元スレ京太郎「牌のおねえさんフォーエバー」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★
402 :
追悼EDは全て壊すんだ(ダブリー)とかになるのかな?
乙です
403 :
乙
あわいい
406 :
牌のお姉さんのスレで高品質京淡を見るとは
乙ですよ
407 :
乙
一瞬京ちゃんがアナウンサーになるのかと思ったった
408 :
【やっとスタートライン】
――普段の二人、サークルにて
淡「何見てんのー?」
京太郎「ん? ああ、昔のインハイとか県大会の動画だよ。女子のやつ」
淡「ほうほう……あ、コレ私が1年のやつじゃん」
京太郎「あの辺りのはまだ見てなかったからな」
淡「……つまり、私の華々しい活躍が見たかったと?」
京太郎「は?」
淡「もー、それならそう言えば良いのにー。このこのー」
京太郎「お前ほんとブレないな」
409 = 1 :
淡「あー、ここ。コレ決めた時はほんっと気持ちよかったなー」
京太郎「ほー」
淡「こう、全部私の手の中ーって感じで」
京太郎「……俺は対局相手の顔の方が気になった」
淡「えー? 見るなら私の雄姿だけでいいじゃん」
京太郎「何様だお前は」
淡「高校100年生もとい、大学1万年生です!」
京太郎「大学は8年までしかいられないぞ」
淡「そういう意味じゃないもん!」
410 = 1 :
――普段の二人、対局中
京太郎(しっかしなぁ……)チラッ
淡(あ、こっちのこと見てる? 今先輩の番なのに)
京太郎(どうなってんだろ、こいつの髪)ジィッ
淡(なんだろ、そんなに淡ちゃんのことが気になっちゃうかなー?)
京太郎(ちょっと本気出すとブワって広がるけど、どういう仕組みなんだ)
淡(ふふん。しょーがないなー、きょーたろーは)
京太郎(それも不思議なんだけど、正直めっちゃいい匂いすんだよな。ブワって時に髪の匂いも広がって)
京太郎「……不思議だ」
淡「は?」
「いいからはよしい」タンッ
411 = 1 :
――普段の二人、休日にて
京太郎「なぁ」
淡「んー?」
京太郎「いい加減降りろよ。階段歩くのしんどい」
淡「いーじゃん、減るもんじゃないし」
京太郎「俺の体力は着々と減ってるんだが」
淡「えー? でも歩くの疲れたんだもん」
京太郎「人を散々連れまわしてコイツは……」
淡「役得でしょー。私と二人っきりで遊園地だよ?」
京太郎「やれやれ」ハア
京太郎(まぁ……何だかんだで、楽しかったしなぁ)
京太郎「……わかったよ、お姫様」
淡「うむ。よきにはからえー♪」
京太郎「調子に乗んなっての」
412 = 1 :
――普段の二人、講義の合間
京太郎「なー」
淡「んー?」
京太郎「次の試験n」
淡「わぁーっ!!!」
京太郎「……次の、範囲d」
淡「あー! あーあーあー!!!」
京太郎「……」
淡「……」
京太郎「きなこもち、食うか?」
淡「うん!」
京太郎「……」
淡「……♪」モグモグ
京太郎「で、次の試験範囲だけど」
淡「んぐふっ!」
413 = 1 :
京太郎「ほら、お茶」
淡「ずずーっ……ふぅ」
淡「不意打ちずるい!」
京太郎「いや、どうせいつかはするだろこの話」
淡「むー……なんで大学生になってまで勉強しなきゃいけないのー?」
京太郎「今すぐ全国の受験生に土下座してこい」
淡「うあー……将来は麻雀で食べてくからいいもん」
京太郎「大学1万年生が現実味を帯びてきたな……」
淡「だからそういう意味じゃないって!」
京太郎「……はぁ。今度一緒に勉強するか? 図書館あたりで」
淡「えー……あそこ飲食禁止じゃん」
京太郎「勉強会に何を期待してんだ」
淡「お菓子食べなきゃやる気でないー。女子だもん」
京太郎「試験終わったらいくらでも食わせてやるよ。きのこでもたけのこでも」
淡「じゃトッポで」
京太郎「ハイハイ」
414 = 1 :
――それが、きょーたろーが牌のおにいさんになるまでの私たち。
やれやれって、大人ぶって溜息を吐く。
けれど、なんだかんだ言って色々やってくれるのがきょーたろー。
特に用はないけれど、気付けばいつもその隣にいる私。
別に恋人とかではないんだけど、大学では一緒にいるとなんだか楽しい。
だけど、きょーたろーが牌のおにいさんになってからは――
淡「ねね。この後なんだけどさ」
京太郎「悪い、すぐ仕事入ってるから。また今度な」
こんなの、ばっかり。
415 = 1 :
淡「むー」
授業が終わったと思ったらすぐ仕事。
一緒に遊びに行こうとしたらすぐ収録。
口を開けばやれはやりん、やれ牌のおにいさん、やれおもち。
デレッデレな顔晒してアラフォーのおばさんの話ばっかり。
淡「つーまーんーなーいー……」
サークル備え付けのソファに寝っ転がる。固い。
何だかもどかしくって足をバタバタさせるけど、胸のモヤモヤは広がるばかり。
淡「ううー……」
張り合いがない。このモヤモヤをぶつける相手がいない。
お腹が空いてもタコスを持ってきてくれるヤツがいない。
最近だと、夢にも出てこない。
416 :
まだ(この時点では)アラフォーじゃねえから!
