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    元スレ八幡「やはり俺のシンクロ率は間違っている」アスカ「は?」

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    1 :





    マヤ「シンクロ率0%、パイロット拒絶されています!!」

    リツコ「ありえないわ」




    初号機「………」グイッポイッ


    エントリープラグ「」ザクッ




    マヤ「エントリープラグ強制排出されました!」

    リツコ「誰がそんな命令出したの!!」バンッ

    マヤ「エヴァ初号機の独立行動です!」

    リツコ「ありえないわ」



    八幡「……だから、言ったじゃねぇか…」




    “俺にエヴァのパイロットなんて無理だって”






    SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1389882643

    2 = 1 :

    ガイル×エヴァです。

    旧劇(八幡以外全員エヴァキャラ)と、新劇(八幡意外にもガイルキャラ有)の2パターンあります。

    今回は旧劇です。

    3 :

    八幡のATフィールドかなり凄そう。

    4 :

    UCCじゃなくMAXコーヒーでエヴァ缶か

    5 :

    ゆきのん「あなたは死なないわ、私が守るもの」

    言いそう

    6 = 1 :


     強い衝撃の後、エントリープラグ内の液体……えっとLCLだっけ、それが抜けていくにつれ、人体の尊厳を取り戻すように心臓や肺が活発に動き出す。

     頭に血が昇っていく感覚からして、エントリープラグは斜め後ろに立っているかもしくは刺さっているのだろう。こんな時どうやって出れば良いのか分かんない。だって、初心者だもの。


     とにかく、あいつらもこれでよく分かっただろう。


     人生において何一つとして誇れるものがなく、むしろ誇るものが何一つなくても生きてこられたことが誇りである比企谷八幡が。

     誰かと合わせることを望もうが望ままいが他人から拒絶されるのがデフォのこの俺が。




     あんな良く分からない紫色した鎧の巨人と心を通わせるなんて無理な話なんだ。




     ここで、事の起こりへと遡ってみる。

     そう、それは少し前、俺がこの街へとやってきたところから始まる。



     

    7 = 1 :

    八幡「………」

    八幡(なんだよこれ。あっちから呼びだしておいて約束の時間を破るなんておちょくってんのか、おい)

    【ミサトさんのブロマイド】

    八幡(……ま、まぁ、この写真に免じて少しだけは待ってやらないでもないがな///)



    ―――キキィッ!!



    八幡「うわっ、青のスポーツカーだ逃げろ!!」ダッ

    八幡(スポーツカーってだけで俺とは対極的な人間確定なのに、さらに青とかもう八幡外生命体に違いない!)

    ミサト「ちょ、ちょっち待ってよ八幡くーん!」オーイ

    八幡「すみませんすみません! 俺は八幡なんて人知りません!!」ダダダッ

    ミサト「………え?」

    8 = 1 :

    ミサト「もー、ダメじゃない。こんな美人なお姉さんを前に逃げ出しちゃ」アハハ

    八幡「……うす」

    ミサト「あれぇ? 照れてるのぉ?」グイグイ

    八幡(うわぁ、出たよ妖怪年下キラー……自分に自信があるから弱気な相手に対してグイグイ来るその姿勢……まじで苦手なんすけど!!)

    ミサト「あはは、私は葛城ミサト。階級は一尉よ。……って分かんないか」アハハ

    八幡「ははっ」

    ミサト「え、今あなたが笑うとこ?」

    八幡「……すんません」

    ミサト「変わってるわねー。流石は司令の息子なだけあるわね」

    八幡「………うす」

    八幡(そういうの思春期の子は一番気にするだろうがぁ!! こいつマジで気を使うってことしらねーの!?)

    ミサト「久しぶりにお父さんと会えてうれしいでしょー」

    八幡「………」

    八幡(だからそういうこと言うなってこいつ……)

    9 = 1 :





    使徒「………」





    ミサト「えっ?」



    ―――ドォォォォォンッ!!



