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元スレ京太郎「修羅場ラヴァーズ」久「もうちょっと、近づいて」
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信じていたものに、裏切られた。
今まで、友達だと思っていた、彼女たちに。
「あ、ぁ……」
信用を、全てを、奪われて。
唯一、信じられる彼も、もう行ってしまった。
「……私、は」
なら、もう。
私の、信じられる、ものは。
「……あ」
――声が、聞こえる。
本当に幼い頃から、一緒にいたものたち。
九つの、異なるものたち。
「そう、でした……ね」
決して、自分を裏切らないものたち。
もう自分には――彼女たちと、彼さえいれば。
「……待っていて、ください」
他には。
「迎えに……行きます、から!」
何も、いらない。
今まで、友達だと思っていた、彼女たちに。
「あ、ぁ……」
信用を、全てを、奪われて。
唯一、信じられる彼も、もう行ってしまった。
「……私、は」
なら、もう。
私の、信じられる、ものは。
「……あ」
――声が、聞こえる。
本当に幼い頃から、一緒にいたものたち。
九つの、異なるものたち。
「そう、でした……ね」
決して、自分を裏切らないものたち。
もう自分には――彼女たちと、彼さえいれば。
「……待っていて、ください」
他には。
「迎えに……行きます、から!」
何も、いらない。
長かった髪を切った――仕事の邪魔になるから。
化粧をやめた――髪を切ったのと、同じ理由で。
「それじゃ……行って、くるわね?」
眠る彼の頰に口づけを落として、私は今日も仕事に出かける。
私の今日のシフトは朝一。
対して、彼は今日は夜勤。
もしかしたら、今日に彼と触れ合えるのはコレだけかもしれない。
そう考えると、とても寂しいけれど――仕事は、私を待ってはくれない。
「……ん。ぁ、こ……?」
「あ……あはっ」
寝惚けた彼が、私の名を口にする。
それだけで、胸の奥底から気力が湧いてくるのだから――我ながら、現金だと思う。
「ありがと」
最後に、彼の瞼にキスをして、私は部屋を出た。
短く切った髪も、手入れが出来ずに荒れて行く肌も、もう惜しくはない。
そんなことしなくても――彼は、ずっと見てくれるから。
化粧をやめた――髪を切ったのと、同じ理由で。
「それじゃ……行って、くるわね?」
眠る彼の頰に口づけを落として、私は今日も仕事に出かける。
私の今日のシフトは朝一。
対して、彼は今日は夜勤。
もしかしたら、今日に彼と触れ合えるのはコレだけかもしれない。
そう考えると、とても寂しいけれど――仕事は、私を待ってはくれない。
「……ん。ぁ、こ……?」
「あ……あはっ」
寝惚けた彼が、私の名を口にする。
それだけで、胸の奥底から気力が湧いてくるのだから――我ながら、現金だと思う。
「ありがと」
最後に、彼の瞼にキスをして、私は部屋を出た。
短く切った髪も、手入れが出来ずに荒れて行く肌も、もう惜しくはない。
そんなことしなくても――彼は、ずっと見てくれるから。
――健全な精神は健全な肉体に宿る。
全て任せておけ、とトシは言ったが――
「……運動しろっても、麻雀部でなぁ」
部屋の中には先輩方が5人に自分が一人。
先輩たちを仲直りさせるためにトシがセッティングした食事会だが、当の本人はここにいない。
「……はぁ、はぁ」
「せ、先輩? 大丈夫ですか?」
さらに、隣に座る豊音の様子がおかしい。
頰は赤く、汗がつたっている。
大丈夫、と豊音は首を振るが――他の先輩たちも、似たような状況だ。
「……うっ!?」
そして、自分も。
急に全身が火照り始め――どこがとは言えないが、急に元気になってきた。
「ま、まさか――」
この、食事に。
そう言おうとした口は、飛びついて来た豊音に塞がれて。
「あ、あは……!」
「なんだか、我慢できないや……!」
本能に忠実になった部員たちに囲まれて――京太郎は、心身共に、健全な運動の意味を知ることになった。
