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    元スレ苗木「ゲームをしようよ。闇のゲームをね……」

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    351 = 348 :


    大神「ルールは解った。だが、朝日奈は……」

    「それなら心配ないよ。この勝負を受けてくれるなら、彼女の身の安全は保証する」

    大神「……そう簡単にお主の言うことを信じると思うか?」

    「信じろっていう方が無理な話なのは解ってるよ。けど、大神さん。キミはこのゲームを受けざるを得ないんだ」

    「もしキミが逃げたり、力づくで朝日奈さんの居場所を聞き出そうとするなら……」

    そう言うと狛枝は、スイッチのような物を取り出した。

    「"コレ"で爆弾を爆発させる……起爆装置さ。あの爆弾は時限式だけど、これを使えば時間を待たずに爆破できる」

    大神「ッ!!」

    「ボクは本気さ……キミ達の"希望"が見られるなら、なんだってする……なんだってね」

    「さぁどうする? 大神さん……!」

    大神「わかった……この勝負、受けよう」

    「ふふふ……その返事を待っていたよ」

    いよいよ始まる。

    命がけの…"闇のゲーム"が……!

    352 = 348 :


    「それじゃ、ゲームスタートだ」

    先陣を切ったのは狛枝だ。
    何のためらいもなくコップを手にし、水を一気に飲み干す。
    ごくごくと音を立て、勢いよく。
    まるで、どのコップにも毒なんて入っていないかのように。

    「……ふう。どうやらただの水のようだね。さあ、大神さん、キミの番だ」

    大神「……」

    対する大神も、狛枝には引けを取らず、すぐさまコップを選んだ。
    毒が入っている確率は1/5だ。
    透明な液体が、大神の喉を通る。だが、特に問題はなさそうだ。

    「そっちもハズレのようだね」

    「さて……次は、っと……」

    残るコップは4つ。しかし狛枝は死への恐怖など全くないのか、少しも考える事なく水を選ぶ。
    大神は、そんな彼の姿に少なからず畏怖を覚え始める。
    彼女はいかなる強敵にも勝利してきた、人類最強とも言える存在であるにも関わらず、だ。

    353 = 348 :


    大神「なぜだ……?」

    「なぜ?」

    大神「今のお主からは……死に対する恐れを微塵も感じぬ。なぜだ?」

    その問いかけは、まともな人間からすれば当然のものであった。

    「そりゃそうさ……ボクは死を恐れてはいないからね」

    けれど、その問いに対する答えもまた、狛枝凪斗にとっては当然のものでしかない。

    「"希望"の為の踏み台になれるなら、こんなクズみたいな命は少しも惜しくはないんだ!」

    盲信的とも言える、"希望"への執着。それこそが、狛枝の存在理由であり、アイデンティティだった。

    大神「お主は……狂っている……」

    「ああそうさ……ボクは……」

    そう言いかけて、狛枝の口が止まる。

    「…………」

    (狂っているのは……本当にボクなのだろうか?)

    大神「?」

    まるで突然痛みを思い出したように、片膝を折る狛枝。右手は頭を抱え、声にならない声が苦しそうに呻く。
    大神は駆け寄り、言葉をかける。

    大神「……大丈夫か?」

    354 = 348 :


    「……………………いや…違う……それは…違うよ…。狂っているのはボクじゃない…本当におかしいのは…」

    もはやそれは大神に向けられた言葉ではなく、絞り出すような……自問自答。

    そして、

    「本当ニおかシいのha……」

    そこで




    そこで


    そこで


    そこで




    狛枝凪斗は意識を失った。

    狛■凪斗は●識を失■た。■凪斗は●識を失■た。枝凪斗識失□た。狛■凪斗は●識を失■た。
    ▲枝斗○●を■った。狛斗は●識を失■た。■凪斗は●識失■た。狛■凪●は識を失■た。
    狛■凪斗は●識を■た。狛■凪斗を○た。狛■失■た。狛■凪斗□●識を失■た。

    356 = 348 :



    <!-- もsもバgが起kてしまっt、これヲ見てい。人がいqら、

    一zだけ&願いしtい。千nパzzルw破カイsろ。-->

















    「結局、またボクが生き残ってしまったか…」

    「仕方ないよね。これが…ボクの"才能"なんだから…」

    「でも大丈夫。また、何度だってやり直せばいいさ」

    「"希望"が勝ち……"絶望"を打ち砕くその時まで……」

    「何度でも…何度でも……ボクが壊れてしまったとしても……」

    「他ならぬキミの"願い"だもん…たとえ地獄だろうがボクは行くよ」

    「大好きな…日向クンのためならね…」





    ////////////////////////////////////////////////////////////////


    357 = 348 :



    (…今の光景は……ボク?)

