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    元スレ穏乃「うおおおおおおお!!燃えてきたぁぁぁぁぁぁ!!」

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    401 = 376 :

    (…始まったか。親の連荘――)

    「ツモ」

    (流石にこれ以上は致命的…ここで止めんと!)

    「…カン」

    (カン…そういやあの天江衣を倒した長野の選手が宮永照の親族の可能性があるとかフナQが言うてたな…確かその選手の得意技が嶺上開花――)

    「リーチ」

    (今度はリーチ、ですか…フフ、さすがに打点を上げるのも苦しくなってきたと見えますよ)

    402 = 376 :

    (嶺上ではない、か…まァ流石にな…、――!?)

    「……っ」カタカタ

    (カンドラ――!)

    (…阿知賀の先鋒にはドラが集まる…それが真ならば、とんでもない手になってるんでしょうねぇ…)

    (ドラが集まってるだけで形にもなってない…ドラ以外はどれも危ない気がするし…)

    (…お、おねえちゃん――っ!!)タン

    「――ロン」

    「…ぁ…」

    403 = 376 :

    (…これはもうほんまにあかんかもな)

    (――エースの務まる器やなかった…そう諦めて流すんは簡単や。さぞ楽やろなぁ…)

    (竜華…――)


    竜華「怜…ッ!!!」


    「―――」

    (…命を削った先に視えるもんが、勝利への糸口ならば。大好きな麻雀に、大好きな仲間たちに報いることができるのならば)

    404 = 376 :

    (ごめんな、竜華。約束、破るわ。更なる未来をこの手に――ダブルッ!)

    「―――」クラッ

    (…フ。フフ…いいでしょう。何をするつもりか知りませんが)

    「ポン!」

    (…新道寺…)ゴホッ

    (何の因果か、この位置に座ってしまったものですしね)

    「もひとつポン!」

    405 = 376 :

    (…身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ…ここまできたんや、何が何でも――!)ギュンッ

    「……」ガクッ

    「……フ、フ」ケホ

    (感謝するで…新道寺)

    (礼には及ばず。これもまた、一つの戦いなのですから)

    「ツモ…っ!2300・4600!」

    「……」

    (…フ。衆婆羅、です)

    406 = 376 :

    (…一発なんて目もくれずに…新道寺の人も、わかりきっててそれでもやった節がある…)

    (小生に…私に、足りないモノ…――)

    (牌が…重い…動作が一々しんどい…)

    (ハッ…鈍ってんなァ…)

    (止められんかった…か)

    「……」タン

    「ロン」

    「あっ…はい…」

    407 = 376 :

    (千里山の方のおかげで一時は脱したものの…阿知賀が危ういですねぇ…これは拙い)

    (…私に与えられた役目は――終わらせないこと。只々、凌ぐこと。それだけ)

    (稼ぐことなど期待されない、本来先鋒に期待される役目を負わない端役といったところ。それは決して華やかなものではない。ポジティヴな目的意識など何一つない真っ暗な道)

    (――上等!苦しくツラい役割だからこそ、衆婆羅と言えましょう!凌ぎ切り、次へと光明を繋いだ時…その瞬間の主役は私なのですから!チームの歯車として必要とされることもまた一つの歓びなれば…)

    (捨て駒、任されました――!)

    408 = 376 :

    (先ず最低達成目標はトバないこと、失点を可能な限り抑えること。結果的に他がトンでも新道寺が二位以上ならば良いというもの)

    (そして望ましいのは先鋒戦を無事終え、次へ繋ぐこと!決勝へ進むことを想定した時、白糸台に一位抜けを許しては決勝も厳しいものになる…故に、ここはやはり失点を抑えつつ、次鋒戦への道を見出すことが至上目標!)

    (さて…ここは攻めるのが衆婆羅か、守るが衆婆羅か…フフ、全く判らない、ということがこれほど心躍るとはね…!)

    (――よし。この手、攻める!)タン

    「ロン」

    「…あい」

    409 = 376 :

    (あと二局…依然ダブルスコアに近い大差…このまま終わってしまうんか…?)