    ミサト「くっ!!」

    八幡「うわぁああああああ!」



    ミサト「大丈夫だったぁ?」

    八幡「は? んなわけないでしょ」

    ミサト「えっ」

    八幡「あ、い、いえ、口の中に砂が入りました」

    ミサト「そいつはけっこう、それじゃあ行くわよ」

    八幡(こいつ……ねぎらう気がないなら聞くなよ)クソッ

    ミサト「せーの!」

    八幡「くっ」

    八幡(ほんと、呼び出した上にひっくり返った車を押させるなんて舐めてんのか?)ア?

    ミサト「何?」ジッ

    八幡「いえ、何でもないです」

    八幡(やっぱリア充の眼力には勝てない……)

    10 :

    ネルフ


    八幡「………」

    ミサト「あ、そうだ。お父さんからID貰ってない?」

    八幡「……これですか?」

    ミサト「それじゃ、これ読んでおいて」

    八幡「……は?」

    ミサト「は?」ギロッ

    八幡(うわー、こえーーーっ)サッ

    ミサト(この子時々生意気ね……)

    八幡「……これを渡されたということは俺も何かやらされるんですか?」

    ミサト「………」

    八幡「そりゃそうですよね」ハァ…

    ミサト(本当にこの子で大丈夫なのかしら……)





    ミサト「道に迷った」

    八幡「あんた本当に偉い人なのかよ……」ハァ…

    ミサト「あ?」

    八幡「嘘ですごめんなさい」

    リツコ「………」

    ミサト「あらリツコ……」

    八幡(うわ、白衣にハイレグ水着って変態だっ、変態がいる!!)

    リツコ「あなたが八幡君?」

    八幡「は、はい……」

    ミサト「司令に似て生意気なのよー」

    八幡「あんたに言われ……「あ?」

    リツコ「子供に睨み効かせるなんてあなた馬鹿なの?」

    ミサト「……あう…」

    八幡(ざまぁみやがれ)

    ミサト「………」ギロッ

    八幡「ごめんなさいごめんなさい」

    リツコ「ミサト!」

    ミサト「ぶーぶー」

    12 = 1 :

    暗闇


    八幡「真っ暗なんですけど……」


    ――パチッ。


    初号機「」

    八幡「………は?」


     何これ。

     ガンダム好きな八幡君でも、赤い液体のお風呂に入った角付きのロボットなんて見たことない。

     この手引きに書いてるのか?

    リツコ「その本を読んでも載ってないわよ。最重要機密だもの」

    ミサト「これはねエバーよ」

    八幡「エバー?」



    ―――パッ。



    八幡「……お、親父」

    ゲンドウ「……乗れ」

    ミサト「な、何を!? まさかこの子に!? 無茶です!」

    八幡「え……え?」


     乗れ?

     無茶です?

     何言ってるんですか?

     俺はこの後、親父との気まずい会話の後に人手不足だからとか言われて雑用を任されるんじゃないの?


    リツコ「比企谷八幡君」

    八幡「………?」

    リツコ「あなたが乗るのよ」

    八幡「ふぇ!?」

    13 :

    八幡さんはファンタジー出身でもないのに他作品で無双できる希有なキャラ

    14 = 1 :

    ミサト「無茶よ! レイでも七カ月はかかったのよ!」

    八幡(よし、いいぞ。俺の事をいくらけなしても良いから、安全な所へ連れて行ってくれ!)

    リツコ「座っていれば良いの。それ以上望みません」

    ミサト「しかし……」

    八幡(いける! お前ならいける葛城ミサト! がんばれがんばれ俺がロボットものの主人公みたいにパイロットなんてできる器じゃないことはほんの少しのやり取りでも理解しただろ!)

