元スレ京太郎「俺が三年生?」淡「えへへ、だーい好き!」
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751 = 1 :
宥「京太郎くーん?」
京太郎「――っ」
姫子「……」
宥「あれ、こっちから声したのに……」
姫子「こがん時に……」
京太郎「静かにしろ、見つかったらまずいだろ」
姫子「……問題あっと?」
京太郎「ありありだろ」
姫子「むぅ……」
宥「お風呂でお背中流そうと思ったのになぁ」
京太郎「……!」ガタッ
姫子「……」ギリッ
京太郎「いてっ」
宥「うーん……あ、お部屋に戻ってるかも」
752 = 1 :
京太郎「……」
姫子「……行きました?」
京太郎「多分な」
姫子「じゃあ――」
京太郎「……俺らも戻るぞ」
姫子「――っ、なしてですか!」
京太郎「バカ、さっきのあれはその……お前をちょっと怖がらせるためにやっただけだって」
姫子「おっきくしてるくせになんば言いよっとですか!」
京太郎「とにかく終わりだ。はい、解散」
姫子「~~っ、こんふうけもん! ひーたれ!」
京太郎「はぁ? 人の気も知らないで好き放題――」
姫子「やけん!」
姫子「押して押して、絶対そっちからすいとーって言わせますから!」
姫子「そいぎ!」
753 = 1 :
京太郎「……すぐにでも言えればいいんだけどな」
京太郎「さて、風呂入ってくるかな」
哩「須賀くん、本当にいた」
京太郎「鶴田から聞いてるっぽいな」
哩「姫子は?」
京太郎「どっか行っちゃったよ」
哩「……なんもされんかった?」
京太郎「いきなり押し倒されたな」
哩「なっ!?」
京太郎「落ち着け、んな大したことは……うん、なかったしな」
哩「そう、姫子があがんこつ言いよったけん……んなっ!」カァァ
京太郎「なんだ、面白い声出して」
哩「そ、そいって……」
京太郎「ん? ……あ、やべ」ギンギン
哩「……私ならよかよ?」
京太郎「……そっとしておいてくれ」
754 = 1 :
哩「じゃあ、一つ質問」
京太郎「ん?」
哩「園城寺と……ら、ラブホ入ったって?」
京太郎「なに話してんだあいつ!」
哩「や、やっぱし本当に……」プルプル
京太郎「あー、待て待て、とりあえず落ち着こう。ほら、ひっひっふー」
哩「ラマーズ法? まさかもう赤ん坊まで!?」
京太郎「飛躍しすぎっ」
――このあと滅茶苦茶言い訳した。
755 = 1 :
寝落ち防止のために寝ます
姫子に関しては……最後に選択肢出すんで、それで正解をひければ
もう最後なんで色々ゆるゆるです
おやすみなさい
762 :
こんばんはー
今回で終わらせたい所存ー
というわけで風呂入ったら始めます
764 :
いよいよ最後か……
765 :
選択肢をミスらないようにしないとな・・・
766 :
んじゃ、始めます
767 = 1 :
怜「お夕飯楽しみやなー」
竜華「うん……」
怜「竜華?」
竜華「なに?」
怜「ん、反応あるならええわ」
竜華「なにそれ」
怜「最近ボケっとしとること多いから」
竜華「そう?」
怜「激辛うどん事件」
竜華「事件て……あれ辛くしたの怜やん」
怜「普通目の前で入れとったら止めるやろ」
竜華「う……」
怜「……そろそろええんやない?」
竜華「ええって、なにが」
怜「なんか溜め込んどるっぽいから」
竜華「そないなこと……」
竜華(他の子が須賀くんのこと好きって言うても、負けへんって思う)
