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    元スレ新ジャンル「強がりな寂しがり屋」

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    551 :

    移動先で携帯から様子見よ言うとしたけど電波悪杉;
    スマソ、ただいま;
    大学編乙だぜ^^ 続き投下~


    (二日後 昼前)
    「母さん、おかえり」

    「ただいま、元気でやってた?」

    「うん。荷物持つよ……タバコ、止めた方が良いよ?」

    「居間までお願いしようかな……タバコくらい見逃して」

    「……お昼まだだよね、すぐ食べる?」

    「そうしようかなー……わー、スパゲッティーだ」

    「お母さんが好きなものを作ってみたんだ」

    「そーなんだー。うんうん、いい息子を持って私は幸せだよ」

    「私もー」

    「うんうん、妹ちゃんもよく頑張ったー」


    「ねえ、母さん、晩ご飯食べるよね?」

    「外食してもいいんじゃない? ホテルの展望レストラン、予約とろうか?」

    「いや、いいよ……もう材料用意してあるから、うちで食べようよ」

    「あら、そうなの? じゃあ、そうしようかな」

    「あのさ、知り合いも誘っても大丈夫?」

    「いいよー、10人でも20人でもよんじゃになさい♪」

    「……クラス全員呼ぼうか?」

    「床抜けるから駄目―」

    552 = 14 :

    (夕方)
    「お、お邪魔します……」

    「……」

    「あ、あの……?」

    「母さん、女っていって、一緒のクラスなんだ」

    「はぁ……」

    「……えと……あげてもいいんだよね?」

    「……スリッパとってくるね」ポロ ←タバコ落とした

    「わっ!? !! あつぅ!? せっかく掃除したのに!?」


    「……彼女なの?」

    「まあ……」

    「……いつから?」

    「本当に最近だよ……知り合ったのはもう少し前からだけど」

    「ふーん……うふふふふふ……男がねー、うふふふふふふ」

    「よ、よろしくおねがいします……」

    「愚息はふつつか者ですがよろしくー」

    「……なんか悔しいな……」

    (このひとが『お母さん』か……良いわね)

    553 = 14 :

    「ねえ、男」

    「ん?」

    「女ちゃんとはどこか行ったの?」

    「……いや、どこへも……」

    「ふーん……へーぇ……」

    「……何?」

    「私らは高校の時、北海道まで行ったけどねー」

    「……高校違うんじゃなかったっけ?」

    「まぁねー……女ちゃんは行きたいと思うよね?」

    「え? あ、その……私は……」

    (すごく行きたい……)

    「あ、でも一応親御さんに連絡はしないとね」

    「……はい」

    「……あれ? どうしたの?」

    「まあ、ちょっと……」

    「あ、夜が怖い?」

    「!!!?」

    「か、母さん何を――」

    「大丈夫、男はそんな度胸ないって、今どきエロ本もエロDVDも持ってないんだから」

    「何の関係があるの!?」

    「そうなの?」

    「ないけど……その憐れむような視線は凶器だね……」

    「ないんだー」

    (……生活費が心配で余裕ないんだよね……ははは……)

    554 = 14 :

    (食卓)
    「お待たせー、ゴルゴンゾーラとトマトのリゾット(もどき)でーす」

    「おー……なんか、ヨーロピアンな」

    「こっちも(なんちゃって)ミネストローネできました……重いわね」

    「手伝うよ」

    「あらあら、オシドリ夫婦」

    「か、母さん……」

    「お兄ちゃん、トマトサラダもって行っても良ーい?」

    「うん、気をつけてね」

    「はぁーい――」

    「ちょっとストップ、ねえ男」

    「え?」

    「なに、このトマトの大群は……」

    「今日は店長の気まぐれセールとかで、夏野菜が格安だったから、
      女と妹と一緒にお一人様5個まで買って、大量に買ってきたんだ、お得でしょ?」

    「なるほどー(トマト好きじゃないんだよね)」

    555 = 14 :

    「でも二人とも仲良いよね」

    「なんで?」

    「だって、料理してる時後ろから眺めてて、何だか新婚みたいだったんだもん。
      昔を思い出しちゃった」

    「し、新婚……」

    「女が困ってるじゃないか……」

    (ふふふふ……新婚、いいわね……お父さんもお母さんも、こんな風だったのかな……)

