元スレ穏乃「うおおおおおおお!!燃えてきたぁぁぁぁぁぁ!!」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
201 = 194 :
晴絵「…福岡ではお世話になりました」
トシ「あんたをスカウトしてすぐに会社が傾くなんてねぇ…申し訳ないことしたね…」
晴絵「いえいえ…楽しませてもらいましたよ。おかげさまでまた麻雀を楽しむことができそうです」
トシ「…プロに」
晴絵「?」
トシ「プロに行く気はないのかい?」
晴絵「……」
トシ「話くらいきてんだろ?」
晴絵「…なくはない、ですけど…その前にまだ見ておきたい子達がいるんです……」
トシ「…そうかい」
202 = 194 :
えり「さぁ始まりましたインターハイ二日目!!」
晴絵「――みんな、準備はいい?」
「「「「「はい!」」」」ッッッ!!!!」
晴絵「よし!新生阿知賀の全国初お披露目といこうか!」
203 = 194 :
アナウンス『あと十五分で先鋒戦が開始されます――』
晴絵「出番だよ玄!」
穏乃「ファイトォォォォォォォォォォォ!!!!!」
憧「全国デビュー!」
灼「…気合で」
宥「わわ…が、がんばって…!」
玄「フフッ…!お任せあれ!」ファサ
204 = 194 :
えり「一回戦第六試合――!!岡山県代表讃甘高校、先鋒はエースで部長の新免那岐!!」
那岐「お相手仕り御座候……新免那岐、推して参る!!」
えり「福島県代表裏磐梯高校は森合愛美!!特技がスキーのスポーツ少女です!!」
愛美「うわっはっはっは!勝つぞー!!」
えり「奈良県代表は阿知賀女子学院、先鋒は松実玄!!実家は旅館だそうです!!」
玄「悪いけど…負けるわけにはいかないんだ」フッ
えり「富山県代表は射水総合高校!!先鋒をつとめるのは昨年の個人戦十五位、部長の寺崎遊月!!」
遊月「……(フン…くだらねーなァ~)」クイッ
205 = 194 :
えり「試合開始です――!!」
玄「……」チャッ
玄(全国大会…皆の宿願…)
玄(皆の、最初の一打…重いね…)フフッ
玄(ああ…目を閉じれば瞼の裏に浮かぶ…今までの、小生達の軌跡が…)トッ
遊月「ロン」
玄「はうあ!?」
遊月(地区大会じゃ稼いでたみたいだけど…守りがうっすいなァ~)
玄(このくらいじゃ泣かないもん…)
206 = 194 :
えり「阿知賀女子松実選手、ドラ切りで高目三色三面張テンパイ――!リーチをかけるか――!」
玄「……」タン
えり「…は?え…ど、どういうことでしょーか三尋木プロ…?テンパイすら取らないとは…」
咏「ふっははは!わっかんねー!」
えり「……」
207 = 194 :
咏「全てがわかんねー。いやサッパリ!」
咏「げ」
玄「……」キュ カッ!
えり「…ドラを重ねて張りました!」
咏「またドラ5とかまじっすか」
えり「また…?」
咏「さっきの局もドラ5だったっしょ。和了れなかったら意味ないけどねぃ」
208 = 194 :
えり「え…あ、また」
咏「ドラ…かー」
えり「え!?三面張と平和を捨てて片和了りノベタン!?あ、ほらほらもったいないことになってますよ三尋木プロ!」
咏「いや知らんし。知らん知らん」
えり「……」イラァ
209 = 194 :
玄「……」タン
愛美(ツモ切りか…よしきた!ここも通るはず!)
愛美「リーチ!」
玄「それだよ――ロン」
愛美「なっ!?山越し!?ていうか片和了りドラ6!?なんで八索切ってんの!?馬鹿なの!?」
玄「すまないね」ファサ
愛美「あやまることじゃないよ!」
210 = 194 :
えり「また…」
咏「だねぃ」
玄「――ツモ」
那岐「又…!」
遊月(ドラ6…!)
愛美(最悪のドラ麻雀だこいつ…――!)
211 = 194 :
咏「――ドラの由来ってドラゴンなんだよねぃ」
えり「ドラゴン…竜ですか?」
咏「そそ。だから多くのドラが集まるってことは、多くの竜に好かれるってコト」
咏「彼女は――」
那岐「……」トッ
玄「それ、ロン」
那岐「……っ」
玄「――24300!」
――阿知賀のドラゴンロード-竜の支配者-だ――!!
