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    元スレ八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」

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    101 = 63 :


    アイドルという作品を制作する、制作活動。



    それこそがプロデューサーという職務の真実なのではないか。

    そこに、本当の意味でのアイドルは存在するのか。



    俺は、甚だ疑問に思う次第である。


    102 = 63 :








    八幡「ーーなので、俺は、全く新しい方法として、放任形式の、プロデュースを、」カキカキ


    ちひろ「比企谷くん! 声に出てるから! あと書き直し!!」


    「……はぁ」

    103 = 63 :


    ちっ、もうちょいでQEDだったってのに。

    あとそこ、そんな可哀想なものを見るような目でため息をつくな。
    いちいち可愛いだろうが。


    担当アイドルであるところの凛とのファーストコンタクトを経て、既に四日。
    今は事務所の一室にて、書類を書かされている俺である。
    つーか、別に凛は居る必要ないんだがな。学校に行けよ。



    ちひろ「比企谷くん、それは今後のアイドルのプロデュース方針を社長に報告する大切な書類なの。真面目にやってください!」

    八幡「やってますよ。ちゃんと考えた上で、こういった方針をですね…」

    「だから、プロデューサー一人じゃ不安だったんだよ」

    104 = 63 :


    と、またため息を吐く凛。

    なに、そんなに俺って信用無い? 無いですね。すみません。
    良いと思うんだけどなぁ、放任プロデュース。ほら、放任主義の家庭の子供って逆にしっかりするって言うし? ……あぁ、別にそんな事もないか。ソースは俺。



    ちひろ「出来れば今日中に提出してくださいね? その書類は社長も見るんですから」



    うわ、出たよその結構上の偉い人も見るからしっかり書けよっていう注意。
    担任先生とか脅し文句でよく使うよなー「その報告書は校長先生も見るんだから真面目に書けよー」とかってさ。絶対嘘だろ、あれ。見てたとして「あーうんうん八割書けてるねー」くらいしか目ぇ通してないって。


    ちひろ「出してないのは比企谷くんだけですよ? もう」

    105 = 63 :


    ぷんぷんと怒った感じで腕を組むちひろさん。
    可愛いですけど、もうちょっと年齢を考えて……



    ちひろ「何か?」ニッコリ



    コイツ……! 直接脳内に……!?



    なんてやりとりを交わすくらいには、俺は俺は余裕が持てるようにはなっていた。

    凛と会ってからの三日間、俺もとい俺を含めた一般プロデューサーたちは講習を受けていた。
    当たり前だ。俺たちは所詮素人。まず最低限に学ぶ事が多過ぎる。

    106 = 63 :


    それでも三日という日数では少なく感じるかもしれないが、元々このプロデューサー大作戦は“企画”。

    ゲームとまではいかないまでも、本物のプロデュース活動とは違い、いくつかの道筋が立てられている。


    例えば今回この企画を上げた事で、各業界のお偉いさん方は当然俺たちの存在を知っている。そこからアプローチし、チャンスを掴み、仕事に繋げていく。


    ようはプロデューサー大作戦という礎のおかげで、幾分か難易度が下がっているのだ。

    もちろんそれでも仕事は仕事。向こうだってそうホイホイと仕事はくれないだろう。
    しかしそれと同時にチャンスと思っている事も事実。これだけ大きな企画だ。向こうにだって便乗しない理由は無い。

    107 = 63 :


    つまり、その中で、どれだけ周りと差をつけられるかが鍵になってくるわけだ。


    他にも講習の中では、売り出す方向性、レッスンの有無、主な得意先や営業のポイント、スタミナ、エナジードリンクのお買い求めはちひろまでなど、これからの主な行動基準を示していた。

    ……最後のはいらなかった気がするが。


    まぁ何と言うか、“ルール説明”と言えば分かりやすいか。


    とにかくそういった感じで、俺は三日間HPを著しく現象させながら過ごしたわけである。
    め、めんどくせぇ……

    108 = 63 :


