私的良スレ書庫
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元スレ八幡「そして冬休みになった……」 雪乃「……」
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× × ×
「ほら、雪ノ下。紅茶淹れ直したぞ。これでも飲んで落ち着け」
なぜかすすり泣いている雪ノ下の前にティーカップを差し出す。
どう考えてもこの場面で泣いているのは俺の方じゃねーのか。
雪ノ下は紅茶に一口、もう一口と手を付けているうちに少しずつ落ち着きを取り戻してきた。
そして、カップをソーサーに置くと再び口を開き始める。
「比企谷くん、あなたはさっき私に何と言って告白したのかしら?」
「おい、お前。俺にもう一度恥をかかせる気かよ……」
何この罰ゲームは?
雪ノ下は不快そうに返してくる。
「私に告白することが恥だと言いたいのかしら?」
怖ぇーよ、その顔。
泣き顔かわいかったからもっかい泣いてくれねーか。
「んなわけねーだろ……」
「ならもう一度言いなさい!」
だから怖いって。
とにかく怖い。
あまりにも怖いので観念して言うことにします。
だから、もう睨むのやめて貰えませんか。
「ゆ、雪ノ下……、俺と……」
こんなこと2度も言わせるなよ……。
みるみる紅潮してくるのがわかる。
「違うわ! その前よ!」
やめろ、その顔。
睨むなよ。
今晩夢でうなされてしまいそうだぞ。
それにお前の日本語、よくわからんぞ。
今のだって相当恥ずかしかったんだぞ。
「俺は……雪ノ下……雪乃のことが……好きだ……」
消え入りそうな声でぼそぼそ言う。
「聞こえないわ。もう一度」
何この羞恥プレー。
どんだけSなんだよ、こいつは。
「俺は雪ノ下雪乃のことが好きだ。雪ノ下雪乃に恋をしている……」
開き直って言ってやった。
「そ、そ、そ……、そう言ったわね……」
顔を真っ赤にして答える。
羞恥に悶える雪ノ下。
もうこれ以上正視に耐えない。
俺を悶絶させる気か。
俺にはデレはないんだよ。
「つまり、その、お前は『愛している』と言ったのに俺はそこまでは言っていないと
言いたいのだな」
ついに耐えられなくなった俺が代わりに言葉を繋いだ。
「え、ええ……。だから、その……、あ、あなたにそう言ってもらうまでは付き合うわけには
いかないわ」
め、めんどくせー。
なら言ってやるよ。
「雪ノ下、愛してるよ」
恥ずかしいのでさらっと言ってやった。
「あ、あなた、私のことを小馬鹿にしているのかしら……」
雪ノ下がプルプルしながら怒る。
いや、ほんとめんどくせー。
こりゃ千年の恋も冷めてしまうって。
恨みつらみが籠った目をしながら雪ノ下は続ける。
「私はあなたに行動で示して貰いたいのだけれど……」
何を言いたのかよくわからない。
無暗に反応してもうこれ以上地雷を踏まないように続きを待つことにする。
「あなたは『少しずつ変わる必要があった』と言ったわね?」
「ああ」
「だから、行動で示して貰えないかしら。それに、私自信も少しずつ変わる必要があると言ったの
だからそうするつもりよ……」
「ああ、わかった」
もうこれ以上話すこともあるまい。
互いの想いを確かめ合い、進むべき道が定まったのだから。
「あと、平塚先生が提示した勝負もまだ雌雄が決していないわ」
しかし、雪ノ下は取ってつけたように話を続ける。
俺は雪ノ下らしくない行動に一瞬戸惑いを感じながらも、話を合わせる。
「ああ、そうだな……」
ここまで来たら、もうこんな勝負には意味はない。
茶番もいいところだ。
これからは雪ノ下と議論を尽くし最善の方法を模索して奉仕部の活動進めていくことになる。
雪ノ下もそんなことはわかっているはずだ。
「ええ、そうよ……」
目をそらすように答えた雪ノ下の顔には翳りの表情が見て取れた。
