のくす牧場
コンテンツ
牧場内検索
カウンタ
総計:127,062,997人
昨日:no data人
今日:
最近の注目
人気の最安値情報

    元スレ憧「吹き抜ける風」

    SS+覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★
    タグ : - + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
    ←前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitter

    101 :

    汚いって風呂に入ってないとかそういう…

    102 :

    ×汚れてる
    ○汚れてる

    ってことか…

    103 :

    >>102
    どっちも同じなんですがそれは……

    104 :

    ヨゴ ケガ
    汚れてると汚れてるかな?

    105 :

    続き待ってる

    106 :

    謝ろう、咲に早く謝ってまた前のように一緒にいたい。でもなんて謝ろう?咲のことを考えると頭が真っ白になって言葉が思いつかなかった。

    結局、私は言葉を保留にしたまま答えを先延ばししていた。そして、気付いたらいつの間にか三週間の時が過ぎ去っていた。その頃には、私はもう咲に話しかける事が出来なくなっていた。

    「……」ボー

    「さ--」

    「新子さん、部室行こ!」

    「あ、いや、でも……」

    「……」スタスタ

    「あ……」


    107 = 1 :

    喧嘩をしているわけじゃない。ただ、関係が冷えてしまっていた。

    おまけに、その頃私は県予選への準備に向けて時間に追われていた。多分、どちらにしても咲のことを気にかけている余裕も無かっただろう。そう思って、その頃の私は咲から逃げていた。

    咲なら大丈夫と、自分に言い聞かせて。

    108 = 1 :

    女が入部してから、部室は少し前と比べたら信じられないほどに活気がでていた。

    「玄さん、ロンです。えっと、30符の4飜なので7700です」

    「おー!もう符計算が出来るようになったのですか!」

    「凄い……玄ちゃんまだ覚えてないのに……」

    「え!?」

    「ほら、数えられる役だけ……」

    「あードラ爆じゃ満貫以下は覚えなくてもいけますか……」

    穏乃「鳥頭……ヤキトリ……」アタマガ…

    「それ以上はやめるのです!」

    私の最初の予想に反して、女は直ぐに麻雀を覚えていった。無論今まで麻雀をやってきた人と比べたら遥かに劣るけど、県予選だけを考えたら十分戦力にはなる。

    109 = 1 :

    (女は牌効率重視の打ち方か……小さい頃の和に似てるかな……流石に咲とそっくりな打ち手には……)

    穏乃「……」

    穏乃「憧、なんか気になることでもあるのか?」

    「へっ?」

    穏乃「最近ボーとしてること多いぞ」

    (やばっ……また咲のこと考えてた)

    「……ごめん、気をつける」

    「大会までもう時間はあんまり無いよ。気合い入れて……サムイ……」

    「このタイミングでそれ言われると気合いが入らないんですが……」

    「ほ、ほら次行こう!まだ半荘一回やっただけだから!」アセアセ

    次の半荘はシズが抜けて私が入る番だった。が、思った通り染め屋とドラ爆がいて、序盤から打ちにくい場になった。

    (まず……最近成績落ちてるし、ここで踏ん張らないと……)

    110 = 1 :

    しかし相変わらず牌勢は悪くて、宥姉どころか身動きの取りづらい玄にも先手を取られっぱなしだった。

    玄 捨て牌


    1m8p6s西南9p白1p


    (多分張ってるかな……6ソウの早切りからして多分赤周辺の待ちかな……)タン

    (6ソウの早切り……多分周辺の待ちは無いよね?)タン

    「ロン!8000点です」

    「あう!引っかかっちゃった!」

    111 :

    待ってた

    112 = 1 :

    (引っかかったじゃない!なんでそんな見え見えの待ちに振り込むのよ!?私や咲なら絶対に……)ハッ!?

    「ど、どうしたの新子さん?」

    「な、何でもない!それより次行くわよ」


    …………。
    ……。


    「玄ちゃん、ロン。メンホン南一通で18000」

    「うぅ……点棒取られちゃったよ……」

    穏乃「デジャヴ……」

    「それ以上はいけない」

    113 = 1 :

    (なにやってんのよ……咲のこと考えて折角の勝負手を……駄目だ、今だけは咲のことは忘れなくちゃ!)

