私的良スレ書庫
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元スレ提督「甘えん坊」
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皆さんこんばんは。
羽黒が更に可愛くなりましたがやっぱり那智さんが一番だというのは揺るがないですね。
本日の投下はありません。
明日投下後にリクエスト取ります。
奮ってご参加下さいませ。
それではまた。
皆さんこんばんは。
第一次投下作戦開始します。
二回目の投下後にリクエスト取ります。
10人までです。早い者勝ちです。
それでは投下ー。
提督「…………………………」
初風「…………………………」
提督「…………………………」
初風「…………………………」
提督「………………なぁ、初風?」
初風「なに?」
提督「その、何だ……? 俺に用でもあるのか?」
初風「用……? 別に無いけど?」
初風「私はただ見てるだけよ。いけないの?」
提督「そ、そうか。それなら別にいいんだが……」
初風「……変な提督」
止めていた手を再び動かし、提督はまた書類作業に戻る。カリカリとペンの走る音が響くが、どことなくぎこちない。
おそらく私の視線を気にしているのだろう。
時々手を止めてはため息を吐き、また作業を再開するという行為が続いていた。
だからといって私は見るのをやめるというようなことはしない。何か邪魔をするというわけではなく、本当にただ見ているだけ。特にやめる必要は無いだろう。作業効率が落ちているのは明らかだけど、それの落ち度は提督にある。
初風に落ち度でも? なーんてね。
初風「……ふふっ」
提督「っ?!」
あまりの似合わなさについつい吹き出す。
急に笑ったことに驚いたのか、提督の体がビクンと跳ねた。いつも冷静な提督のこういう姿は珍しい。ちょっと可愛いと思ってしまった。
初風(……でも、可愛いって柄じゃ無いわよね)
音で表すと『キリッ』とか『ピシッ』とかが似合うのがうちの提督だ。
目鼻立ちもスラッとしていて贔屓目に見てもカッコいい部類に入るだろう。
そんなことを思いながら、提督の顔をまじまじと見つめる。勢い余って少し身を乗り出すのと同じくして、提督も少し身を引いた。
……無意識のことなのだろうが、その反応は地味に傷付く。
初風(…………んー?)
引こうが引くまいが私のすることに支障は無いはず。それならば何故傷付くのか?
胸中に疑問が渦巻いたが、考えてみても分からなかったので結局気にしないことにした。
そうしてまた改めて、私は提督の方へと視線を向けるのだった。
初風「………………」
初風「……ちょっと、顔背けないでよ」
初風「提督の顔、よく見えないでしょ?」
艦娘、と彼女達は一括りにして呼ばれるが、その中身はまさしく十人十色と言われるようなものだ。
容姿・態度・得手不得手・好き嫌い。
その他諸々を含めた全てがそれぞれ微妙に違っていて、とにかく皆個性が強い。
そんな中でも例外はいる。
特徴が無いというわけではないが、他の娘達と比べると比較的大人しく普通な娘がいるのだ。
元気な娘達の相手をするのも悪くはない。
…………ただ、俺だってたまには安らぎが欲しいと思うのは、至極当然のことであり許される我が儘であるというのは間違いないだろう。
飛龍「────はい、取れました」
飛龍「それじゃ今度はこちらに来て下さいね!」
声に従い体の場所を反対側へと入れ替える。
そしてまた頭を降ろすと、再び俺の頭は柔らかい感触に包まれた。
飛龍「こっちの耳もそんなに溜まってませんね」
そう、何を隠そうこの俺は、飛龍に耳かきをしてもらっていた。
なされるがままに飛龍の柔らかな腿の感触を味わう。短い袴からはみ出した健康的な肌色が目に優しい。
日々の疲れが癒されていくのを肌身に感じた。
飛龍「……痛くないですか?」
提督「ああ、全く」
飛龍「そうですか……安心しました」
飛龍「初めてやったので、上手く出来ているか心配だったんです」
ちなみにこれは俺から申し出た事ではないことを一応言っておく。あくまで飛龍自身が申し出たことであり、その感情には飛龍も俺も疚しいところは一切ない。疚しいところは一切ない。
ただ、普段の俺なら断固として受け入れていなかったであろうことから、疲弊によって俺の判断基準が弛んでいたということは否定するつもりはない。
まぁ、これきりだろう。
たまにはこういうことがあっても罰は当たるまい。それだけの行いはしてきているつもりなのだから。
飛龍「────よしっ、終わりました!」
提督「ありがとう飛龍。おかげでスッキリした」
飛龍「いえいえ、お礼には及びません!」
飛龍「提督には何度も助けられていますから!」
飛龍「ですから……その────」
飛龍「────またいつでも頼って下さいねっ!」
………………もう一回くらい、いいよな?