やはり、雪ノ下雪乃もわかっていた。
そう、由比ヶ浜結衣の気持ちに。
俺も雪ノ下もあれほど嫌っていた馴れ合いを選んでしまった。
これからは依頼に対する方針で正面切って対立し、決裂することはない。
だから、あの勝負は雌雄を決することのない出来レースに過ぎない。
だから、卒業まで3人の関係に波風を立てないようにするための方便にしか過ぎない。
しかし、そんな嘘偽りを受け入れてしまう自分に嫌悪することはなかった。
由比ヶ浜が会長に立候補することを決意した時、俺はそれを否定しなかった。
きっと、あの時からこうなってまでも雪ノ下との本物を得ることを心の奥底のどこかで望ん
でいたのであろうから。
宣伝されてたから見に来たが、
昔の由比ヶ浜シリーズより劣化してるな
昔の由比ヶ浜シリーズより劣化してるな
由比ヶ浜シリーズってなんだ…
乙
なんか大変なことになってるみたいだけど気にせず頑張ってね
毎日待ってる
乙
なんか大変なことになってるみたいだけど気にせず頑張ってね
毎日待ってる
めんどくさいんじゃなくて、単純に話が進んでないだけだな。
細かく投下して休憩入れてればわからんかもしれんが、
日単位でまとめて読むとA→A→A→Abって感じ
細かく投下して休憩入れてればわからんかもしれんが、
日単位でまとめて読むとA→A→A→Abって感じ
ティーカップの時もこんな感じで進めば進むほどダグダグになっていったよね…
由比ヶ浜シリーズってなんだ?
あとなんで渋に行かないんだ?
向こうならコメで荒れないだろうに
向こうで一ヶ月に一回投稿みたいな感じでいいんじゃなね
やたら細かく投稿しているけど
あとなんで渋に行かないんだ?
向こうならコメで荒れないだろうに
向こうで一ヶ月に一回投稿みたいな感じでいいんじゃなね
やたら細かく投稿しているけど
× × ×
雪ノ下と向かい合って静かに紅茶を啜る。
最後の一口を飲み干した俺は名残惜しさを感じながらゆっくりとカップを置く。
「じゃあ、そろそろお暇させてもらうわ」
「ええ。もうこんな時間になってしまったわね」
雪ノ下の視線を追って壁時計を見ると2時半近くになっていた。
午前様もいいところだ。
そうとわかると急に疲れを感じた。
しかし、それは心地よい疲労感であった。
そういえば雪ノ下に渡すものがある。
カバンをまさぐって取り出すと剥き出しのまま雪ノ下に差し出した。
「こ、これはパンさんのニューイヤーバージョンのぬいぐるみだわ!」
雪ノ下は目を輝かせながら受け取った。
「誕生日プレゼントだ。まあ、2日遅れになったけどよ」
「比企谷くん、ありがとう」
雪ノ下は歓喜の声で答えた。
学校ではクールな知的美少女で通っている雪ノ下も素顔は17歳になったばかりの女子高生だ。
大人びて見えるがこんな一面があってもいいはずだ。
雪ノ下は慈しむようにパンさんのぬいぐるみをつんつんつついたり、プニプニさせたりしながら
相好を崩している。
「ところでこれはどこで手に入れたのかしら? 確かあと3種類あるはずだわ」
体を前のめりにして訊ねてきた。
こいつは本当にパンさんには目がないんだな。
そんな雪ノ下を見て微笑ましく思った。
ただ俺も馬鹿ではない。
それを顔に出した瞬間に雪ノ下に射すくめられ氷漬けにされてしまうことぐらいわかっている。
表情に表れないように静かに見守った。
「これか? ゲーセンのクレーンゲームで取ってきた」
「そう。それでバイトの後あんなにも遅かったのね」
「ああ。さすがにプレゼントだからな。店員に取ってもらうのもアレだから15分もかかって
しまった……」
自嘲気味に笑いながら話すと雪ノ下は好機とばかりに軽く罵倒してくる。
「あなた馬鹿なの。3種類とも取って来てくれることがわかっていたのならば、いくらでも
待っていたのだけれど」
