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    元スレ新ジャンル「妹ストーカー」

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    401 = 319 :

    「そこかッ!止めろ!その手を離しやがれッ!」

    「………?」

    ―――暗くてよく見えないが、男と思しきシルエットが女と思しきシルエットに重なっている。

    「止めろおおおおおおおッ!!」

    ―――叫びを上げる!しかし聴こえているのかどうか、確証はない。

    「ちくしょうがッ!」

    ―――俺が2人のシルエットのもとへ走り出した瞬間、女のシルエットが動き出した。

    「ダメだ!そっちは…そっちはッ!!」

    ―――女のシルエットは声にならない叫びを上げて、屋上の端へと駆け出した。

    402 = 319 :

    「―――っ!」

    ―――精一杯手を伸ばして女のシルエットのもとへ走る。

    「―――っ!」

    ―――わかっていた。俺は絶対に間に合わない。

    「―――っ!」

    ―――それでも俺は手を伸ばして駆け寄る。
         だが、女のシルエットは屋上の端から中空へと舞い上がった。

    「ああああああああああああああああああああああああああッ!?」

    『お兄…ちゃん―――』

    ―――直後、遥か下の地面から形容しがたい鈍い音が反響してきた。

    403 = 319 :

    「ぎゃはははははははははははははっ!!」

    ―――傍で悪魔のような男が狂ったように笑い続けている。
         まるで俺を嘲笑っているかのように。

    「ちくしょう…この鬼畜野郎がああああああああッ!!!」

    ―――俺は手に持っていたサバイバルナイフで悪魔を一突きした。

    「ひゃははははははははははははッ!!」

    ―――だが悪魔は血を流すこともなく、ひたすら笑い続けていた。

    「なぜだ!?なんでなんだよおおおおおおッ!?」

    「無駄だ。お前には俺を殺せないよ?」

    ―――何度刺しても悪魔はまったく死ぬ様子はない。

    「―――っ!―――っ!」

    「そう、お前は死ぬまでこの呪縛から逃れることはできないんだ」

    ―――俺はひたすら、ただひたすら悪魔を刺し続け、悪魔はただひたすら笑い続けた。


    ―――――
    ―――

    404 = 367 :

    え、何、まさかの兄厨二篇スタート?

    405 = 319 :

    -10月12日朝 自宅-

    「あああああああああああッ!?」 ガバッ

    「ハア…ハア…」

    ―――夢…?今のは夢だったのか?

    「く…うう…」

    ―――今の生々しい感触が…夢、なのか?

    「ちっ…何なんだよ一体…」

    ―――まあいい。今の夢なんだ。忘れよう。今のは確かに夢なんだから。

    406 = 319 :

    「おい」

    「おいいるのか?おーい」

    ―――あのストーカー野郎はもう俺の家に住み着いている。
         もうほとんど本物の肉親と同じようなものだ。馬鹿馬鹿しい話だがな。

    「いないのか?おーい!」

    ―――変だな。どこからも気配がしない。

    「おかしいな。今日はどっかに用事があったのか?」

    ―――久しぶりに1人の朝食か。まあそれもたまには悪くないだろう。

    407 = 319 :

    ガチャッ

    「行ってきまーす」

    ―――誰もいないが、あのストーカー野郎のせいでいってきますを言う癖がついちまったな。

    「俺もつくづくバカなもんだ」

    ―――まあいい。そのうち戻るだろう。

    おばちゃん「あらアンタ、おはようさん」

    「おはよっす」

    ―――2軒隣のおばちゃんは毎朝必ず掃除をしている。
        見た目と口は悪いがとても気さくで優しいおばちゃんだ。そうだ、一応聞いておくか。

    「おばちゃんさあ、アイツ見なかった?」

    408 = 319 :

    おばちゃん「ああん?ああ、妹ちゃん?」

    「そうそう、朝からいないんだよ。どっか出掛けたりしてなかった?」

    ―――正確にはまったく妹ではないが、もう周囲は妹で認知しているからな。

    おばちゃん「知らないね。わたしゃ見てないわ」

    「そっか…」

    ―――朝から2時間も外の掃除をするおばちゃんが見てないだと?
         いつから出掛けたんだ?

