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元スレ京太郎「牌のおねえさんフォーエバー」
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淡「ど、どどどどういうことテルー! きょーたろー浮気!?」
京太郎「浮気ってなんだ!? 酔いすぎだお前は!」
健夜「そ、そんなことしちゃうとか!? だ、旦那様としかあり得ないよね!?」
京太郎「どれだけ乙女チックなんだ!?」
ギャーギャーワーワー。
そんな風にふざける俺たちを前に、
晴絵「で、どうなのさ。実際」
照「……?」
この二人だけは、冷静に視線を交わしていた。
理沙「焼酎! ピッチャー!」
京太郎「浮気ってなんだ!? 酔いすぎだお前は!」
健夜「そ、そんなことしちゃうとか!? だ、旦那様としかあり得ないよね!?」
京太郎「どれだけ乙女チックなんだ!?」
ギャーギャーワーワー。
そんな風にふざける俺たちを前に、
晴絵「で、どうなのさ。実際」
照「……?」
この二人だけは、冷静に視線を交わしていた。
理沙「焼酎! ピッチャー!」
照「おっしゃっている意味が、よくわかりませんが」
晴絵「意味ってそりゃ……そのまんまだよ」
照「……別に、私と須賀くんは、そういう関係ではありません」
晴絵「その割りに……さっきからずっと指を離さないけど?」
照「ええ。それが?」
晴絵「それがって……ああもう、まどろっこしいなぁ」
理沙「……うぇっ」
晴絵「意味ってそりゃ……そのまんまだよ」
照「……別に、私と須賀くんは、そういう関係ではありません」
晴絵「その割りに……さっきからずっと指を離さないけど?」
照「ええ。それが?」
晴絵「それがって……ああもう、まどろっこしいなぁ」
理沙「……うぇっ」
晴絵「まぁ、とにかく。宮永プロと京太郎は恋愛関係にあるわけではないと?」
照「……」
晴絵「……宮永プロ?」
照「……はい、そうです」
晴絵「そっか、なるほどね――ふうん?」
晴絵さんが、俺に視線を向けてくる。
俺はただ、頷くことしか出来なかった。
淡「こっちみろー! ちゅーしてやるー!!」
京太郎「ええい、やめい!」
健夜「ちゅ、ちゅーって……そんなの結婚しかないじゃない!」
京太郎「あなたも落ち着け!」
理沙「……」
照「……」
晴絵「……宮永プロ?」
照「……はい、そうです」
晴絵「そっか、なるほどね――ふうん?」
晴絵さんが、俺に視線を向けてくる。
俺はただ、頷くことしか出来なかった。
淡「こっちみろー! ちゅーしてやるー!!」
京太郎「ええい、やめい!」
健夜「ちゅ、ちゅーって……そんなの結婚しかないじゃない!」
京太郎「あなたも落ち着け!」
理沙「……」
晴絵「ハイハイ!」
パンパン!
晴絵さんが手を叩いて場の収拾をつける。
晴絵「すいません、私のくだらない詮索で場を乱してしまったようで」
ペコリと頭を下げる晴絵さん。
その様子に、流石に俺たちも冷静にならざるを得なかった。
晴絵「ですが、場も盛り上がったようですし――ここらで一つ、ゲームといきましょう!」
晴絵さんがメニュー開く。
その指先はパーティーゲームメニューの欄の、人気ランキング1位の――
理沙「……っ! まだ、イケる!」
パンパン!
晴絵さんが手を叩いて場の収拾をつける。
晴絵「すいません、私のくだらない詮索で場を乱してしまったようで」
ペコリと頭を下げる晴絵さん。
その様子に、流石に俺たちも冷静にならざるを得なかった。
晴絵「ですが、場も盛り上がったようですし――ここらで一つ、ゲームといきましょう!」
晴絵さんがメニュー開く。
その指先はパーティーゲームメニューの欄の、人気ランキング1位の――
理沙「……っ! まだ、イケる!」
――王様だーれだ!