    リツコ「今は使徒撃退が最優先事項です。誰でも良いからわずかでもシンクロできる人間が必要。分かってるはずよ葛城一尉」

    ミサト「分かったわ」

    八幡「分かるなよおい」

    ミサト「は?」

    八幡「嘘ですごめんなさい」

    リツコ(この子、ちょっと気弱すぎないかしら)

    八幡「………」

    15 = 1 :




     俺は考えた。あらゆる側面から。



     まず、命の危険。

     これはおそらくあの化物と戦うという点から言っても、かなりの危険を伴うはずだ。あれがガンダムだったとしても乗ったのがニュータイプの説明書だけでガンダムを動かせる天才パイロットだからこそできたことで、俺みたいなモブ谷君はあっさりと破壊されるのがオチだ。


     次に、選択権。

     単に親父の命令と言うのなら拒否をすれば良いだけだ。元々俺の事を捨てたクソ親父なんかに義理だてする必要はないし、例え勘当されたとしても今まで通りの生活に戻るだけだから問題ない。……が、あのクソ親父は曲がりなりにもここのお偉いさん。こんな兵器を隠し持っているような組織のお偉いさんってことは俺を闇に葬り去ることも可能……。


     次に、正義感。

     確かに俺は卑屈を抱いて生まれたような男ではあるが、多少の良心は持っている。いや、誰よりも苦境に立たされてきたからこそ、人の痛みを知っているし、誰かに同じ痛みを味あわせたくないとも思う。正義感の観点だけで言えば俺は人類のために戦っても良いと思う。


     最後に、使命感。

     これが誰にでもできること、志願制のパイロットであるならば俺は間違いなく拒否をしていた。これが唯一無二の決戦兵器ならば、技術力も体力も精神力も俺を上回っている人間がやるべきだし、そんな人間はいくらでもいる。
     だが、どうやらこのロボット……エバーを乗りこなせる人間は俺しかいないようだ。これに乗らなければ多くの人間が死ぬ。逆言えばこれに乗るだけで多くの人間が助かる。その権利を俺が握っている。



     やれやれ、本当にいつだって俺とは無関係に人生ってものは決まっていく。

     次に生れた時はどうか幸せな青春ラブコメの主人公をやりたいもんだ。

     大きく深呼吸をしろ。前を向け。

     クソ親父に向かって、威風堂々真っすぐ言ってやるんだ!


    八幡「俺は!!」

    ゲンドウ「………」




    八幡「お断りします!!」ドゲザッ




    リツコ「」

    ミサト「」

    ゲンドウ「」

    16 = 1 :

    八幡「いやだって死ぬのはこえーし、俺しか乗れないって言っても、どうせ本当はいるんでしょ? ただ司令の息子だからって選ばれただけなんでしょ?」

    ミサト「……こいつ」ワナワナ

    リツコ「………」

    ゲンドウ「……レイを呼べ」

    ミサト「しかしっ! レイはまだ!!」

    リツコ「他に誰がいるというの?」

    ミサト「………」

    八幡(レイ?)

    ミサト「レイをよこして!!」

    八幡「あ、あの……」

    ミサト「邪魔よ」ドンッ

    八幡「あう」ドサッ

    八幡(あるぇ? 俺、なんかおかしいこと言ったかな~?)




    レイ「………」ガラガラ




    八幡「……は?」

    17 = 1 :

    レイ「………」グググッ

    八幡「いや、いやいや、怪我だらけじゃねぇか」

    レイ「……はぁはぁ…」グググッ




    ―――ドゴォオオオンッ!!




    レイ「きゃっ……」ドサッ

    八幡「!!」



    天井「」グラグラ



    ミサト「危ない!」

    八幡「うわぁあああああ!」

    八幡(し、死ぬ!?)





    初号機「………」シーン





    八幡「助けねーのかよっ!!」サッサッ

    ミサト(すごい、落ちて来た鉄骨を華麗に避けている……)

    リツコ「ありえないわ! あんな動き!!」

    八幡「お、おい! あんた!!」ダッ

    レイ「……はぁはぁ…」

    八幡「………」

    18 = 1 :

    八幡(……何でこんな怪我だらけの人間にやらせんだよ…)

    レイ「………はぁはぁ…」

    八幡「………」

    八幡(くそ……何を考えている…俺がこいつのために戦う義理があるのか…?)