    「……」コッ

    「――ぇ」

    「ツモ。1300・2600」

    「……っ」

    (い、ま…何も…視え…へんかっ、た…)

    (初期持ち点の二倍近い点数でオーラス、宮永氏の親…!衆婆羅くないどころじゃ…!)

    「……」

    410 = 376 :

    (…ここまで…なんか…?こんな…)タン

    「ロン」

    「―――」


    竜華「…怜が…振り込んだ…?」

    竜華(怜…まさかもう…!?)

    411 = 376 :

    「………」

    (…終わらせよう。ここで――)

    「―――」ギュアッ

    (…あ…和了られる…)

    「――ツモ」ダァン


    恒子「またもチャンピオ――ン!!止まらない、止められない!!連荘により宮永選手の親が続行!!獲物に食らいついて離しません!!」

    恒子「決して終わることのない悪夢!!解放された時――それは、誰かの息の根が止まった時!!」

    健夜「そ…そういうのやめようよ…よくない、よ…」

    恒子「ん~?なんで目泳がしてるんですか小鍛治プロ?」

    健夜「え、や、別に…そんなんじゃ…」

    412 = 376 :

    (――今…一瞬落ちてた…でも、また視えた…!)

    (次和了られたら、たぶん終わる…終わらせない為には、やるしかない…!)

    (このまま宮永氏に和了らせ続けたら、そう遠くない内に…いや、次局にでも誰かがトぶ…!)

    (その時に私が二位以上である確率と、何とか阻止して次に繋げたとして後に続く皆が巻き返してくれる確率…どちらが――)

    (…違うでしょう。こんなの、ここまできたら確率とかじゃない)

    (そんな確率なんて知ったことではない。求める意味などない。今必要なのは賢しらな計算なんかじゃない…――)

    (――自分が納得できるか否か!!)

    413 = 376 :

    「覚悟…」ボソッ

    「……?」

    「そう…そうだったんだ…周りに溢れ、私の中に無かったもの…」

    「覚悟…『必要なのは巧さでも鋭さでもない…ただ、“今”のために変われる覚悟だったんだ』…」

    (おや、なんだか聞き覚えのある嫌なフレーズ)

    「『技術が見える景色を変える。読みが一寸先の未来を変える。運が大局の趨勢を変える。――そして、覚悟が己を変える』」

    (ハイ確定ー。ちょっとあの落書きと呼ぶも烏滸がましい文字列は全部跡形も無く消さなかったっけ!?すべてネットの闇に葬り去ったはず…なんで阿知賀の人、まさかアレを読んで…!?)アセ

    「答えはいつでも私の…小生の大事な所にあったんだ…昔から、いつだって」

    (私の原点に…――)キッ

    414 = 376 :

    (阿知賀の…顔つきが変わった…?)

    (衆婆羅…!宮永氏もそろそろドラ無しだと打点上げもツラくなってくるはず…!必ず無理をする…!)

    (ここが最後のヤマやな…ごめん、皆…竜華…)

    (削って足らんのなら…)

    「命の灯、燃やし尽くしたるわ――!!」ググ

    (トリプル――!!)ズオォ

    415 = 376 :

    「―――」

    (瞬く間に終わらせる…!早く確認を…!)アセアセ

    「リーチ!」ガッ

    (識って…た、で…)ゼェ

    (かかりましたよ…特上の怪物が!)

    「ポン!」カッ

    (足掻く…!はよ帰らせろ!)

    416 = 376 :

    (―――っ)グラッ

    (――まだや!)ガシッ

    (ここは万に一つも、毛ほどの狂いさえ許されへん…分水嶺や…)

    (しくじれん…万全を…――!)ギュオ

    (――…やりおる…松実…玄…!)ゲホッ

    417 = 376 :

    (――誰もが皆、覚悟を決めてここに座ってるんだ)

    (園城寺さんは身体が弱いのに酷使して、食らいつこうとしている。新道寺の人も、リスクを承知でそれでも自分のその手で選択しているんだ)

    (私だけが、立ち止まって、みっともなく狼狽えて…きっと、いつも受け身で何かを待っていた)

    (自分から別れるのが怖かったんだ。戻ってきてくれるか不安だったんだ)