彼女たちの卒業後も、この運動会は定期的に開かれることになるが――それはまた、別のお話である。
全て任せておけ、とトシは言ったが――
「……運動しろっても、麻雀部でなぁ」
部屋の中には先輩方が5人に自分が一人。
先輩たちを仲直りさせるためにトシがセッティングした食事会だが、当の本人はここにいない。
「……はぁ、はぁ」
「せ、先輩? 大丈夫ですか?」
さらに、隣に座る豊音の様子がおかしい。
頰は赤く、汗がつたっている。
大丈夫、と豊音は首を振るが――他の先輩たちも、似たような状況だ。
「……うっ!?」
そして、自分も。
急に全身が火照り始め――どこがとは言えないが、急に元気になってきた。
「ま、まさか――」
この、食事に。
そう言おうとした口は、飛びついて来た豊音に塞がれて。
「あ、あは……!」
「なんだか、我慢できないや……!」
本能に忠実になった部員たちに囲まれて――京太郎は、心身共に、健全な運動の意味を知ることになった。
彼女たちの卒業後も、この運動会は定期的に開かれることになるが――それはまた、別のお話である。
「……はぁ」
屋上で空を見上げると、白い溜息が出て来る。
どうして、こんなことになったんだろう。
「……」
あの二人は。
今も同じ空の下で、私と同じ様に空を見上げているのだろうか。
手紙だけを残して、何処かへと消えてしまった、あの二人は。
「追いかて……みようかなぁ」
あの二人のように、愛のために何もかもを捨てて。
家族も、友達も、今まで関わってきたもの全てを放棄して。
それも、魅力的なもののように思えるけれど。
「そろそろ……なるかが起きる頃かしら」
今はまだ、友人の方が大事。
きっとあの子は、彼がいなくなったと知ったら――大変なことに、なってしまうから。
「今はまだ……ね」
待っていて、と一言残して。
誓子は、屋上を後にした。
屋上で空を見上げると、白い溜息が出て来る。
どうして、こんなことになったんだろう。
「……」
あの二人は。
今も同じ空の下で、私と同じ様に空を見上げているのだろうか。
手紙だけを残して、何処かへと消えてしまった、あの二人は。
「追いかて……みようかなぁ」
あの二人のように、愛のために何もかもを捨てて。
家族も、友達も、今まで関わってきたもの全てを放棄して。
それも、魅力的なもののように思えるけれど。
「そろそろ……なるかが起きる頃かしら」
今はまだ、友人の方が大事。
きっとあの子は、彼がいなくなったと知ったら――大変なことに、なってしまうから。
「今はまだ……ね」
待っていて、と一言残して。
誓子は、屋上を後にした。
優希と付き合っているのに、まことあやまちをおかしてしまい悩む京太郎
「もしかしなくてもさ――京太郎って、ユキのことが好きだろ?」
先輩に、そう言われてから。
何故か、彼の顔を直視できなくて。
先輩に、そう言われてから。
何故か、彼の顔を直視できなくて。
「ん? ユキ、その眼鏡は」
「ええ……コンタクトを、忘れてしまって」
厚いレンズを通したからって、それが変わるわけがないのに。
「へぇ……何だか、懐かしな」
「……そう、ですね」
彼の言う通り。
出会った頃の私は、この大きなレンズの眼鏡をかけて。
髪型も、もっと野暮ったいもので。
「……うん。やっぱり、そっちも俺は好きだなぁ」
それでも――彼は、その頃から、側にいてくれて。
私を、助けてくれました。
「ええ……コンタクトを、忘れてしまって」
厚いレンズを通したからって、それが変わるわけがないのに。
「へぇ……何だか、懐かしな」
「……そう、ですね」
彼の言う通り。
出会った頃の私は、この大きなレンズの眼鏡をかけて。
髪型も、もっと野暮ったいもので。
「……うん。やっぱり、そっちも俺は好きだなぁ」
それでも――彼は、その頃から、側にいてくれて。
私を、助けてくれました。
私が持っている、今の私への自信。
それは、先輩たちが私をコーディネートしてくれたお陰。
「……須賀くん。少し、買い出しに行きませんか?」
「お、いいぜ。荷物持ちなら任せとけって」