    レイ「………」ハァハァ

    ゲンドウ「………」

    八幡「……くそっ」





    八幡「葛城さん、俺を……乗せてください」





    ミサト「八幡くん!!」

    八幡「はは……でも、俺にこいつを動かせるとは思えないですよ」

    ミサト「大丈夫! エバーとシンクロさえさせれば何とかなるわ!」

    八幡「………」

    19 = 1 :




    ―――そして、俺は……エヴァ初号機に拒絶されて、強い衝撃によりムチウチ状態となった。




    八幡「……知らない天井だ」

    八幡(くそ……だから言ったじゃないか)

    ミサト「八幡君、やっほー」

    八幡「……笑いに来たんですか」

    ミサト「いいえ、笑う訳ないじゃない」

    八幡「えっ」

    20 = 1 :

    ミサト「結果はどうあれ、あなたは戦った。それは誇るべきことだわ」

    八幡「………」アゼン

    ミサト「意外そうな顔ね。私が責めると思った?」

    八幡「……だって、役に立たなければ価値はないじゃないですか…」

    八幡(そうだ。紙幣や商品と同じように、人間にも価値がある。価値が高ければ大事に扱ってもらえ、低ければぞんざいに扱われる…)

    ミサト「八幡君」ジッ

    八幡「……っ」ビクッ



    ミサト「あなたはもっと自分を認めてあげるべきよ」



    八幡「………」

    21 = 1 :

    ミサト「えっ、八幡君一人で!?」

    上官「そうだ」

    八幡「はい、分かりました」

    ミサト「えっ、八幡君はそれでいいの!?」

    八幡「ええ、一人の方が楽ですから」

    八幡(本当に、心の底から、誰かがいるより……)

    ミサト「………よしっ」

    八幡(何のよしだよ……嫌な予感しかしない…)

    22 = 1 :

    ミサトの家

    八幡「うわ……」

    ミサト「何よー、それ」

    八幡「あ、う、えーっと……なかなかワイルドな部屋……ですね」

    ミサト「あはは、ちょーっち散らかってるけど気にしない気にしない」

    八幡「………」

    ミサト「それじゃあ食事にしましょっか」

    八幡「この汚い部屋で?」

    ミサト「あ?」

    八幡「すみませんすぐ準備します」サッサッ

    23 = 1 :

    ミサト「どう? 楽しいでしょ。誰かと食事をするっていうのは」

    八幡「……え、えぇ」ヒクッ

    ミサト「あなた、正直者ね」

    八幡「……すみません」

    ミサト「八幡君、じゃあ当番を決めるわね」

    八幡「えっ」

    ミサト「それじゃあじゃんけんするわよ!」

    八幡「えっ」

    ミサト「まずはゴミ出しからね! 私はグーを出すからね!」

    八幡「えっ」

    ミサト「………」ギロッ

    八幡「ひっ」

    ミサト「じゃんけんぽん!!」グーッ

    八幡「ひっ」チョキ

    ミサト「にひーっ、悪いわねー♪」

    八幡「………」

    24 = 1 :




    ミサト「ぜーんぶやってくれるなんてありがとねー八幡君♪」



    八幡「ひどい……」

    ミサト「さて、今日からここはあなたの家なんだから、なーんにも遠慮なんていらないのよっ♪」

    八幡「は?(どの口が言ってんの?)」

    ミサト「は?(殺すわよ?)」

    八幡「は?(はい、ごめんなさい許してください)」




    お風呂

    八幡「………下着…」ガラッ

    ペンペン「ぎゃーっ」

    八幡「………おじゃまします」

    ペンペン「ぎゃーっ(遠慮すんな)」

    八幡「………」チャプ

    八幡(ふっ、普通の奴なら驚いて裸で葛城さんの前に飛び出すだろうが、あいにく俺は筆箱にゴキブリが入っていること数百回、ランドセルに大量のミツバチがいること数十回なんだよっ)




