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元スレ京太郎「牌のおねえさんフォーエバー」
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照「……」スンスン
朝、目が覚めたら両頬を白い掌で包み込まれていて。
赤みがかった瞳に覗き込まれ。
髪の匂いを嗅がれていた。
何を言っているかわからないと思うが――俺も何をされてるのか理解できない。
京太郎「……おはよう、ございます」
照「ん」スンスン
いや、「ん」じゃなくて。
京太郎「……何ですか?」
照「匂いを嗅いでる」スンスン
いや、そういうことじゃなくて。
照「京ちゃんの匂いがする」
京太郎「そりゃそうでしょうよ」
照「……」スンスン
まるで彼女の意図が掴めないまま、髪の匂いを嗅がれ続けて。
照「うん。充電完了」
京太郎「それ色々と違いますよね」
照「これが宮永流」ムフー
京太郎「なぜ得意気なんだ……」
結句解放されたのは、よくわからない彼女の中の何かが満たされてからだった。
『――と共に晩婚化が進んでいます。職業別の未婚率は、特に女子プロ雀士が高く――』
京太郎「はい、どうぞ」コトッ
照「ありがと」
トースト、目玉焼き、サラダ、カフェオレ(ミルク・砂糖多め)
リビングのテレビから流れるニュースを聞きながら、朝食を用意する。
照「あ、牛乳切れた」
京太郎「じゃあ今日の帰りにでもスーパー寄ってきますか」
照「うん」
モソモソと小さな口でトーストを咀嚼しながら頷く照さんと、スーパーのチラシを確認する俺。
ごく一般的な朝の食卓風景で、これを疑問に思う者はこの場にはいない。
そう、俺は。
ちょっと前から、照さんの家に住ませてもらっている。
勿論、こうなったのには理由があって。
照「京ちゃん」
京太郎「角砂糖ですね。2つでいいですか?」
照「……エスパー?」
京太郎「いや、いつもよりミルク少な目だから苦かったのかなぁ、と」
照「むぅ」
何故同棲するまでに至ったのかと言うと、話は一月ほど前に遡る――
照「京ちゃん。今度いっしょに旅行に行こう」
それは、照さんと一緒にラジオ収録に出演した日の帰り。
赤信号の待ち時間、車の助手席に座る照さんが膝に旅行雑誌を広げた。
京太郎「はぁ、旅行ですか。なんでまた急に」
照「淡に貰った。計画立ててたけど監督に却下されてパーになったって」
京太郎「それでこの前はあんな不貞腐れてたのか……」
ぶーぶーとほっぺを膨らませるアイツの顔は記憶に新しい。
まぁ、でも。
京太郎「いいですね、旅行。場所は決まってるんです?」
照「うん。知り合いが経営してる旅館。露天風呂もあるみたい」
京太郎「ほぉ」
この時期なら、露天風呂に升を浮かべて雪を眺めながらの一杯――なんて、風流なことが期待できる。
淡には悪いが折角の機会だし。楽しませてもらおう。
適当にお土産でも買ってやれば機嫌も直るだろうし。
京太郎「後は、休みの調整ですね。上手くまとまった休みがとれるといいんですけど」
照「それなら、問題ない」
京太郎「え?」
照「もう貰ってあるから、お休み。二人分」
京太郎「はぁ!?」
頑張った、と胸を張る照さん。
控えめながらも形の良いおもちがシートベルトに食い込んですばら――じゃなくて。
京太郎「これまた準備の良いことで……」
俺が先に予定入れてたらどうするつもりだったんだろう、本当。
信号が赤から青に切り替わり、運転を再開する。
なんというか、麻雀でもプライベートでもペースを握られっぱなしな気がするぞ、俺。
照「……」ゴソゴソ
京太郎「あ、助手席でお菓子はダメですよ。時間的にも」
照「えっ」
京太郎「そんな顔してもダメです」
照「いじわるですね、京太郎くんは。ちょっとぐらいなら――」
京太郎「営業用のスマイルもダメです」