    (何もない世紀末のような世界に、たった一人だけ残されていた……あの青年が……ボク?)

    燃えるような白い髪。

    背中に55の赤文字が書かれた、ボロボロの緑パーカー。

    全てに"絶望"しきったような、灰色のくすんだ瞳。

    そして、ひときわ異彩を放つ……女のような左腕。

    無人の荒野に一人立ちすくむ、最後に残された人物。

    ……それが、狛枝凪斗だった。

    脳裏を過ぎった謎の映像に、狛枝は混乱を隠せない。

    (あれが……ボクだって言うのかい……?)

    (いや……今は……"ゲーム"に集中するんだ)



    大神「大丈夫か…? 顔色が優れないようだが」

    「ああ……うん。なんだかちょっと怖くなってきちゃったかな。アハハ…」

    大神「ならば……もうやめにしないか?」

    「…………」

    大神「ゲームは……我の負けでいい。朝日奈を……開放してくれ」

    358 = 348 :


    大神「もとより、我は死ぬつもりだった。今日、ここでな」

    「『内通者』は、キミだものね……」

    大神「……ッ!!」

    「たまたまキミとモノクマが話しているのを聞いたんだ。……たまたま、ね」

    大神「聞いていたのか……」

    「タイミングの悪さには自信があるんだ。……いや、今回は"幸運"だったのかな。お陰で『黒幕の内通者』の正体も掴めたし……」

    「誰よりも"強い"大神さんの事だ……誰かを殺すくらいなら、自分が死んだほうがマシだ、そんな風に考えてるんだよね?」

    大神「!?」

    「自殺も殺人の内……タイムリミットまでに自分が死ねば、モノクマの言った"約束"は果たされる」

    「……仲間を殺す事なく、人質を殺されずに済む」

    大神「お見通しというわけか……」

    大神「だが、止めてくれるな。我は、【我が全てを、終わらせる】」

    「なるほど、それがキミの"希望"なんだね……大神さん」

    「でも……、【それは違うよ】」


    B R E A K !!

    359 = 348 :


    「大神さん、キミは残される人の事を……朝日奈さんの事を考えた事がある?」

    大神「……朝日奈の事を?」

    「誰よりもキミを慕っている彼女にとって……キミは彼女の"希望"そのものなんだ!」

    大神「ッ!!」

    「それを奪ってしまうなんて、そんなのは、そんなものは、"希望"とは言えないんだ!」

    大神「では……我は……我はどうすればいい? この拳は……何のためにあるのだ!?」

    わなわなと拳を震わせる大神。いつになく冷静さを失い、迷いが見え隠れする。
    誰よりも大きいはずの彼女の体が、誰よりも小さく見えた気がした。

    「その答えは……彼女に聞けばいい」

    「もう、出てきていいよ。……朝日奈さん」

    がちゃん、とロッカーが開く。
    決して大きな音ではなかったが、突然の出来事に大神はロッカーの方を振り向いた。

    そして、そこから出てきたのは……

    大神「あ……朝日奈……!」

    朝日奈「さくらちゃん……」

    "超高校級のスイマー"、朝日奈葵の姿だった。

    360 = 348 :