    「プロデューサーは講習中に、他のプロデューサーと話してみたりした?」


    手持ち無沙汰になったのか、隣のソファーに座っていた凛が訪ねてくる。


    八幡「……まぁ、少しな」


    ふっ、あまり舐めてもらっちゃ困る。
    あの華麗な会話の流れを是非見せてやりたかったぜ。

    「こんにちは」
    「……ぇ…あ、あぁこ、こんにち、ゎ」
    「……」

    見事に流されたね。それはもう華麗に。
    あれ、おかしいな? 手の震えが止まらないや。



    「…もうちょっと交流を持ったら? 競う相手とはいえ、お互い得るものもあるかもしれないし」

    八幡「違うな。競う相手だからこそお互いに得てどうする。それじゃプラマイゼロになるだろーが。むしろ奪うくらいでいい」

    109 = 63 :


    まぁ俺は平和主義者なんで、奪う事もせずただ話しかけないがな。
    いや、ビビってないよ? オペレーションだよ?


    「……プロデューサー、友達いないでしょ」


    ほう。よく気づいたな。大正解だよおめでとう。いやめでたくないけど。

    特に“少ない”ではなく“いない”って言った所がいいね。八幡的にポイント高い。
    ……あれなんだろう。視界が潤んできた。


    八幡「友達がいなくて悪いかよ。友達が多いってのが良い事でも、いない事が悪い事にはならねーだろ」

    「清々しいくらいの捻くれ具合だね……」


    おお、あの凛が苦笑している。何かレアなモノを見た気分だ。
    狼狽する雪ノ下みたいな?

    110 = 63 :


    「……でも」


    八幡「あ?」

    「悪いと思うよ。……あなたの事を、友達と思っている人たちには」


    八幡「……安心しろ、そんな奴はいないから」


    まったく、なんでこうコイツは真っ直ぐなんかね。

    もう少しくらい不純物が入っててもいいんじゃない?


    ちなみに彼女が濾過された水素水なら、俺はその辺の田んぼの横の川くらいだろう。
    あぁ、「カエルは田んぼに入れよなー」と追いやられた事もあったなぁ。せめてヒキを付けろヒキを。原型無くなっちゃってんでしょうが。



    ちひろ「あのーイチャイチャするのはいいから早く書いてくれません?」

    八幡・凛「「イチャイチャなんてしてません」」

    ちひろ「うわー気持ち悪いくらいの無表情で否定しましたね……」

    111 = 63 :


    当たり前だ。俺たちに一体何を求めてんだよ。

    そんなまちがった青春ラブコメは奉仕部だけで充分だ。


    ちひろ「でも比企谷くん? 凛ちゃんの言う通り、少しでも他の方とお話した方が良いと思いますよ? 今ならプロデューサー人数も少ないですし……」


    八幡「足りないの間違いでは?」


    ちひろ「うっ……!」グサッ



    そう、足りていない。
    プロデューサーが足りていないのだ。

    112 = 63 :


    これは講習中にも聞いた話なのだが、応募数の割に合格者が少ないらしい。

    募集は随時続けていくそうだが、あまり滞り良くはいってない様子。
    ちなみに講習内で学生(ぽいの)は俺含めて二人しかいなかった。

    まぁ当然と言えば当然だ。大体こういった企画に挑戦しようとするのは、お調子者かアイドルオタクか余程の変わり者だろう。
    ちなみに俺は三番目。たぶん。絶対。


    もしも本気でこういった仕事をしたいなら、企画ではなく就職活動をするだろうからな。もっとも、これを足がかりに就職にこじつけようと目論んでいる奴もいるみたいだが。


    そして地味に意外だったのが、思いの外女性が多かった事だ。

    全体の4割程度はいるか? まぁ男にろくでもないのが多かったのだろう。6割もいるのに!


    しかしちひろさんから聞く話によれば、社長としては男のプロデューサーの方が期待をしたいらしい。

    113 = 63 :


    何故か。それは女性アイドルのファンは、男性の方が多いからである。


    男性ファンの目線でプロデュース出来る点は、確かに有利と言えるだろう。

    もちろんトップアイドルとなるのであれば、女性ファンは必須。女性の目線で見る事も必要になってくるであろうが、それでもやはり、主なターゲットは男性だろう。


    そういった点では俺は有利と言えるのだが……




    「プロデューサーのコミュ力が、それを補ってあまりあるハンデだね」


    八幡「うるせぇよ」

    114 = 63 :


    そんな事を話している間に、書類を書き終える。


    平塚先生のおかげでなんだかんだ、こういった作業は得意になってしまった。
    なら最初からちゃんと書けよ、とかは無しだぞ?