    おばちゃん「どうしたんね?」

    「いやまあ、別に…じゃ」

    おばちゃん「気をつけなよ!」

    ―――あのストーカー野郎、マジでどこへ消えたんだ?

    409 = 319 :

    -学校-

    男友「うっす」

    「おう、おはよ」

    男友「宿題やってきたか?積分の鬼のような問題」

    「あ、いけね」

    ―――そういややってねえな。昨晩もあのストーカー野郎はいなかったからな。
         そういや俺、アイツなしで宿題やったことねえな。

    男友「ったく、お前最近宿題忘れてきたことなんてなかったじゃねーか。
       どうしたんだ、一体?俺はお前の宿題頼りにしてんだぜ?」

    ―――勝手にすんなよ。

    413 = 286 :

    414 = 319 :

    担任「おい、男。ちょっと職員室に来い」

    男友「呼ばれてるぜ?」

    「ちっ…何だよめんどくせーな」

    男友「お前なんかしたか?」

    「いや、何にも」

    男友「じゃあ別にただのお話じゃね?」

    「何の話だろ…」

    男友「…お前さ、本当に何もないの?」

    「しつこいな。ないって」

    男友「そう、か…」

    ―――なんだよ、何か文句あんのかよ。

    417 = 319 :

    担任「まあそこへ座れや」

    「なんすか?俺、別に何もしてないっすよ?」

    担任「いや、別にそういったことじゃない。その…なんだ、調子はどうだ?」

    ―――はあ?

    「どうって…何がっすか」

    担任「いやまあ、変わったところとかはないか?」

    ―――何なんだよ担任まで。

    「いえ、別に…それが何か?」

    担任「いや別に深い意味はないんだ。まあ何もないならそれでいい」

    419 = 319 :

    ―――何が言いたいんだよ。

    担任「…よし、もう戻っていいぞ」

    「戻っていんすか?」

    担任「ああ、ちょっと確認したかっただけだから」

    ―――何の確認だよ。

    「はあ、じゃあまあ…」

    担任「何かあったらすぐ言えよ」

    「失礼します…」

    ―――結局何で俺を呼び出したんだよ?意味分からん。

    420 = 319 :

    担任「あ、そうだ。今日な、転校生が来るんだ」

    「転校生…?」

    ―――こんな中途半端な時期にか?

    担任「その、なんだ…まあ仲良くしてやってくれ」

    「俺がですか?」

    担任「あ、いや…まあお前もってことだ」

    ―――なんだそのいちいち何かを隠しているかのような話しぶりは。

    「はあ…」

    担任「じゃあな、またクラスで」

    ―――転校生…まさかな。

    421 = 319 :

    -教室-

    担任「あー、今から転校生の紹介をする。ええと、入りなさい」

    「初めまして、私、家の都合で急遽引っ越してきました。どうぞよろしくお願い致します」

    「………」

    ―――気のせいか。見たことも聞いたこともないやつだな。
         それにしても何というか年相応の外見のわりに雰囲気が老けてるのは気のせいか?

    担任「ええっと女さんは…そうだな、男の隣にでも座ってもらうか」

    「は?」

    担任「おい、男。あとは頼むぞ」

    「おいおい…」

    ―――さっきの話はこういうことか。

    422 = 300 :

    しえん

    423 = 319 :

    「はじめまして、隣よろしくね」

    「あ、ああ…こちらこそ」

    「私、何も分からないから色々教えてくれると助かるな」

    「まあ俺の知っている範囲なら」

    「ありがとうっ」

    「はあ…」

    ―――ふーん、結構かわいいな。あのストーカー野郎とは大違いだ。
         こっちの方が清楚でキレイな感じ。アイツはウルサイ。

    「ん…?」

    ―――あれ、俺は何で初対面の女とストーカー野郎を比べたんだ?