淡「帝王はこの淡だー! 依然、変わりなく!!」
健夜「ええ! また!?」
拳王の如く、当たり棒を握った拳を高く突き上げ、宣言する。
確かにコイツは普段から運の良い場面によく遭遇しているが、こうも当たりを引き当てるとは――
淡「ふっふっふ! 絶対安全圏は伊達じゃない!」
晴絵「やっぱりか! おかしいと思った!」
京太郎「そこまでするか!」
淡「勝てばいいのだ! 勝てば! ふっふっふ、それじゃあ――」
高まったテンションとジャンジャン入った酒の影響で真っ赤に染まった顔。
これから下される命令はきっとロクなものじゃない。
グルグル回った瞳が、獲物である俺を捕らえた。
淡「きょーたろーが! わたしにちゅーしろー!!」
京太郎「な、はあぁっ!?」
それは、ルールも何もかもを無視した命令。
完全に酔いとその場の空気に流された行動だった。
理沙「スピリタス!」
猪の如き勢いで迫る、淡の唇。
王の命令は絶対であり、俺はそれを――
京太郎「やめろっつーの!」
淡「ふえっ!?」
全力で止める。
真っ赤な両頬を摘み、突き出た唇をタコ口にする。
淡「ぶーぶー! おーさまの命令は絶対だぞー!」
京太郎「ルールを守ってから言えそういうことは! 子どもじゃないんだから!」
淡「ぶー……」
渋々といった具合で離れる淡。
流石にこんなテンションで責任はとれん。
王の命令は絶対であり、俺はそれを――
京太郎「やめろっつーの!」
淡「ふえっ!?」
全力で止める。
真っ赤な両頬を摘み、突き出た唇をタコ口にする。
淡「ぶーぶー! おーさまの命令は絶対だぞー!」
京太郎「ルールを守ってから言えそういうことは! 子どもじゃないんだから!」
淡「ぶー……」
渋々といった具合で離れる淡。
流石にこんなテンションで責任はとれん。
淡「ノリ悪いぞー、きょーたろー!」
京太郎「それは悪ノリって言うんだよ。こんなとこで責任とれんわ」
淡「いーじゃん。私をお嫁さんにしてよ、きょーたろー」
京太郎「バカ。お嫁さんってのは、幸せで、幸せで、幸せの絶頂の時になるもんだ。こんなとこの空気に流されるもんじゃない」
晴絵「幸せ……」
健夜「いつ来るのかな……」
京太郎「あ、すんません!?」
俺も場の空気に酔っていたようで。
思わず変なことを力説していまい、意図せぬ導火線に引火した。
淡「きょーたろー……なんか、どーてーくさい!」
京太郎「は、ハアぁっ!? ど、どどどどうていちゃうわ!」
照「え、そうなの……?」
京太郎「あ、イヤ今のは言葉の綾っていうかイヤそうじゃなくて――ああもう!」
混沌。
今の空気を一言で表すなら、それだ。
京太郎「それは悪ノリって言うんだよ。こんなとこで責任とれんわ」
淡「いーじゃん。私をお嫁さんにしてよ、きょーたろー」
京太郎「バカ。お嫁さんってのは、幸せで、幸せで、幸せの絶頂の時になるもんだ。こんなとこの空気に流されるもんじゃない」
晴絵「幸せ……」
健夜「いつ来るのかな……」
京太郎「あ、すんません!?」
俺も場の空気に酔っていたようで。
思わず変なことを力説していまい、意図せぬ導火線に引火した。
淡「きょーたろー……なんか、どーてーくさい!」
京太郎「は、ハアぁっ!? ど、どどどどうていちゃうわ!」
照「え、そうなの……?」
京太郎「あ、イヤ今のは言葉の綾っていうかイヤそうじゃなくて――ああもう!」
混沌。
今の空気を一言で表すなら、それだ。
京太郎「どにかく! そういうのは好きな人と――」
淡「じゃあ、いいじゃん」
京太郎「へ?」
淡「私、好きだよ。京太郎のこと」
……赤い頬は酒に酔っているせいか、それとも。
淡「だから、私は――」
京太郎「はい、そこまでだ」
淡の言葉を遮る。
京太郎「そういうことは酔っている時じゃなくて素面の時でな。
さっきも行ったけど子どもじゃねーんだから」
淡「……むー」
もしこれが、大学時代のコンパだったら。
淡の魅力にやられていたかもしれないけれど。
京太郎「それじゃ、次。やりましょうか」
全員で棒を籠の中に戻す。
……さて、今度こそ王様を握りたいところだが。
淡「じゃあ、いいじゃん」
京太郎「へ?」
淡「私、好きだよ。京太郎のこと」
……赤い頬は酒に酔っているせいか、それとも。
淡「だから、私は――」
京太郎「はい、そこまでだ」
淡の言葉を遮る。
京太郎「そういうことは酔っている時じゃなくて素面の時でな。