    例え却下されると分かっていても、自分の気持ちは曲げずに書く。それが俺のジャスティス。

    結果二桁代の再提出をくらっているがな。



    ちほろ「どれどれ? ……ほうほう。比企谷くんにしては中々の作戦ですね」


    「作戦?」

    八幡「別にそんな大したもんじゃねーよ」

    ちひろ「いやいや、最初の第一歩としては定石とも言えます。案外素人では思いつかないものですよ? 実際、これを提案した人はあまりいませんし」



    え? うそ、マジで?
    皆やってるもんだと思ってたんだがな。

    115 :

    「ねぇ、結局何を……」



    「「わぁぁぁああああ!!?」」ドンガラガッシャーン!!



    八幡「!?」



    な、なんだ!?


    突然の悲鳴と騒音に驚き振り向くと、女の子が二人ドアの前ですっ転んでいる。
    状況から察するに、恐らくドアの前で聞き耳を立てていたのだろう。


    「も、も~う! 卯月が何も無い所でこけるから!」
    「え、ええ!? 未央ちゃんだって扉に寄りかかってたし…」


    お、おお。

    俺は今、感動している……!
    まさかこんな漫画みたいな事を素でやる者がいようとは!!



    八幡「なるほどな……このあざとさがアイドルには必要って事か……」ゴクリ


    「……違うと思うよ。っていうか、卯月に未央、何やってるの?」

    116 = 63 :


    卯月「り、凛ちゃん。これはね、えーっとー…」


    未央「ご、ごめんね? 凛が噂のプロデューサーと二人っきりで話してるって聞いたから、気になっちゃって。あはは」


    「……まぁ別に良いけど。プロデューサーもいいよね?」


    八幡「え? あ、あぁ」


    急に話を振らないでくれ。裏返っちゃう。


    「それじゃ折角だし、紹介しちゃうね。この子たちが同期の卯月に未央」

    117 = 63 :


    卯月「はじめまして、プロデューサーさん! 島村卯月、17歳です。よろしくお願いしますっ!」


    何故か年齢も教えてくれた島村卯月という少女。

    ロングの茶髪に、明るい笑顔。
    制服だろう茶色ブレザーが良く似合う。


    ……なんだろう。確かに可愛いのだが、なんだろう。
    清純派アイドル、というのだろうか。

    良い意味で王道、悪い意味で……普通?



    未央「本田未央15歳、高校1年生ですっ! よろしくお願いしまーす♪」


    やっぱり年齢を教えてくれた彼女は本田未央。

    少し跳ねた茶髪のショートで、快活そうな笑顔が眩しい。


    そして制服の上に……ジャージ? いや、パーカーか。
    なんだか、若干由比ヶ浜と同じ匂いを感じる。なんかアホっぽ(ry

    118 = 63 :


    八幡「よ、よろしく」


    このキラキラを振りまくオーラ、間違いない。上位カーストグループだ……!

    まぁでも考えてみれば当然の事だよな。アイドルを目指すって事は、ある程度自分が可愛いという事を自覚していなくちゃならない。上位カーストでなければ、そういった自信もつかないだろう。



    しかしアレだな。凛も横に並べてこうやって見ると、バランスが良い。

    オーキド博士に「そこに三人のアイドルがおるじゃろ?」とか話をふられそう。

    119 = 63 :


    未央「へー、思ったよりカッコいいね。ちょっと目つきがあれだけど」

    卯月「み、未央ちゃん失礼だよ! 確かに目つきはあれだけど…」



    うおい。あれってなんだあれって。もうはっきり言っちまえよ。
    腐ってるってか。皆腐ってると思ってるんですか!?


    ちひろ「ごめんね比企谷くん。この子たちはまだプロデューサーがついてなくて……そうだ!」


    まるでピコーンと電球がついたかのような表情をするちひろさん。嫌な予感。

    何、新しい新作ドリンクとか思いついたの? 買わないよ?

    120 = 63 :


    ちひろ「比企谷くん。さっきの案を実行するなら、この子たちも一緒に連れて行ってくれません?」


    八幡「は!? な、なんでですか?」


    凛一人でも俺のATフィールドがズタボロなのに、更に使徒が2体とか俺がもたないんですけど!