竜華(でも、怜だけは……)
768 = 1 :
怜「そういえば、お風呂でおもろい話聞いたわ」
竜華「だれかと一緒に入ってたん?」
怜「竜華遅いから、白水さんとしっぽりとな」
竜華「白水さんと……おもろい話って?」
怜「うちらが三角作っとるように、向こうも須賀くんと三角関係みたい」
竜華「――っ」
怜「二重で三角関係? あの分やと他にもありそうやけど」
竜華「怜は……気にしてへんの?」
怜「須賀くんやったらそんなもんやない?」
竜華「そか……」
怜「ま、他に取られるのだけは気を付けんとな」
竜華「……」
竜華(うちに、できることは)
769 = 1 :
京太郎「ふぅ……スッキリした」
京太郎「やっぱここの風呂はいいな」
京太郎「色んな疲れが流れてったような気がするぜ……」
セーラ「なんや、須賀やん。おったんか」
京太郎「そういうお前は江口」
セーラ「奇遇やなー。卒業旅行?」
京太郎「アルバイトだ。ここも馴染みの場所だからな」
セーラ「ふーん、竹井おらへんの?」
京太郎「久ちゃんは来てないぞ」
セーラ「そーなんか。ま、そこまでうまくはいかへんっちゅーことか」
京太郎「なんか用でもあったのか?」
セーラ「プロ入りする前に決着つけとこうて思て」
京太郎「愛宕姉あたりも同じようなこと言いそうだよな」
セーラ「は? 洋榎と一緒にすんなや!」
京太郎「なんだ、お前らって仲悪いの?」
セーラ「別に。あいつとはプロでやりあうこともあるからええわ」
京太郎「じゃあ、あいつもプロ入りか」
セーラ「許せんのは……あいつ、一人だけインハイで決着つけて!」
京太郎「……まさか久ちゃんのことか?」
770 = 1 :
太郎(二年の時と違って絡みなかったからなぁ)
セーラ「決着ついとらんのは俺も一緒なのに!」
京太郎「うわぁ……久ちゃんモテるなぁ」
セーラ「とにかく、竹井にふらっとこっち来いて伝えといてや」
京太郎「てかネト麻でいいんじゃねーの?」
セーラ「ネト麻は好かん。生打ちのほうが断然ええわ」
京太郎「まあ、そういうと思ったよ」
セーラ「せや、怜と竜華ってなんか喧嘩しとった?」
京太郎「なんかあったのか?」
セーラ「最近、ちょい空気微妙になる時があんねん」
京太郎「だとしても、お前の方がわかってるだろ」
セーラ「それがな、この前二人で長野行ってからなんや」
京太郎「あの時から? 特別なことは――」
771 = 1 :
京太郎(二年の時と違って絡みなかったからなぁ)
セーラ「決着ついとらんのは俺も一緒なのに!」
京太郎「うわぁ……久ちゃんモテるなぁ」
セーラ「とにかく、竹井にふらっとこっち来いて伝えといてや」
京太郎「てかネト麻でいいんじゃねーの?」
セーラ「ネト麻は好かん。生打ちのほうが断然ええわ」
京太郎「まあ、そういうと思ったよ」
セーラ「せや、怜と竜華ってなんか喧嘩しとった?」
京太郎「なんかあったのか?」
セーラ「最近、ちょい空気微妙になる時があんねん」
京太郎「だとしても、お前の方がわかってるだろ」
セーラ「それがな、この前二人で長野行ってからなんや」
京太郎「あの時から? 特別なことは――」
772 = 1 :
京太郎(あった、超あった)
セーラ「俺も話聞くぐらいはできるけど、基本相談とかに向いてへんからなぁ」
京太郎「わかったよ、暇があればいっぺん話してみる」
セーラ「ん、頼んだわ」