    「あはははは、ごめんごめん」

    「もう……食べたならお皿下げちゃうよ」

    「あ、私も手伝うわ」

    「……本当に仲良いね、結婚しちゃえー」

    「母さん!」

    「あはははははは」

    (これは、義母さんの公認を得たということでいいのかしら……)

    556 = 14 :

    「母さんも夏休み?」

    「そうだねー」

    「父さんの所へはいつ行くの?」

    「お盆ころかなー……切符格安で手配してもらったから、ゆっくりできるしねー」

    「そうなんだ、じゃあ準備とかしておかないとね」

    「あの、お母さん……あ!?」

    「へ? 私?」

    「あ、その、おばさん……」カーッ

    「あはははは、もうお母さんって読んじゃえー」

    「母さん……どうしたの、女?」

    「え? あ、リンゴ剥けました……」

    「おー、気がきくねー……じゃあ、代償として男について何か情報を提供しよう」

    「なっ、何言ってんの!?」

    「むー……」

    「女も迷わないで……」

    「あ、ごめんなさい……」

    (お母さんと随分と会ってないから、つい『お母さん』なんて……恥ずかしいわね……)

    557 = 14 :

    (男部屋)
    「講習も終わって、一段落だね」

    「ええ、そうね。
      ……ねえ、どこかへ行ってみない?」

    「……旅行ってこと? 女、どこか行きたいところある?」

    「どうかしら」

    「外国とか、飛行機使うところは無理だけど……
      海でも山でも、行ってみたいところ、ない?」

    「……どこへでも行きたいわ。
      私は、県境を越えたことがあるのは、修学旅行くらいだから……」

    「……だけど、どこが楽しいのか、よく知らない……。
      男が行きたいところへ行きたいわ」

    「探してみようか?」

    「できるの?」

    「旅行代理店もあるし、インターネットでも見られるよ」

    「お願いしようかしら」

    「うん」

    558 = 14 :

    (翌朝)
    「クー……クー……」

    「ブランデー半分飲んでつぶれちゃってる……」

    「二日酔いするかもしれないから、何か用意しておくか」

    「……じゃこ唐辛子かな」

    「二日酔いの原因はアルコールを分解した後のアルデヒドらしくて、
      唐辛子とかハバネロで血行を良くしてやれば安らぐらしい、
      昔みの○んたさんが言ってた」

    「あとで旅行先調べてみよう」


    「……」カチ

    「一泊32,500円か……バス代往復21,000も厳しいね……やっぱり遠出は無理かな……」

    「……女も美味しいもの食べたいよね」

    「……」

    ……

    「……こういうところの料理って、美味しそうだな……」

    ……

    「足攣った……」

    ……

    (女宅)
    「……一緒に旅行……♪」

    『女友ちゃんは、夏休みどこかへ行くの?(^^』

    559 = 14 :

    「買い忘れたもの買うついでに、旅行会社のパンフレットも見てみるか……」

    「……まだスーパーは開いてないか……先にご飯食べよう……」

    ……

    「キャンプとか、釣りは興味ないんだよね……。
      この辺りかな……」

    「ついでだから、何か食材買って行こう……あ、今日は一人卵98円だ……。
      妹連れてくれば良かったかな……」

    「あら、男……」

    「あ、おはよう。朝から買い物なんだ」

    「ええ……講習の間、忙しくてほとんど買い物に言ってなかったから、
      冷蔵庫の中がすかすかよ」

    「そうだったんだ。
      あ、そうだ……お昼食べるついでに、うちで旅行先探そうよ」

    「いいわね、そうするわ」

    「じゃあ、買い物だけ先に済ませようよ」

    「ええ」

    560 = 14 :