そう言いながらも照れている雪ノ下。
こいつにとってパンさんは本当に宝物なんだな。
俺もついに堪え切れず笑みが漏れ出す。
「あのな、そんなことしたら俺の一日分のバイト代が吹っ飛んでしまうわ」
何のために小銭稼いだんだよ。
この世間知らずのお嬢様め。
「ところで、比企谷くんはバイト代を何に使うつもりだったのかしら?」
そういえば俺は4月から予備校に通おうと思ってバイトをした。
それも奉仕部での居心地が悪くなったからだ。
でもこうして雪ノ下とも和解はできたわけだし、敢えて放課後に通う理由もなくなった。
「あー、バイト代か? 大学出てもすぐに結婚して専業主夫とはいかんだろ。だから、アレだな。
結婚するまでの生活費を貯めてるんだ」
雪ノ下は頭に手をやるお決まりポーズをとりながら、溜息をつく。
そして、ジトっとした目を向けてこう言った。
「この私がそんなこと許すわけないじゃない……」
「へっ!?」
な、何言ってんのこの人……。
「な、な、な、何でもないわよ……」
この時、雪ノ下がどんな顔をしていたかは知らない。
きっとこの時の俺の顔もまた、雪ノ下には見られたくないものになっていたことだろう。
「……」
「……」
しばしの沈黙ののち、外からパトカーと救急車のサイレンが賑やかに聞こえてきた。
もうこれで何度目のことだろうか。
不吉な予感がしてシックな柄のカーテンに覆われた窓に近づこうと立ち上がった。
「待って!」
俺の行動を先読みしたのだろう。
雪ノ下に勢いよく遮られる。
ああ……、そういうことか。
やっぱりこいつも夢見る乙女なんだな……。
慌てて立ち上がる雪ノ下の一歩後ろに続く。
雪ノ下は窓の前で立ち止まると、カーテンの隙間を少しだけ広げると何かを確かめるように覗き込む。
すると次の瞬間、勢いよくカーテンを開け放ったかと思うと満面の笑みで振り返ってこう言った。
「比企谷くん、雪よ!」
手招きされるまま雪ノ下の左側に立つ。
窓の向こうには雪空が広がっていた。
空全体を覆う厚い雪雲は街灯のナトリウムランプが夜空に放つ光を反射し、オレンジ色に染まっている。
そのオレンジの雲から白い牡丹雪がその重みに耐えかねるかのように無数の大群を成して降下してゆく。
そして雪の弾幕の向こうには工業地帯の眩い光と海を行き交う船の灯が見える。
「綺麗ね……」
「ああ、綺麗だな……」
いつの間にか俺の肩に寄りかかってきた雪ノ下にそっと声をかけた。
今日の>>1は早見沙織だったな…(2ch Mateの話)
× × ×
1月6日。
今日から3学期が始まった。
放課後を迎えた廊下は活況を呈しあちらこちらから歓声が聞こえる。
もちろん俺はその輪の中にはいない。
それらに目もくれず、声から遠ざかっていく。
静けさに包まれている特別棟の4階の一室に辿り着く。
このドアに触れるのは実に半月ぶりだ。
この冬休みはカレンダーの都合上4日ほど長かった。
そのせいだろうか懐かしい場所に帰ってきた気がする……。
「うっす」
「こんにちは、比企谷くん……」
── いや、違う。
いつもの弾んだ声が戻ってきた。
「……新学期を迎えたらその腐った目も幾らかまともになるかと思ったのにさらに腐敗が進んでいるわ」
いつもの雰囲気がこの部屋に戻ってきた。
「うっせー、新学期早々、俺のテンションを下げること言うのやめてくれる。今日ぐらい爽やかに過ご
させてくんない」
「この男は腐敗臭を漂わせながらいったい何を言っているのかしら──」
ああ、この感じだ。
俺が懐かしく感じていたのは不毛なやり取りが交わされるこの場所だ。
やっと取り戻したいつもの雰囲気に、いつもの場所に心が安らいだ俺は、椅子に腰かけると
いつものように本を開く。
雪ノ下も一通り俺への罵倒を終えると静かに読書に戻る。
互いにページを繰る音だけが時の流れを伝えている。