    ――――――――――――――――

    ――――――――――――――――――――――――

    ――――――――――――――――――――――――――――――――


    朝日奈「そんな……さくらちゃんが内通者だったなんて!」

    「ボクも信じたくはなかったよ。けど、朝日奈さん。大神さんと一番親しいキミなら、何か思い当たる節があるんじゃないかな…?」

    朝日奈「う、うん……モノクマがあの話をしてから、急に元気がなくなっちゃったみたいで……」

    朝日奈「一緒にドーナツ食べよう、って誘っても断られちゃって……いつもなら必ず来てくれたのに」

    「……やっぱりね」

    朝日奈「けど、さくらちゃんは誰かを殺したりなんかしないよ!!」

    「それにはボクも賛成だ。……けど、自分の命なら、どうかな」

    朝日奈「えっ!?」

    「誰かを殺すくらいなら…いっそ自分が…、誰よりも強い大神さんなら、もしかしたらそう考えるんじゃないかな?」

    朝日奈「……そんな……そんなことって…」

    「ないとは言い切れないよね。心当たり、あるんじゃない?」

    朝日奈「……今夜、娯楽室に来て欲しいって……」

    「……キミにだけは、本当の事を話しておくつもりだったんだよ」

    朝日奈「そんな……嫌だよ……さくらちゃんが……止めに行かなきゃ!!」

    「待って。ただ闇雲に説得しても、逆効果かもしれない。……ボクにいい考えがあるんだ」

    「協力、してもらえるかな……?」


    ――――――――――――――――――――――――――――――――

    ――――――――――――――――――――――――

    ――――――――――――――――

    361 = 348 :


    「とまあこんな感じで、全てはボクの自作自演だったのさ」

    大神「…………」

    朝日奈「ごめんね、さくらちゃん。騙すような事して……でも……」

    その言葉は遮られる。大神さくらの、強靭な肉体によって。
    大きくも、温かい、まるで母なる大地のような、抱擁によって。

    大神「よかった……」

    大神の頬を熱いものが滴り、朝日奈の肌を濡らした。

    大神「朝日奈が……無事でよかった……」

    朝日奈「さくらちゃん……」

    朝日奈も、力強く大神を抱きしめた。

    朝日奈「ごめんね……」

    二人は抱きしめ合ったまま、泣き続けた。
    ……涙が枯れるまで。

    狛枝はそんな二人を見つめたまま、黙するだけだった。
    二人の中に、新たな"希望"を見出しながら。

    362 = 348 :


    それからしばらくして、落ち着きを取り戻した二人が、狛枝の方を向く。
    視線を受けた彼は、頭を掻きながら、まいったな、といった顔をする。

    「……いくら"希望"のためとはいえ、少しやりすぎたよ。ゴメン、ふたりとも」

    「さあ…ボクを煮るなり焼くなり好きにしてくれ!」

    狛枝は、本気で死を覚悟し、目を瞑る。
    朝日奈葵ならともかく、大神さくらの一撃を受ければ、下手をすれば二度と立てない身体になるかもしれない。

    けれど、そんな心配は杞憂だった。

    大神「……ありがとう」

    朝日奈「ありがと。苗木!…じゃなかった、狛枝!」

    意外な言葉に、動揺を隠せない狛枝。だが顔はどこか嬉しそうだ。

    「……批難こそされても、お礼を言われるような事はしてないと思うけど?」

    大神「お主がいなければ……我は大切なことを思い出せなかった」

    大神「強さとは……愛する者を守るためにあるのだ、と」

    朝日奈「うんうん!」

    「ボクなんかがいなくても、きっとキミ達なら気づけたさ……」

    「だってキミ達は……"希望"溢れる才能の持ち主なんだから」

    363 = 348 :


    否定する狛枝の肩を朝日奈は軽く叩く。

    朝日奈「そう卑屈になんないの! ほら、ポジティブポジティブ!」

    「……これでも前向きなつもりなんだけど……いてて、朝日奈さん痛いって!」

    大神「フッ……」

    そうは言いつつも、狛枝もまんざらではないようだ。
    深夜の暗闇に沈んでいた娯楽室には、いつの間にか楽しげな笑い声が溢れていた。
    夜が明けるまで、ずっと、ずっと。



    けれど、狛枝は……

    小骨が喉に刺さったような、不快感をずっと感じていた。

    あの時見たビジョンが、脳裏に焼きついて離れなかった。


    ずっと。ずっと。


    /// to bE c*nt1nueb ?

     

    364 :


    ケンイチロウはもう仕方が無いね
    そういえば原作の時間って既にケンイチロウ死んでるんだっけ?

    366 :

    おつ
    煮るなり焼くなり好きにしろ
    と言うが苗木の体なんじゃないのか

    367 :

    闇のゲームならガチで薬入れてると自然に思い込んでたが違うのかな?
    そもそも時限式で解除方法は狛枝しか知らないんなら、
    さくらちゃん勝とうが負けようがやばかったやろ

    368 :

    お、おう

    369 :

    >>367
    とりあえずゆっくり読み直そうか

    370 :

    爆弾も毒薬も全部フェイクやったんや

    371 :

    さくらちゃんはもし勝って狛枝が死んでしまったらどうするつもりだったんだろ

    結果的に毒も爆弾も偽物だったからよかったものの、狛枝が負けた場合の爆弾解除をどうするか考える前に勝負受けたのは軽率だったと思う

    372 = 368 :

    ゲームを受けなきゃ[ピーーー]って言われた時点で軽率もクソもないですがな

    373 :

    受けざるをえないからゲーム開始前にどうこう考える時間ないか
    すまんな、軽率は撤回する

    374 :

    しまった全部フェイクだったのか
    しかし俺が言いたかったことはだいたい>>371が代弁してくれてた

    375 :

    よく読みなよ

    376 :

    結論から言うとイカサマがあると信じてたんじゃないかな
    毒薬は本物だったんだけどね、あはっ!