照「ねぇ、ちょっとだけからさぁ……?」ニヤァ
京太郎「そんなDVDパッケージに写ってそうな悪役っぽく凄まれても……」
照「……どうしても?」
京太郎「どうしても、です」
なんというか、麻雀でもプライベートでもペースを握られっぱなしな気がするぞ、俺。
照「……」ゴソゴソ
京太郎「あ、助手席でお菓子はダメですよ。時間的にも」
照「えっ」
京太郎「そんな顔してもダメです」
照「いじわるですね、京太郎くんは。ちょっとぐらいなら――」
京太郎「営業用のスマイルもダメです」
照「ねぇ、ちょっとだけからさぁ……?」ニヤァ
京太郎「そんなDVDパッケージに写ってそうな悪役っぽく凄まれても……」
照「……どうしても?」
京太郎「どうしても、です」
照「そっか」
……。
何だろう、あまり表情は変わっていないけれど。
彼女の特徴的な髪先が萎れている、気がする。
京太郎「デザートなら……」
照「え?」
京太郎「デザートなら、いくらでも作ってあげますから。この前知り合いに色々な料理のレシピと材料貰ったんですよ」
照「!」
ピンと立つ髪先。現金である。
京太郎「だから、それまではガマンで」
照「しょうがない」
宮永照さん。
年上の筈だが、あまりお姉さんっぽさが感じられないのはあのぽんこつ幼馴染の姉だから――という理由だけではないと思う。絶対。
現金な人だなぁ、と思う一方で。
照「京ちゃん」
京太郎「はい?」
照「ありがとう」
営業用スマイルとは違う、照さんが自然に浮かべた微笑みがとても魅力的で。
京太郎「……どう、いたしまして」クスッ
こういうところもまた、この人の良さなんだろう――なんてことを考えてしまう俺も、結構現金なんだろうなぁ。
さて、ハギヨシさんから教えてもらったデザートのレシピの数々。
果たして、このトッププロはお気に召すだろうか――なんて、照さんの反応を想像して。
頬が緩むのを感じながら、少しだけ車の速度を上げた。
【おまけ】
照さんを家に送り届けて、駐車スペースに車を停めたタイミングで携帯にメールを受信。
差出人は牌のおねえさん。件名と内容は絵文字のみ。
初めは面食らったこのメールも、今ではスラスラと解読できる。
京太郎「ふむ、旅行に行かない?……って、時期がちょっと被っちゃってるな……」
はやりさんとも長い付き合いだし、浴衣に包まれたナイスバディは是非ともこの目に焼き付けたいところだが。
残念ながら今回は先約が入っている。心苦しいが、今回は断わらなければならない。
いつか埋め合わせをしようと心に決めて、メールの返信画面を開いた。
ああ、本当に――残念だ。
>>761
749だけど寧ろ胃がキリキリいうくらいの修羅場歓迎です
749だけど寧ろ胃がキリキリいうくらいの修羅場歓迎です
一番頭いいのは瑞原さんで研究者の道を捨ててアイドルやってます。
この一文に驚愕を隠しきれない
いつかこのスレでも拾いたいですがまずは照ルートが先ですね
次は土日のどちらかに更新出来るかと思います
この一文に驚愕を隠しきれない
いつかこのスレでも拾いたいですがまずは照ルートが先ですね
次は土日のどちらかに更新出来るかと思います
小鍛治健夜。
野依理沙。
赤土晴絵。
国内外問わず現役として活躍し続けている彼女たちの名前は、あまり麻雀に詳しくない人でも知っている程に有名だ。
そのような方々と卓を囲めるのだから、雀士として誇りに思ってもいいだろう。
健夜「んー……何頼もうか?」
晴絵「とりあえずはビールとか。まずはオーソドックでいいでしょう」
理沙「生中! 4つ!」
……ここが、合コンの席でなければの話だが。
野依理沙。
赤土晴絵。
国内外問わず現役として活躍し続けている彼女たちの名前は、あまり麻雀に詳しくない人でも知っている程に有名だ。
そのような方々と卓を囲めるのだから、雀士として誇りに思ってもいいだろう。
健夜「んー……何頼もうか?」