    (でも、今は答えを持ってる。あとは実践するだけ)

    (――信じること。前に進むために。笑って、みんなに託せるように)

    (…別れも待つことも、慣れてたはずだと思ってたんだけどな…)スッ

    (待ってるから。いつまでも、たとえ帰ってこなかったとしても。信じて、待ってるから――!)チャ

    418 = 376 :

    「リーチ!」カッ

    (え…)

    (初めて河にドラが…フフ、一歩踏み出しましたか。衆婆羅です)

    「……」ニコ

    419 = 376 :

    恒子「八筒切りだったら和了ってましたねチャンピオン!」

    健夜「…待ちがドラのみだったから」

    恒子「おうっ?」

    健夜「それだと阿知賀の松実選手が抱えて零れてこないと踏んだんでしょう。でも、それは結果として見誤っていた」

    恒子「ほほう」

    健夜「人は予想を越えてくるものですから…」

    420 = 376 :

    (ここか…!)

    「ポン…っ!」

    「!」

    (…改変完了…!)

    (フフ…大義でしたよ。これで…)

    (…普段なら有り得へん…が、今この時だけは、別や…)

    (誰より削りたい相手は、自分から飛び込んできてくれるんやから――!)

    421 = 376 :

    (…見くびってた…いや、そんなつもりはなかった。予想外の揺さぶりに取り乱した…それは否めないけど、でもそれだけじゃこうならない)

    (千里山の常軌を逸した予見と新道寺の献身、そして阿知賀のチカラが幾重にも複雑に折り重なって初めてこんな結果を生み出した…見事としかいいようがない)タン

    「――ロン!メンタンピン一盃口…ドラ6!」

    「……」

    「16000の二本場は16600――!」

    422 = 376 :

    恒子「先鋒戦決着――!!最後はまさかのチャンピオンに直撃――!!」

    健夜「…人は追い詰められた時…得てして追い詰めた側の予想をはるかに越えるもの…」

    健夜「私も高校生の頃に一度だけ…跳満以上のダメージを食らったことがありますから…あれはプロのなった今でも忘れたことはありません」

    恒子「そんなことが…。さて!それでは当時の映像がございますので見てみましょう!!」

    健夜「!?!?!?!?!?」

    恒子「小鍛治プロ、華の女子高生時代に迫る!」

    健夜「ダメ!いやマジで無理だから!!」


    (小鍛治健夜…これ…もしかしてハルちゃんのこと…?)

    晴絵(…私の時は他の二人と共闘するなんて…まして自分の何かを捨てて賭けに出るなんて考えもしなかった…)

    晴絵(頑張ったね…玄…!)

    423 = 376 :

    (決してベストな結果とは言えない…それでも、二回戦よりずっと多くの点数を姉上に繋げることができた…!)

    「……っ」グッ

    「おつかれさまです」

    「…おつかれさまでした」

    「衆婆羅でしたよ…フフ」

    424 = 376 :

    「…千里山の」

    「……?」

    「!」

    「…ぅ、あ…お…おつかれ、さん…」

    「大丈夫…?」

    「だいじょーぶや…よしょ、っと…こんなん…ただの、仮病…」フラッ

     バタッ…

    「…え」

    425 = 376 :

    竜華「怜ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいッッッ!!!!!」

    「りゅ…か…」

     バタバタ

    「……」

    (病弱…っていう設定、なんかじゃ…なかったんだ…)

    427 :

    おつおつ

    429 :

    「――…ン…」

    「あァ…倒れた…んやったな…」

    竜華「怜ィ!!!大丈夫なんかッ!?」

    「おおげさ…にしすぎや…しかし、申し訳ないわ…こんななるまでやって、あんな点離されてもうて…」

    セーラ「俺たちに任せとけよ…!!!」

    「あァ…次任せた、で…泉…!」

    「……!はいっ…任せてください…!」

    430 = 429 :

    「園城寺さん…大事なければいいんだけれど…」

    「あれ設定とかじゃなかったんだ…」

    穏乃「……、――!!!!」

    「しず…?」

    穏乃「の…ののっののの…ッッッ!!!」

    「え?」

    431 = 429 :