    でも、それは無駄な努力だった。私の網膜には、まだあの日の夜がしっかりと焼き付いていた。

    麻雀を打つだけで、咲の声、咲の顔が牌の中に混じった。


    南三局にて

    (あ……この手……)


    159m12489p99s東北北

    (これ……あの夜の咲と同じ配牌だ……)

    穏乃(憧の奴、何を迷ってるんだ?普通に字牌、端牌の処理でいいんじゃないか……)

    (字牌整理じゃない……咲なら絶対に4ピンから切り出す筈)タン

    114 = 1 :

    「いきなり4ピン?」

    穏乃(あ、憧のヤツ……いつもなら一通の種で残す筈なのに……)アゼン

    (ドラ6~♪北は要らないよね)ポイ

    「っ!?ポン!」

    あの夜と全く同じだった。オタ風を鳴いて一番濃いピンズの待ちを嫌う。全く同じ展開を私はたどっていた。麻雀覚え立ての女は勿論、下家の宥姉もソウズを切り辛そうになっている。

    115 = 1 :

    (これがあの夜、咲が見せた風景……)

    他家を縛り絶対に流れに乗せない麻雀。しかし、今の私には咲みたいな腕はなかった。

    (宥姉はいいとして……問題は玄なのよね……)

    玄はドラが集まりやすい体質だから、必然的にリーチ一発無しでも満貫手が入る。おまけに対面だから抑えが効かない。

    116 = 1 :

    (さて……オタ風鳴いて手も染まりきらず……。……咲ならどうするかな?)

    改めて河を見る。私の鳴きが功を奏してか、宥姉はソウズよりもピンズの処理を優先してる。時にはマンズが混じっているあたり、まだ二シャンテンってところかな。

    (女は……典型的なタンヤオ系の河ね。三色も絡みそうかな……ただ、早くはなさそう……そうだ)

    指をかけていた玄の現物から指を離して、代わりに7ソウに指を伸ばした。

    117 = 1 :

    穏乃「そ、それは……!」

    (通れ……)タン

    穏乃(玄さんには無筋の牌……!張ってたら最低12000は跳ぶ……!)

    後ろでシズが物凄い顔してる。

    (あの夜、私はあんな顔をしながら咲の麻雀を見てたのね……)

    穏乃「なんだよ憧、ニヤニヤしてさ」

    「フフッ、何でもないわよ」

    (確かに玄さんが張ってたら私は12000の放銃……ラスは免れられない。でも、張ってなかったら?)

    118 = 1 :

    (なんだ、7ソウは通るのか)

    (聴牌……タンヤオドラ7で親倍確定!)タン…

    「あ、ロンです。タンピンイーペーコーで3900」

    「だ、ダマ聴?リーチしてよ……」

    穏乃(そ、そうか……玄さんの手にドラが集まるから必然的に他家の手は安くなる。とすれば女にアガらせるのは悪くない……!)

    「うう……親が流れてしまったのです……」

    (よし、取りあえずこれで暫定二位……後は宥姉を捲ればトップ確定!)

    119 = 1 :

    「それじゃあ私の親番ね。温かい牌……」

    穏乃(憧のヤツ……こんな麻雀打ったかな?)

    ………。
    ……。

    (さて、トップの宥姉とは10000のビハインドを抱えてのオーラスだけど……)

    手牌


    126677m123p22s中中

    (最悪……中は宥姉と持ち持ちだろうし、おまけに8ワンはドラ……ドラ筋の二度受けはやりたくない)

    穏乃(もう10巡目なのに、憧の手伸びないな……)

    120 :

    おつおつ

    121 = 1 :

    >>120
    実はまだ続いてたりして……なぜか、書き込めなくて。

    122 = 1 :

    (うっ……まただ……なんでここで咲の顔が浮かぶのよ……)

    『それで本当にいいの?』

    (どうやってこの手を上がれっていうのよ……)

    仮に聴牌しても字牌やマンズがあふれ出している宥姉の染め手には勝負にいけない。普通なら、2位狙いで十分……

    でも思いとは裏腹に、あの夜の咲が蘇ってきた。

    (あの時、咲は自分のてじゃなくて対局者を見て笑った……)

    123 = 1 :

    『よく相手を見て……その手は本当に遅い?』

    (女と玄はまだ張っていない……宥姉は、あれ?)

