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    元スレ新ジャンル「極度に緊張するメイド」

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    351 = 339 :

    -書斎-

    チャ…キィ…

    「…?」

    メイド「…ッ!…ッ!!」 ガサッ…ガサガサッ…

    「…!」

    ―――アイツ、俺の書斎で何をしているんだ?

    メイド「ない…ッ!そんなのないよぉ…ッ!!」 ガサッ…ガサガサッ…

    「…おい」

    メイド「ひぎあッ!?」 ビクンッ!!

    「お前、勝手に俺の書斎で何を探してるんだ?」

    353 = 339 :

    メイド「え…あ……いやその…ッ!?」

    「お前それ…俺の金庫の中の書類じゃねえか!?」

    メイド「あ…いやあの…だから…」 ガクガクッ

    「何だお前ッ!?まさか何か盗ろうとしてたのか!?」

    メイド「あ…ああッ!?ごめんなさ…ごめんらさいッ!?」

    ―――何か知らないが急に怒りが沸点に達した。

    「何だよそれ!?最終日だからバレないとでも思ったのか!?ああッ!?お前、そういう腐ったやつだったのかよッ!?」

    メイド「………ッ!?」 ブルブル…

    ―――何ら抵抗する気のない弱者をいたぶるような気分になってくる。

    「お前、カスだな?クズ野郎だわ。俺、バッカみてえ。何で…何で…」

    ―――こんなやつを、少し愛おしく思ってしまったのだろうか。

    354 = 339 :

    「何だよ!?お前の目的は何だ!?そんなことするやつだったのか!?」

    メイド「ごめんらさいッ!ヒグッ…うえぁ…あ、あの…あああああッ!?」 ガクガクブルブル

    「お前本気か?本気で何かを盗もうとしたのか?」

    メイド「あ…あうあ……」

    「答えろよ!おい!」

    ―――頼む。違うと言ってくれ。これは…何かの間違いだと。

    メイド「あ、あの…えっと…」 ガタガタ

    「どっちなんだよ!?」

    ―――頼む!頼む!!




    メイド「―――盗もうと、しました」




    ―――何かが切れた。

    355 :

    ほすす

    356 :

    さるもねら

    357 = 339 :

    「…消えろ」

    メイド「…う…ぇ…?」

    「今すぐ俺の眼前から消えろ。明日までお前を殴らない保証ができない。だから今すぐ、消えてくれ」

    メイド「あ……あああ…」 ガクガクブルブル

    「早く消えろよこのクズ野郎がッ!?」

    メイド「―――――ッ!?」 ダッ!!

    「ハア…ハア…」

    「…ちっ」

    「…んだよ。何でこんなことになるんだよ!」 ダンッ!!

    ―――そのメイドは、契約満了の時を待たずして、俺の前から消えた。


    ―――――
    ―――

    359 = 339 :

    -翌日-

    チュン…チュン…

    「…ちっ」

    ―――結局一睡もできなかったな。

    「起きるか――んぐッ!?」

    ―――腰痛え!…ソファで何時間も寝っ転がってたからか。

    「…あーもう!」

    ―――最悪の気分だ。

    「…起きるか」

    ―――こんなに寝覚めの悪い朝はいつぶりだろうか。

    360 = 339 :

    「…おいメイ―――あっ」

    ―――いねえっつの。なにお約束してんだよ俺…。

    「…久しぶりに自分で飯作るか」

    ―――最近ずっと作ってもらってたからな。

    「…メイド、新しく雇おうかな」

    ―――派遣会社、今なら有能なやつ入れてくれるって言ってたし。

    「…なんか寒いな」

    ―――この屋敷は俺1人には広すぎるっつーの。

    361 = 339 :

    トゥルルルルッ!! トゥルルルルッ!! ガチャッ!!