    377 :

    遊戯王的には十神はエドで葉隠がディバインなんだよな
    まあこのスレは闇のゲームだけでいってほしいけど

    378 :

    そういえば葉隠クンの中の人ディバインだったな
    >>1はDMは本編では書かないって言ってたはず

    379 :

    訂正
    >>349をこれに差し替え

    「……けど、朝日奈さんなら来ないよ」

    大神「今、なんと?」

    「彼女なら来れないって言ったんだ。……だって、今"彼女は動けないから"ね」

    そう言うと狛枝は、ピンク色のデジタルカメラを投げ寄越す。
    カメラの液晶を目にした途端、普段なら大半の事では動じない大神が、驚愕の声を上げる。

    大神「あ……朝日奈!?」

    そこに映るのは、椅子に縛り付けられた"超高校級のスイマー"朝日奈葵の姿だった。
    写真の彼女は、気を失っているのかうつむいており、表情は読み取れない。
    褐色の膝の上には赤茶色の筒が束で置かれ、赤青緑と様々な色の配線がそこから伸びている。

    大神「これは、まさか!?」

    「そう、ご想像の通り……"爆弾"さ。爆発すればただじゃ済まないだろうね」

    大神「き、貴様ァ!!」

    狛枝に向かって鋭く伸びる筋骨隆々の腕。だが彼は、身をよじりあっさりと躱す。

    「おっと、今ここでボクを[ピーーー]のはあまり得策とは言えないよ」

    そう言うと狛枝は、スイッチのような物を取り出し、握ってみせる。

    「これが爆弾の起爆装置さ……大神さん、もしキミが逃げたり、力ずくでもボクを止めようとするのなら、その時は容赦なくこれを押させてもらうよ」

    大神「ッ!!」

    「でも大丈夫、大人しくボクの言う事に従ってくれるのなら、悪いようにはしないからさ」

    邪悪な笑みを浮かべる狛枝。大神は振り上げた拳を収め、うなだれる。

    大神「くっ……望みは何だ?」

    大神「[ピーーー]なら……我をやれ。朝日奈は……朝日奈は関係ない!」

    「……何を勘違いしているのかな。別にボクは、キミや朝日奈さんに死んでほしいわけじゃないよ」

    「"希望"の象徴であるキミ達を、ボクなんかが殺せるわけもないしね」

    「むしろ望みはその逆、ボクを踏み台にして、キミ達の"希望"を輝かせて欲しいんだ……!」

    ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    「"闇のゲーム"でね……!」

    大神「ゲーム、だと!?」

    380 = 379 :

    なんと、まさかのsaga忘れ。
    お手数ですが脳内変換お願いします。

    381 = 379 :

    訂正
    >>351をこれに置き換え


    大神「ルールは解った。だが、朝日奈は……」

    「それなら心配ないよ。この勝負を受けてくれるなら、彼女の身の安全は保証する」

    大神「……そう簡単にお主の言うことを信じると思うか?」

    「信じろっていう方が無理な話なのは解ってるよ。けれどそこは信用して欲しいな……ボク達は『仲間』なんだからさ……!」

    大神「仲間だと……これが仲間のする事か?」

    「大切な『仲間』であるキミ達の"希望"が見られるなら、ボクはなんだってする……なんだってね」

    「ほら、贔屓のボクサーにはより強い相手と戦って欲しいのと同じさ」

    「"闇のゲーム"という試練を乗り越えて、キミ達の"希望"は更に輝きを増す……ボクはその為の踏み台になりたいだけだよ」

    「さぁどうする? 大神さん……!」

    大神「わかった……この勝負、受けよう」

    「ふふふ……その返事を待っていたよ」

    「大神さん、もしキミが毒を飲んでしまったら、その時はボクが責任を持って朝日奈さんの拘束を解き、爆弾を解除しよう」

    「けれどもし、ボクが敗れたら、その時はゆっくりと朝日奈さんを探すといいよ」

    「……あいにく、ボクの小さな小さな脳みそでは、爆弾を時限式にはできなかったからね」

    大神「……本当だな?」

    「大和田クンの言葉を借りるなら、"男に二言はない"よ。ボクだって一応は男さ」

    大神「………わかった」

    いよいよ始まる。

    命がけの…"闇のゲーム"が……!