    「素麺も買っておこう」

    「お昼、何か食べたいものあるかしら? 私が作るわよ」

    「そう? 頼んじゃおうかな」

    「ええ。何が良い?」

    「うーん……あっさりめで何かできないかな?」

    「そうね……春雨サラダはどうかしら?」

    「じゃあ、春雨買って行こうよ」

    「ええ」

    「……女って、変わったよね?」

    「そうかしら?」

    「だって、初め教室の前であったときは、あまり笑ってなくて、
      俺は女に嫌われてると思ったもん」

    「そんなことないわよ……今笑ってるのは……たぶん、嬉しいからよ」

    「……かわいい」

    「え?」

    「さ、さーて、フルーツゼリーがあれば妹喜ぶかなー!?」

    561 = 14 :

    (男宅 昼食後)
    「あ、男、これは?」

    「おー、安いし、風景がきれいだ、ご飯もおいしそう」

    (……山と麓を一望できる温泉郷、って……女って渋いな……)

    「夕方に温泉に行くとして、昼までに途中の観光スポットがあれば時間が潰せるわね」

    「そうだね」

    (渋い、渋すぎる……もっとほら、遊園地とか、ショッピングモールとか、ないの?)

    「あのさ――」

    「この時期の遊園地は混んでて楽しめそうにないものね。
      一緒に居るなら、ゆったりと過ごしたいわ」

    「ははは……さいですか」

    「?」

    「いや、何でもないよ、気にしないで。
      値段も――」

    「一泊8,500円、なんとかできそうね」

    「だね」

    562 = 14 :

    「……じゃなくて」

    「え?」

    「ごめん、何だって?」

    「え? なんとかできそうってこと? 内職と節約で浮いたお金でなんとかって――」

    「じゃなくてじゃなくて、『一泊』?」

    「……? ……!? あ、違う、他意はないのよ!?」

    「いやいやいや、ないのは分かるけども、一応ほら、まだ学生だしね……」

    ……。

    「……あ、この部屋暑いわね、窓あけるわよ」

    「うん……」

    (日帰りを想定してたんだけどな……)

    563 = 14 :

    (泊まりかー……悪くはないんだけどね。
      男友とか、他の人はどうなんだろう……気にしてないのかな)

    『男友は夏休みどこか行った?
      それとも、これから行くの?』

    (ブーブーブー)
    男友『俺は今海に居るぞ、嫁と』

    『いやいや、海って……日帰り?』

    (ブーブーブー)
    男友『いや、2泊目で明日帰る予定だぞ』

    (あ、そう……仲のよろしいことで……
      てことは、泊まりを前提に話したのも、女友さんから事情聞いてたな……)

    (泊まりかー……まあ、やましい気持ちがあるわけでもないんだ……。
      恋人同士、思い出作りってことでいいのかな……)

    カチ・・・カチ・・・カチ・・・

    「あー、なんか、日帰りのコースはないみたいなんだけど、どう、女?」

    「まあ、いいんじゃない……?
      旅行は楽しそうだし、ご飯もおいしそうだし……」

    「男と居られるならそれはそれで嬉しいわけだから」ボソボソ

    「なんて?」

    「何でもないわ……早く申し込みましょう」

    「うん」

    (……母さんにはなんて説明しよう……)

    564 = 14 :

    「……え?」

    『切符の手配間違えたみたいで……
      二人分しかなかったの、妹ちゃんを独りにはできないでしょ?』

    「じゃあ、帰省ラッシュ終わるころに俺も切符買って父さんの所へ行くよ……」

    『それがね、お父さんは夏休み明けたらドイツへ出張なんだって』

    「さいですか」

    『だから、今回はお父さんの所へ行くのはやめて、
      冬休みに会おうってことになったんだけど――』

    「……母さん、相談なんだけどさ――」


    『ああ、なるほど……
      そういうことなら許可するけど、女ちゃんの方の親御さんには連絡入れるようにね?』

    「うん」

    「計画通り……いや、運が良かっただけだけど……」

    「父さんも母さんも、会ってないのは苦痛だよね……
      最近女を見てて思ったんだけど」

    「女はどうかな?」

    『親の許可は得たよ、女は大丈夫?』

    (ブーブーブー)
    『忙しくて連絡とれないみたい(ToT
      いつものことだから、たぶん大丈夫だと思う
      せっかくだから、思いっきり楽しもう(^o^*』