    (……マンズが伸びてる……頭がオーバーしてるし中対子落としで清一に行こうかな……)

    (宥姉の中が浮きかけてる……なら、一シャンテンの七対子でも先行出来る!)

    124 = 1 :

    122の前に一つ抜けましたorz


    (最悪……中は宥姉と持ち持ちだろうし、おまけに8ワンはドラ……ドラ筋の二度受けはやりたくない)

    穏乃(もう10巡目なのに、憧の手伸びないな……)

    (4対子だし7対子に移行するのも有りだけど……)チラッ

    「~♪」

    (宥姉の手が早そう。7対子だと多分間に合わない……降りようかな……)

    でも、私の中の咲がそれを躊躇わせた。

    125 = 1 :

    「ポン……」



    113456799m中中

    中、切り。


    (やっぱり中は持ち持ちだった……でも、8ワンは玄の手に暗刻で寄っていて私の手もマンズが濃い……清一で上がれるの?)チャッ…

    「……!よし、リーチ!」

    「せ、先行されちゃった……」アンパイ

    「七対子っぽい河で待ちが読めないよ……」9ワン

    「お願い間に合って……」中キリ

    「来い……!」ギュッ…

    126 = 1 :

    穏乃「うわ……」

    「来た……!一発ツモ七対子、満貫!一本つけてきっちり逆転!」

    「はわわ……捲られちゃった……」

    「憧ちゃんこんな麻雀打ったっけ……」ナキベソ

    「ちょっと知り合いの麻雀を真似てみただけよ……」

    「憧ちゃん……?」

    「それより今日は打つわよ」

    結局、その日は私の大勝で部活は終わった。

    127 = 1 :

    長い間放置してしまってごめんなさいでした。なんか話が纏まらなくて……

    128 = 1 :

    長い間放置してしまってごめんなさいでした。なんか話が纏まらなくて……
    待ってくださった方、ありがとうございます。

    130 :

    乙 待ってたよ

    131 :

    続き来たー乙です

    132 :

    話が進んでないしまだ方針が定まってないみたいだね
    窮屈な展開になって書き辛そうなのが物凄く伝わってくる
    俺ならこうなってしまったら正直投げる

    133 :

    乙 早く咲さんと仲直りできるといいな

    134 :

    おつよー
    気長に待ってるから大丈夫よー

    135 :

    凄く面白いです

    136 :

    私の打ち方が変わっている。そのことに最初に気付いたのはシズだった。

    学校帰りの帰り路のことで、最初にというのは言われるまで自分でも気付かなかったから。

    「変わったって……どんなふうに?」

    穏乃「いや、なんて言うかさ……一発と裏ドラも考えるようになったっていうか、競技麻雀よりじゃなくなったなと思って」

    そこまで言われて初めて気付いた。

    137 = 1 :

    「あー……そうかも。最近手役は狙った覚えないわね」

    穏乃「だよな……前の憧なら三色や一通をよく狙ったし、七対子嫌いだったしな」

    「仕方ないでしょ。基本横に伸ばす方が好きなんだし」

    穏乃「……でもさ。なんでそんないきなり打ち方変えたんだよ?」

    (知らないわよ。頭の中に勝手に咲が出てくるのよ)

    穏乃「確かに今の憧は迫力あるけどさ、私は前の憧の打ち方も好きだし……って、あれ?聞いてる?」

    (普段は上手く忘れたふりできてるけど、麻雀の時だけは勝手に咲の麻雀思い出しちゃうのよ)

    穏乃「おーい、憧?」

    (そりゃ確かに咲の麻雀は一度しか見たこと無いから真似の域を出ないんだろうけど……)ブツブツ
    穏乃「憧ってば!」

    138 = 1 :