さっきも行ったけど子どもじゃねーんだから」
淡「……むー」
もしこれが、大学時代のコンパだったら。
淡の魅力にやられていたかもしれないけれど。
京太郎「それじゃ、次。やりましょうか」
全員で棒を籠の中に戻す。
……さて、今度こそ王様を握りたいところだが。
健夜「次は、私だね」
当たりであることを示す赤いマークが付いた棒。
今回引き当てたのは、健夜さんだったようだ。
淡「ええ!? ウソー!!」
健夜「ふふふ……勝てば、いいんでしょ?」
うわぁ。
この人、ガチだ。
健夜「と言っても、こんなこと初めてだから何やればいいのかな……」
淡「え? 3×年も生きてて……?」
健夜「……」
淡「ひっ!?」
にっこり。
笑うとは本来攻撃的なものであり――以下略。
理沙「……あと、一杯……!」
当たりであることを示す赤いマークが付いた棒。
今回引き当てたのは、健夜さんだったようだ。
淡「ええ!? ウソー!!」
健夜「ふふふ……勝てば、いいんでしょ?」
うわぁ。
この人、ガチだ。
健夜「と言っても、こんなこと初めてだから何やればいいのかな……」
淡「え? 3×年も生きてて……?」
健夜「……」
淡「ひっ!?」
にっこり。
笑うとは本来攻撃的なものであり――以下略。
理沙「……あと、一杯……!」
健夜「そうだね、それじゃあ……3番の人が、この中で一番幸せにしたい女性の名前を挙げる、で」
照「へぇ」
京太郎「あっはっは、何ですかそれ」
確立は6分の1。
明らかに俺を狙った命令だろうが、そうそう当たるはずが――
京太郎「うそん」
健夜「あ、京太郎くんだったんだ。でも、王様の命令は絶対なんでしょ?」
晴絵「なんたる白々しさ……」
淡「ほほう? でも、気になるとこですなぁ」
照「……」
心なしか、掴まれた裾から感じる力が増したような気がする。
京太郎「そ、それは……」
健夜「それは!?」
晴絵「それはぁ!?」
身を乗り出すようにこちらへ迫る二人。
その勢いの良さといい、先ほどの様子といい、大口を開けて迫るジョーズのようで。
理沙「っ!?」
そして、左右から同時に衝撃を受けた理沙さんの頬が見る見る間に膨らんでいき――
照「へぇ」
京太郎「あっはっは、何ですかそれ」
確立は6分の1。
明らかに俺を狙った命令だろうが、そうそう当たるはずが――
京太郎「うそん」
健夜「あ、京太郎くんだったんだ。でも、王様の命令は絶対なんでしょ?」
晴絵「なんたる白々しさ……」
淡「ほほう? でも、気になるとこですなぁ」
照「……」
心なしか、掴まれた裾から感じる力が増したような気がする。
京太郎「そ、それは……」
健夜「それは!?」
晴絵「それはぁ!?」
身を乗り出すようにこちらへ迫る二人。
その勢いの良さといい、先ほどの様子といい、大口を開けて迫るジョーズのようで。
理沙「っ!?」
そして、左右から同時に衝撃を受けた理沙さんの頬が見る見る間に膨らんでいき――
水を勢いよく飛ばすには、ホースの口を思いっきり絞るといい。
どこで聞いたのかは忘れたが、そんなことを思い出す光景を最後に、飲み会はお開きになった。
京太郎「……ホント、すいませんでした」
照「……いいよ、別に。京ちゃんは悪くない」
あんな光景を前にしては、何もかもが有耶無耶になる。
酒に弱い照さんだが、今回はあまり飲まなかったので、若干危うい足取りではあるが意識は保っていた。
冷たい夜風を頬に浴びながら、二人して帰り道を歩く。
京太郎「……」
照「……」
照さんの横顔。
こうして隣を歩いていると、確かにアイツの姉なんだなぁ、ということを実感させる。
どこで聞いたのかは忘れたが、そんなことを思い出す光景を最後に、飲み会はお開きになった。
京太郎「……ホント、すいませんでした」
照「……いいよ、別に。京ちゃんは悪くない」
あんな光景を前にしては、何もかもが有耶無耶になる。
酒に弱い照さんだが、今回はあまり飲まなかったので、若干危うい足取りではあるが意識は保っていた。
冷たい夜風を頬に浴びながら、二人して帰り道を歩く。
京太郎「……」
照「……」
照さんの横顔。
こうして隣を歩いていると、確かにアイツの姉なんだなぁ、ということを実感させる。
京太郎「一番、幸せにしたい女性……か」
そういえば昔、嫁田のヤツに「嫁さんだ」だとか、冷やかしを受けたことがあったなぁ。
……正直、あれから色々あり過ぎてあの時隣にいたのが咲だったか優希だったかは覚えてないけど。