    「―――」


    穏乃「和ァァァァァ―――――――――――アアッッッ!!!!」

    「!?」

    「和…」

    432 = 429 :

    「……!穏乃…憧…玄さん…お久しぶりです」

    優希「のどちゃんの友達か?」

    「ええ。奈良にいた頃の」

    穏乃「……ッッッ!!!……ッッッ!!!」

    「いや、三年振りだからってどんだけ言葉に詰まってんのしず…」

    433 = 429 :

    「どうしてここに?今日は試合がなかったはず」

    「観戦にきたのですが、観客席が立ち見だったのでプレスルームにこいよって雑誌社の人が」

    「うっわさすが注目選手!」

    西田記者「何?あなたたち、一体どんな関け」

    穏乃「和ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」

    西田記者(うっさ!!)

    「はい。なんですか?」

    西田記者(え、普通に受け答えすんの!?)

    434 = 429 :

    穏乃「うちら必ず決勝に行くからッッッ!!!だから和も勝て!!!勝ち進んで決勝戦で会おう!!!約束だッッッ!!!」

    「……」

    「……」

    「……」

    「そんな約束はできませんが…」

    穏乃「ッッッ!!!」ガーン

    「――私自身はできるだけ頑張るつもりです」

    穏乃「ッッッ!!!」パァァ

    「……」ニッコリ

    435 = 429 :

    穏乃「じゃ決勝で!!!」

    「えっ!?」

    「はい」

    西田記者「え?え!?ちょ、ちょっと!!」

    436 = 429 :

    穏乃「よっしゃあああああああああああああああああ!!いくぞぉみんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ズドドド

    「え、ちょ…」チラッ

    「……」アウアウ

    「……」ブルッ(おもちの音ではない)

    「もうっ!いこ!みんな!」ダッ

    「え、もういいの?」

    「玄ちゃん…?」

    「あ、ああ!兎に角穏乃ちゃんを追おう!」タッ

    「こらぁぁぁぁぁぁぁぁ!止まれしず―――――!」ダダダ

    穏乃「うおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!!絶対勝つぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」ドドドド

    437 = 429 :


    「…じゃあ…行ってきます」フワッ

    「姉上…応援してるよ」

    「がんばって」

    「ふぁ…ふぁいと…宥姉…っ」ゼェハァ

    穏乃「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇ宥さんッッッ!!!」

    「――うん」

    438 = 429 :

    恒子「さぁ!いよいよ試合再開!次鋒の選手が続々対局室に集ってきてます!!次鋒戦、レディーファイッ!!」

    健夜「なにそのノリ…」


    「……ただいま」ガチャ

    誠子「お疲れ様です!」

    「おかえりテルー」

    439 = 429 :

    「……」

    「んー?テンション低くない?マスコミにいじめられでもした?」

    「…いや。マスコミはそんなでもなかった。これお菓子」

    尭深「……」スッ

    尭深(お茶です)

    誠子「声に出せ」

    尭深「……」フイッ

    「ありがとう」ズズ

    440 = 429 :

    「今回はアレ、使わなかったんだねぇ。あのギギギー!ドカーン!相手は死ぬ!ってやつ」

    「いや死なんけど…今回は、まぁ、その何?使いどころがなかったっていうか…」

    (正直使いたくないだけなんだけど。冷静に振り返ると何気に今回もちょっと危うかった気がするし…あんなの使ったら再発しかねない…)

    (でも決勝じゃ使わないといけないんだろうなぁ…ああやばい家に帰りたい…)

    441 = 429 :

    晴絵「玄!始めるよ!」

    「はい」ファサ

    「ん?一体何が始まるの?」

    晴絵「ドラゴンを復活させる儀式」

    「は?」

    (何言っちゃってんのこの人…?)

    晴絵「何さその目。すげぇ失礼なこと考えてない?」

    「いえいえ滅相もございませんハイ」

    442 = 429 :

    晴絵「玄のドラを捨てた反動は治まるまでに一定局数打たなきゃならなくて、それは三麻でもいいっつーのを看破したってわけよ」

    「え、つまり決勝戦まで打ちまくって復活させるってこと?」

    晴絵「まぁそうできればいいよねって話。ついでに基礎力の底上げも図れるしね」

    「そこまで考えて…」

    穏乃「さすがだぜッッッ!!!」

    「…恩に着るよ」

    (決勝戦に行けたとしてもあの二人が…花田さんと園城寺さんが一緒の卓に着くわけじゃないんだ…今回はあの二人のおかげ…それを忘れてはいけない)

    (そのことを胸に…もっと、頑張らなくちゃ…!)