    「自信が無くなったのかもね……自分の麻雀に」ピタッ

    穏乃「イタッ!?いきなり立ち止まるなよ!」

    「シズはさ、自分より大きいものに出会ったらどうする?」

    穏乃「聞いてないし……取りあえず立ち止まってどこから登るか考える、かな?それがどうかしたのか?」

    「なんて言うか……一度凄い麻雀見ちゃったのよ。そしたらなんだか自分の麻雀に自信がもてなくなっちゃった……多分」

    穏乃「多分って……」

    「本当の所なんて私にも解んないわよ。気付いてたら咲みたいに打ってた、それだけ」

    穏乃(サキ……確か前に憧が言ってた……)

    139 = 1 :

    「もう一度その麻雀見れば解るんだろうけど、それも無理かな……?」

    穏乃「えーと、そのサキさんに直接会えないのか?」

    「無理ね……今ちょっと話かけ辛くて……」

    穏乃「……喧嘩でもしたのか?」

    「っ……」ズキッ

    穏乃「あ、いや、答えたくなかったら」アワアワ

    「別にいいわよ、聞いたって。なんて言うか、喧嘩だったら話は早いんだけどね」

    喧嘩なら私が謝ればそれで済む。でも、どちらも悪くなければ?

    (罪悪感で押し潰されそうなのに謝ることが出来ない……最悪じゃない)

    140 = 1 :

    怖かった。私の言葉がまた嘘になって、咲を傷つけてしまわないか……

    穏乃「でも憧にそこまで言わせるなんて……一度見てみたいな、そのサキさんの麻雀」

    黒服「見れますよ」ボソッ

    穏乃「はにゃあああああ!?」

    「あ、あんたこの前の!」

    黒服(アロハシャツver)「ご無沙汰しております」

    141 = 1 :

    穏乃「な、なんか見るからに胡散臭そうな人だ!」

    アロハ「ハハッ!よく言われますよ」

    (ちょっと!なんでアロハシャツなのよ!?)

    アロハ(一度黒服で職質食らったことがありまして……日中はこの服です)

    (にしてもなんでアロハ?)

    黒服(怪しいよりは胡散臭いの方が幾らかましかと)

    (私服という選択肢は無いの!?)

    アロハ(盲点でした)

    (なんで肝心な所見逃すかな!?)

    アロハ(てへぺろ)

    (かち割りたい、この笑顔……)ワナワナ…

    142 = 1 :

    穏乃「憧の知り合いか?」

    「あ、そうそう!この前雀荘で知り合って……」

    (嘘は言ってない嘘は!話のディテイルを全部省いただけ!)

    穏乃「ふーん……」ジトメ
    「そ、それより咲がなんて--」

    アロハ「そうでした……宮永様なら、今はあの雀荘におられます」

    「え……?」

    穏乃「ほ、本当ですか!?」

    143 = 1 :

    アロハ「ええ、運が良ければ宮永様の麻雀を見られるかも……」

    穏乃「や、やった!憧、行くよっ……て、憧?」

    「な、なんで……」


    --『咲には笑っていて欲しい』--


    アロハ「……」

    「それ、ただの麻雀じゃないんでしょ……?」

    アロハ「……はい」

    「レートは幾らなのよ……?」

    黒服「……」チラッ

    穏乃「?」

    144 = 1 :

    黒服「……現在のところはテンピンですが」ミミウチ

    黒服「相手は麻雀で何人も喰い殺してきた人間です。店側が依頼した仕事ですし、宮永様が生きて帰すかは解りかねます」コショコショ

    「なんで……咲、そんなの望んでないのに……」

    黒服「……止めるなら今ですよ?相手に借を負わせてウチの街金に借金させる手筈になっています。そこまで行けばもう二度と……」

    「……」ダッ

    穏乃「あ、待てよ憧!」ダッ

    アロハ「……」パカッ

    ヅラ「ふう……」

    145 :

    アコチャーがんばれ!

    146 = 1 :

    待ってて下さった方、ありがとうございます。続きは今晩か明日にでも。

    147 :

    乙 アロハは一体何者なんだ

    148 :

    ヅラが喋った!

    149 :

    続き待ってました!

    150 = 1 :

    トリップこれで合ってたかな?合ってたら再開します。


    ←前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS+一覧へ
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★
    タグ : - + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。

    類似してるかもしれないスレッド


    トップメニューへ / →のくす牧場書庫について