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元スレ美琴「とある幸福の上条当麻、始めるわよ!」上条「マジで!?」
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あくまでVS白い悪魔かつ御坂ヒロインのスレだから、上条に群がって争奪戦繰り広げるのはスレ的に違うし
そうなると他のヒロイン格は登場してもフェードアウトか影薄くなるか、他に流れるかになる訳で
一方がちょうどいい受け皿に選ばれただけの話
そうなると他のヒロイン格は登場してもフェードアウトか影薄くなるか、他に流れるかになる訳で
一方がちょうどいい受け皿に選ばれただけの話
前スレの>>1読む限りだと上琴すら絶望的みたいに取れるよな
第二十三学区 エンデュミオン――
禁書「…………」イライラ
アウ「依然、聖女インデックスの機嫌は優れないのか?」
ステイル「見てのとおりさ」
ローラ「ステイルがご機嫌取りすれば万事解決につき。ほら、早くしなさい!」
ステイル「……気が進みませんね」プイッ
テッラ「罰当たりな。我らが盟主にして、神の地上代行者であられる あのお方に対して敬意が足りませんねー」
ステイル「フン、馬鹿馬鹿しい」
ローラ「こら、ステイル!」
アウ「必然、この状態が続けば被害は我らに及ぶ。であれば、ここは協力し合うのが最善ではないか」
ステイル「……たしかにね」
テッラ「私に心当たりがあります。先日あのお方が楽しそうに語られていた『聖獣スフィンクス』の件で、心を痛めていると推察しますねー」
ローラ「……魔獣の類?」ゴクリ
アウ「実物の写真を持っている。これだ」スッ
ステイル「どんな凶悪なケモノなんだ……って、ただの猫じゃないか!?」ガビーン
禁書「スフィンクス……」ションボリ
CASE 18 とある超幸福の一方通行SR 前編
第七学区 とある学生寮前――
一方通行「はァ、はァ……スゲェ重いンですけどォ」フラフラ
オルソラ「今日はとても満足な買い物ができたのでございますよ」ニコニコ
一方通行「米に醤油に味噌にたまねぎ……そりゃ満足だろうよ」ゲンナリ
建宮「男が情けない事言うな。重たい物を持つのも甲斐性なのよな」
一方通行「うっせェ、俺は箸より重たいものなんざ、持ったことないンだっつの」
建宮「少しはカラダを鍛えろ。いざって時に役立たずじゃ悔やんでも悔やみきれんぞ」ヤレヤレ
一方通行「ハッ、なンですかそのいざって時ってのは? ンなもンそうそう起きるワケが…」
スフィンクス「ふぎゃあああーーーー!?」ジタバタ
アウレオルス「憮然、大人しく我が主の下へ帰るんだ。ええい、引っ掻くんじゃない!」スタコラサッサー
一方通行「…………」ドサッ
建宮「……おいおい起きちまったのよ」
オルソラ「お箸より重たい物を持つことでございますか?」ハテ?
建宮「相変わらずズレてるのよな。ともかく俺は誘拐犯を追う。お前らは部屋に戻って女教皇に事を伝えろ!」タッタッタ
一方通行「上等じゃねェか……誰にケンカ売ったのか思い知らせてやンぞくそったれ!!」ダダッ
数十分後
とある学生寮 一方通行さんち――
神裂「――それで? 息巻いて追跡した結果、無様にも取り逃がしたと」
一方通行「…………」ズーン
建宮「面目ない……」ズーン
五和「そ、そんなに落ちこまないでください。奪還する機会はきっとありますから」オロオロ
神裂「そうですね。誘拐する以上、何かしらの要求をしてくる可能性は十分あり得ます」
オルソラ「要求でございますか……」
ガチャ
土御門「おいーっす、スズやん! 捜索願いを出してきたぜい」
一方通行「……捜索願いだァ?」
土御門「最近評判の特務支援課ぜよ。あそこなら犯人が魔術師だとしても安心して任せられるにゃー」
神裂「魔術師ですか……なるほど、それなら建宮の追跡を逃れたのも頷ける」
建宮「かなりの使い手だったのよな」ウン
土御門「神裂ねーちんや天草式が表立って動くわけにもいかんだろ。ここはカミやんたちに任せるのが最善ですたい」