晴絵「とりあえずはビールとか。まずはオーソドックでいいでしょう」
理沙「生中! 4つ!」
……ここが、合コンの席でなければの話だが。
>>772
謎のトリップ化け……
謎のトリップ化け……
机を挟んで正面に並ぶ3人と、対峙する俺。
男が一人に女性が3人、非常にバランスが悪い。
本当は4対4で男女合同コンパ、という話だったのだが。
祖母が危篤で――だとか
知人の結婚式で――だとか
急にお腹が痛くなって――だとかで
晴絵「いやー、それにしても残念だねぇ」
理沙「ドタキャン! 酷い!」
健夜「まぁ、みんなの分も楽しもっか。うん、たっぷりと」
ごらんの有様である。
男が一人に女性が3人、非常にバランスが悪い。
本当は4対4で男女合同コンパ、という話だったのだが。
祖母が危篤で――だとか
知人の結婚式で――だとか
急にお腹が痛くなって――だとかで
晴絵「いやー、それにしても残念だねぇ」
理沙「ドタキャン! 酷い!」
健夜「まぁ、みんなの分も楽しもっか。うん、たっぷりと」
ごらんの有様である。
『ごめん!』とシンプルな一文のみを表示する携帯のメール受信画面。
差出人は福与アナ。俺をこの合コンに誘った張本人である。
彼女の話では美人揃いで小さい子もいて麻雀も強い面子とのことだったが――
まぁ、確かに
晴絵「こういう機会は久しぶりだからちょっと張り切ってたけど、これだといつもと変わりませんね」
(変な前髪だけど)美人で
理沙「自然体!」
(身長が)小さくて
健夜「へー、パーティーゲームメニューとかあるんだ……面白そうだね、京太郎くん」
(この上なく)麻雀の強い面子だ。
確かに嘘は言っていない。
うん。
京太郎「ハハ、そうですね――はぁ」
見事に騙された。
女三人寄れば姦しい、とはよく言うけれど。
そこに一人突っ込まれる男の気持ちを表した漢字は無いものか。
健夜「えーっと、黒ひげ危機一髪とかロシアンルーレットとか色々あるんだ……何がいいかな?」
晴絵「んー……王様、ゲームとか?」
理沙「定番!」
……とは言え。
この三人が相手なら、まだ何とかなるだろう。
咏さんや良子さんが混ざっていたら危なかったかもしれない。何がとは言わないが。
健夜「王様ゲームって……どんなこと命令すればいいんだろ」
理沙「あんなこと! そんなこと!」
晴絵「まーそりゃ、大人ですし。出来ることはもう色々と……ねぇ?」
三人の目線が俺に突き刺さる……まだ何とかなるだろう、多分。
……だから、お願いなので、そのホホジロザメみたいな目付きを止めて下さい。
そこに一人突っ込まれる男の気持ちを表した漢字は無いものか。
健夜「えーっと、黒ひげ危機一髪とかロシアンルーレットとか色々あるんだ……何がいいかな?」
晴絵「んー……王様、ゲームとか?」
理沙「定番!」
……とは言え。
この三人が相手なら、まだ何とかなるだろう。
咏さんや良子さんが混ざっていたら危なかったかもしれない。何がとは言わないが。
健夜「王様ゲームって……どんなこと命令すればいいんだろ」
理沙「あんなこと! そんなこと!」
晴絵「まーそりゃ、大人ですし。出来ることはもう色々と……ねぇ?」
三人の目線が俺に突き刺さる……まだ何とかなるだろう、多分。
……だから、お願いなので、そのホホジロザメみたいな目付きを止めて下さい。
……というか。
京太郎「晴絵さん、あなたはブレーキ側でしょうが……!!」
晴絵「あっはっは。なぁ、京太郎。知ってる? 実家からお見合いの連絡が来るのって――結構、クルんだよ」
健夜「それを通り越すと、今度は優しい目付きで見られることになってね? 知ってる? 人って諦めると笑うんだよ?」
理沙「つらい!」
京太郎「そんなこと、こんなとこで知りたくなかった……!」
笑顔の裏に空しさを感じさせる3人の恩師たち。
この空気をたった一人の男として受け入れるのは正直、メゲる。