    「……いいのかな……」

    565 = 14 :

    (旅行当日)
    「じゃあ、行ってくるね」

    「ばいばい、お兄ちゃん」

    「うん」

    「あ、そうだ……男、信用はしてるけど……くれぐれも変なことはしないように」

    「うん(むしろ母さんの信用しすぎなところが問題なんじゃないかな、と……)」

    (バス停)
    「高速バスなんて初めてだけど……」

    「特急とか、新幹線と変わりはないでしょう?」

    「乗ったことある?」

    「……新幹線に一度だけ……」

    「まあ、なんとかなるよ、きっと……ほら、あれだ」


    「窓側座ってよ」

    「ええ、ありがとう」

    「……」

    「……」

    「近いね?」

    「嫌?」

    「いや、全然……」

    「ふふふ……」

    566 = 14 :

    「女、もう着くよ」ユサユサ

    「――。あ、寝てたみたい……ごめんなさい」

    「ううん、ほら、準備しよう?」

    (寝言で呼ばれた時は焦ったよ……後ろから笑われてるし……)

    (……まあ、寝顔は……うん、眼福、眼福……)


    「ここからはどう行くの?」

    「ローカルでバスを乗り継ぐみたいだけど……」

    「時間はあるの?」

    「まあね」

    「……じゃあ、旅館まで歩きましょう」

    「そうだろうと思ったよ、うん、そうしよう」


    さて、どういうところを歩かせようか……
    注文ありますか?
    イメージは静かな温泉旅館なので、でかい観光名所とかは無理だけど、
    そういう場所でイメージ合えば参考にしたいと思う;

    567 :

    険しい山でお願いします

    568 = 33 :

    乙だぜ

    和みがあればよし

    てか俺のID、FAXだった

    569 :








    ゲーセンとかは?

    570 = 547 :

    公園がいいな

    もしくわ風景のいい寺でお参りとか

    571 :

    >>570
    夏の公園はホームレスのたまり場だぞ

    572 :

    ならお寺で恋愛成就のお参りだな

    573 :

    >>571
    恋愛成就なら神社でも良いね

    温泉郷なら普通に店あると思うぜ

    雰囲気が田舎?なんでひまわり畑とかあるとロマンチックかなとか



    まあ>>1に従うさ
    エロなしで!!

    574 = 571 :

    夏休みなら花火やんなきゃ

    575 = 573 :

    ごめん、安価ミスった
    >>572

    逆パターンキボン

    576 :

    >>572に全面的に合意

    577 :

    続き投下~
    鈍足ですまんよ;
    ただVIPだと早すぎてモチベーション保てないんだ、スマソ;


    「さすが温泉郷だな……」

    「家族連れが多いみたいね」

    「夏休みってのもあるんだろうなー……」

    「とりあえず、コインロッカー借りて、荷物を置いてから行かない?」

    「そうだね」


    「俺は92番、女は91番だね?」

    「ええ」

    「人が多いから、はぐれないようにしないとね」

    「そうね」


    「……言ったそばからはぐれてしまった……」

    578 = 14 :

    「男、待ってよ――」

    他人「はい?」

    「え?」

    他人「……どうも」

    「す、すいません、まちがえました……」


    「男ー、どこー?」

    「……いい年して迷子とは……」

    「……」

    「ママー、どこー?」

    「!」

    「ママー……グスッ」

    「どうしたの? お母さんとはぐれちゃったの?」

    「……うん……」

    579 = 14 :

    「いい年して迷子とは……まいったな……」


    「あ、女……おーい、女」

    「あ、男」

    「だぁれ?」

    「私の……か、彼氏……」

    「かれし?」

    「どうしたの、その子?」

    「迷子みたいで……」

    「ふーん……一緒に探そうか?」

    「そうね」

    580 = 14 :

    (無事、親を見つけることができました)
    「見つかってよかったねー」

    「そうね、見知らぬ場所で独りぼっちなのは辛いのよ?」

    「……今は辛いの?」

    「……全然」

    「よかった」

    「……だけど――」

    「ん?」

    「……」

    (さっきは、心細かったわね……)

    「……?」


    「男、クレープ食べましょう」

    「ん? うん、買ってくるよ、何が良い?」

    「……バカ」

    「……???」

    (何で一緒に行こうって言ってくれないのよ……バカ、バカ、バカ!)