思い出すのは、一緒にプリントを運んでいたあの頃。
あの時みたいに、二人で並んで歩くのは久しぶりだけど。
「ふふ……頼もしい、ですね」
今は――ほんの少し、一歩分。
先輩がくれた自信の分だけ、あの時よりも、近付いて。
ゆっくりと、私たちは、歩いて行きました。
それは、先輩たちが私をコーディネートしてくれたお陰。
「……須賀くん。少し、買い出しに行きませんか?」
「お、いいぜ。荷物持ちなら任せとけって」
思い出すのは、一緒にプリントを運んでいたあの頃。
あの時みたいに、二人で並んで歩くのは久しぶりだけど。
「ふふ……頼もしい、ですね」
今は――ほんの少し、一歩分。
先輩がくれた自信の分だけ、あの時よりも、近付いて。
ゆっくりと、私たちは、歩いて行きました。
修羅場で胃を痛めている京太郎と一人正気で同じく胃を痛めてる由子が意気投合
「絹が……京太郎に?」
「お姉ちゃんに教えて貰うより……私のが、京太郎くんも嬉しいやろ?」
自分を挟んで睨み合う姉妹。
「あら~末原ちゃん、今日は言わへんの? 凡人やって」
「ふん……からかうばかりでまともな指導もできない代行は黙ってて貰えます?」
自分を挟んで罵り合う、大将と監督代行。
いつから、この麻雀部はこんなに刺々しい空気になったのか。
はぁ、と深い溜息を吐いて。
同じく深く溜息を吐いた――由子と、目があった。
――今度、一緒にお茶しません?
――いいけど、みんなにはナイショなのよー。
苦労人同士――確かに、心が通じ合った瞬間だった。
「お姉ちゃんに教えて貰うより……私のが、京太郎くんも嬉しいやろ?」
自分を挟んで睨み合う姉妹。
「あら~末原ちゃん、今日は言わへんの? 凡人やって」
「ふん……からかうばかりでまともな指導もできない代行は黙ってて貰えます?」
自分を挟んで罵り合う、大将と監督代行。
いつから、この麻雀部はこんなに刺々しい空気になったのか。
はぁ、と深い溜息を吐いて。
同じく深く溜息を吐いた――由子と、目があった。
――今度、一緒にお茶しません?
――いいけど、みんなにはナイショなのよー。
苦労人同士――確かに、心が通じ合った瞬間だった。
>>387でお茶したことがばれてしまう
中学時代に、麻雀を始めた京太郎を少し避けていたら他校の和にかっさらわれ
闇堕ちスタートな高校生咲
闇堕ちスタートな高校生咲
由子が部室の戸を開けた瞬間――肌を刺すような空気を感じて、思わず数歩後退りした。
普段とは異なる――いや、普段は自分を避けて通る刺々しいモノの全てが、今は自分に向けられている。
「とんだ、食わせもんやなぁ……」
由子は、全て理解した。
彼と一緒にお茶したことが、何故かバレてしまったことを。
「……はよ、こっち来いや。ちいと、話をするだけやん」
自分は、彼にその気はない。
友人としては好ましい相手であるが、恋愛対象ではない。
「汚らしい……」
だが、それを行ったところで――彼女たちは、絶対に納得しない。
仲が良かった彼女たちの敵意の視線。
それに、彼女が耐え切れる筈もなく。
「い、嫌……」
「あん?」
「嫌っ!!」
何もかもを投げ出して、彼女は全力で逃げ出した。
二度と自分が、部室に入れなくなることも理解して。
普段とは異なる――いや、普段は自分を避けて通る刺々しいモノの全てが、今は自分に向けられている。
「とんだ、食わせもんやなぁ……」
由子は、全て理解した。
彼と一緒にお茶したことが、何故かバレてしまったことを。
「……はよ、こっち来いや。ちいと、話をするだけやん」
自分は、彼にその気はない。
友人としては好ましい相手であるが、恋愛対象ではない。
「汚らしい……」
だが、それを行ったところで――彼女たちは、絶対に納得しない。
仲が良かった彼女たちの敵意の視線。
それに、彼女が耐え切れる筈もなく。
「い、嫌……」
「あん?」
「嫌っ!!」
何もかもを投げ出して、彼女は全力で逃げ出した。
二度と自分が、部室に入れなくなることも理解して。
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