普通の合コンさせて下さい……。
京太郎「晴絵さん、あなたはブレーキ側でしょうが……!!」
晴絵「あっはっは。なぁ、京太郎。知ってる? 実家からお見合いの連絡が来るのって――結構、クルんだよ」
健夜「それを通り越すと、今度は優しい目付きで見られることになってね? 知ってる? 人って諦めると笑うんだよ?」
理沙「つらい!」
京太郎「そんなこと、こんなとこで知りたくなかった……!」
笑顔の裏に空しさを感じさせる3人の恩師たち。
この空気をたった一人の男として受け入れるのは正直、メゲる。
普通の合コンさせて下さい……。
京太郎「……すいません、ちょっと雉打ちに」
晴絵「はいよー」
……気持ちを切り替えるべく、一旦この場を離れよう。
そもそも俺一人でこの人たちの相手をするのが辛いのならば、増援を引っ張ってくればいいのだ。
何人か手の空いている友人を呼んでくるのもアリかもしれない。嫁田とか、あいつ美人好きだし。
ハギヨシさんが来てくれたら心強いが――さすがに、無理だよなぁ。
携帯片手に席を立ち、手洗いへと向かう。
手早く雉打ちを済ませ、何人か知り合いを当たってみようとアドレス帳を開くと、
「あーっ! きょーたろー!!」
学生時代から何度も耳にした、やかましい声が聞こえてきた。
晴絵「はいよー」
……気持ちを切り替えるべく、一旦この場を離れよう。
そもそも俺一人でこの人たちの相手をするのが辛いのならば、増援を引っ張ってくればいいのだ。
何人か手の空いている友人を呼んでくるのもアリかもしれない。嫁田とか、あいつ美人好きだし。
ハギヨシさんが来てくれたら心強いが――さすがに、無理だよなぁ。
携帯片手に席を立ち、手洗いへと向かう。
手早く雉打ちを済ませ、何人か知り合いを当たってみようとアドレス帳を開くと、
「あーっ! きょーたろー!!」
学生時代から何度も耳にした、やかましい声が聞こえてきた。
携帯を閉じて振り返ると、そこには二人の女子プロ雀士。
大学時代からの同期のヤツと、一人の先輩。
淡「なんでこんなとこにいんのさー」
学生時代からの同期のヤツで現在期待の新星として絶賛活躍中の女子プロ、大星淡と
照「奇遇だね」
デビューから常に前線で活躍し続ける文字通りのトッププロ、宮永照の二人が立っていた。
京太郎「なんでって、ここ飲み屋だし。まぁ、合コン中なんだけどさ……」
ぶわ、ピクリ。
淡の長い金髪と、照さんの特徴的な髪先が、それぞれ独特な反応を示した。
照「誰と?」
京太郎「はい?」
淡「誰と、来てるの?」
京太郎「健夜さんと、晴絵さんと、理沙さんですけど……」
淡「ふーん……」
京太郎「な、なんだよ……」
急に重さが倍増される雰囲気。
正直、これなら
照「年上、好き……だっけ」
さっきの方が、何倍もマシだ。
京太郎「はい?」
淡「誰と、来てるの?」
京太郎「健夜さんと、晴絵さんと、理沙さんですけど……」
淡「ふーん……」
京太郎「な、なんだよ……」
急に重さが倍増される雰囲気。
正直、これなら
照「年上、好き……だっけ」
さっきの方が、何倍もマシだ。
淡「ふ、ふーん? へー? ほー?」
長い髪を逆立てながら笑う淡。
空気が張り詰める。コイツが麻雀で本気を出した時のような、独特なプレッシャーが周囲を覆う。
笑うということは本来攻撃的なものであり――なんて、昔読んだ漫画にそんなことが書いてあった気がする。
照「……」
対して、この人。
照さんの表情からは一切の感情の色が消えている。
それが何を意味するのかは俺の知るところではないが、ただ一つ確かなのは――俺はこの人に、恐怖を覚えている。
一体何が、この人たちの虎の尾を踏んだというのか。
長い髪を逆立てながら笑う淡。
空気が張り詰める。コイツが麻雀で本気を出した時のような、独特なプレッシャーが周囲を覆う。