    443 = 429 :

    (…玄ちゃん…頑張ったね…お姉ちゃんも、頑張るから…!)スッ タン

    (園城寺先輩は『勝ち進む』ことよりも、『勝つ』ことを目指して打っていた…)

    (監督も、「千里山の目標は決勝ステージに立つことやない、常にトップを目指すこと」って言ってたっけ)

    (そんなら…白糸台を二度打ち倒すってことやんな…)チャッ

    (でもそれは理想論…現実的に考えたらここは二位を着地点とし、そんでもって今年の白糸台を研究、決勝に備えるってのが麻雀における正しい駆け引きっちゅーもんなはず…)

    444 = 429 :

    (…阿知賀に聴牌気配…ここは無難に華麗に店じまいやな)タン

    美子「ロン、3900」

    (は…ハァ!?)

    (な、なんやその手…!まだ伸ばせる手、そんでなるたけ伸ばしたい状況やろここは…?)

    (リーチもかけずに…どういうことやこの人…?)

    445 = 429 :

    美子「ロン。2600」

    「はい」

    (また…!?点差考えたら染めた方がええんとちゃうの…?)

    (二回戦とはまた違う打ち方をしてきたか…?ただの早和了りだろうが…『射抜いて』おくか)グッ

    「……」ジッ

    (聴牌…さて、的は――)

    446 = 429 :

    (白糸台が張ったか。まァ弘世菫が狙うとしたらまず新道寺やんな)タン

    「――ロン」ドシュ

    (は…っ!?)

    「8000!」

    (…こっちかいっ!)ギリッ

    美子(よかったよかった…)ホッ

    「……」


    恒子『相手を射抜く一閃――!!白糸台のシャープシューター弘世菫――!!』


    (シャープシューターも他人を笑える代物ではないと思うんだけどな…)モッシャモッシャ

    447 = 429 :

    (クッ…狙った相手から直撃取れんならさっさと新道寺トバして勝ち抜けようとするんが定石やろ!)

    (さすがにここまで来るとな。決勝での勝率を少しでも上げる為に、次鋒から大将までの間だけは相手校を可能な限り見ておきたい)

    (勿論うちが三位に落ちでもすれば話は別だが…)

    448 = 429 :

    (てか三位転落やん…!園城寺先輩が阿知賀のアシストなんかせんかったら――)

    (…いやちゃうやろ二条泉!園城寺先輩の判断はベストな選択で、今抜かれたんは私の責任や…情けないこと考えんな!)

    (弘世菫が二位の相手を狙っとるんなら、次に狙われるんは阿知賀のはず…!)

    美子「ツモ」

    「……!」

    (クッ…また新道寺…!)

    449 = 429 :

    (…二回戦での経験を踏まえて変化させてきたか…さて、それはただの変化で終わるか、進化となるか)

    (…白糸台ばっか見てたけど、この人も北九州の強豪でレギュラー張る三年生なんやな…)

    (…そういや…相手はみんな三年生か…)ブルッ

    (――いやいや!何ビビッてんの!そういうこっちは関西最強の千里山でも稀有な一年生レギュラーを勝ち取っとるんや!)

    (関西最強の高校一年生から日本最強の高校一年生になるんや…!いや、もうなっとってもおかしくないんや!)

    (やったるわ――!)タン

    「ロン」

    (は…?ま…またこっち狙いか…!)

    450 = 429 :

    (――…うん。赤土先生が見つけてくれた彼女の癖…)

    (さて…次は…)ピクッ

    (動いた…!)

    (――阿知賀)スッ

    (ターゲットは私だ…!)

    (和了りに真っ直ぐ向かうと例外なく射抜かれる…それなら動きを変えて攪乱…)チャ

    (来い――射抜いてやる)


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