417 = 1 :
アイツがいないなら、もうこのサークルにいる意味も――
「大星」
淡「ふぇ?」
ボフボフと近くにあったクッションを叩いていると、先輩が声をかけてきた。
名前は覚えていないけど、確か関西出身の……?
「さっきから機嫌悪いみたいやけど」
淡「別に」
この人には関係ない。
「備品にやつあたりするのはあかんよ」
淡「……」
従う理由もないけど、あまり言われるのも面倒くさい。
ぽいっとクッションを適当に放り投げる。
418 = 1 :
「なぁ、大星」
淡「はい?」
「悩みがあるなら言ってみ」
淡「はぁ?」
「今度の交流試合までにトラブルは解決しときたいからな。貴重な戦力である大星をほっとくわけにもいかん」
淡「そんなこと言われても……別に、ありませんけど」
「そうは見えんけど」
淡「……」
419 = 1 :
交流試合。
どうせきょーたろーは牌のおにいさんとかで来れなさそうだし、私が行く意味もない。
そんなものに興味はない。
「なぁ、大星」
淡「……」
もう応える必要もない。
だって、どうせくだらないことしか――
「お前、須賀のこと好きなんか?」
淡「はぁっ!?」
何言ってんのこのヒト!?
420 = 1 :
「あ、ライクの方とちゃうで。ラブの方や」
淡「な、べ、別にアイツのこととか――」
「そうかぁ? 私の見立てでは――つか、誰が見ても気付くけど、明らかに須賀のこと意識しとるやん」
淡「そ、そんなこと……」
ない、とも。
断言できなかった。
421 = 1 :
「まぁまぁ、ここらで一度振り返ってみぃ。自己分析ってやつや」
淡「えぇ……?」
「須賀と一緒におる時、どんな気分?」
淡「どんなって……そりゃ、楽しいけど」
「須賀の持ってくるタコスやらお菓子やら食っとる時は?」
淡「おいしい」
「そうやなくて、いやそれもそうなんやけど。胸ん中はどんな感じや」
淡「んー……あったかい、とか?」
「須賀と予定が合わなかった時」
淡「なんとなく、さびしい」
「須賀が巨乳見てデレッデレしとる時」
淡「ムカつく」
「須賀に頭とか撫でられてる時」
淡「……ちょっと気持ちいいかも?」
「須賀が他の女と話して笑ってたり、瑞原プロの話しとる時」
淡「……ムっとする」
「須賀が夢に出てきたことは?」
淡「……っ!」
「何度もアリってとこか。その様子だと」
422 :
この世界線では、はやりんみたいに見た目や能力の老化が遅いベテラン選手が珍しくなさそうだなw
山本昌(??)「牌のお姉さんが引退か。俺ももう長くないな」
↓
山本昌(?? ??)「牌のお姉さんが復活か。俺もまだ頑張らないと」
423 = 1 :
……言われて、みれば。
きょーたろーのことばかり考えてる自分がいる。
「で、もっかい聞くけど」
「お前、須賀のこと好きなんか?」
麻雀から始まって、コイツといるとそこそこ楽しいって思って。
それから一緒にいることが増えて、講義でも隣の席が当たり前になってた。
じゃあ、このモヤモヤは?
牌のおねえさんにきょーたろーを取られた、から?