    八幡「……せめて、戦いたかったな」チャプ




    25 = 1 :

    ネルフ

    リツコ「ありえないわ」

    マヤ「でも、実際にエントリープラグなしで、



     初号機は使徒を倒しました」



    リツコ「分かってる……分かってるけど」

    マヤ「あれは暴走なのでしょうか」

    リツコ「エントリープラグを排出した後、無傷で使徒を破壊した。ATフィールドを侵食した上に的確にコアを打ち抜くその判断……どう考えてもエヴァ単体では不可能よ」

    マヤ「これから先、八幡君はパイロットのままなんですか?」

    リツコ「ええ、仮説にすぎないけど比企谷君の意思の残滓は初号機内に残っていた可能性があるわ」

    マヤ「でも、それじゃあ……」

    リツコ「あくまで可能性よ。それに、パイロットなしで勝てるなら安全で良いじゃない」

    マヤ「……そう…ですね」




    リツコ(……そんな訳ない。人間の乗っていないエヴァなんて“使徒”と一緒よ)




    マヤ「……八幡君…」

    26 = 1 :

    八幡の部屋

    八幡「………」



    ――コンコン。



    ミサト「入るわよ。八幡君」

    八幡「………」

    ミサト「改めて言うけど、あなたは人に褒められる立派なことしたわ。


    ……この街を守ってくれて…ありがとう」


    八幡「! ………」




     その日、俺は泣いた。怖かったからか、悔しかったかは……分からない。




    続く。。。

    27 = 1 :

    ネクストエピソード


    ミサト「エヴァの訓練、学校、同居と状況に流されるままただ繰り返す八幡君」

    ミサト「だが、友達ができない原因はきっと彼の卑屈な根性にあった」

    ミサト「さらにエヴァのパイロットであることがばれ、彼に対する妬みや嫉みはエスカレートした」

    ミサト「執拗なイジメに八幡君の心の闇は深まるばかり」

    ミサト「そんな彼を、冷ややかな目で見つめる男が一人」




    ミサト「ネクストエピソード“やはり俺の学校生活は苛められている”」




    ミサト「さぁて、次回もサービス(主に八幡君への睨みつけ)しちゃうわよんっ♪」

    28 = 1 :

    ちょっと離れます。

    少しエヴァ側に近づけ過ぎかな。

    29 :

    面白いです

    30 :

    ミサト…クズ過ぎる…いや、最初からクズだったな。

    31 = 1 :

    ここからは少しオリジナル臭くなっていきます。

    続きー。

    32 = 1 :

    トウジ「ワシはお前を殴らなあかん!」ポキポキ

    八幡「は? ぶふっ!」ドサッ

    ケンスケ「まぁ、トウジの妹さんがあんたの乗ってるロボットのせいで入院してるんよ。だから勘弁してやってくれ」

    八幡「……なんだよ…それ……」クッ

    トウジ「………」テクテクテク

    ケンスケ「………」テクテクテク


    八幡「ふざけんな……」クソッ


    33 :

    これは八幡じゃない

    34 = 1 :

    八幡「………」


    【机に大量の落書き】


    八幡「………」テクテク

    クラスメイト<プーックスクス

    八幡(エヴァのパイロットってだけでこの扱い……そりゃあれのせいで死んだ奴もいるだろうけど…)ゾウキン

    八幡「………」フキフキ

    クラスメイト<プハッ!!

    八幡(こいつらのせいじゃない……悪いのは…この日本の状況だ…)ゴシゴシ

    ヒカリ「………」ゴシゴシ

    八幡「えっと……」

    ヒカリ「ヒカリ。洞木ヒカリよ」

    八幡「……そうか、邪魔だからどっか行ってくれ」

    ヒカリ「えっ!?」

    八幡「俺は別に誰かの助けなんて必要としてない。だから……」

    ヒカリ「あなた……」

    クラスメイト<ヒャーッ、サスガパイロットサマ!