京太郎「言っとくけど、そんな期待すんなよ」
セーラ「大丈夫やろ。須賀は竜華が惚れた男やん」
京太郎「……」
京太郎(直球で言われると、どう返していいかわかんなくなるな)
京太郎(にしてもすごい信頼だな……まぁ、俺じゃなくて清水谷に対してだけど)
京太郎(……ま、やってみますか)
773 = 1 :
京太郎「さて、どっちからあたるかな」
京太郎「清水谷か園城寺か……」
京太郎「こういう時ボロ出しそうな方といえば……」
宥「京太郎くん?」
京太郎「ん、どうした?」
宥「ちょっと早いけど、お夕飯持ってきたよ」
京太郎「ああ、悪いな。食べたら休憩終わりかな」
宥「うん。後はお布団の用意して今日は終わり」
京太郎「今日は気持ちよく寝れそうだ」
宥「ふふ、そうだね」
京太郎「となれば飯だな。そういや腹減ったような気がしてきた」
宥「いっぱい食べてね」
京太郎「いただきま……あれ、箸は?」
宥「私が持ってるよ?」
京太郎「それないと食えないんだけど」
宥「大丈夫だよ」
宥「はい、あーん」
京太郎「……マジか」
774 = 1 :
哩「夕飯も中々やったね」
姫子「うまかもんも食べましたし、というわけで行ってきます」
哩「というわけでって、いきなしなんば決めとーと?」
姫子「攻めて攻めて、先輩ば負かしてくっとですよ」
哩「あー……さっき押し倒してくって言いよったね」
姫子「あ、一緒に行きましょうよぉ。ほら、一人より二人って言いますし」
哩「そいも悪くなかね。ばってん、私は行くべきやなかて思う」
姫子「なしてですか?」
哩「姫子、目的ば間違えちゃいかん」
姫子「やけん、あん人に――」
哩「そいばもやーもんにすんのはざっとなかね」
姫子「……なしてそがん言うんですか」
哩「私と須賀くん、姫子と須賀くん、別々のもんやけん」
姫子「――っ」
哩「一緒にいたい、そがん思ってくれとるんは嬉しい。ばってん、須賀くんば利用すんのは違うやろ」
姫子「……あはは、バレちゃいました」
775 = 1 :
姫子「やっぱし離れ離れはやです」
姫子「やけん、つながりが欲しかったんやて思います」
姫子「一緒に初体験なんて、がば強烈やないですか」
姫子「ばってん、失礼ですよね。哩先輩にもあん人にも、私にも」
姫子「てなわけで行ってきます」
哩「うん、頑張れ」
姫子「あ、さっきはあがん言いましたけど、混ざりたいなら来っとよかですよ?」
姫子「そいぎ、朝までには戻ると思いますから」パタン
哩「……ふぅ、こがん世話焼けんのも、あとどんぐらいかね」
哩「しかし、朝帰り宣言……やっぱし、私も行ったほうが……いやいやいや」
776 = 764 :
いかん、優柔不断にはつらいなはきそうだ
777 = 1 :
竜華(怜のためにできること……そんなん決まっとる)
竜華(ちょい辛いけど……ううん、大丈夫、きっと)
竜華「でも、よう考えたら須賀くんがどこにおるのかわからへんな」
竜華「携帯にかけてもええけど、仕事中やったら迷惑やんな」
竜華「うーん……」
玄「おっ風呂ー、おっもちー♪」
玄「やや、これは清水谷さん」
竜華「楽しそうやん、なんかええことあった?」
玄「あったというか、これからといいますか……」モジモジ
竜華「ふふ、かわええなぁ」
玄「そんな、かわいいだなんて……」テレテレ
竜華「あ、そういえば聞きたいことあるんやけど」
玄「はい?」
778 = 1 :