    382 = 379 :

    訂正

    >>362をこれに置き換え


    それからしばらくして、落ち着きを取り戻した二人が、狛枝の方を向く。
    視線を受けた彼は、頭を掻きながら、まいったな、といった顔をする。

    「……いくら"希望"のためとはいえ、少しやりすぎたよ。ゴメン、ふたりとも」

    「さあ…ボクを煮るなり焼くなり好きにしてくれ!」

    狛枝は、本気で死を覚悟し、目を瞑る。
    朝日奈葵ならともかく、大神さくらの一撃を受ければ、下手をすれば二度と立てない身体になるかもしれない。

    けれど、そんな心配は杞憂だった。

    大神「……ありがとう」

    朝日奈「ありがと。苗木!…じゃなかった、狛枝!」

    意外な言葉に、動揺を隠せない狛枝。だが顔はどこか嬉しそうだ。

    「……批難こそされても、お礼を言われるような事はしてないと思うけど?」

    大神「お主がいなければ……我は大切なことを思い出せなかった」

    大神「強さとは……愛する者を守るためにあるのだ、と」

    朝日奈「うんうん!……それに、あの白い粉、毒じゃなくてただのプロテインだったんだよ?」

    「……えっ」

    朝日奈「狛枝に頼まれて科学室に毒薬を取りに行った時、こっそりね。だって脅かすだけなら、本物じゃなくてもいいじゃん!」

    「ははは……これはまた、一本取られたね」

    狛枝は笑う。笑うしかなかった。
    全ては朝日奈葵の手のひらの上だったのだ。

    「けど、ボクなんかがいなくても、きっとキミ達なら気づけたさ……」

    「だってキミ達は……"希望"溢れる才能の持ち主なんだから」

    383 = 379 :

    これで整合性はとれたかと思います。
    推敲が足りなくて申し訳ない。

    384 :

    いや、何て言うか
    態々すまん

    385 :


    ―TIME ANKNOWN―


    クロとシロが入り混じる世界の中に、狛枝凪斗はいた。

    あの"ノイズ"の正体を確かめるために。
    おぼろげな記憶を取り戻すために。

    だが、それは困難を極める"ゲーム"のはずだった。
    あるかもわからない"記憶の部屋"を探す、永遠に続くとすら思える旅路。
    以前、霧切響子がここを訪れた時に、それは嫌と言うほど思い知らされたはずだった。


    …けれど、不思議な事に、狛枝の足取りには先日のような迷いがない。
    その事に、狛枝自身も疑問を感じていた。

    「……記憶が戻りつつあるのかな?」

    問うたところで答える者は誰もいないが、微塵も気にすることなく狛枝は独り言を続ける。

    「まぁ、どうだっていいけどね……」

    まるで水を得た魚のように、ひたすら上下左右と突き進む。
    まるで自分の庭であるかの如く、我が物顔で闊歩する。

    そして……

    「どうやら……ここが"ゴール"のようだね」

    狛枝の前に"扉"が立ちふさがる。

    その場には似つかわしくない、重厚で現代的な、扉が。


    扉には……「未来」と呼べる文字が書かれていた。

    386 = 385 :