曙「────お帰り。見ての通りお邪魔してるわ」
提督「ああ、何もないがゆっくりしていけ」
曙「…………驚かないのね」
提督「驚いた方が良かったか?」
曙「別に」
それだけ言って俺から視線を外し、手に持っている本へと向き直る曙。
仕事を終えて自分の部屋に戻ってきたら先に曙がいた。一瞬驚きはしたのだが、そもそも逆の立場で同じ事をしているということに気付いてしまい、すぐに思考は落ち着いた。
ベッドに腰掛ける曙を余所に俺は上着をクローゼットに入れ、座布団をひいてドカリと座り込む。
テレビを点けるとニュース番組が流れていた。
提督「あんまり遅くまでいるなよ」
曙「それくらい分かってるわ」
曙「明日の出撃に疲れは残さない。当然でしょ。…………馬鹿にしてるの? クソ提督」
提督「分かってるならいいんだ」
俺と曙。同じ部屋にいるというにも関わらず、それぞれが自身の時間を満喫する。
かといってお互いを無視しているというわけではない。お互いの存在を認めた上で、ある種『居て当然のもの』として扱っているのだ。信頼、と言ってもいいかもしれない。
…………とにかく、良い時間を過ごしているということだけは間違いないだろう。
提督(………………こういう時間も良いものだな)
曙(……悪くないわ。また来ても良いわね)
お互い同じことを考えているということなど露知らず、二人はしばらくの間をそうやって過ごすのだった。
提督「────お茶とカルピス、どっちが良い?」
曙「カルピス」
曙「もちろん濃い目ね。分かった?」
提督「はいよ、っと」
五月雨「────すみません、提督……」
提督「気にするな。割といつものことだろう」
五月雨「あはは……、それはそれでちょっとショックですね……」
鎮守府、医務室。
ベッドに腰かけた五月雨にかしずくかのようにして膝を折り、五月雨の足首の状態を確認する。
事は少し前に遡るのだが、要約すると五月雨は、俺の秘書艦としての行動中に階段でバランスを崩してしまったのだ。
とっさに腕を掴むことでその細い体が床に叩きつけられるという事態は避けることができたが、その際に踏み出した足を捻ってしまったらしい。
おそらく捻挫だろう。そう当たりを付けた俺は処置を施すために医務室に来た訳なのである。
五月雨「提督は医学の心得もあるんですか?」
提督「まさか。こういった簡単なことだけだ」
提督「それに君達には普通の治療じゃ足りないだろう」
提督「入渠用のドックが空いていればすぐにでも入れてあげられたのだが…………すまないな」
五月雨「い、いえ、謝るのはむしろ私の方です!」
五月雨「──────痛っ……」
提督「ほら、無茶をするな」
五月雨「だ、大丈夫ですっ……!」
勇み立とうとした五月雨が、痛みによって再び座ることを余儀なくされる。
涙目になりながらも健気に振る舞うその姿に、不謹慎ながら可愛いと思ってしまった。
五月雨「──────あっ…………えへへ♪」
立ち上がり、眼下にいる五月雨の頭を撫でる。
さて、これからどうしたものか。
業務に戻ろうにも五月雨を無理に連れて行くわけにはいかない。かといって五月雨をここに一人にしておくというのも良心がはばかられた。
不意に、五月雨と目が合った。
五月雨「────提督……」
不安げな声。
潤んだ瞳と寂しそうなその声に、俺の心は決断してしまっていた。
五月雨(お、お姫様抱っこ……!)
五月雨(ええと、私重くないですよね? 今日はあんまり動いてないから汗の匂いもしないはずですよね?)
五月雨(ううぅ……!)
提督「五月雨、大丈夫か?」
五月雨「だ、大丈夫、ですっ! はいっ!」
五月雨(は、恥ずかしいです…………!)
