元スレ八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」凛「その3だよ」
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ちひろ「み、美嘉ちゃん。とりあえず話だけでも聞いて……」
美嘉「いーよ。どうせ、そこの目が腐った人にアタシの臨時プロデュースさせようって事なんでしょ?」
ちひろ「うっ……!」
図星。ここまで分かりやすい反応があるかってくらいに、ちひろさんは顔を歪める。
つーか、久しぶりにそれ言われたな。最近言われないから治ったのかと思ってたぜ。
しかしそんなふざけている場合でもないらしい。
城ヶ崎は踵を返すと、顔だけ振り返り言う。
美嘉「前にも言ったでしょ? アタシはーー」
まるで冷め切ったかのような無表情で。
美嘉「CDデビューなんて、しなくていい」
俺の記憶にある、あの笑顔とは程遠い表情で、そう言った。
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そして城ヶ崎は、さっさとその場を後にしようとする。おいおい、どうすんだよ(しかし俺はコタツから出ない)。
しかしそこで、その態度が気いらなかったのか、一人の少女が呼び止める。
凛「……ちょっと待ってよ」
我が担当アイドル、渋谷凛である。
凛はコタツから立ち上がると、丁度城ヶ崎と向かい合う形で相手を見据える。
な、なんというか、まるでアレだな。雪ノ下VS由比ヶ浜って感じだ。容姿が似てるだけあってなんとも複雑だ。
凛「いくらなんでも、初対面でその態度は無いんじゃない?」
美嘉「あれ、なーに? もしかして愛しのプロデューサーを貶されて怒っちゃった?」
まるで茶化すように言う城ヶ崎。
おうおう、そうだぞお前。いくら目が腐ってるからって言って良い事と悪い事があんだ。凛も言ったれ言ったれ。
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凛「そんなんじゃないよ。それにプロデューサーの目が腐ってるのは事実だし。そこに関しては別に言う事はない」
ないのかよ!
思わずツッコミそうになってしまった。そして泣きそうになってしまうまであった。
凛「……でもさ」
凛は、怒っていると言うよりは、どこか哀しげに言う。
凛「ちひろさんも、プロデューサーだって、あなたの為にこうして集まってるんだよ?」
美嘉「……」
凛「だから、少しくらい話を聞いても…」
しかし、凛が言い終える前に、城ヶ崎は背を向けてしまった。
一瞬だけ見えた表情は寂しげで。
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城ヶ崎「……ありがと。でも、ゴメンね」
声は、小さくか細かった。
城ヶ崎はその場を後にし、残ったのは、立ちすくむ凛と、ちひろさん。
そして、コタツに入ったままの俺だった。
ちひろ「……比企谷くん。せめて立ちましょうよ」
いや、完全にタイミングを見失って……はい。すいません。
というか、「え?」って言ってから一言も喋ってない俺だった。
り、凛の視線が冷たいよぅ……
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*
結局の所、今回の臨時プロデュースの理由は、“本人がCDデビューしたくない”という話であった。
……いや、ぶっちゃけコレどうしようもなくね?
パターン的には加蓮の時と近いんだろうが、今回は拒否する理由が分からない。
加蓮のように本当はやりたいと思ってるなら良いが、もしかしたら本気でCDデビューしたくないと思ってるのかもしれない。だとしたら、俺らの行動はありがた迷惑どころか普通に迷惑だ。
正直、本人の意志を推奨した方が良いのでは? と思ったが、ちひろさんの話ではそうもいかないらしい。
ちひろ『今回の依頼は、シンデレラプロダクションという会社からのお願いでもあるんですよ。どうにか、説得出来ませんかね?』
何でも選抜メンバーとして選んでしまった手前、そう簡単に辞退はさせたくないらしい。
まぁ当然と言えば当然である。CDデビューという折角の大きな企画を、会社としても引き受けてもらいたいのだ。
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もちろん、本当に致し方ないのであれば会社も引き下がるだろう。しかし、出来る限りは食い下がりたい。
そこで、奉仕部へと依頼が舞い込んできたわけだ。
どうにか、彼女を説得出来ないか、とな。
まぁ普通に考えれば、何かやむを得ない事情があるよなぁ。
これまで、仮にもアイドルやってきたわけだし。
……仕方ない。
ならば、悪あがきをしてみるとしよう。
何かやむを得ない事情があって、それが理由でCDデビューを諦めているのなら。
奉仕部は、きっと手を差し出す。
そんな雪ノ下スピリッツで、今回の依頼を請け負う事になった。
……差し当たっては、まずは情報だな。
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*
由比ヶ浜『城ヶ崎美嘉ちゃん? 知ってる知ってる! あったりまえじゃん!』
電話の向こうで嬉しそうに言っているのは、本家奉仕部のメンバーである由比ヶ浜結衣。
こういった話であれば、やっぱコイツは詳しそうだったからな。
比企谷家のソファーでカマクラとゴロゴロしつつ、俺は受話器へと耳を傾ける。
由比ヶ浜『元々読モやってたからねー。今時の女子高生なら皆知ってるんじゃないかな』
読モ……いわゆる読者モデルって奴か。
女子高生や若い女の子が好んで読むファッション雑誌に載っている、モデルの事……でいいんだよな?