    クラスメイト<ヒカリーアンナヤツホットケッテー!

    八幡「………」ゴシゴシ

    35 = 1 :

    八幡(俺は知っている。苛められっ子を助けて苛められるミイラを)

    トウジ「………」

    八幡(俺は知っている。苛められっ子を助けなくても苛められる苛められっ子を。……俺だ)

    ケンスケ「……やれやれ」

    八幡(俺は知っている。本当の悪は苛めることでも苛められることでもない)



    八幡「自分を見失うことだ」ボソッ



    レイ「比企谷君」

    八幡「綾波?」

    八幡(今話しかけないで欲しいなぁー)

    レイ「今から訓練があるわ。来て」

    八幡「………おう」

    クラスメイト「………」

    36 = 1 :

    ネルフ

    初号機「………」グイッポイッ

    エントリープラグ「」ゴンッ

    初号機「………」


    マヤ「シンクロ率0%! 意味がありません!」

    リツコ「……どうすればいいの…」

    ミサト「ねぇ、本当にあの子サードチルドレンなの?」

    リツコ「………」




    八幡「……意味あるのか…これ……」




    37 :

    頑固過ぎてエヴァと同調出来ないか、生命の実がなくてもATF出せそうなレベル
    期待超期待

    38 = 1 :

    更衣室


    八幡「………」



     嫌いだ。

     意味がないことが嫌いだ。

     結果の伴わない行為。

     無駄な努力。



     なぜか。



     それは、卑怯な逃避だからだ。

     逃げること、それ自体は何もカッコ悪いことじゃない。

     自身の考えに基づいて合理的に判断したのだから、立ち向かうのと同等に自分を信じた結果だ。

     だが、それが無駄だと知りつつ頑張ることは、自分を信じていないだけでなく少なからず他人に迷惑をかける。特にこういう大人数が関わっている出来事に対して努力をすればそれに期待する人間が出てくるのも当然だ。



    ミサト「八幡くーん、今日は残念だったわねぇ」

    八幡「……残念…ね」フッ

    ミサト「なによぉ、その顔」

    八幡「………」

    39 :

    初号機とシンクロできないってことは
    母親とさえ同調できる部分がない精神ってことだよな

    40 = 1 :

    八幡「残念って言うのは、何かに対して悔しい思いが出す言葉なんですよ」

    ミサト「なら、あってるじゃない」

    八幡「そうですか? 俺ならこの言葉を贈りますけどね」

    ミサト「?」




    八幡「やっぱり駄目みたいね。もうやめましょう」




    ミサト「………」

    八幡「少しでも光が見出せるならその言葉もありだろう。だが、俺は何一つ、それこそ寝返りすら打てていない状況だ。それなのに残念? はっ、俺を馬鹿にするの――」パシンッ

    八幡「えっ……」ジンジン

    ミサト「………」ギロッ

    八幡「うっ……」ビクッ

    八幡(相変わらずこえーーーっ)




    ミサト「子供みたいなことを言うのはやめなさい」




    八幡「っ!!」カァ///

    41 = 1 :

    ミサト「赤くなるってことは自覚があるってことかしら」

    八幡「………」

    ミサト「あなたがいくら自分の評価を底辺に置こうとね、ネルフはあなたを中心に回っているの」

    八幡「……っ」

    ミサト「分かる? 私達はあなたに戦略的価値を見出し、期待し、行動している。あなたがそれにビビって逃げ出したいと言うのなら私たちも納得できる部分はあるけど、そうやって子供みたいに言い訳をしている限り、誰も納得はしないしあなたの話を聞くことはないわ」

    八幡「………」

    八幡(そんなことは分かっている。分かっているけど……)

    ミサト「努力しなさい」

    八幡「………」

    ミサト「もっと一生懸命に、気合いを入れて、男らしく、やり抜くの」

    八幡(うわぁ……俺の嫌いな言葉ベストテンに入る言葉ばかりだぁ)

