなされました」

    (女)「そんな……、ありえ、ない、ありえない……ッ」

    金髪「……?」


    >住んでいるのは、三階建てのマンションだ
    >俺が住んでいるのは205号室
    >しかし204号室や104号室は存在しない
    >四や九はよく縁起が悪いとかで抜け番にされるが、まさにそれ
    869 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 05:45:49.62 ID:3CCVYS/t0 (+11,+26,+0)
    なんだと
    870 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 05:47:56.44 ID:4n6mRnWg0 (-2,+12,-2)
    これは・・・
    871 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 05:49:37.88 ID:lRtc1bnu0 (+35,+30,-235)
    (女)「あ、あるわけがない……」

    (女)「204号室は……存在しない……ッ!」

    金髪「ど、どうしたのです」

    俺は頭を抱える
    なんだ、なんだ、それはなんなんだ

    (女)「ないんだよ……、ないんだ……」

    (女)「203号室の次は、205号……ッ!」

    金髪「204号室が、ない……?」

    (女)「こ、これは、なんだ!? この日記は、なんだ!?」

    これは誰の日記だ?
    205号室は“どこの205号室”だ!?

    どういうことだ……? 何故存在しないはずの204号室でもいいと、書かれている!?

    (女)「これを書いたのは……誰だ……!?」

    205号室に住んでいる“本来の私”だと思って、この日記をよんできた
    幼い頃に知り合ったが、俺の忘れてしまった誰か

    でもこのマンションに、204号室は
    存在しない……ッ!!!!!
    872 : - 2011/11/01(火) 05:51:53.36 ID:6LokfhA30 (+22,+29,-7)
    なるほど…つまり…アレか…
    873 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 05:52:09.28 ID:bSg76E/p0 (+19,+29,-4)
    なんというフラグ回収…
    874 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 05:58:49.38 ID:eWDrakxa0 (+14,+29,-1)
    なるほど解らん
    875 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 06:00:09.30 ID:lRtc1bnu0 (+35,+30,-238)
    紳士「……」

    黒髪「ど、どうしたの?」

    金髪「204号室がないと、仰られて……」

    黒髪「え……?」

    おかしい、おかしい
    204号室はないんだ、そんなもの見たこともない

    俺は立ち上がる

    紳士「……」

    (女)「答えろ……、この部屋は……、どこの、205号室だ……!」

    紳士「……さて、どうか」

    (女)「のらりくらりとかわすつもりなら……、白か黒か、つけさせてやる……!」

    (女)「俺はこの日記から答えを読み解いた……」

    (女)「……この部屋、世界Aにおける“本来の私”の部屋、205号室は……」

    (女)「世界Bにおいて“俺”が住んでいた205号室とは、別物だ!」

    (女)「当たっているな!?」

    紳士「……」
    876 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 06:00:27.15 ID:/XIo10jW0 (+14,+29,-6)
    ざわ…ざわ…
    877 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 06:09:03.57 ID:lRtc1bnu0 (+35,+30,-305)
    紳士「……別物。ええ、そうですよ。世界が違うのですから、別物でしょうな」

    紳士「前にも確認したはずですが」

    (女)「……、ち、違う、そうじゃない……」

    (女)「そ、そうだ……」

    (女)「この日記の書き手が住んでいるのは、このマンションとは別の場所にあるどこかだ……!」

    (女)「世界Aと世界Bで、同じ場所にはないどこか別の場所の、間取りが全く同じの、違う部屋だ……!」

    紳士「……」

    この205号室で、もう半年は過ごしていている
    その俺だから、分かる
    204号室はこのマンションに存在しない

    紳士「その勢いに、久しぶりでいいですね」

    紳士「そうでなくては、私も○や×をつけるのに、やる気がでません」

    紳士はしかし、前のような含みのある笑いはしなかった
    乾いた、苦笑い

    紳士「あなたのその解答は――」


    紳士「――不正解です」
    878 : - 2011/11/01(火) 06:20:30.14 ID:6LokfhA30 (+0,+11,-1)
    879 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 06:25:43.16 ID:lRtc1bnu0 (+35,+30,-180)
    紳士「……正解していた答えを、何故わざわざ間違ったものにしたのか」