じゃあ、私は。
もしかして。もしかしなくても。
私は、きょーたろーのことが
淡「……好き、かも」
424 = 1 :
「ほら見ぃ」
ニヤニヤ笑う先輩。キラりと光るメガネのフチとドヤ顔がうざい。
淡「うー……」
「んでまぁ、うちのサークルの規約には恋愛禁止なんてもんはない」
「ま、そこでな? うちの主力に何かあったら困るし、可愛い可愛い後輩がめんどいことになる前に」
「私が人肌、ぬいだるわ」
淡「え……?」
425 = 1 :
「今度、追いコンの下見も兼ねて下級生同士での飲み会を企画しとるんやけど」
「その前に、須賀と二人っきりになれる機会作っとく」
淡「でも、きょーたろーも忙しいんじゃ」
「その辺はぬかりなし。きちんと須賀がヒマな時間も調査済み」
この日や、空けとき。
と、スケジュール帳を見せてくる先輩。
その日は私にも特に用事はなくて、確かに久しぶりにきょーたろーと一緒になれそう。
淡「……よし!」
ずっと胸の中にあったモヤモヤが消えていく。
握る拳に、力が入る。
やれる。やってやる。
あのデレッデレな顔に、吠え面かかせてやる……!
426 = 1 :
「ヤル気も十分ってとこか。んじゃまぁ、後はよろしく頼むで」
席を立つ先輩。バッグから教科書がハミ出てる。
この後に講義があるのかな。
淡「あ、あの」
「礼ならいらん……と言いたいとこやけど、交流試合での働きには期待しとるからな」
ヒラヒラと手をふりながら、サークルボックスを後にする先輩。
どこか余裕のあるその後姿は、いかにも先輩って感じがして、なんだか頼もしかった。
427 = 1 :
……けど。
淡「……結局、名前、知らないんだけど」
ほんと、なんて言ったっけ、あのヒト……?
428 :
船Qかな?
429 :
人の肌を脱ぎ捨てた妖怪データすすり
430 = 1 :
――そんなこんなで。
はじめての恋愛指南とかいうよくわからない本だの、ネットの掲示板だの、高校時代の先輩たちに色々聞いてみたりはしたけれど。
実りのある意見はなく――というか見栄張ってたけど明らかに恋愛に関しても私以下だった、あの人たち――
飲み会の日が、やってきた。
京太郎「みんな、遅いな」
淡「……」
集合場所のサークルボックスには私ときょーたろーの二人だけ。
先輩の根回しが上手くいっているみたい。
431 = 1 :
これで、後は私がきょーたろーをメロメロにしてやるだけ……なんだけど。
京太郎「……」ペラッ
淡「……」
……恥ずかしい。
ちょっと前に同じ場所で気合を入れたはずなのに。
いつもよりも頑張って背中に飛びついて、「あててんのよー?」とか、やるつもりだったのに。
きょーたろーのことを好きだって自覚してからは、今までの行為がとてもレベルの高いものに見えてきた。
京太郎「……ふむふむ」ペラッ
きょーたろーはそんなことも知らん顔で、番組の台本に目を通している。
……ムっとくる。こっちはこんなにドキドキしてるのに、ちょっとくらいは意識したっていいじゃん。
そしてそんなきょーたろーの横顔を見て、イケメンだなーって見惚れてる自分がいることにも。
432 = 1 :
チ、チ、チ、チ、チ……。
壁にかかった時計の針の音。いつもは全く気にも留めないその音が、とても大きく聞こえる。
ペラ、きょーたろーが台本をめくる音。
チク、時計の針が進む音。
この二つだけが部屋の中に響く。
私ときょーたろーの会話はない。
淡(うわーん! 助けてテルー!!)
と、耐え切れなくなった私が高校時代の先輩にヘルプを求めたら、
京太郎「……さすがに、遅すぎないか?」
淡「え?」
きょーたろーが顔を上げる。
時計に目をやれば、確かに集合時間はとっくのとうに過ぎていた。
433 = 1 :
淡(うっそ、もうこんなに……!?)
気がつかなかった。
私がアレコレ悩んでいる間に、こんなに時間が過ぎていたなんて。
京太郎「連絡ないか?」
淡「え? ああ、ええっと、……あ、色々あって直接現地に行くって、メールが」
京太郎「マジか、じゃ俺たちも急がないと」
溜息を吐いて立ち上がるきょーたろー。
……溜息を吐きたいのはこっちなんだけど!