    ミサト「それでも、どうしても無理だったら―――」ギュッ

    八幡「ふぇ?」

    八幡(甘い……香り?)ポーッ///




    ミサト「私が一緒に謝ってあげるから、ねっ」ニコッ




    八幡(やっぱりこの人は苦手だ……けど…)

    八幡「年の割におっぱいやわらぐふぇっ!」ドゴォッ

    ミサト「あらあらぁ、女性に年の話は……な・し・よ・ね?」ゴゴゴゴゴ

    八幡「は、はい……」

    42 = 1 :




    初号機「………」



    マヤ「シンクロ率0.001%! 強制射出ありません!」

    ミサト「よっしゃぁあああああ!」ガッツポ

    リツコ「まるで使徒に勝ったかのようね」

    ミサト「なぁに言ってんのよ! リツコ! あの八幡君がシンクロ率0%の八幡君が、エバーに乗れたのよ!」

    マヤ「確かに……ちょっと感慨深いものがありますね」グスッ

    リツコ「あら、あなた八幡君に?」

    マヤ「ち、違いますよっ/// 私は!!」

    リツコ「私は?」

    マヤ「……な、なんでもないです…///」モジモジ



    八幡『あのー、楽しい女子会の所悪いですが、この後どうすれば良いんですかねぇ」



    子達「あ、あはは……」

    冬月「伊吹君に好きな人がいるようだぞゲンドウ」

    ゲンドウ「ああ……問題ない」

    43 = 1 :




    ―――ビーッビーッ!!




    一同「!?」

    マヤ「パターン青! 使徒です!!」

    リツコ「八幡君! そのまま行くわよ!」

    八幡『は?』

    ミサト「司令、構いませんね!?」

    ゲンドウ「ああ……問題ない」

    ミサト「エバー初号機、発進!!」




    初号機「………」バシュッ




    地上

    初号機「………」ガションッ

    八幡「……さぁて、どうすれば…」

    44 = 1 :

    使徒「………」ウニョウニョ

    八幡「なんだあのスリッパみたいなの……」

    ミサト『あれが使徒よ! あの触手に気をつけて!』

    八幡「そんなこと見たら分かるっつーの……。専門家なんだから、もっと具体的に指示出せよ……」グイグイ

    初号機「………」

    八幡「指示出されても一緒か」

    使徒「………」ビシュッ




    八幡「だって全く動かないもん☆」




    初号機「………」グッ

    八幡「あれは!?」

    初号機「………」ジッ




    トウジ「………」アワワワワ

    ケンスケ「………」ガクガク




    八幡「あいつら……たしか…」

    八幡(何でこんな所に!?)

    45 = 1 :

    マヤ「初号機動き始めました!」

    リツコ「あれは……初号機の手元をアップして!」



    【初号機に掴まれるトウジとゲンドウ】



    マヤ「初号機、一般人を二名エントリープラグへ突っ込みました!」

    リツコ「ありえないわ!」

    ミサト「八幡君……あなたなの?」

    八幡『あー……なんか勝手にやってます』

    リツコ「比企谷君! 今すぐ二人を排出して!」

    八幡『は?』

    ミサト「リツコ!?」

    リツコ「分からないの!? ただでさえシンクロ率が低いのに、関係のない人間が混ざれば間違いなくシンクロ率は0%になるわ!」

    ミサト「そんなっ!」

    マヤ「そ、そんな……シンクロ率が……」

    リツコ「ほらみな―――」




    マヤ「シンクロ率が上昇しています!!」




    リツコ「なんですって!?」ビクッ

    ミサト「どうなってるの……」

    46 = 1 :

    トウジ「これが……エヴァの中なんか……」

    八幡「……うるさい、黙ってろ」

    ケンスケ「すげー……けど…」

    使徒「………」ウニョウニョ



    トウジ&ケンスケ「「こえぇええええ!」」ガクガクブルブル



    八幡「くそっ、とりあえずどうにかして動いてくれ!!」グイッ

    初号機「………」ガションッ

    八幡「えっ……」

    トウジ「う……」

    ケンスケ「動いた!?」

    ミサト『八幡君! 残り時間一分! 逃げて!!』

    八幡(逃げる……そうだ、逃げないと……)

    使徒「………」ウニョウニョ

    トウジ「………」ガクガク

    ケンスケ「………」ブルブル

    八幡(だけど……“逃げることに意味がある”のか?)