    424 = 324 :

    さるよけ

    426 = 319 :

    -昼休み-

    「ふああああ…」

    ―――眠いな。あのストーカー野郎は昼休みでも俺の近くに現れたからこんな静かな昼休みは久しぶりだ。

    「それにしても…」

    ―――結局ずっとアイツを見ていない。最後に見たのは…昨夜か。
        福引して帰って肉じゃが食って寝る時まではいたよな。

    「俺が寝てから夜のうちにどっかへ出掛けたのか」

    ―――そんなこと、ここ何週間はなかったことだな。

    「一体何をしにどこへ行っているんだろうか」

    「あ、男クンだぁ♪」

    427 = 319 :

    「ん?ああ、転校してきた…」

    「そうそう。ねえ、隣でお昼食べてもいい?」

    「ああ、別に構わないけれど…」

    「ふふ、ありがと。まだ慣れてなくてね、気楽に喋れる人ができてよかった」

    ―――まだ俺ともそんなに喋っていないと思うが。

    「色々と教えてね。この辺のこととか」

    「あ、ああ…そういやどこに住んでるの?」

    428 = 319 :

    「えっとね、大きな公園の近くにアパートあるでしょ?」

    「公園…近く…あれ?もしかして2階建ての?」

    「そうそう!あそこ」

    「ええッ!?俺もそこに住んでるって!偶然じゃん。何号室?」

    「106号室!男クンは?」

    「ええええええッ!?107号室!隣りじゃん!」

    「わあっ!すっごい偶然だねっ」

    「こんなことってあるもんだなあ」

    ―――こんなことってあるもんなのか?本当に…。

    430 = 338 :

    展開が読めないぜwktk

    431 = 319 :

    「じゃあさじゃあさ、お隣さんだね。改めましてよろしくお願いいたします」

    「うん、こちらこそ」

    「あ!せっかくだしメールアドレス交換してもいい?」

    「いいぜ。じゃあ赤外線通信っと」

    「うんOK!あ、そうそう。買出ししたいんだけど、アパート周辺で安くて品揃えのいいところ、ある?」

    「あるよ。俺も今日買い物行くから、一緒に行く?」

    「わあやったぁ♪ぜひオトクな情報教えてね」

    「おう!じゃあ、放課後一緒に行こうか。あそこ、夕方になるとなぜかセールするんだよ」

    「へえ!そうなんだー!」

    ―――なんかいきなりいい女友達ができてしまった。何かツイてるな俺。
        でも…アイツ、本当にどこへ行ったんだろうか。

    433 = 319 :

    -放課後-

    「…はあ」

    ―――結局アイツは1度も学校では姿を見せずか。まあそれが本来は普通なんだが。

    「男クン♪」

    「おおそうだそうだ」

    ―――そういや近所のスーパーへ案内するんだっけ。

    「ねえ…何かいま、考え事してた?」

    「いやいや、別に何でも」

    ―――ストーカー野郎が現れなくてせいせいしていたところだ。

    「そう?ならいいけど…」

    「じゃ、行くか」

    「うん」

    ―――あのストーカー野郎以外とデート気分なんて本当に久しぶりだな。

    434 = 319 :

    -スーパーマーケット-

    「わあ、結構大きいんだね」

    「ああ、ここなら大概のものは安く手に入るから一人暮らしには便利だぞ」

    「うん、そうっぽいね」

    「あとな、ここは福引やってるんだ。たぶん今日もやってるから、レシート取っとけよ?
       1等賞はペアのディ○ニーだぜ?」

    「いいなあ♪分かった、レシート取っとくよ」

    「お、今日もあの店員さんいるな。うんやってるやってる」

    「当たるといいなあ」

    「だな」

    ―――昨日はこの会話、あのストーカー野郎としてたんだっけ。

    「あ、ちょっと俺トイレ行ってくる。ここで待ってて」

    「うん、そこの服屋さん見てるね」

    435 = 319 :

    「トイレは…福引所の前か」

    「うっす、昨日も引いたけど今日も福引するからよろしく頼みますよ」

    店員「ああ、お客さん昨日の…」

    「そうそう。今日こそ当てるからな!」

    ―――当たるといいな、あの子に行けたら…ちょっと下心出すぎか。

    「当たるようにしといてくれよ―――」

    店員「…へえ、今日は『4号の人』、違うんですね…(ボソッ)」

    「えっ…?」

    ―――『4号の人』…?