    ちひろ「折角なんですから、彼女たちにも色々と経験して貰いたいじゃないですか。もちろん、比企谷くんが俺の担当アイドルじゃないーって心の狭い事を言うんなら仕方がありませんが♪」



    ぐっ! この守銭奴……!

    絶対わざとやってんだろ!!

    121 = 63 :


    八幡「…はぁ、分かりましたよ。どうせ俺は見てるだけになるでしょうしね」


    ちひろ「ありがとうございます♪」


    卯月・未央「「??」」


    「さっきから、何なの? その作戦っていうのは」


    八幡「だから、そんな大それたもんじゃねーよ。明日早速スタジオ行くぞ」


    卯月・未央「す、スタジオ!?」」


    「な、何をするつもりなの……?」


    八幡「決まってんだろ」

    122 = 63 :


    アイドルを売り込むのならば、基本と言ってもいいだろう。


    しかしだからなのか、あまり気づくものはいないらしい。

    まぁ最初からあるので充分な子もいるからな。元が良けりゃ尚更だ。



    だが、だからこそここで実行する。


    人間の第一印象は、見た目が9割を占めるらしい。

    その9割を良くする為の第一歩。




    八幡「宣材写真だ」

    123 = 63 :

    すんませんホントーに短いんですけど今日はここまでです!

    一日じゃあんまり進まないなぁ……

    125 :

    乙であるぞ

    126 :

    やみのま!

    127 :

    短くても日にちが空いてもいいから定期的に更新してくれると嬉しいです!

    乙。

    129 :


    やっぱ写真は大事だよなー

    131 :

    乙にゃん

    132 :

    これのクロス先を知らないが
    この子出来る子なの? 出来ない子なの?

    133 :

    (自分以外)みんな幸せに出来る子

    134 = 132 :

    ほう、凄いんだな


    目が腐ってる以外は

    135 :

    犯人不明でドロドロの友情崩壊ドラマを自分が泥被って丸くおさめたりする奴
    あと、精神構造がぼっち

    136 :

    ヒッキーはかなり好感持てる

    137 :

    自分の身を省みず犠牲にして周りを不幸から救うスペシャリストだからな。
    有る意味Pに向いてるといえば向いてるかもしれん。
    依存系やヤンデレ系のアイドルには危険だろうけど、凛だし大丈夫だろう。

    138 :

    本編では本人が納得した上で泥被ってるけど、今回くらいはうまくやって欲しいな。
    てか4日くらい学校休んでるのか、ゆきのんはまだしもガハマさんは気が気じゃないだろうな。

    139 :

    根本的に人間大好きでアガペーがMAX振り切ってるよねヒッキー
    ナザレのイエスがぼっちと高二病と捻デレ併発させたらこんな感じかもしれない

    140 :

    またヒキガヤくんの華麗な泥被りを見れると聞いて

    141 :

    俺も凛が一番好きだけどこういう他のアイドルとの絡みも見たいな
    俺ガイル側のキャラとアイドルの絡みも見たい

    142 :

    ヒッキーを選ぶ社長のセンスは素晴らしい

    143 :

    それでゆきのんの出番はいつになりますか?

    144 :

    自己犠牲はあくまでも時間が無かったり、それ以外の対処法が無い時の話だし
    それ以外は捻くれたぼっち視点からの解決法を提案するぐらい、むしろこっちの方が優秀かもしれんが

    145 :

    どこぞの馬の骨を比企谷君が面倒見るよりわた雪ノ下雪乃をアイドルにして担当した方がいいと思うのだけれど

    146 :

    ゆきのん体力ないからダメだろ、アイドルだけじゃなく芸能、声優は肉体的、精神的にタフじゃないときついよ?

    一見花がある職業だけど、かなりブラック。

    147 = 136 :

    >>145
    あれれ~?こんなところでなにやってるのカナ☆

    148 = 132 :

    由比ヶ浜さんとやらはヒッキーがアイドルプロデューサーとなって
    可愛いアイドル達に囲まれてると知ったらどうなるんだろう

    149 = 145 :

    >>148
    むぅーってなる

    150 :

    八幡しか出ないのならクロスした意味ないよね


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