434 = 1 :
二人で大学を出て、電車に乗って、現地へ向かう。
結局それっぽいことは一つも出来なかったなー……。
京太郎「なぁ」
淡「ひぇ?」
あ、変な声でた。
京太郎「なんというか……大丈夫か? 様子がおかしいけど」
淡「そんなこと、ないけど?」
京太郎「そうか? あんま無理すんなよ。顔赤いし、熱あるんじゃないか?」
道を歩く時も、さり気なく自転車から私をかばうようにして歩いてるし。
……なんでこう、こういうところはすぐ気がつくんだろ。
435 = 1 :
私はドキドキしてるのに、きょーたろーはいつも通りの自然体。
なんなんだろう、本当に。
淡「ね、きょーたろー」
京太郎「ん?」
淡「きょーたろーはさ、どっちの方が大事?」
京太郎「なにが?」
淡「牌のおにいさんと、私たちとのサークルと」
京太郎「はぁ?」
淡「いいから。答えてよ」
436 = 1 :
京太郎「どっちがって……順位を付けられるようなモンでもないだろ」
淡「だって、最近はずっとはやりんはやりんって」
京太郎「そりゃ、ここ最近はあっちにかかりっきりだけど」
淡「大学のことよりもはやりんの方が大事なんじゃないの?」
京太郎「んなわけないだろ。どっちも大切にしたいと思ってるよ、俺は」
淡「そっか」
京太郎「おう」
淡「そっかぁ……」
京太郎「おう……?」
437 = 1 :
少なくとも今は。
何よりも牌のおにいさんの方が大事だとか、そういうわけではないみたい。
淡「なら、いいや」
京太郎「わけのわからんやつだな……あ、もしかして」
京太郎「お前、拗ねてるのか?」
淡「ハ?」
438 = 1 :
京太郎「いやー、確かに最近かまってやれなかったからなー」
ニヤニヤしてる。これはちょーしに乗ってる時の顔だ。
淡「うるさい、きょーたろーのくせに」
京太郎「悪い悪い、寂しかったんだよなー?」
淡「だから! それは――」
「あ! もしかして!」
439 = 1 :
違うからって、言おうとした言葉は
「やっぱり! おはようございます!」
淡「……へ?」
京太郎「お! おはようございます! お疲れ様です!」
突然の、乱入者に
「そっちの子は、京太郎くんのお友達かな?」
京太郎「はい、同期のヤツです」
「そっかー。はじめまして、牌のおねえさんこと――」
440 = 1 :
はやり「瑞原はやりです! よろしくね☆」
かき消された。
441 = 1 :
途中で寝落ちしました。すみません。
最初は淡ルートと平行して咲ちゃん小話や咏さんの話を投下していくつもりだったんですけど、
まずは淡ルートに集中したほうが良さそうなので、予定を変更して
淡ルート→咲ちゃんや咏さんの小話→照ルート→えりちゃんルート
って書いていこうかと思います
それでは、今回はここで中断します。ありがとうございました
442 :
乙乙
期待してるよー
443 = 429 :
乙ー
楽しみ
444 :
おつー
非常にあわいい
楽しみに待ちます
445 :
乙
仕事と私どっちが大事なの、的な雰囲気ががが
447 :
おつです
咏さんルートないのかー…
448 :
はやりん 大勝利
あわあわ ラブコメ中
すこやん オチ要因
どこで差が着いたのか
449 :
【おおきなかべ】
牌のおねえさん。
私からきょーたろーをとってったプロの人。
言うなれば私の宿敵であり、倒すべき大きな壁。
はやり「えっと……あなたは?」
その人が今、私の前にいる。
京太郎「ほら、淡」
急かされなくてもわかってる。
今、この場で。私がするべきことは。
淡「どーも、はじめまして……それと」
はやり「?」
無駄におっきな胸の、アラフォーのオバサンに対してするべきことは――
淡「私の! "私の"きょーたろーが! いつもお世話になってます!!」
――宣戦布告だ!!
450 = 1 :
いくらきょーたろーがデレデレでも、一緒にいる時間は私の方がずっとずっと長かった。
思い出っていうポイントでは、私の方が有利なハズ。
淡「ほんっと私が見てないときょーたろーはダメダメで、大学でもいっつも側にいてこの前なんかも一緒に――」
京太郎「余計なお世話だっての」ピシッ
淡「あいたっ」
言ってやるぞ、と意気込んでいたらデコピンされた。
淡「なにすんのさー!」
京太郎「お前は俺のかーちゃんかよ。すいません、コイツいつもこんなんで」
はやり「あはは☆ 面白い子だねっ」たゆんっ
淡「――っ!!」
みんなの評価 : ★★★
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