    紳士「教えてほしいものですな」

    (女)「……っ」

    そう、分かっていた
    既に俺はこの二つの部屋が同一のものだと言っていて、もちろん正解ももらっている

    (女)「でも、おかしいだろ……!?」

    (女)「204号室は存在しない。でもこの日記では存在が示唆されている」

    (女)「そ、そうか、日記の書き間違いだな……?」

    金髪「先生……」

    す、と少女の手が背中に置かれる
    俺は口だけ動かしながら、すでに机で、頭を抱えていた

    金髪「落ち着いてください」

    (女)「で、でも……」

    眼鏡「んん……、どうしたの……?」

    (女)「……」

    眼鏡「先生……?」
    880 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 06:29:57.44 ID:lRtc1bnu0 (+35,+30,-169)
    紳士はただ、いつものように姿勢正しく立っていて
    そして俺を、じっと見つめる

    (女)「どういう……ことだ……」

    答えは分かっていた
    でも、そんなはずが無いとおもっていた

    (女)「……20、4号室は……、存在……、しな……」

    黒髪「先生」

    ごつん

    ツインテ「いてっ!」

    膝枕をしていた少女が立ち上がったので、されていた少女の頭が落ちる

    黒髪「204号室は――」

    金髪「ま、待ちなさい。先生が、落ち着いてからで……」

    黒髪「……でもどうせ、すぐ分かることでしょ」

    黒髪「先生、204号室は」


    黒髪「……この部屋の隣に、ありますよ」
    881 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 06:35:40.68 ID:lRtc1bnu0 (+33,+30,-160)
    (女)「そんな……、馬鹿な……」

    (女)「お、おい、冗談、だろ……?」

    金髪「……」

    (女)「……、見て、くる……」

    俺はゆっくりと立ち上がると、ふらりふらりと玄関へと向かう

    金髪「付き添います」

    靴はかかとを踏んではいた
    がちゃりと扉を開けて、部屋からでる

    真夜中だ
    空にはいつかのように、月が冴えている

    (女)「……これ、は……」

    隣の部屋をみて、言葉を失う

    (女)「あ……った……?」

    204号室が、そこにあった
    882 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 06:39:59.57 ID:ny+IvOql0 (+14,+29,-1)
    さるよけ
    883 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 06:41:03.10 ID:ktjWk2PNO (+14,+26,-1)
    なんだかな
    884 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 06:42:32.79 ID:lRtc1bnu0 (+35,+30,-181)
    (女)「……ぐ、う……」

    頭が、痛い
    なんだ、なんだ、204号室は、なんだ

    金髪「せ、先生」

    (女)「だ、大丈夫……」

    部屋へと、戻る

    (女)「何で、だ……?」

    何故俺は無いと、思い込んでいた?

    黒髪「204号室に……何かあるわね」

    (女)「そう、なのか……?」

    紳士「……ご自分で、確認なされたらどうですか」

    (女)「だ、だが、入れない……」

    鍵などもっているわけがな――

    (女)「……まさ、か……」


    >あ、そうそう鍵はいつもどおり、鉢植えの中に隠しました
    >なくすと、いけないからね
    886 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 06:44:46.26 ID:aIk1rDcK0 (+22,+29,-3)
    そこに、居るのか?・・・
    887 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 06:49:29.80 ID:H9FtjDph0 (-3,+11,-1)
    888 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 06:49:44.02 ID:lRtc1bnu0 (+35,+30,-211)
    俺は窓をあけ、ベランダへとでる
    そこには、鉢植え二つ置いてあった

    そこで育っていたはずの植物は、かれていた
    もう何だったのかもわからない
    世話などしていなかった、というかあったこともしらなかったのだから仕方ない

    (女)「……」

    俺はそれを、適当に掘り返してみる

    (女)「……あ、った……」

    しかしそれは、見慣れた鍵

    (女)「205号室の……鍵じゃないか」

    隣、204号室のベランダをみるが、何も無い

    眼鏡「あ、あの、先生」

    眼鏡「もしかして……、貴方の世界で、という意味ではないでしょうか……」

    眼鏡「日記を読みました」

    眼鏡「204号室に何かがある可能性は……、貴方が、この部屋を借りた場合に、生じるのではないでしょうか……」

    (女)「……そう、だよな」
    889 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 06:51:13.74 ID:6LokfhA30 (-22,-10,-1)
    支援
    890 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 06:53:06.14 ID:SzRuuTRT0 (-9,-2,-2)
    追いついた。支援
    891 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 06:54:56.99 ID:lRtc1bnu0 (+35,+30,-188)
    “本来の私”は角の部屋、つまり205号室を望んだ
    しかし、相手が角の部屋を望むなら、204号室にする、と書いてあった