京太郎「終わり終わりー!」
京太郎「さて、後は風呂入ってまったりしようかな」
――コンコン
京太郎「はいはーい」ガチャ
姫子「来ちゃいました」
京太郎「ふぅ……疲れてると妙なもんが見えるな」
姫子「幻やないですから。とりあえず上げてくださいよ」
京太郎「お前な、どうやってここを嗅ぎつけた?」
姫子「普通に後ついてきましたけど」
京太郎「マジかよ……」
京太郎(気づかなかった……仕事終わりで浮かれてたせいか)
779 = 1 :
京太郎「……まぁ、いいや。ちょうど暇になったし」
姫子「最初からそがん素直にすっとよかて思います」
京太郎「はいはい、大したもんはないからな」
姫子「先輩がいれば十分です」
京太郎「お、おう……」
京太郎(ストレート……結構来るな)
780 = 1 :
姫子「せーんぱいっ」ギュッ
京太郎「動きづらいんだけど」
姫子「どーせ部屋におるだけなら問題なかですよ」
京太郎「風呂に入りたいんだよ」
姫子「あ、一緒に入ります?」
京太郎「寝言は寝て言おうな」
姫子「じゃ、一緒に寝ます?」
京太郎「寝ねーよ。風呂入るっつったろ」
姫子「やけん、お背中流しますねー」
京太郎「話が戻ったなぁ」
姫子「先輩がはいって言えば進みますって」
京太郎「はいはい、また今度な」
姫子「今度っていつですか?」
京太郎「今じゃないいつかだな」
姫子「却下です」
京太郎「んなこと言われてもな……んー」
781 = 1 :
京太郎「まぁ、いいぜ」
姫子「え、ホントに?」
京太郎「互いに見ない、接触なしならな」
姫子「そいのどこに意味があっとですか!」
『ささ、はよ行かんと』
『竜華、サプライズって? スペシャルゴージャス膝枕?』
『なにそれ……ともかく、着けばわかるから』コンコン
京太郎「清水谷たちか?」
姫子「むぅ……」
京太郎「とりあえず放せ。出られないだろ」
姫子「私が行きますから」
姫子「はーい」ガチャ
782 = 1 :
竜華「こんばんは……って、鶴田さん?」
怜「なんや、サプライズってまいひめコンビの部屋?」
竜華「えっと……なんでここに?」
姫子「そがん気になります? 私と先輩がなんばしよったか」
怜「え、百合の薗にご招待? ごめん、うち同性愛はちょっと……」
京太郎「人の部屋を百合の園にすんな」
怜「須賀くん? なにしとんの?」
姫子「これから一緒にお風呂です」
竜華「ホンマに!?」
姫子「先輩がよかって言ったんですよね?」
京太郎「あんまりしつこいからな」
竜華「……鶴田さん、ちょい話あるんやけど」
姫子「なんですか?」
竜華「他の人の前じゃちょっと……」
姫子「後じゃダメですかね?」
竜華「うん、急ぎで」
姫子「しょんなかですねぇ」
783 = 1 :
姫子「じゃ、ちかっと待っててくださいね」
竜華「怜のことお願いな」
京太郎「……と、言われてもな」
怜「結局なんでここにいるん?」
京太郎「アルバイト。伝手があってな」
怜「そういえば、泉が須賀くんと玄ちゃんにいじめられた言うてたなぁ」
京太郎「ま、俺は顔が広いらしいからな」
怜「その分毒牙にかけた女も多いと」
京太郎「人聞き悪いことを」
怜「世の中では客観の方が事実になることが多いんや」
京太郎「つまり?」
怜「やーい、女誑しー」
京太郎「ぐふっ」
784 = 1 :
姫子「そいで、話ってなんですか?」
竜華「あ、えっと……」
竜華(なんも考えてなかった!)