    ―MORNING TIME―


    モノクマ「内通者の正体は、なんとなんと、大神さくらさんでしたー!」

    「「…………」」

    モノクマ「な、なんだよぅ、せっかく人が、いやクマが親切に教えてあげたのにさ!」

    モノクマ「リアクションの一つでも見せてくれたっていいじゃんか! "超高校級のリアクション芸人"じゃなくたってそれくらいはできるでしょ!」

    モノクマ「『オーガが内通者だったんだべか!?』とか、『フン…やはりな』とかさ!」

    十神「…残念だったな。お前の目論見は頓挫しているぞ」

    葉隠「実は今朝、オーガから直接その話は聞いたべ」

    モノクマ「えっ」

    石丸「うむ!だが全員で話し合った結果、大神君には害意がない事がわかった」

    朝日奈「当たり前だよ! さくらちゃんが誰かを傷つけるわけないもん!」

    「実際んトコ、誰も死んでねーしな。"約束"ってのが何だったかは知らねーが、大神はそれを果たさなかったみてーだし…」

    桑田「敵の敵は味方、ってヤツッスね」

    セレス「もちろん、100%彼女を信頼している、とは言えませんが、信用できないという点では私達全員が同じ事…」

    山田「しかし意外でしたなー。こういう時、十神白夜殿が一番『内通者だったヤツなど信頼できるか!』とか言い出すと思っておりましたが」

    十神「俺も完全に大神を信用したわけじゃない。だが……」

    何かを言おうとして、苗木の方を十神は向く。

    苗木「…? 十神クン、ボクの顔に何かついてる?」

    十神「いや、なんでもない。とにかく、俺はこのゲームからは降りる事にした、それだけだ」

    387 = 385 :


    モノクマ「えっ、何さそれ! 十神クンが一番楽しそうにしてたじゃん!」

    十神「黙れ。こんなゲームよりも、もっと価値のある勝負を俺は見つけたんだ」

    十神「その勝負の決着がつくまでは、勝者の顔を立ててやる。……くだらん仲良しごっこにも付き合ってやるさ」

    腐川(勝者……?)

    (あぁ……"アイツ"の仕業か)

    桑田(きっと"あの人"ッスね……)

    セレス(そういう事ですか……)

    十神の言い分を聞き、納得する者が半分。

    霧切「……どういう風の吹き回しかしら」

    石丸「まあまあ、十神君も協力的になってくれるというなら、喜ばしい事ではないか!」

    山田「ちょっと気持ち悪い気もしますがね……」

    葉隠「明日はきっと槍が降る……俺の占いじゃなくても3割は当たるべ!」

    疑問に思う者が半分といった所。

    十神「とにかく……俺がゲームから降りると決めた以上は、お前達を導いてやる」

    十神「誰ひとりとして、犠牲者は出させはしない!」

    十神「…十神の名にかけてな!」

    ありがた迷惑なリーダーの出現ではあったが、拒む理由も苗木達にはない。
    こうして、さらに彼らの"結束"は強くなっていく。
    そんな苗木達を見ながら、モノクマは黙っている。

    388 = 385 :


    苗木「どうだ、モノクマ! これでわかっただろ。ボク達は…コロシアイなんか絶対にしないんだ!」

    モノクマ「…………」

    霧切「だんまりかしら、相当追い詰められているようね」

    モノクマ「…………」

    十神「フン、お得意の壊れたフリか?」

    モノクマ「面白い……面白いクマ」

    苗木「クマ?」

    モノクマ「飽きたクマ。キャラ変更クマ。そこまで言うなら、オマエラのその"希望"……ぶっ潰してやるクマ!」

    モノクマ「絶対起こさせてやるよ……"コロシアイ"をね」

    モノクマ「うぷぷぷぷぷぷ……アッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」

    高笑いしながら、モノクマは壇上から去っていく。
    嫌味な笑い声だけが、体育館に響いていた。

    十神「……さて、これからどうする?」

    苗木「とりあえずさ、また手分けして学校を探索してみない? どうやら、5階が開放されたみたいなんだ」

    電子生徒手帳の地図を皆に見せ、そう提案する苗木。
    全員がそれに賛同し、何グループかに別れて探索を行う事になった。
    順番に体育館から彼らは出ていき、苗木、霧切、十神の三人のグループだけが残された。

    霧切「私達も早く行きましょう」

    十神「ああ… ん? どうした、苗木」

    苗木の異変に、十神が気付いた。
    身に纏う雰囲気が、いつもの快活な彼とは異なっていた。
    そして、その雰囲気は……霧切と十神には覚えがあった。

    「実はさ……」

    「十神クンと霧切さんに、話があるんだ」

    389 = 385 :