212 = 194 :
セーラ「うっはー!!あっついあっつい!!ホテルはやっぱ涼しいなー!!」
下級生「先輩おつかれさまです!!」
セーラ「おう!!」
浩子「あいかわらず暑苦しいやっちゃ…」
泉「そんなことより園城寺先輩は大丈夫っすかね」
浩子「ほな観察しにいこか」
213 = 194 :
怜「……」
竜華「……」
セーラ「しーっ!!」ドタバタ
竜華「やかましゃ!!」バチコーン
浩子「これはあかんでしょ」
怜「…起きとるから平気やで」ムクリ
214 = 194 :
セーラ「体調はどや!?」
怜「…悪くはないかな」
竜華「東京はどやった!?」
セーラ「それがあつうてあつうて!!!」
怜「セーラがあついのはいつものことやん」
泉「江口先輩も熱かったですけども。外気の方も暑うて、ファミレスでずっとダベってましたよ」
215 = 194 :
浩子「そいやおばちゃんが今日あった試合チェックしとけって」
竜華「ほんなら試合までホテルでテレビとにらめっこなるやん!!!!」
怜「生きるんてつらいなぁ…」
浩子「えらく達観しましたね」
泉「さっさと見」セーラ「さっさと見よーや!!!まだるっこしいのはアカン!!!」
泉「……」
216 = 194 :
怜「ほな今からでも」
竜華「今から!?」
セーラ「汗かいたー!!!腹へったー!!!」バタバタ
竜華「シャワー浴びたいー!!!」バタバタ
浩子「でっかい子どもがおる…」
泉「ほんなら!三十分後!またここに集まりましょう!(よっしゃ今度は言えた!)」
217 = 194 :
浩子「しきるねぇ。下級生やのに」ニヤニヤ
泉「はっ!す、すんません…」
セーラ「えー…ゆっくりしたいー!それじゃ一人十五分しかシャワーできなくね!?」
竜華「ちょい待ち!!!二人で入ったら…どや!?」
浩子「ほほう…」
セーラ「それ竜華がだれかさんと入りたいだけちゃうかー!!!」ケタケタ
竜華「ちっ、ちゃうわアホ!!!ばか!!!/////////」
セーラ「竜華のむっつりすけべえー!!!」
竜華「やめえ!!!ええかげんにせえよ!!!」
ギャースカ ワイワイ
泉「ほんま小学生レベルですやん……ほな一時間で……」
218 = 194 :
怜「…んで、どこから見る?」
竜華「いっちゃん近いとこ!!!」
怜「じゃ第六試合やな」
セーラ「勝ったんは…」
竜華「あああああああああああああああああああああ!!!言わんといて!!!」
浩子「お静かに」
竜華「あい…」
219 = 194 :
セーラ「なんでやねん!!!とりあえずどこ勝ったか見るやろ!!!」
竜華「それやとつまらんやろ!!!あんたは漫画読むときケッツの方から初めに読むんか!?」
セーラ「せやな…オレが間違ってたわ…」
竜華「ええんよ…誰だって間違うことあるわ」
浩子「どーでもええですけどお静かに」
竜セ「あい…」
220 = 194 :
泉「いやーでも、どこが勝ったのか、次にうちらと当たるのはどこかをはっきり知っとかんと、マークすべきとこがわかりませんよね?」
竜華「う」
怜「あ…あの子…」
えり『奈良県代表は阿知賀女子学院、先鋒は松実玄!!』
竜華「ああああああああああああああああああああ!!!」
浩子「静かにせえ!!」クワッ
竜華「あ、あい…。やなくて、あの子、高速のサービスエリアで会った…!!」
怜「あの子たちも出場校やってんな…」
221 = 194 :
竜華「なんちゅう偶然…いやこれはもう運命や!すてきやなぁ!決めた!私この子応援するで!!」
竜華「がんばれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
浩子「……」ジロッ
竜華「…玄ちゃんファイトォォォォォォォ」
セーラ「勝ったら敵やでっ!?」
浩子「……」ジロッ
セーラ「お口にチャックやな、うん。セーラ知ってたで」
浩子「ほんなら実践してください。頼んますよほんまに」
222 = 194 :
えり『大将戦終了――!!二回戦進出は阿知賀女子――!!』
穏乃『よっしゃあああああああああああああ!!!!!』
竜華「おめでとぉぉぉぉぉぉもごが」
怜「それ以上はさすがにまずいて」
竜華「もがもが」パヤァァァァァァ
怜「さりげなく手ぇ舐めんといてよ…てかすごいはしゃいでるけど、これで次にうちらと戦うんはこの子らやで」
竜華「…は?」
怜「うん」
223 = 194 :
竜華「え!?どっ、どっち応援しよ!?」