姫子「特に用がなかてこつなら、戻りますけど」
竜華「そうだ! 麻雀やらへん?」
姫子「麻雀?」
竜華「また打ってみたいて思っとったから」
姫子「うーん……今は友情より恋愛って気分です」
竜華「半荘だけでええから、ね?」
姫子「……まさか、先輩から引き離したとですか?」
竜華「それは鶴田さんの考えすぎやない?」
姫子「わかりました。邪魔ばできんように叩きのめします」
竜華「どうかな? そう簡単には行かへんと思うけど」
785 = 1 :
セーラ「俺も混ぜろっ」
竜華「セーラ、聞いとったん?」
セーラ「なんか麻雀とか聞こえたから」
竜華「まぁ、ちょうどええかな」
姫子「まだ面子揃わんですね……」
哩「気になる……気になっけど姫子の邪魔すんのは……」
姫子「哩先輩、よかとこに!」
哩「ひ、姫子? こいは散歩やけん、他意はなかよ?」
姫子「麻雀しませんか?」
哩「へ?」
786 = 1 :
京太郎「……戻ってこないな」
怜「見事に置き去りやなー」
京太郎「早く風呂入りたいんだけどな」
怜「一緒に入る?」
京太郎「入りません」
怜「えー? ぬるぬるプレイせぇへんの?」
京太郎「ぬるぬるって、お前な」
怜「ま、最中に戻ってきたらまた面倒やんな」
京太郎「そうだな」
京太郎(そういや、江口から頼まれてたっけ)
京太郎(まず清水谷に話聞こうと思ってたけど、こいつからでもいいか)
787 = 1 :
京太郎「お前らって喧嘩することとかあんの?」
怜「お前らって、うちと竜華?」
京太郎「ああ」
怜「まぁ、ときたまくだらんことで言い合いになることはあるけど」
京太郎「あるのかよ」
怜「ゆーても違う人間やし? 衝突ぐらいはあるんとちゃう?」
京太郎「そういうもんか」
怜「でも、最近はちょい噛み合わんことも多くなったかも」
京太郎「噛み合わない?」
怜「竜華の方が引っ込んどるというか、ボケっとして反応ないこともあったり」
京太郎「なるほどな……」
怜「それ、セーラから聞いたん?」
京太郎「なんだ、気づいてたのか」
怜「なんとなく、そないな気がしただけ」
京太郎「大した勘だよ。最近お前らの空気が微妙だって言ってたからさ」
怜「おお、セーラが空気読むとは」
京太郎「それだけ心配してるってことだろ」
怜「せやな……」
788 = 1 :
怜「正直、理由はあれやと思う」
京太郎「……この前のあれか」
怜「それで、竜華はうちとどう接したらええかわからんくなっとんのかなーって」
京太郎「俺もそれはちらっと考えたな」
怜「やーい、自惚れ男ー」
京太郎「うぐっ……話進めるぞ」
怜「須賀くんがプレイボーイなんはしゃあないとして、一回竜華とちゃんと話さんとアカンかな」
京太郎「まぁ、そうなるよな」
――コンコン
京太郎「戻ってきたか?」
怜「タイムリーやなぁ」
京太郎「鍵開いてるから入っていいぞー」
玄「京太郎くん、お待たせ」
789 = 1 :
怜「玄ちゃんやん」
玄「あれ、園城寺さんがどうして」
怜「なんか竜華に置いてきぼりにされた」
玄「あ、さっきは清水谷さんにお世話になったのです」
怜「そうなん?」
玄「はい、抱きしめてもらっておもちをいっぱい堪能できたのです!」
怜「ええなぁ、うちも後で膝枕してもらお」
玄「その膝枕にかける情熱は尊敬するのです」
怜「そっちも大したもんやと思うで?」
玄「園城寺さん……」
怜「玄ちゃん……」
「「同志よっ!」」ヒシッ
京太郎「こりゃしばらく戻ってこない雰囲気だな」
京太郎「よし、ゆっくり風呂に入れそうだ」
790 = 1 :
竜華「眠……」
怜「眠……」
セーラ「なんや二人とも、ぐったりやなぁ」
竜華「なんでセーラはそない元気なん?」
セーラ「んー、勝ったから?」