    「……クレープ半分あげるから、怒ってるなら許してくれると……嬉しい」

    「……そうね」

    (……半分こ……ふふふっ……)

    581 = 14 :

    「後でこの先の公園に行ってみない?」

    「公園なんてあるんだ?」

    「ええ、さっきの子のお母さんが教えてくれたわ。
      一面ひまわり畑で、綺麗らしいわよ」

    「そうなんだ、うん、行こうか」

    「ええ」


    「家族連れ、本当に多いよね」

    「そうね……良いわね――」

    「……」

    「将来、また家族と来れたらいいよね――」

    「あのリンゴ飴、一度食べてみたかったのよねー……何か言ったかしら?」

    「いやー、リンゴ飴だよねー、よーし買ってこよう! 女は待っててね!!」

    「……バカ……」

    582 = 14 :

    「本当に一面ひまわりだらけだね……」

    「ええ」

    「ひまわりで迷路なんて作ってるんだ」

    「面白そうね」

    「やってみる?」

    「そうね」


    「どっちが早くゴールできるか競争しようよ」

    「え?」

    「よーいドン」

    「……男ー……」

    583 = 14 :

    「調子に乗りすぎた……」

    「本当は家族連れが羨ましくて、ついうっかり女と家族のことを考えて……」

    「その照れかくしだったんだよね……」

    「絶対怒ってるよね……」

    「迷ってないで、捜しに行かないと……」


    「……鞍井ちゃんに、男をシめてもらうように頼もうかしら……」

    「……肩車、羨ましいわね」

    「肩車したら、ひまわり畑を泳いでるように見えるのかもしれないわね」

    「……フフフッ、まあ相手がいなければ肩車どころか、
      おんぶに抱っこもあったもんじゃないですけどねー……」

    「おかーさん、あの人――」

    子母「しっ、早く行くわよ……」


    「……早くしないとマズい気がする……」

    584 = 14 :

    「……」

    「本当にゴメンナサイ……」

    「別に怒ってないわよー、放置なんてよくあったものねー?」

    「返す言葉もございません……」

    「あー、周りのカップルが羨ましいこと……」

    「……ブラック……」

    ~かれこれ15分ほど~

    「まあ、いいわ、どうせ嫌がらせでやったわけじゃないんでしょう?」

    「まあ……(照れかくしです、ゴメンナサイ)」

    「……ねえ、男」

    「うん?」

    「肩車して」

    「……え?」

    「!? そんなに重くはないわよ!! ××kg、普通よ!!(プライバシー保護のため、伏字にしております)」

    「あの、声大きいよ……?」

    「!?」

    585 = 14 :

    「……は、早く旅館に行きましょうか?」

    「……ほら」

    「え? あ、ちょ、ちょっと待っ――」

    「いい? せーの――」

    「だ、駄目――」


    「……どう?」

    「……すごく、綺麗な景色」

    「そうなんだ」

    (たぶん……5分ともたない……)

    「……重くはないかしら?」

    「全然、重労働には慣れてるから」

    「……重労働で悪かったわね……」

    「そういう意味じゃなくて――」

    「ありがとう」

    「え?」

    「……お父さんに肩車してもらうの、憧れてたのよ……」

    「そうなんだ」

    「……」

    586 = 14 :

    「あと30分くらいこうしていようかしら」

    「鬼ですか」

    「駄目よ、罰ゲーム」

    「……了解」

    (そうじゃなくて、周りの目がそろそろ恥ずかしいんだよね……)

    (女って意外と子どもだな……)

    「♪~♪♪~♪~(美女と野獣のテーマとか、そのあたりの曲を鼻歌)」

    「……」


    「おとーさん、僕も肩車やってー」

    子父「こら、あまり見るんじゃない」

    子母「うふふふ、昔を思い出すわね?」

    (助けてください……)

    587 = 14 :