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八幡「それが、今ではアイドルか。スゲーな」
由比ヶ浜『そう? 別に珍しくはないんじゃないかな。読モ出身でアイドルとか女優とかになる人って、結構いるし』
八幡「え、マジで? そうなの?」
由比ヶ浜『……ヒッキー、一応プロデューサーなんだよね?』
うっ、まさか由比ヶ浜に呆れられるとはな。
しかし確かにコレは俺のリサーチ不足だった。なるほどな。こういった方面からのアイドルもあるわけだ。
由比ヶ浜『美嘉ちゃんがデレプロに所属になったーって、結構話題だったんだよ? 最近では、えっと、プロデュース大作戦? だっけ? もあって、どんどん有名な雑誌にも出るようになってさ。あたしも結構買ってるんだ。すっごい可愛いし!』
八幡「へぇ……」
確かに、系統としては城ヶ崎は由比ヶ浜にピッタリだろう。きっと、少なからず真似してみたりもしてるんだろうな。
由比ヶ浜『そっかー、ヒッキーデレプロで働いてるんだもんね。いいなーアイドルに会えて……あれ? そう言えば何でいきなり美嘉ちゃんの事聞いてきたの?』
今更それを聞くんかい。
ここまで言えば、大方察しがつくと思うんだがな。
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八幡「いや、今度その城ヶ崎を臨時プロデュースする事になってよ。ちょっと情報が欲しかったんだ」
由比ヶ浜『えぇッ!? うっそ、マジで!?』
思わず、ケータイを耳から少しだけ離す。
声デカ過ぎるぞオイ。
由比ヶ浜『え、え、ホントなの? ひ、ヒッキー、サイン! サイン貰ってきて! お願い!』
八幡「落ち着け。貰えたら貰ってきてやるから」
まさかここまで取り乱すとはな……
もしかして、俺が思ってるより俺のやってる仕事って凄い事なのか?
由比ヶ浜『うわーやたー! えへへ、楽しみだなー』
電話越しでも、喜んでいるのが伝わってくる。
思わず、俺もつられて笑ってしまった。
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由比ヶ浜『えへへ……ありがとねヒッキー』
八幡「? 別にサインの事なら気にするな。情報量だと思ってくれ」
実際、まだ貰えるかも怪しいしな。
むしろあの様子だと、貰えない可能性の方が高いまである。
由比ヶ浜『それもだけどさ。……頼ってくれるのが、嬉しくて』
声でも分かるくらい、照れたようにそう言う由比ヶ浜。
何故だか、こっちとしても恥ずかしくなってくる。
八幡「……ま、最近色々とあったしな。それに相談するなら、雪ノ下よりかは由比ヶ浜だと思ったんだよ」
由比ヶ浜『え!? そ、それってどういう……あっ、あたしの方が詳しそうって事か、なーんだ、アハハ……』
取り繕うように笑う由比ヶ浜。何を言っているのやら。
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八幡「バッカ、それもあっけど、もっと別の理由があるんだよ」
由比ヶ浜『え? そ、それって……』ドキドキ
八幡「俺、雪ノ下の連絡先知らねんだわ」
ホントその辺、あいつはぶれないよな。
そして俺の台詞を聞くと、電話の向こうでズッコけたような音が聞こえてくる。大丈夫かー。
由比ヶ浜『ひ、ヒッキーのバカ! もう知らない!』
八幡「ッ……切れた」
電話越しに聞こえるのは、ツーっツーっという虚しい音だけ。お前はサツキかってーの。
ま、今度会った時にお礼はしといてやるか。
サインが貰えなきゃ、メシくらい奢ってやるよ。
それで見合うかは置いといて、な。
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*
由比ヶ浜からの情報と、自分で調べてみた結果、分かった事。
全然分からん。それが分かっただけだった。
実際プロフィールを読んだり、今までやった仕事を知らべたりもしてみたが、やはり分からない。
残る可能性としては……家庭事情だろうか。
それは充分に考えられる可能性だが、正直、そうだとしたら手をつけ辛い事この上ない。
雪ノ下や川崎もそうだが、他の奴らが簡単に踏み込んでいい問題じゃないからな。
出来れば、そっちの方面でない事を祈りたい。
……つーか、休みの日まで何を俺は真剣に考え込んでいるのだろうか。
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今日は久々の休日。
どうせもうやれる事と言えば、本人に直接聞いてみるしかないのだ。ならば、後は明日の俺に任せよう。
レッツ・ゴロゴロ! ビバ・ホリデイ!