    八幡「……逃げちゃダメだ…」ボソッ

    トウジ「は?」

    八幡(そうだ。……誰かがやらないと…)グイッ




    初号機「ヴォオオオオオオッ!!」ガションガション!!




    47 = 1 :

    マヤ「初号機、使徒に向かって走り始めました!!」

    リツコ「なんですって!?」

    ミサト「八幡君!!」

    マヤ「残り時間50秒!!」




    八幡「………」グイッ



    初号機「ヴォォオオオオ!!」ブゥンッ

    使徒「………」バスッ

    八幡「くっそぉおおおおお」グイッ

    初号機「ヴォォォォオオオッ!」ガガガガガガガガガガッ




    マヤ「残り時間20秒!」




    八幡「あぁああああああ!」グググググッ

    トウジ「お前……」

    ケンスケ「比企谷……」

    48 = 1 :

    マヤ「残り時間10秒!」

    八幡(なんだよ……)

    初号機「ヴォオオオオッ!!」ガガガガガガッ

    八幡(俺今……“頑張ってる”のか?)

    マヤ「8!」

    八幡「は、はは……」

    トウジ(笑っとんか……?)

    八幡「………」グスッ

    マヤ「6!」

    八幡(死ぬのは怖い……失敗するのも怖い)

    マヤ「5!」

    八幡「でも……でもっ」

    マヤ「4!」

    八幡「俺は……」

    ケンスケ「比企谷っ! 頑張れ!」

    八幡(俺は……)

    初号機「ウォオオオオオオオッ!!」グググググッパリッ

    八幡「できることをやらないでヘラヘラしてる自分を見るのが、一番こえーーーんだよぉおおおお!!」グイィィィッ!!

    使徒「」バリンッ



    ―――ブシュゥゥゥゥゥゥゥッ!!



    49 = 1 :

    マヤ「使徒沈黙……初号機の勝利です!!」

    ミサト「よっしゃぁああああ!」

    リツコ「………」

    リツコ(全く素直に喜べない結果ね……)


    冬月「皮肉だな」

    ゲンドウ「………」

    冬月(自分のためにしか生きられなくなったお前に当てつけるような結果だなゲンドウ)



    翌日 学校


    八幡「………」

    【落書きされた机】

    八幡「………」ゴシゴシ

    八幡(大丈夫。今の俺は耐えられる……)ゴシゴシ

    50 = 1 :

    ヒカリ「………」ゴシゴシ

    八幡「お前……」

    ヒカリ「洞木」

    八幡「えっ」

    ヒカリ「洞木ヒカリよ。ちゃんと覚えてね」ゴシゴシ

    八幡「あ、ああ……」

    クラスメイト<ホントヨクヤルヨネー

    クラスメイト<モシカシテスキナンジャネ

    クラスメイト<ソレイジョウスルトイジメチャウゾッ

    八幡「お、おい……いい加減にしないと…」

    ヒカリ「私も苛められる?」

    八幡「………」

    ヒカリ「だからあんなこと言ったんだね。やっさしー」クスクス

    八幡「……っ」

    ヒカリ「でも、余計なお世話」

    八幡「!」ビクッ

    ヒカリ「私は私が正しいと思ったことをするし、それを止める権利は誰にもない」

    八幡「………そうだな」ゴシゴシ

    ヒカリ「分かればよろしい♪」ニコッ

    クラスメイト「おい、洞木――」ガシッ

    クラスメイト「えっ?」

    トウジ「………」ゴゴゴゴゴゴ

    クラスメイト「」


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