    ――寸劇その3。
    「そろそろいいでしょ?」

    「そうね」サスサス

    「……怒ってる?」

    「むしろ、私は謝る方よね、ごめんなさい」サスサス

    「……」


    カップル「さっきの二人、すごく転んでたでしょー?」

    カップル「はははっ、残念だなー、ワロスワロス」

    カップル「できないから僻んじゃってー」

    カップル「う、うるせーよ」

    588 = 14 :

    「他にどこかみたい?」

    「そうね、特にはないわね……あ」ジー ←看板を見ている

    「じゃあ、チェックインしようか?」

    「そうね、神社に寄ってから行きましょうか」

    「そうだね――って、神社?」

    「ええ、途中にあるみたい」

    「……まあ、ちょっとだけなら時間はあるし……」

    589 = 14 :

    「さっきのひまわり畑、よく見えるわね」

    「そうだね」グビッ ←水を飲んでる

    「柄杓、次貸してね」

    「うん、はい」

    「ありがとう……」コク、コクン

    「あ」

    「え?」

    「……間接キス」

    「!!?」

    「気にしないでもいいのに……」

    「……えいっ」

    「わっ、冷たっ!!」

    「ほーら、ほーら」

    「長寿の水をそんなにかけたら、将来[ピーーー]なくなるって!!」

    「……私より先に[ピーーー]ないようにしてあげるわ、寂しいもの」

    「大人げないって! 一応ちらほらと人いるから抑えようよ? ね?」


    (キスなら、直接の方が――ゴニョゴニョ)

    590 = 14 :

    「おみくじはいかがですか?」

    「女、一回引いてみようか?」

    「そうね」

    「すいません、一回ずつお願いします」

    「どうぞー」


    「中吉だ……失物、すぐにはでない、争事、相手が女なら不利、
      待人、――」

    「吉……恋愛、愛情を信じなさい、出産、安産、産後も順育、縁談――」

    「ちょっとちょっと、ストップ……」

    「何よ?」

    「……恥ずかしい……」

    「……!! あ、それはほら、その――」

    「仲が良いんですね、ふふっ」

    「……ま、まあ」カーッ

    「……」カーッ

    591 = 14 :

    「あ」

    「どうしたの?」

    「病気、心悪くし身を滅ぼす、用心せよ……不吉ね……」

    「俺も、あんまりよくないな……」

    「ご神木に、利き手とは反対の手で結ぶと厄払いできますよ」

    「あ、そうですか」

    「行きましょう、男、不安で仕方ないわ……」

    「そうだね」


    「利き手と反対……こ、う……かしら?」

    (……俺のおみくじのすぐ真横に付けてる……かわいいなぁ……)

    「~~~!! 難しい……」

    592 = 14 :

    「あ、神社も色々売ってるんだ……」

    「……『やまい』が駄目だったんだっけ……?」

    「……すいません、これとこれください」

    「はい、500円になります」

    「あ、袋はいらないです」


    「やっと結べたけど、肩が攣りそうね……」

    「お疲れ様」

    「あ、男……」

    「はい、これ」

    「え? なに、これ?」

    「病気にならないように、お守り、というか……」

    「かわいい、ウサギがモチーフなのね……」

    「動物、好きだったでしょ?」

    「ええ……いくらだったの?」

    「いいよ、俺からの贈り物、うけとって」

    「……じゃあ、明日……私も何か買うわ」

    「うん」


    「……私も早くあんな彼氏ができたらなぁ」

    女>2「……仕事しなさい」ギロッ

    「は、はいっ!?」

    593 = 14 :

    「じゃあ、そろそろ旅館へ行こうか」

    「そうね」

    「帰りは下りだから、少し楽だよね」

    「ええ」


    「……女が嫌じゃなかったらでいいんだけどさ」

    「え?」

    「……手、繋ごうよ」

    「……」

    「駄目かな――」

    「……」ギュッ

    「……女?」

    「は、早く……行くわよ……」

    「……うん」

    594 = 14 :