と、思っていた時期が俺にもありました。
小町「お兄ちゃん、お客さんだよ」
八幡「oh……」
リビングのソファーにダイブした途端、俺の自由は終わった。
もう少しくらい堪能させてよう!
八幡「……誰だよ。人によっては折り返せ」
小町「んーっと、それは無理かな。だって小町の紹介だし♪」
こいつが元凶だった。
なに、お前の紹介? 果てしなく嫌な予感しかしないんですが……
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八幡「それこそ誰だよ。まさか川なんとかさん弟とかじゃないだろうな」
だとしたら殴り倒してでも追い出すかもしれん。
そして俺が川なんとかさん姉に殴り倒されるんですね。わかります。
小町「あー違う違う。今回の依頼者はなんと、小町の後輩の可愛い可愛いJCだよ! やったねお兄ちゃん!」
ささ、入って! と勝手に招き入れる小町。
いや、ちょっ、え? なに依頼者って。
まだ来るの? どんだけ俺の首を絞め……
と、そこでリビングへと入ってきたその少女。
その少女を見て、俺の思考は一瞬止まった。
「えーっと、アナタが小町先輩のお兄さん? 初めまして! 城ヶ崎莉嘉です!」
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城ヶ崎、莉嘉。
正直、その名前を聞かずとも分かった。
奇麗に染められた金髪の長い髪に、大きな髪留めでまとめられたツインテール。
後輩という割には小町とは違い、サマーセーターにプリーツスカートという今時な制服。
そして女子中学生らしい、ちょっと背伸びしたメイク。
なんとも可愛いらしい、あどけなさの残る少女。
その子は、城ヶ崎美嘉にそっくりだった。
莉嘉「今日は、お姉ちゃんの事でお話に来たの!」
決死の表情でそう言う彼女。
きっと、この子が今回の依頼の鍵となるのは、想像に難くなかった。
……早速敬語が無くなってるのに突っ込むのは、野暮ってものなんだろうな。
266 = 1 :
今回はここまで! 姉ある所に妹あり! ってなわけで莉嘉ちゃん登場でした。
次回はたぶん他のCDデビューメンバーも出てくるかな?
268 :
乙~
次回も楽しみにしてます
269 :
乙!
面白かった、よいお年をー
270 :
くっここまでか!!乙!
また来年!
271 :
乙! 続き期待。
272 :
乙である^^
やはり莉嘉も出てきたか
前に誰かも言ってた気がするがシスコン同士だしホントは気が合うはずなんだ…MEGARE八幡
1もMEGARE! 来年以降も楽しみにしてるます!
273 = 1 :
恐らく今年はこれで最後の更新になるので、見てくださった皆さんに感謝を……
よいお年を!
274 :
莉嘉・みりあ・千枝ちゃんは合法
はっきりわかんだね
275 :
面白かった!続き待ってる!
276 :
乙
来年もよろしく
278 :
乙乙。
今までずっと妹ヶ崎ちゃんのこと小学生だと思ってたわ。
親愛度が上がったら八幡くんって呼ばれるのだろうか。たまりませんねぇ。
281 :
乙。
>>274
早苗さん「^^」
282 = 274 :
ただ
はちまんのかぶとむしに
めを
きらきらさせるりか
みたかっただけなのに
283 :
>>274
えへへ、早苗さん呼んできてあげたよ!
284 :
>>274は早苗さんの犠牲になったのだ…
それもこれもちひろとかいう悪魔のせいだ!!
285 :
>>274
早苗さん「呼んだ?」
286 = 237 :
>>274の人気に嫉妬
287 :
莉嘉ちゃんたち早く家に帰ってー!・・・ふふっ
288 = 281 :
飛鳥出ないの?
八幡との絡みが是非見たい。
289 :
>>1さん、明けましておめでとうございます。
今年もss期待してます。
みなさんも良いお年を。
290 :
今年になったから書いても良いんだよ?
291 :
あけおめー
292 :
>>274
合法なのは千枝ちゃんだけだとあれほど・・・
それはそうとロリ勢なにげに初登場なんじゃね?
293 :
皆さんあけましておめでとうございます!
今年もバシバシ書いていきますんでよろしくお願いします!
か、茄子様がキタァァァアアアアッ!!!!
294 :
あけおめ!!!!!!
296 :
劇場のきらりがまんまこのスレのきらりだった。
今年もいい八凛期待!
297 :
今回の劇場を見ると>>1が熊ジェット先生の可能性が微レ存…?
298 :
メガジェットしぶしげ先生は関係ないだろう
千枝ちゃんが合法なら晴ちんが合法でもいいよね?
299 :
光と八幡が特撮談義するところが見たい。
300 :
>>1は課金兵だったか……
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