    派遣『はい、もしもし?』

    「ああ、男だけど」

    派遣『ああ、どうもどうも。いつもお世話になっております』

    「昨日…違った。今日、契約満了したでしょ?で、昨日のお話通り、新しいメイドをね、派遣して欲しいんだけど」

    派遣『ああ。そういうことですか。いつから―――』

    「今日。今日付けだ」

    派遣『き、今日ですか!?いや、まあ手配は試みますが…』

    「遅くなってもいいし、少々高くついてもいい。よろしく頼む」 ガチャン ツーツーツー

    「………」

    ―――今日からじゃないと…困る。そう、困るだよ。だって家事の類をやっている暇は俺にはないんだ。だからだ。仕方がない。

    「…別に寂しいわけじゃねえよ。寂しいわけじゃ…」

    362 = 339 :

    「ちっ…さてと、今日は何の予定だったかな」

    「コンピューター会社のドンである親父が病院で伏せっている以上、まあ俺が何とかするしかないからな」

    「今日は…ああ、また会合か。つくづく似たモン同士で酒飲むのが好きな連中だよな、業界で成功するやつらは、まったく…」

    「夜には帰れる、か…」

    「じゃあ、行ってくるよ―――」

    「………」

    「…だから誰もいないっての。俺はバカか」

    363 = 339 :

    -某ホテル-

    男友「ういっす。遅かったな」

    「ああ、ちょっと色々あってな…」

    男友「なんだ?言われてみればお前、何か今日暗くないか?」

    「…は?」

    男友「いやなんかさ、妙に悲しそうだな、と」

    「…別に悲しくなんかねえよ」

    男友「…?ああそう。ならいいんだけど」

    365 = 339 :

    紳士「やあ、男クンじゃないか」

    「…あ!これはこれはどうも!いつもお世話になっております」

    男友「おっと…ええと?」

    「ああ、すまん。こちらはウチの親父が入院して面倒見てもらっている病院の総院長だ」

    男友「…ああ!あの大病院の!これはこれはお会いできて光栄です」

    紳士「どうも。男クンと一緒におられるということは…?」

    男友「あ、私は―――」

    「……ちっ」

    ―――総院長もこの会合に来てるのか。親父のことがあるからな。愛想よくしとくか。

    366 = 339 :

    紳士「いやはや男クン。君の活躍ぶりは聞いているよ。お父様がいない間、かなり奮闘しているそうだね」

    「いえいえ、皆様のご尽力の賜物で、何とか精一杯やっているだけで…」

    紳士「お父様も元気でやっているよ。ま、意識はまだ戻らないがね」

    「…ッ」

    ―――いちいち、癪に障る言い方をする野郎だ。

    紳士「早く治るよう、私も全力で努力をしよう。でないと、君の会社も大変だろう?ふははははははははッ!!」

    「ああ、まったくそうです。私に力がないばかりに…」

    ―――親父さえ入院してなければ、こんなクソ野郎に…。

    367 = 339 :

    男友「いやあ、それにしてもこのような場で、総院長にお会いできるとは…。
        数年前から医療だけでなく、福祉も手掛けているとのことで」

    紳士「おお、よく知っておられる。光栄ですな。…なに、ちょっとした慈善事業ですよ。
        病院に児童養護施設を併設して、まあ身寄りのない子どもたちの未来に少しでも光を、とね」

    「………」

    ―――慈善?お前が言うと偽善に聞こえるんだがな。

    紳士「ウチのような大病院だとね、やはり様々な理由で身寄りのない、あるいは引き取り手のいない子どもが出るんです。
        裕福な家庭が多いんだが。そういう家庭だと両親がいなくなれば逆に、引き取り手がいなくなる。
        ま、周囲から疎まれている子どもが多いですからねえ…ふふふ」

    368 :

    どシリアス展開に若干引き気味支援

    369 = 339 :

    男友「なるほど!そういった不幸にして身寄りのいなくなった子どもたちを、スムーズに児童養護施設に入れられると。
        ははあ、病院に併設するには理由があるんですね」