怜「何ゆってんの…?」
セーラ「あの姉妹はやっかいそうやけど穴あるな!!!」
竜華「穴姉妹やな!!!」
怜「何ゆってんの…?」
泉「」ブフォッ
浩子「?」
泉「ななななんでもないです…っ」
224 = 194 :
怜「まァセーラの言う通り…特にドラゴンを従えし妹さんの方は手が窮屈そうやな」
セーラ「とりあえず、この阿知賀ってのはうちの敵じゃなさそうや!!!」ニカッ
竜華「ほんまに?ほんまか?何を根拠に?」
セーラ「…不安なるやろ、そゆこと言うんやめえや」
227 :
おつおつ
穴兄弟、竿姉妹という言葉はあるが…と突っ込もうとしたがスレタイ見直して控えますた
228 :
それは某スレの役目だからね、しょうがないね
おつ
229 :
穏乃達が海岸沿いをマラソンして監督の奢りでホルモン屋行くシーンをいれて欲しい
230 :
ここのシズなら金銭に執着する臨海の大将を拳でぶっ飛ばしそう
231 :
えり「さぁ始まりました――インターハイ第二回戦第二試合、シード校千里山女子が姿を現します!」
怜「ども…」
玄「よろしく」ファサ
えり「間もなく先鋒戦開始です――!!」
232 = 231 :
えり「二回戦第二試合!埼玉県代表は越谷女子、先鋒新井ソフィア!兵庫代表劍谷高校は先鋒椿野美幸!奈良県代表は阿知賀女子学院、先鋒松実玄!そしてシード校の北大阪代表千里山女子、先鋒は園城寺怜!」
えり「それでは先鋒戦開始です――!!」
玄(それじゃァ…)タン
玄(頑張ろうかな…!)ファサ
ソフィア(さっきから髪を払ってファサファサとうざってー…)
美幸(あれは自分に酔ってる目だよもー…)
怜(…阿知賀の子…本当に手元にドラを抱き込むチカラを持ってるとしたら…それだけ手が透けて見えるってことやんな)
怜(しかも一回戦の不自然極まりないあの打ち方…おそらく彼女はドラを捨てられない…)
怜(そんなら悪いけど…踊ってもらおか――)
233 = 231 :
玄(目指すは決勝…悪いけれどここもドラゴンロードが支配させて――)トッ
怜「ロン」
玄「…え」
怜「1300」
玄「――!」
玄(千里山…!)
234 = 231 :
えり「えっと…初めての和了りは千里山女子!…ですが三尋木プロ、今のはなんというか…不自然でしたね?」
咏「んー?どんなところが?」
えり「阿知賀の松実選手はドラを切れば聴牌だったにも関わらずドラを切らず、一方の千里山・園城寺選手も三門張を取らずに嵌張待ち…これでは、なんというかまるで…」
咏「…千里山のコが阿知賀のコを狙い打ちした――みたい?」ニヤ
えり「…でもそんな」
咏「あはは、不思議だねぃ」
235 = 231 :
憧「玄…」
憧(ドラを捨てたらその後しばらくはドラがこない…手牌がドラで縛られるということは、それだけリスクも抱え込みやすくなるということ…)
玄「……」キュ
玄(ドラ…)
玄(…くっ…それじゃァ…)…タン
怜「――ロン」
玄(――園城寺…怜…!)
美幸(またへんてこな待ちに…なんなんでしょーかもー)
ソフィア(訝しい打ち方しやがんなー)
236 = 231 :
えり「またですね…」
咏「地区大会の牌譜も見たけどずっとこんなだよこのコ」
えり「ずっと…?」
咏「そ。彼女の打ち方は不自然が常なんだよねぃ。不自然な待ちの変化、その一巡後の和了。不自然な鳴き、その一巡後の誰かのツモ和了りをずらして避ける。そして、不自然なタイミングでのリーチ、その一巡後の――」
えり「……!」
怜「――リーチ」ズッ
美幸(園城寺のリーチ!)
ソフィア(きたかァ…)
玄(彼女のリーチ…もしも牌譜で見たことと同じことが起きうるのならば――)
――誰かが鳴かないと!
237 = 231 :
怜「ツモ――」
咏「フフッ…これじゃァまるで――」
えり「――未来予知…!」
咏「だねぃ」クスッ
怜「――4000オール」
玄(一発…!)
咏「数多のプロを排出してきた関西最強の名門校千里山女子…その名門に突如として現れた無名のエース…」
えり「……」ゴクリ
咏「一巡先の未来を識る者――園城寺怜!」
238 = 231 :
怜(…竜華の言う通り、出会いは確かに劇的なもんやったかもしらん。きっと、阿知賀のコたちはみんなええ人なんやろうな)
怜(――それでも。卓を囲んだら、勝つか負けるか、ふたつにひとつ。そんで、うちら千里山に負けは許されんのや)
怜(阿知賀女子学院…悪いけども、手加減はせんで…!)