京太郎「俺も……結婚とか考えた方がいいのかなぁ」
照「……」
この旅行で疲れを癒しながら、少し将来のことを考えてもいいかもしれない。
そんなことを考えながら、照さんを家まで送り届けた。
そういえば昔、嫁田のヤツに「嫁さんだ」だとか、冷やかしを受けたことがあったなぁ。
……正直、あれから色々あり過ぎてあの時隣にいたのが咲だったか優希だったかは覚えてないけど。
京太郎「俺も……結婚とか考えた方がいいのかなぁ」
照「……」
この旅行で疲れを癒しながら、少し将来のことを考えてもいいかもしれない。
そんなことを考えながら、照さんを家まで送り届けた。
>>836
×この旅行で
○この後の旅行で、で
更新が遅れて本当にすいみません……
モチベ不足とか、話の書き方を忘れてたのとか、プチ修羅場みたいなのどうしようとか、アレコレ試行錯誤してたら遅れてしまいました
というわけで照ルート2話目でした
最初にタイトル付けるの忘れましたが、今回のタイトルは【のまれる】です
前ルートのフラグを積極的に折っていくスタイルの話にしようとしたら、のよりんが全てを掻っ攫っていった不思議
あと、書いてると段々暑くなってきて、作中季節が冬だということを忘れそうになる……
では、今回はここで中断します。ありがとうございました
×この旅行で
○この後の旅行で、で
更新が遅れて本当にすいみません……
モチベ不足とか、話の書き方を忘れてたのとか、プチ修羅場みたいなのどうしようとか、アレコレ試行錯誤してたら遅れてしまいました
というわけで照ルート2話目でした
最初にタイトル付けるの忘れましたが、今回のタイトルは【のまれる】です
前ルートのフラグを積極的に折っていくスタイルの話にしようとしたら、のよりんが全てを掻っ攫っていった不思議
あと、書いてると段々暑くなってきて、作中季節が冬だということを忘れそうになる……
では、今回はここで中断します。ありがとうございました
乙
当然、京太郎と晴絵の共同作業でしょう。この面子だと京太郎と晴絵以外が処理をする姿が浮かばない。
当然、京太郎と晴絵の共同作業でしょう。この面子だと京太郎と晴絵以外が処理をする姿が浮かばない。
【私にとっての】
鹿せんべい。奈良観光の定番物。
原材料に米ぬかや穀類を使用している、野生の鹿へ観光客が与えるための餌。
あくまで鹿が食べるために作られているものなので、添加物や砂糖は入っていない。
一応、人間が食べても特に害はないとのことだが――
照「……甘くなくて、少し苦くて、口にぬかが残る」
京太郎「……」
照「まずい」
京太郎「……水、どうぞ」
寄って来た鹿の目の前でコクコクとペットボトルの水を飲む照さん。
……そう、俺たちは奈良に来ていた。
投下したばかりで申し訳ないんですけど急用が入ったので一旦中断します
続きは戻り次第で……
続きは戻り次第で……
『それは……新幹線のチケットですか?』
『うん』
照さんが考案した旅行。
話によれば、照さんの知り合いが経営している旅館は奈良にあるらしい。
であるならば、どうせだし奈良の名所を観光してから向かおう――ということになった。
照「お土産には出来ないね」
京太郎「そもそもソレ、人が食うものじゃないですからね?」
奈良と言えば修学旅行の定番だが、こうして大人になった後に来てみても中々に面白い。
あの時は座禅や寺の見学ばかりで観光よりも――って。
京太郎「あの……チョコと一緒に食べても、不味いものは不味いと思いますよ」
照「残念」
色んな意味で、あの頃とは違った視点で旅が楽しめそうだ。
『うん』
照さんが考案した旅行。
話によれば、照さんの知り合いが経営している旅館は奈良にあるらしい。
であるならば、どうせだし奈良の名所を観光してから向かおう――ということになった。
照「お土産には出来ないね」
京太郎「そもそもソレ、人が食うものじゃないですからね?」
奈良と言えば修学旅行の定番だが、こうして大人になった後に来てみても中々に面白い。
あの時は座禅や寺の見学ばかりで観光よりも――って。
京太郎「あの……チョコと一緒に食べても、不味いものは不味いと思いますよ」
照「残念」
色んな意味で、あの頃とは違った視点で旅が楽しめそうだ。
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