笑うということは本来攻撃的なものであり――なんて、昔読んだ漫画にそんなことが書いてあった気がする。
照「……」
対して、この人。
照さんの表情からは一切の感情の色が消えている。
それが何を意味するのかは俺の知るところではないが、ただ一つ確かなのは――俺はこの人に、恐怖を覚えている。
一体何が、この人たちの虎の尾を踏んだというのか。
心境的には一刻も早く席に戻りたいが、この空気を放置したまま帰れる程図太い神経は持っていない。
どうにかしてこの二人を宥めなければ。
……だが。
淡「そういえば大学の頃からそうだよね……はやりんはやりんって……」
俯き、顔に影を作りながら何やらブツブツ呟いている淡。
正直怖い。どういう原理か重力に逆らって魔物の足のようなうねりを見せる髪が恐怖を演出している。
照「……」
そして、瞬きもなく俺を見詰めてくる二つの赤い瞳。
お菓子を前にした時のこの人とは正反対で、まるで感情を読み取ることができない。
京太郎「……くっ」
そう、女性の思考は俺には難しすぎる――それならば。
京太郎「そ、そうだ! もし良かったら二人もご一緒すれば!?」
あの3人の相手を、一緒にしてもらおうではないか。
どうにかしてこの二人を宥めなければ。
……だが。
淡「そういえば大学の頃からそうだよね……はやりんはやりんって……」
俯き、顔に影を作りながら何やらブツブツ呟いている淡。
正直怖い。どういう原理か重力に逆らって魔物の足のようなうねりを見せる髪が恐怖を演出している。
照「……」
そして、瞬きもなく俺を見詰めてくる二つの赤い瞳。
お菓子を前にした時のこの人とは正反対で、まるで感情を読み取ることができない。
京太郎「……くっ」
そう、女性の思考は俺には難しすぎる――それならば。
京太郎「そ、そうだ! もし良かったら二人もご一緒すれば!?」
あの3人の相手を、一緒にしてもらおうではないか。
照「え?」
淡「……いいの?」
直後、重石を取り除かれたようにフっと軽くなる雰囲気。
どうやらこの選択肢は正しかったようだ。
京太郎「良いも何も、みんなで飲んだ方が、楽しいに決まってるじゃないですか」
照「そうだね」
淡「……あーそっか、きょーたろーはそういうヤツだよね。確かに」
京太郎「なんだよ、それ」
若干、言葉の端に呆れに近い感情が読み取れたのが気になった。
何はともあれ、最初の思惑とはズレるが心強い援軍を得ることができた――筈、だった。
須賀京太郎です。
健夜「……」
照「……」
プロ雀士をしているんだが、
晴絵「……」
淡「……」
飲み会の空気が、最悪です。
理沙「ビール! おかわり!」
京太郎「アッハイ」
淡「……いいの?」
直後、重石を取り除かれたようにフっと軽くなる雰囲気。
どうやらこの選択肢は正しかったようだ。
京太郎「良いも何も、みんなで飲んだ方が、楽しいに決まってるじゃないですか」
照「そうだね」
淡「……あーそっか、きょーたろーはそういうヤツだよね。確かに」
京太郎「なんだよ、それ」
若干、言葉の端に呆れに近い感情が読み取れたのが気になった。
何はともあれ、最初の思惑とはズレるが心強い援軍を得ることができた――筈、だった。
須賀京太郎です。
健夜「……」
照「……」
プロ雀士をしているんだが、
晴絵「……」
淡「……」
飲み会の空気が、最悪です。
理沙「ビール! おかわり!」
京太郎「アッハイ」
>>788
でも捕食される可能性が減ったのは確かだし……(震え声)
でも捕食される可能性が減ったのは確かだし……(震え声)
リアルアラフォーが集団で囲いに来たら流石にツラいから仕方ないね…
最悪の事態は避けられそうだが精神負担自体は増えてるんだよなあ
机を挟んだ対面側の席。
俺から見て左から順番に、健夜さん、理沙さん、晴絵さんの順番で座っている。
対してこちら側は、照さん、俺、淡の順番で座っている。