    (旅館)
    管理人(以下『管』)「若いのに旅行かい、いいことだね」

    「夏休みですしね」

    「私も昔は妻とよく旅行に行ったものだよ」

    「そうなんですか」

    「少女、君は可愛いね」

    「え? あ、ありがとうございます」

    「大事にしてやりなさいよ」

    「はい」

    ~時間間隔が分からないくらい、妻ののろけを聞かされた~

    「温泉は23時半以降と、翌朝の5時半までは利用できないのでご了承ください」

    「はい……」

    「では、ごゆっくり」

    (なんか、疲れた……)

    595 = 14 :

    「7時半から食事だって、それまで温泉に行ってようよ」

    「ええ」

    「216号室だって」

    「何階かしら?」

    「……100の位が階数だよ」

    「へー、そうなの、面白いわね」

    (知らないの、って聞いたら……
      きっと旅行にはあまり言ってないとか返されちゃうんだよね……)


    「……男、聞きたいんだけど……」

    「ん?」

    「ここって混浴かしら?」

    「いや、別々……安心してよ」

    「安心できないわよ、知らない人となんて……不安要素よ」

    (申し込み前に気づこうよ……てか、混浴だったら俺のそばでもよかったわけ?)

    596 = 14 :

    (女湯)
    「……男性が居ないとは言え、服を脱ぐのは恥ずかしいわね……」

    「それよりも、一人の方が不安だわ……」

    「……ラビちゃん、一緒にお風呂入ろうね」←ブレスレットのウサギに話しかけてる

    「……」←……虚しくなった


    「……なれると不安でもないわね……」ザバー

    「隣良いですかー?」

    「ええ」

    「ふー……ここ、景色ええですねー」

    「そうですね」

    「私、関西から来たんですけど、長旅で疲れて……」

    「大変でしたね」

    ……

    「そうなんですか」

    「旦那のクジ運、悪すぎなんですよー、大凶なんて初めて見ましたよー」

    ……

    「あははははは」

    「ふふふふっ」 ←なんだかんだ言って見知らぬ人との会話を楽しんでいる


    「……」 ←そして、むしろこっちが寂しかったり

    597 = 14 :

    「はい、牛乳」

    「あら、ありがとう……」

    「……女」

    「何?」

    「……帯、結び方間違ってるよ」

    「嘘!?」

    「あとでやってあげる」

    「……ありがとう」


    「こんばんはー」

    「あ、こんばんは」

    「部屋となりやったんですねー」

    「ですね」

    「よかったら、あしたも朝風呂行きませんかー?」

    「ええ」

    「知り合いなの?」

    「ええ、まあ」

    598 = 14 :

    「ちょっと、横になるわ」

    「歩き疲れたんでしょ?」

    「そうかもしれないわね」

    「膝枕してあげようか?」

    「……膝が、固そう……」

    「……さいですか……」


    「クー……クー……」

    「……」

    「んふっ……クー……」

    「……夜風に当たってこよう……」

    599 = 14 :

    (外)
    「缶コーヒーなんて、めったに買ったことないや……」

    「……ふーっ……」

    「おや、少年、夜に出歩くなんて不良だな」

    「管理人さん」

    (またのろけられるのかな……)

    「少女はどうした?」

    「寝てますよ、たくさん歩いたから、疲れたんだと思います」

    「そうか、かわいい子じゃないか」


    「少年、あの子を幸せにできてるか?」

    「……え?」

    「はははっ、難しい質問だったな」

    「……?」

    「ちょっと、私と話でもしないかな?」

    「……ええ、いいですよ」

    (一人でいても何もやることないからね……)

    600 = 14 :

    「この宿も、この夏で閉めようと思ってる……」

    「どうしてですか、こんなにいいところなのに……」

    「……妻が、一人きりになってしまうからね」

    「?」

    「7年前に、妻を亡くしてね」

    「そうなんですか」

    「宿の管理がずっとずっと忙しくてね、
      年が増すごとに、妻のことを考える時間が少なくなっていったんだ」

    「妻は、今でも家に一人なんだ、私がそばに居てやらなければならないのに」

    「……」

    「もう世間では定年で、職を引退した老いぼれと言われている年齢にもなるのに、
      妻の笑顔よりも、君たちみたいな若い男女の笑顔に惚れてしまっていた」

    「妻を、おいてけぼりにしてしまっていたんだ……」

    「……」


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