    ―NOON TIME―


    苗木誠の部屋に招かれた十神と霧切。
    部屋に入るやいなや、口を開いたのは十神だった。

    十神「それで、話というのは何だ? …狛枝凪斗」

    名前を呼ばれた狛枝は、わざとらしく両腕を上げ、降参のポーズを取る。

    「おやおや…バレちゃってたか…」

    「そう、怖い顔をしないでよ。別に何か企んでるわけじゃないからさ」

    霧切「……"心の部屋"ね。そこで用があるんでしょう?」

    今まさに説明しようとした事を先に言われ、狛枝は驚いた顔をする。

    「……霧切さんは何でもお見通しだね」

    霧切「簡単な事よ。話だけなら、体育館でもできた。…けれど、狛枝君はわざわざ私達をこの部屋まで連れてきた」

    霧切「"心の部屋"に入れば、現実世界の私達の意識は失われる…"校則"に違反しない為に、ここに来る必要性があった…そうでしょう?」

    「ご名答…素晴らしいよ。さすがは"超高校級のた――」

    狛枝がそこまで言いかけた所で、十神が口を挟む。

    十神「待て、"心の部屋"だと? 何だそれは? わかるように説明しろ」

    霧切「簡単に説明すると……苗木君と…彼の心の中よ」

    390 = 385 :


    霧切は、可能な限り十神に説明をした。
    千年パズルに触れた時に、霧切が体験した奇妙な出来事を。
    狛枝が時折茶々を入れるが、無視しつつ。
    それを聞いた十神白夜の反応は、当然のものだ。

    十神「……非ィ科学的だ! そういうオカルトの話は、葉隠にでもしてろ!」

    と最初は理解を拒絶していた十神だったが…

    霧切「…………」

    「…………」

    二人の無言の圧力にとうとう屈する。

    十神「…………わ、わかった。信じてみようじゃないか」

    十神「だが、俺は自分の眼で見たものしか信用しない。早く連れていけ…その"心の部屋"とやらにな!」

    「慌てない、慌てない。それじゃ、二人を招待するよ……」

    「ボクの"心の部屋"にね」

    そう言うと、狛枝は千年パズルを二人の方に向ける。

    (ウジャト)から、光が溢れ……

    三人の意識が失われる。

    391 = 385 :


    ―TIME ANKNOWN―


    霧切と十神が目を覚ましたのは、ほぼ同時だった。

    十神「……ここが……苗木とヤツの"心の部屋"…?」

    半信半疑のまま、十神は疑問を口にする。
    霧切は、自信なさげに答える。

    霧切「ええ。そのはずなんだけど……」

    十神「…どうした?」

    霧切「以前来た時と、様子が変わっているわ。……前はもっと……そう、迷宮のような壁に囲まれた通路だったんだけど…」

    霧切が混乱するのも、無理はない。
    二人が立っている場所、そこは……

    無。

    何もない、真っ暗な空間だった。

    かろうじて、地面という概念はあるらしく、十神も霧切も立つ事はできる。
    だが、二人以外には何もない。
    地平線の如く遥か遠くまで、暗黒だけが続いている。

    まるで、ブラックホールの中にでも飲み込まれたような、真っ暗な空間に、二人はいた。

    392 = 385 :


    …いや、正確には三人だ。

    苗木「あれ……霧切さん、十神クン?」

    二人の背後から、聞き覚えのある声がする。
    声に振り向いた二人が見たのは、パーカーにアンテナ姿の…いつもの苗木誠だった。

    十神「苗木? お前、なぜここに?」

    霧切「狛枝君……じゃなさそうね」

    苗木「コマエダくん? 誰だいそれ? …まあいいや。気が付いたらここにいたんだ。…夢かと思ったんだけど、ちっとも目が覚めなくて」

    十神「どうやらこれは、夢ではないらしいぞ」

    霧切「そうね。苗木君も本物のようだし」

    苗木「本物って……」

    置かれた状況に、まったくついていけない苗木。
    そんな彼の事情を知ってか知らずか、あの男の声がする。

    『待っていたよ。霧切さん、十神クン……そして、苗木クン』

    苗木「…誰?」

    『その質問の答えは……キミ達のすぐ目の前にあるよ』

    狛枝の声がそう告げると、苗木達の前に"扉"が現れる。
    木製の、豪華そうな……両開きの扉が。

    『さあ、この扉を開けて……入って来て欲しい』

    『ボクの……"記憶の部屋"にね』



    ~~~ +。 6E c0NtIunEq !?

    393 = 385 :

    今日はここまで。
    やっと佳境に入って来た気がする。

    394 :

    やっぱりこの十神は社長とデジャブるわw

    395 :

    あれ、十神クン太った?

    396 :

    CV的にはエド・フェニックスだけどな

    397 :

    anknownの綴りはわざとなのかしら

    400 :

    闇の罰ゲームがだんだんぬるくなってるな


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