何だかんだ言って淡の天真爛漫さは場の空気を盛り上げるのに役立つだろうし、
照さんの天然っぷりは空気を和ませるだろうと考えたのに。
淡「ねー、きょーたろー。今度さ、一緒にサークル見に行かない?」
京太郎「ん、ああ……」
淡「えへへ――後輩たちにたっぷり見せてあげよーよ、私たちを」
京太郎「あぁ……そ、そうだな」
思わず生返事になってしまう。
だって、何故だかさっきからコイツやたらと近くて。
何か言うたびに、
健夜「……いいなぁ……」
晴絵「……私にも……私にも……」
このお二方のコップの中の氷が一つずつ砕けているんですもの……。
理沙「次! カルーア!」
京太郎「アッハイ」
俺から見て左から順番に、健夜さん、理沙さん、晴絵さんの順番で座っている。
対してこちら側は、照さん、俺、淡の順番で座っている。
何だかんだ言って淡の天真爛漫さは場の空気を盛り上げるのに役立つだろうし、
照さんの天然っぷりは空気を和ませるだろうと考えたのに。
淡「ねー、きょーたろー。今度さ、一緒にサークル見に行かない?」
京太郎「ん、ああ……」
淡「えへへ――後輩たちにたっぷり見せてあげよーよ、私たちを」
京太郎「あぁ……そ、そうだな」
思わず生返事になってしまう。
だって、何故だかさっきからコイツやたらと近くて。
何か言うたびに、
健夜「……いいなぁ……」
晴絵「……私にも……私にも……」
このお二方のコップの中の氷が一つずつ砕けているんですもの……。
理沙「次! カルーア!」
京太郎「アッハイ」
そして、この人は。
照「お酒、美味しいね。これがアルコールの味なんだ」
京太郎「いや、それはノンアルコールカクテルで厳密には……ああいえ、なんでもないです」
机の下で、シャツの端っこを握ってくる小さな手。
それが何を意味するのかは理解できないが……
照「? 変な京ちゃん」
ほぼジュースと言い切れるドリンクを飲むのに夢中になっている様子を見るに、
きっとこの人も特別な何かを意識しているわけではないのだろう。
照さんが無意識にこういうことをするのは――昔からの、ことだ。
理沙「これ! シークワサー!」
京太郎「アッハイ」
照「お酒、美味しいね。これがアルコールの味なんだ」
京太郎「いや、それはノンアルコールカクテルで厳密には……ああいえ、なんでもないです」
机の下で、シャツの端っこを握ってくる小さな手。
それが何を意味するのかは理解できないが……
照「? 変な京ちゃん」
ほぼジュースと言い切れるドリンクを飲むのに夢中になっている様子を見るに、
きっとこの人も特別な何かを意識しているわけではないのだろう。
照さんが無意識にこういうことをするのは――昔からの、ことだ。
理沙「これ! シークワサー!」
京太郎「アッハイ」
だが、それを見逃さない人がここにはいる。
対局相手の僅かなクセから勝利の糸口を掴み寄せる洞察力の持ち主。
晴絵「へぇ……成る程、ねぇ」
それがこの人、赤土晴絵。
阿知賀のレジェンドは、伊達じゃない。
晴絵「もしかして、二人はそういう関係?」
健夜「そういう?……って」
淡「へ?」
晴絵さんの指先が俺たちに集中し――直後、高まっていく場の空気。
ああ、これはまずい――
理沙「もっと! コーラハイボール!」
理沙「……」
理沙「(´・ω・`) 」
対局相手の僅かなクセから勝利の糸口を掴み寄せる洞察力の持ち主。
晴絵「へぇ……成る程、ねぇ」
それがこの人、赤土晴絵。
阿知賀のレジェンドは、伊達じゃない。
晴絵「もしかして、二人はそういう関係?」
健夜「そういう?……って」
淡「へ?」
晴絵さんの指先が俺たちに集中し――直後、高まっていく場の空気。
ああ、これはまずい――
理沙「もっと! コーラハイボール!」
理沙「……」
理沙「(´・ω・`) 」
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