怜「リーチ」ズッ
ソフィア(二連続――!?)
美幸(やだこれもー!)
玄(――これが…全国…!一万人の頂に近づくほどにその様相は険しく、常軌を逸した者達が棲まう――!)ゾクッ
239 = 231 :
宥「玄ちゃ…」
穏乃「……ッ」ギリィ!!
晴絵(強豪千里山女子のエース…ここまでとはね…!)
240 = 231 :
玄(――…こん、な…)
ソフィア「……」ズーン
美幸「……」モー
怜「…おつかれさん」スッ
玄(こんな…はずじゃ――)
えり「先鋒戦終了――!!」
241 = 231 :
灼「玄…」
憧「あ…あたし!迎えに…」
穏乃「待て!!!!!!」
憧「」ビクッ
穏乃「……」
憧「し、しず…?」
242 = 231 :
穏乃「……」スッ
宥「……」コクン
憧「…宥姉」
宥「わ、私に、まかせて…!」フルフル
灼「大丈夫?」
宥「うん…私おねーちゃんだから」
穏乃(…みんなでいこう!!!!って意味で宥さんに目配せしたんだけど…でも泣かせるぜ!!!!深いッッッ姉妹愛ッッッ!!!!)
243 = 231 :
美幸「おつかれっしたーもー…」
玄「ありがとう…ございました…」フラッ
玄「……」フラフラ
宥「…玄ちゃん」
玄「」ビクッ
244 = 231 :
宥「玄ちゃん…」
玄「…あ、姉上…ふ、フッ、さすが強豪千里山のエースといったところ、かっ…」
玄「なかなかにっ…なかな…ふっ…」プルプル
宥「玄ちゃん」ギュッ
玄「ぅ…うあっ…うぅ~!ごっ、ごべんなざいぃ~っ!みんなのっ、だ、だいじな点棒がぁ…」ボロッボロッ
245 = 231 :
宥「…大丈夫だよ」ポンポン
玄「うぇぇ…」グズグズ
宥「みんな、きっと誰も玄ちゃんを責めたりしないよ。それに――」
宥「今からおねーちゃんが取り返してきてあげるからね…」
玄「おねーちゃ…」
宥「?」
玄「…灼熱の抱擁」スッ
宥「???」
玄「うん…でも…ありがと、おねーちゃん」グスッ
246 = 231 :
竜華「怜ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」シュバッ
怜「心配性やなぁ…今回はあんま疲れてへんよ」
竜華「…うん。顔色もよさそうやな…よかったよかった!!!」
怜「…でも、竜華のご贔屓のコ、ちょっとヘコませてもうたかもな…」
竜華「…しょーがないやん。戦ったら、だれが相手でも勝たな」
怜「…せやね」
247 = 231 :
竜華「よっしゃ!!帰ったでー!!大将軍怜様の帰参やー!!!」バァン!!
怜「なにそれ…?」
セーラ「おう!!!おつかれ!!!」
浩子「調子はどないですか」
怜「悪くない、かな。運よく楽に勝てたんで」
セーラ「ヒューっ!!言うやん!?!?」
竜華「じゃかしゃ!!!茶化さんといてくれん!?」
248 = 231 :
泉「まぁまぁ。ほな次は私の番ですかね」
竜華「ファイトやでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
セーラ「いてこましたれや!!!」
泉「ご心配なく…先輩方はゆっくり休んどってください」
泉「関西最強の一年生は伊達やないってとこ見せてきたりますわ」
セーラ(…いつから関西最強の一年坊になったんや?)
浩子(さぁ?関西最強と名高い千里山のレギュラーに唯一入った一年やからあながち間違いでもないとは思いますけど)
泉(この大会で国内最強へ…そして来年の千里山は私が引っ張ってく!やったりますわ!!)
249 = 231 :
宥「それじゃ…一人で帰れるよね…?」
玄「うん…おまかせあれ」スン
宥「じゃあ――」
玄「…おねーちゃん」
宥「うん?」
玄「…がんばって!」ギュッ
宥「…うん」ギュッ
宥「――行ってきます」ファッ…
250 = 231 :
花子(うちが通過するにはなんとか千里山に食らいつくしかないっしょ)ヂュー
澄子「よろしくお願いしまーす」
泉「お手柔らかにー」ヘラッ
宥「……」スゥ…
宥(玄ちゃんのためにも…負けられない…)フゥッ
宥「…よろしく…お願いします」ヒュオ…
泉(なんや冷たい態度やなァ…一回戦じゃもっとオドオドしてた気がしたけど…)
えり「次鋒戦――開始です!!
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