怜「勝ったって……なにしとったん?」
セーラ「麻雀。新道寺の二人と俺らで」
怜「ガーン! うちだけ仲間はずれ……」
竜華「と、怜も遅かったけど」
怜「ふっ……おもちと膝枕、奇妙な縁もあったもんやな」
セーラ「なんやねんな」
竜華「よくわからんわ」
竜華(鶴田さんを引き止めるために始めた麻雀が、あない長引くなんて……)
竜華(おかげで須賀くんとこ行くって雰囲気やなくなったけど)
竜華「ふわぁ……眠気覚ましにちょい散歩行ってくる」
セーラ「おう、朝飯までには戻るんやで」
怜「じゃあうちはゴロゴロしとるー」
791 = 1 :
竜華(怜、遅かったってことは……)
竜華「――っ」ブンブン
竜華(考えたってしゃあないやん)
竜華(そう仕向けたのはうちなんやから……)
京太郎「清水谷、おはよう」
竜華「あ、須賀くん」
京太郎「早いな。いつもこんな感じか?」
竜華「セーラにつられて」
京太郎「ああ、あいつは早起きしそうだな」
竜華「須賀くんもちょい眠そう」
京太郎「ちょっと夜更かししてな」
竜華「そ、そう……」
竜華(やっぱり怜と……)
792 = 1 :
京太郎「松実妹と園城寺が意気投合してよ……人の部屋で延々と語り合ってたんだよ」
竜華「え……」
京太郎「途中で松実姉を召喚したからなんとかなったものを……ほっといたら朝までコースだったぞ」
竜華「……」
京太郎「なんだ、複雑そうな顔して」
竜華「そ、そないな顔しとらんよ?」
京太郎「そうかぁ?」
京太郎(なーんて、カマかけだけどな)
京太郎(それでそんな反応したってことは、胸中は複雑だってことだ)
京太郎(さて、なに考えてるんだかな)
京太郎(玄のことで驚いてたってことは……俺と園城寺を二人きりにしたかったからとか?)
京太郎(だとして、なにがしたかったんだ?)
京太郎(まるで、後押ししてるような……)
793 = 1 :
京太郎「……園城寺ってさ、お前にとってどれだけそんな大事なのか?」
竜華「なに? いきなしそないなこと聞いて」
京太郎「いいからさ」
竜華「……大事に決まっとるやん」
京太郎「そうか……なら行くか」ガシッ
竜華「ど、どこに?」
京太郎「園城寺のとこだよ」
京太郎(推測に推測、さらに自惚れも重ねた結論だ)
京太郎(これで外れてたらとんだ赤っ恥だな)
京太郎「そんなの続けてたら、多分そのうちお前らの関係が壊れるぞ」
竜華「……」
794 = 1 :
セーラ「竜華に、須賀? どした?」
竜華「……」
京太郎「お宅の園城寺さん、借りてってもいいか?」
セーラ「爆睡中やけど」
京太郎「しかたないな、起こすか」
京太郎「おい、起きろ」ペシペシ
怜「う~ん……後五時間」ムニャムニャ
京太郎「長すぎだ。さっさと起きろ」グニグニ
怜「ん……あれ、須賀くんやん」
京太郎「ちょっと来てもらってもいいか?」
怜「おはようのちゅーならいつでもオーケーやでー」
京太郎「ああもう、めんどくせぇな」グイッ
怜「わっ」
京太郎「んじゃ、園城寺は連れてくわ」
セーラ「おう、任した」
怜「ゆーかいされるー」
京太郎「清水谷も行くぞ」
竜華「……うん」
795 = 1 :
京太郎「よし、俺の随伴はここまでだ」
怜「随伴て、思いっきり主導してたやん」
京太郎「こまけぇことはいいんだよ」
竜華「それで、うちらになにさせるつもりなん?」
京太郎「二人で話し合え。それだけだ」
竜華「話し合うことなんか……」
京太郎「ないならそれはそれでいい。園城寺は?」
怜「んー、竜華に聞きたいことならチラホラ」
京太郎「ならそれでいいや。じゃ、また後でな」
竜華「いきなしなんなんやろな」
怜「竜華はどう思う?」
竜華「どう思うもなにも、今更取り立てて話すことなんかあらへんよ」