天津風「あ、あなた……」
天津風「いい風きてる……?」
提督「風邪ひいてるくせに余裕あるな天津風」
提督「帰っても大丈夫か?」
天津風の部屋。
どうやら風邪をひいてしまったらしく、いつにも増してその頬は赤みを帯びていた。
そして俺はそんな天津風のお見舞い・看病をしに来た訳なのだが……、この台詞を聞く限り予想以上に余裕がありそうだった。
幸いもう少しでお昼になる。同室の島風や同じ駆逐艦娘の奴らもこの部屋に来ることになるだろう。寂しくはないはずだ。
そう思い、立ち上がろうとする俺。
その俺の手を何かが掴んだ。
天津風「……………………」
提督「……天津風?」
天津風「………………行かないで」
天津風「お願いだから……!」
きゅう、と握る力が強まる。
俺は何も言わずにその場にしゃがみ直した。
天津風の不安そうだった顔が、それを機に嬉しそうなものに変わる。人は身体が弱ると精神的にも弱るとよく言うが、天津風もその例外に漏れなかったらしい。
普段の態度が見る影もなかった。
提督「…………ははっ」
天津風「……何笑ってるのよ」
提督「ん? 天津風も可愛い奴だなぁと思ってな」
天津風「なっ……!?」
提督「落ち着け落ち着け。体に障るぞ」
天津風「くぅっ……!」
天津風「お、覚えてなさいよ……!」
そう言って怒りを露わにする天津風。
しかしその手が未だに離されていないという事実に、俺はただただ笑うしかなかった。
投下終了。
残りリクエストは10人。
よって追加取ります。
このレスから艦娘10人分です。
お1人様1名とは言いません。
良識の範囲の人数でどうぞ。
それではよろしくお願いします。
間宮さんまででストップ。
リクエスト了解しました。
それではまた。
乙乙
ちくせうのしろんでお願いしようと思ったら思いっきり出遅れた
ちくせうのしろんでお願いしようと思ったら思いっきり出遅れた
曙の飲むカルピス(もちろん濃いめ)で変な想像をした自分は間違いなく糞提督
>>231
大丈夫、俺もだ
大丈夫、俺もだ
今更だけど>>206
「贔屓目に見ても~」じゃなくて「贔屓目に見なくても~」だよね?
「贔屓目に見ても~」じゃなくて「贔屓目に見なくても~」だよね?
曙はお茶よりカルピス→カルピスが好き→白い液体が好き
俺「……!! 曙、この大口径からカルピスさんがでるぜ」ボロン
俺「……!! 曙、この大口径からカルピスさんがでるぜ」ボロン
>>235 対空+1は大人しく仕舞っておきましょうね~
良かった……! ちゃんと書き込めてる……!
えーと、昨日は何のお知らせもなく投下しないでしまって大変申し訳ありませんでした。
見に覚えは無いのですがBBQ規制というものに引っかかってました。何故じゃ。
何はともあれ続けることが出来そうなので本当に良かったです。
それではまた今日の夜に。
足柄「──────意外ね……」
深夜、執務室。
トレーニングに熱を入れてしまったせいでいつもより大分遅くなってしまった私は、この時間帯だというのに未だに灯りが漏れている執務室に気付き、その扉に手をかけた。
そして目に飛び込んできたのは珍しい光景だった。
提督がテーブルに書きかけの書類を散らし、ソファの背もたれにその背中を預けながら小さく寝息を立てている。
状況から察するに仕事途中で睡魔に負け、まどろみに落ちたと見て間違いないだろう。
起こさないようにそっと近付き、提督の隣へと腰かける。
目を閉じ無防備な姿を晒す提督に、私の笑みがこぼれた。
足柄「……疲れてないわけがないわよね」
うちの鎮守府で抱えている艦娘の数は他の鎮守府と比べて圧倒的に多い。その分提督の仕事量が多くなるのは必然で、今ではまだまだ規模が小さかった頃の数倍はくだらないだろう。
それでもこなしているのだから、この提督は凄い。
労いの意を込めてその頭をそっと撫でる。
硬くて引っかかる髪の毛の手触り。
ハリやツヤの無さに、それらの激務の代償が現れていた。
足柄「……いつもありがとう」
感謝の言葉を面と向かって伝えるのは恥ずかしい。かと言って寝ている間に囁くのもいささか卑怯ではあるのだが、ズルい女は許されるのが世の常というものだ。このくらいは許してもらおう。
足柄「これからもよろしく頼むわよ」
体を寄せ、その肩に自身の頭を軽く乗せる。
そうして目を閉じれば、じんわりと暖かさに包まれていくのを感じることが出来るのだった。
提督「──────ん……?」
提督(……途中で寝てしまったのか。弛んでるな)
提督(……? 違和感が────)
目を覚まし、違和感の方向へと顔を向ける。
すぅすぅと安らかな寝息を立てる足柄がそこにいた。
何故ここにいるのか?
何故ここで寝ているのか?
疑問は尽きないが……。
足柄「むにゃ…………」
足柄「提督ぅ……ありがとぉ…………」
足柄「………………ふふっ♪」
苦笑し、頭をかく。
楽しい夢でも見ているのだろう。その顔は少々だらしなかった。
提督「……仕方ないか」
仕事に戻ることは出来ず、更に言えば動くことすら出来ず、俺は仕方なく再び目を閉じる。
俺が再びまどろみに落ちるのに、そうそう時間はかからなかった。
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