    紳士「なに、今まで私もいろんな人の世話になってきた。社会のための恩返しみたいなもんですよ」

    男友「…あれ?でもそれって病院側としてはまったく儲けなんてないですよね?」

    紳士「はははは!だからボランティアみたいなもの。お金の話じゃなく、本当に社会のためになりたいと思ってね」

    男友「なるほど!さすがです」

    「………」

    ―――どこまでホント何だか。

    371 = 370 :

    また猿か?
    一回食らうと何回も来るからなあ

    372 = 368 :

    レスしてやれば回復が早いんだぜ支援

    373 = 340 :

    wktk紫煙

    374 = 339 :

    紳士「…ああそうそう。男クン」

    「は、はい!何でしょうか」

    紳士「どうだね。そろそろお父様の治療方法を切り替えようと思うんだ。
        ただまあお金はもう少しかかるようになるが、きっと今よりはさらによい治療ができると思うよ?」

    「は、はあ…」

    ―――そうやって貴様の言うとおりにやってきて、治療費は莫大になる一方。意識は全然戻らねえじゃねえか。

    紳士「…そろそろ会社経営を苦しいだろう?ここいらで決めどころだと思うんだがね。…では」

    「…ありがとうございます」

    男友「…いやあ、素晴らしい人間性を秘めた方だな。うんうん!」

    ―――どこがだ、あの偽善野郎め。

    375 = 339 :

    -自宅 夜-

    「…ちっ、予想以上に遅くなったな」

    「今から家に帰って、飯を食って―――」

    ―――飯は自分で作らないといけないか。

    「…はあ」

    ―――気が重い。なぜだ?なぜこんなに気が重いんだ?

    「…ちっ!」

    ―――あのバカ野郎。

    「なんで…なんでそんなことになっちまったんだよ…」




    「お帰りなさいませ。ご主人様♪」



    「―――ッ!?」



    ―――アイツの声が聞こえた。

    376 = 339 :

    「お、おい…ウソだろ!?」

    ―――バカな!アイツは昨夜…俺が!?

    「門扉の向こう…なぜだ!?」

    ―――戻ってきたのか!?

    「お、おい!?戻ってきたの―――」

    「お帰りなさいませ、ご主人様♪本日もお疲れ様です」

    ―――そこにいたのは、アイツに似た、アイツではないメイドだった。

    377 = 339 :

    「え…あ、あの…」

    新メイド「あ、申し遅れました。私、本日より男様の元でご奉仕させていただきます。何卒よろしくお願い致します」

    「あ、ああ…!」

    ―――そういや今朝、今日中って言ったっけ。まさかホントに今日中に来るとはな。

    新メイド「早速ですが、あがらせていただいてよろしいでしょうか?お腹を空かれていますよね?すぐに晩ご飯の支度をします♪」

    「あ、ああ…そ、そうだな…うん」

    ―――俺の家に、新しいメイドが来た。

    378 :

    追い付いた…だと…

    やべぇwktkし過ぎて緊張してきた

    >>1
    頑張れ~!

    380 = 339 :

    -自宅 1時間後-

    新メイド「―――出来上がりました、ご主人様。遅くなって大変申し訳ありません」

    「えっ!?もう晩ご飯できたの!?」

    ―――俺がシャワー浴びてる間に!?速すぎるだろッ!?

    新メイド「もちろん、この短時間で手のかかるものは、私の未熟な力ではできません。
          しかし、料理は工夫と心得ております。本日はパスタをオリーブオイルとバジルで―――肉は牛の―――」

    ―――なんか説明を始めたが、これだけの品数を1時間で作ったのか!?
         しかも合間で俺のシャワーの着替えとタオルまで用意してきやがったぞ!?

    新メイド「―――以上です。それではどうぞ、お召し上がりください」

    382 = 339 :

    「…い、いただきます」 パクッ

    「…美味い。美味すぎるだろ、コレ…」

    新メイド「もったいなきお言葉、恐悦至極に存じます」

    「マジかよ…」

    ―――間違いなく有能なメイドだな。

    新メイド「それではご主人様、私は館内のお掃除を致しますので、ごゆっくりお食事をなさってください」 クルリ

    ―――何だ?何なんだコイツ!?