    436 = 319 :

    「えっと…今何て?」

    店員「いえいえ、何でもありませんよ」

    「はあ…」

    ―――何だろう、聞き間違いか。

    店員「ふふ…ふふふふ…お客さん、本当に何も覚えていないのですか?」

    「――――ッ!?」

    ―――その店員の笑い顔を見た瞬間、猛烈な眩暈と吐き気を覚えた。

    「うぐッ!?」 ダダダダダダダダダッ

    ―――トイレ、トイレへっ!

    店員「………ニタリ」

    437 :

    「お兄ちゃんどいて!そいつ殺せない! 」はまだ?

    438 = 319 :

    「お、お待たせ…」

    「どうしたの…?だいぶ遅かったけど」

    「あ、いやあちょっと福引所の人と立ち話をしてて…」

    「そう?顔色も悪そうだけど…無理しないで帰ってくれても」

    「いやいや、気にしないで。大したことじゃないから」

    「う、うん…」

    「さあ、行こうか」

    「うん…いいけど…」

    ―――体調よりもなぜか妙に引っかかる。『4号の人』って一体何だったんだ?何が違うんだ?
        そして…先ほどの強烈な『何か』は一体何だよ…?

    439 = 338 :

    何がどうなってるのか

    440 = 319 :

    -夜 アパート自室前-

    「ふう、やっと着いたな」

    「結構買い込んだね」

    「だな。君の荷物も家の中に運んであげるよ」

    「えっ!?いいよいいよ!自分のは自分で運べるし!男クンも大変でしょ!?」

    「まあまあ気にしない気にしない。運んで入れるだけだから」

    「あ、ちょっと…」

    「じゃあちょっとだけお邪魔しまーす」

    ガチャッ

    「入っちゃダメッ!!!」

    「えッ!?」

    441 = 286 :

    これは…

    442 = 319 :

    「あ、いや…その…大丈夫だからさ」

    「ご、ごめん俺もついなんか…」

    「いいの、大声出してごめんね」

    「いやこちらこそ…」

    「………」

    「………」

    「あ、あはははははっ…」

    443 = 319 :

    「じ、じゃあまあこれからもお隣さんということで、ひとつよろしく頼むよ」

    「う、うん、こちらこそどうぞよろしく」

    「じゃあね」

    「うん、また明日」

    キィ バタム…

    「ふう…」

    「…ただいまー?」

    シーン…

    ―――やっぱりあのストーカー野郎はいないんだな…。

    444 :

    ===「ビーハーブ祭り」の顛末===
    長生村の九十九里浜沿いにあるBee Hive(ビーハイブ)というラーメン屋を
    酷評する記事をアップした個人ブログに対し、ビーハイブ店主、弁護士事務所、
    近隣住人、常連客などを名乗る非難の書き込みが殺到。
    現在111のコメントが書き込まれ、炎上間際の状態になっている。
    店主と名乗る人物はレシピ等を具体的かつ詳細に提示していることから、
    書き込んだのは店主本人または関係者に相違ないと疑われ、
    記事URLが2ちゃんに晒された。
    http://blogs.yahoo.co.jp/arapro7/50879559.html

    ビーハイブとはこんな店
    http://yae.bitter.jp/chiba_tyousei-mura/beehive/beehive.htm
    らーナビのアクセスランキングでは、
    あの「とみ田」についで千葉県ナンバー2!

    445 = 319 :

    「………」

    ―――昨日までいたあのウルサイ妹ストーカーは今日なぜか影も形もない。

    「一体何だってんだよ」

    「今日は何か色んなことが立て続けに起こるな…」

    ―――悪夢を見た。ストーカーはいない。学校へ行くとみんなよそよそしい。
         女が急に隣の部屋に引っ越してきて仲良くなる。スーパーで急に体調が悪くなる。

    「偶然なのか…?」

    「偶然、なんだろうな…」

    447 = 319 :

    ―――買ってきたジュースを取り出し、テレビをつける。

    「………」

    ―――何か落ち着かないな。もしかして俺は寂しいんだろうか。

    「違う違う!ないない、それはないって」

    ―――もしかして自分に必死で言い聞かせている?

    「ちっ…何かあるなら言ってから出て行けよな」

    「………」

    「…あの写真、どこに行ったかな?」

    448 :

    追いついた
    しえん

    450 = 286 :

    猿か


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