    世界Aでは、彼女は205号室を手に入れた
    では、世界B、俺が205号室を手に入れていた場合は――

    一度部屋に戻る

    (女)「……」

    「こっちで、か」

    眼鏡「わ、私も一緒にっ」

    紳士「いいえ、それはいけません」

    眼鏡「え……?」

    紳士「貴方は、世界Aの人間でしょう」

    紳士「彼が出る窓の外は、世界B。貴方は、いけません」

    「……外にでられるのは、その世界の人間だけ、ということだな……」

    紳士「然様」

    「……わかった。一人で、いってくるよ」
    892 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 06:58:26.33 ID:lRtc1bnu0 (+35,+30,-168)
    紳士「ああお嬢様方」

    紳士「彼が窓から出る時、そちらは見てはいけません」

    紳士「外を視認するだけでも、それは別の世界にはいった事になってしまいます」

    紳士「それは、危険だ」

    金髪「見送る事もできませんか……」

    紳士「はい」

    栗毛「ふ、ふえ、何が起こって……?」

    金髪「あら、いま起きましたの。では一緒に、向こうを向いていましょうね」

    栗毛「え? う、うん」

    黒髪「私達も、玄関の方を向きましょう」

    眼鏡「……気をつけて」

    「大丈夫だよ」

    ツインテ「んー、寝てて状況がよくわからんけど、頑張ってきてくーださいっ」

    「はいよ」
    893 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 06:59:42.59 ID:EvAgZXzd0 (+30,+29,-22)
    思うんだがこのssをまとめて小説化したら
    普通に売れるレベルだろ
    894 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 07:02:00.01 ID:lRtc1bnu0 (+35,+30,-184)
    俺は窓を開けて、外へ出る

    「……」

    今度は、205号室のベランダに、植木鉢はなかった
    変わりに

    「204号室には、あるんだな」

    俺はベランダの柵を登る

    「よっ」

    そして飛び越えた
    204号室の、ベランダへと、危なげに着地する

    「こいつ、だな」

    枯れた花の植木鉢を、掘り起こす

    「……鍵、だ」

    それは少し、俺の部屋のものと違う
    204号室の、鍵だろう
    895 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 07:09:55.49 ID:lRtc1bnu0 (+35,+30,-176)
    「あれ……?」

    205号室のベランダにもどると、窓にはカーテンが引かれていた

    「……あかない」

    窓には鍵がかかっているのか、中に入る事ができない
    電気もいつのまにか消えているようで、中は見えなかった

    「……今は戻るな、ってことか」

    俺はベランダ用のサンダルのまま、柵に手をかける

    「せーの」

    ふっと、体が宙に浮く

    どすっ

    「いてえ」

    駐車場へと、着地する

    「えーと、あっちか」

    俺はマンションの入り口へと向かった
    896 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 07:11:05.64 ID:YdqpFqOF0 (+27,+29,-34)
    うーん、男の部屋の状態でも男(女)は外にでてたんじゃなかったっけ?それはオッケーなの?
    897 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 07:11:20.79 ID:HZSRNLF30 (+32,+29,-18)
    >>893
    >>1のレベルと言うか書き方がVIPのレベルじゃないよなw

    どうせまとめブログとかに載るだろうけど、SSスレでは一番人気だろう
    898 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 07:11:53.06 ID:YdqpFqOF0 (+22,+29,-3)
    ああ、へやがとかじゃなく姿か
    899 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 07:13:34.29 ID:lRtc1bnu0 (+35,+30,-120)
    見慣れた道筋をたどって、二階

    204号室の前

    目の前にしても、やはり目を疑う
    俺はこの部屋を、ずっとないものだと思っていたのだから

    「……ふう」

    三度、深呼吸

    俺は震える手で、鍵を差し込んだ

    かちゃり

    「あいた……」

    あっけない

    俺はドアノブに手をかける

    がちゃり

    「……いくぞ」

    そして、中へと入った
    900 : 以下、名無しにか - 2011/11/01(火) 07:14:00.76 ID:EvAgZXzd0 (+32,+29,-2)
    >>897
    たしかに
    久々に神ssを見た
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