ただいつもと違うのは、時折顔を見合わせては目をそらすことぐらいだ。
たったそれだけのことだが、なんだか心地が良い。
「やっはろー」
静の時間から動の時間へと時が変わる。
「おう、由比ヶ浜」
「こんにちは、由比ヶ浜さん」
「! ゆ、ゆきのん」
微に入り際に入ることに長けている由比ヶ浜は雪ノ下の変化に気が付く。
「ゆ、ゆきのーん!」
こんなゆりゆりしい光景を見るのはすごく久しぶりだ。
「ゆ、由比ヶ浜さん、暑苦しいから離れて頂戴……」
「じゃ、俺コーヒー買ってくるわ」
ひんやりとする廊下をマッ缶目当てに歩く。
あとは2人の問題だ。
俺の問題は解決した以上余計な口ははさむべきではない。
きっと戻ってくる頃には何事もなかったかのようにいつもの奉仕部に戻っていることだろう。
しかし、冬休み最終盤の3日間に俺と雪ノ下との間で交わされていたことを由比ヶ浜は知らない。
いずれ、そのことは3人の関係に影響を与えるかもしれない。
だけど今はそれでもいいと思っている。
比企谷八幡と雪ノ下雪乃は何よりも嫌っているはずの馴れ合いを受け入れることにした。
それは、互いに相手への想いを育んでいくために必要だからと結論づけたからだ。
── だから、今はこのままでいい
そう信じて購買へと向かった。
─完─
とりあえずこんな感じで終了です
室内で二人で雪見~始業式当日の部分はおまけとして切り離すことにしました
レスくれた皆さん、最後まで読んでくれた皆さん、どうもありがとでした
室内で二人で雪見~始業式当日の部分はおまけとして切り離すことにしました
レスくれた皆さん、最後まで読んでくれた皆さん、どうもありがとでした
レスどうもです
打ち切りマンガのような終わり方になってしまいました
省略した部分はかなり長々となってしまったので、いったん切り離しました
でれのんの迷走と八幡VS陽乃をちょこっとという感じです
打ち切りマンガのような終わり方になってしまいました
省略した部分はかなり長々となってしまったので、いったん切り離しました
でれのんの迷走と八幡VS陽乃をちょこっとという感じです
>>440修正版
「やっはろー」
静の時間から動の時間へと時が変わる。
「おう、由比ヶ浜」
「こんにちは、由比ヶ浜さん」
「! ゆ、ゆきのん」
微に入り細に入ることに長けている由比ヶ浜は雪ノ下の変化に気が付く。
「ゆ、ゆきのーん!」
こんなゆりゆりしい光景を見るのはすごく久しぶりだ。
「ゆ、由比ヶ浜さん、暑苦しいから離れて頂戴……」
そう言いつつも雪ノ下は心なしか嬉しそうにしているように見える。
「じゃ、俺コーヒー買ってくるわ」
ひんやりとする廊下をマッ缶目当てに歩く。
あとは2人の問題だ。
俺の問題は解決した以上余計な口ははさむべきではない。
きっと戻ってくる頃には何事もなかったかのようにいつもの奉仕部に戻っていることだろう。
「やっはろー」
静の時間から動の時間へと時が変わる。
「おう、由比ヶ浜」
「こんにちは、由比ヶ浜さん」
「! ゆ、ゆきのん」
微に入り細に入ることに長けている由比ヶ浜は雪ノ下の変化に気が付く。
「ゆ、ゆきのーん!」
こんなゆりゆりしい光景を見るのはすごく久しぶりだ。
「ゆ、由比ヶ浜さん、暑苦しいから離れて頂戴……」
そう言いつつも雪ノ下は心なしか嬉しそうにしているように見える。
「じゃ、俺コーヒー買ってくるわ」
ひんやりとする廊下をマッ缶目当てに歩く。
あとは2人の問題だ。
俺の問題は解決した以上余計な口ははさむべきではない。
きっと戻ってくる頃には何事もなかったかのようにいつもの奉仕部に戻っていることだろう。
では明日からおまけを投下します
土日のどちらかは投下できないかもしれません
土日のどちらかは投下できないかもしれません
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