怜「ホンマに?」
竜華「うん、ホンマに」
怜「……じゃあ、うちから質問」
796 = 1 :
怜「あれ、どういうつもりなん?」
竜華「あれって、なに?」
怜「鶴田さん連れ出して、須賀くんと二人きりにして」
竜華「せやから、話したいことがあっただけやて」
怜「最近ボーッとしとんのは?」
竜華「あ、あはは……具合悪いんかな?」
怜「それがこの前、長野から帰る時から続いとんのは?」
竜華「……ちょうど悪いタイミングだったんやな」
怜「なるなる、ようわかったわ」
怜「竜華、そないうちと須賀くんをくっつけたい?」
竜華「……なんのこと?」
怜「わからへんと思った? 多分須賀くんも気づいとるよ」
竜華「そか……バレとったんやな」
怜「で、なんでなん?」
竜華「怜のためやから」
怜「……それってつまりあれかい」
797 = 1 :
怜「うちは身を引いてもらわんと、竜華に須賀くん取られてまう……そういうことやな」
竜華「違う! うちは――」
怜「うっさい!」バシッ
竜華「いたっ……!」
怜「そないなこと頼んだ覚えないわ! 勝手に解釈すな!」
竜華「せ、せやけど、怜が須賀くんのこと好きって気付けんかったし……」
怜「なんでそうなるん!? うちなんて横から割り込んできた邪魔者やんか!」
竜華「怜が邪魔者なんて……!」
怜「たしかにうちは竜華に甘えとるけど、自分を犠牲にしてまでやってほしくない!」
竜華「じゃあなに……うちが悩んどったのも全否定!?」
怜「アホみたいなことで悩んで、もっと早く頬張っとけばよかったわ!」
竜華「アホってなに!? なにが怜のために一番ええかって悩んどったのに!」
怜「それこそ下に見とる証拠やんか!」
竜華「~~っ、こんのわからず屋!」
怜「竜華の高慢ちき!」
竜華「もう怜なんて……!」
798 = 1 :
竜華「怜なんて……」
竜華「……」
竜華「どうでもええなんて、言えへんよ……」
怜「……そんなん、うちかて一緒」
竜華「怜……」
怜「なんで気づかへんの? 竜華のこと、大事に思ってへんなんてこと、あるわけないやん」グスッ
竜華「ごめん……ごめん、怜」グスッ
怜「うちも……ごめん」
竜華「うん、うん」
799 = 1 :
セーラ「どうなったー?」
京太郎「さぁな。でも、そろそろ雨は上がるんじゃないか?」
セーラ「晴れとるやろ」
京太郎「ものの例えだ。言わせんな、恥ずかしい」
セーラ「ま、ええわ。ありがとな、須賀」
京太郎「大したことはしてないって。結局本人たちの問題だし」
セーラ「そんなもんか」
京太郎「そんなもんだ」
京太郎(まぁ、そもそもの原因が俺だとすると、いよいよなんにも言えなくなるんだけどな)
セーラ「んじゃ、行ってくるわ」
京太郎「ああ、三人で朝飯でも食ってこいよ」
800 = 1 :
京太郎「これでここの片付けは終了っと。次は……」
竜華「須賀くん」
京太郎「ん、清水谷か」
竜華「色々ありがと」
京太郎「俺がなんて言うかもわかってきたんじゃないか?」
竜華「そうかも……せやけど、これは私の気持ちやから」
京太郎「そういうことだったら受け取っておくよ」
竜華「……それとごめん。須賀くんにも失礼なことするとこやった」
京太郎「まあ、気にすんな。そこらへんで俺の右に出るやつはいないから」
竜華「あはは、そうかも」
竜華「……うん、やっぱり諦めるのを諦める」ボソッ
京太郎「なんだ?」
竜華「こういうこと……んっ――」
京太郎「んんっ……!?」
竜華「そ、それじゃ……うちらもうちょっとでチェックアウトやからっ」タタッ
京太郎「……」
京太郎(舌、入れられた)
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