    「お、おい!?」

    385 = 339 :

    新メイド「はい、何でしょうご主人様?」

    「あ…いや…」

    ―――きわめて有能だ。しかし…。

    「あ、いや…何でもない。行ってくれ。よろしく」

    新メイド「…失礼致します」

    ―――雰囲気は似ている。しかし別人だ。何より有能すぎる…でも…でも。

    「………」

    ―――なんだ、この落ち着かない気分は。

    386 :

    なんで一人でながながやってんの?

    388 = 368 :

    >>1のクオリティが他の追随を許さないからさ

    390 = 356 :

    >>386
    これがさるべきちゃんとした流れ

    391 = 339 :

    -自室 深夜-

    「………」

    ―――その後の振る舞いも新メイドは完璧だったな。

    「これほど有能なメイドが他にいるのか?」

    ―――いや、アイツと比べると、そう感じるだけなのか。

    「…はあ」

    ―――なんだろう。何不自由ないメイドだ。満足に値する仕事なのに。

    「…なのに」

    ―――なぜ俺はこんなに気が重いんだろうか。

    コンコン

    「あ、はい」

    新メイド「失礼してもよろしいでしょうか」

    392 = 368 :

    おっと
    時空を超越しちまったぜ

    393 = 290 :

    >>1支援!

    勝手に>>333あたりのチャーハン作るメイドさんイメージ

    394 = 356 :

    >>393
    ウマー

    395 = 339 :

    「なんだ?今日の仕事はもう終わりでいいぞ?使用人部屋が空いているだろう。そこを自由に使っていいから―――」

    新メイド「ご主人様…」 スルリ…

    「お、おい…何をッ!?」

    新メイド「…私に、ご主人様の夜のお供をさせていただけませんか?」

    「は、はあ!?」

    ―――いきなり脱ぎ始めて何をッ!?

    新メイド「メイドですから…もちろんご主人様の慰み者でございます。ふつつか者ですが…よろしくお願い致します」 スルスル…

    「あ…え…いやその…!?」

    ―――何ッ!?至れり尽くせりの後で何なんだこのすンばらしい展開は!?

    396 = 310 :

    >>393
    クオリティ高すぎw

    397 = 339 :

    新メイド「ご主人様ぁ…」 スルッ…ギシッ…

    「あ、あの…!」

    ―――アイツに似ている女が、俺の前にいて、それで…。

    新メイド「ご主人様、私を…抱いていただけませんか?」 ギシッ…ギシッ…

    「う…あ…」

    ―――ああ、なんか頭の中がぼんやりしてきた。そうだよな。メイドだもん。>>104で男友も言ってたし。

    「それもいいか―――」




    『ご、ご主人様、それは…ハア…ハア…それだけは…ヒイ…ハア…ダ、ダメですっ!』 




    「―――ッ!?」

    398 = 339 :

    新メイド「…ご主人様?」

    「…ん、あ…いやすまん。実は今日ちょっと体調が悪くてな」

    新メイド「は、はあ…」

    「別にお前が嫌いなわけじゃない。ただ今日は…ちょっとその…寝かしてくれないか?疲れているんだ」

    新メイド「…分かりました。では」 シュルリ…

    新メイド「…おやすみなさいませ。お大事になさってください」

    ギィ…バタン

    「…はあ」

    ―――なんで俺はアイツの声を思い出したんだろうか。

    399 = 310 :

    メイドたん・・・

    400 = 339 :

    「………」

    ―――なんかこの1日、すっごくいろんなことがあった気がする。

    「新しいメイド、優秀だよな」

    ―――なのになぜ心は晴れないのか。

    「…寝るか」

    ―――何も俺は間違ったことはしていないはずなのに。

    「…寝れるかね?」

    ―――どうしてこうも不安に思うのだろうか。



    ―――――
    ―――


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