一方通行「悠長に待ってられるか! 今、この瞬間にもスフィンクスちゃンは……ッ」
オルソラ「今は耐える時でございますよ。待てば海路の日和ありとも言いますし」ヨシヨシ
土御門「……オルソラがことわざを使うと、違和感がハンパないにゃー」
五和「毎日熱心に教育番組を観てますもんね」クスッ
オルソラ「信じて待つのも ひとつの戦いでございましょう。それに」
ピンポーン
オルソラ「この街のヒーローは期待を裏切らないのでございますよ」ニコッ
五和「はーい、どちら様でしょうか?」パタパタパタ
ガチャ
上条「ここ元上条さんちじゃん! っと、突然すみません、アンチスキル特務支援課の者です。捜索願いを見て伺ったのですが」
美琴「詳しいお話を聞かせてください」
五和「はい。鈴科さーん、警備員の方がいらっしゃいました」
一方通行「ずいぶんと早いお出まし……ッ、オマエは」
美琴「ア、一方通行……!?」
チッチッチッチッチッチッチッチッチッ
一方通行「…………」
御坂妹「…………」
上条「…………」
美琴「…………」
浜面「……(なんでみんな無言なの!? え、猫探しじゃなかったのかよ!?)」
チッチッチッチッチッチッチッチッチッ
土御門「秒針の音がやけに煩く感じるにゃー」ヒソヒソ
神裂「何やら因縁浅からぬ間柄のようですね。空気が重い……」ヒソヒソ
建宮「五和、勝ったのよな」ニヤリ
五和「どこ見て言ってるんですか!?///」カァァ
オルソラ「淹れたてのコーヒーはいかがでございましょう?」
土御門「にゃー!? 空気を読まないオルソラが動いた……!」
浜面「いやー、このコーヒーオイシイナー」ゴクゴク
上条「うむ、焙煎したての良い豆を使ってる。味に深みがあるな」
御坂妹「上質な苦みと酸味が程良くマッチした逸品ですね、とミサカはコーヒーに舌鼓を打ちます」コクコク
一方通行「はン、人形に味を理解できンのか?」
美琴「アンタ……ッ!!」
一方通行「ああン? 何か文句でもあンのか、格下ァ」ギロッ
美琴「ッ!?」ビクッ
一方通行「チッ、一々ビビってンじゃ…」
バキッ!!
一方通行「ぐはッ!?」バターン!
御坂妹「すみません手が滑りました、とミサカはさり気なくグーで白モヤシを殴り飛ばします」シレッ
浜面「またかよ全然さり気なくねええええ!? ちょ、依頼者を殴るとか何してんのーーー!?」ガビーン
上条「はは、仕方ねえな」
建宮「痴情のもつれ!? 面白くなってきやがったのよな」ワクワク
五和「建宮さん、不謹慎ですよ!」
神裂「腰の入ったいいパンチでした。あれは痛い」
五和「ああっ、血が出てる!? 早く手当てをしないと……」アタフタ
オルソラ「ふふ、褒められると頑張った甲斐があるのでございます」ニコニコ
土御門「相変わらずテンポがズレてるにゃー」
一方通行「こ、この野郎……」ギリッ
御坂妹「ハエが止まっていました、とミサカは胡散臭い弁明をしてみます」ニヤリ
一方通行「ケンカ売ってンのか、この三下があああァァッ!!!」グオッ
御坂妹「おや、反対のほっぺにもハエが、とミサカは再度モヤシを張っ倒します」シッ
バチィィィン!!!
一方通行「ぶぎゅっ!?」バターン!
上条「おおう、痛そう」
浜面「静観してる場合じゃないだろ!」
上条「理由のない暴力ってわけじゃないし、ここは御坂妹の好きにさせていいんじゃないか?」
浜面「は?」
上条「んじゃ、ここは任せるわ。上条さんはミコっちゃんと一足先に猫を探しに出ますよっと」
浜面「ちょちょ、大将!?」オロオロ
上条「御坂、立てるか?」スッ
美琴「あ……うん」ギュッ
◇ ◇ ◇ ◇
数分後
浜面「――で、攫われた猫の情報を聞いて大将たちは出ていったんだが」チラッ
一方通行「いやああァァァッ!? もォやめてェェェッ!?」
御坂妹「このモヤシは調子に乗り過ぎた。お姉さまを怖がらせた報いはこのミサカが、とミサカは怨敵の腕を捻り上げます」ギリギリ
一方通行「折れるゥゥゥッ!?」ギャース
御坂妹「こちとら9981回も殺された経験があるんです。この程度で人の腕は折れません、とミサカは酷薄に言い捨てます」
浜面「落ち着け御坂妹おおおおおおおおお!?」ギャース
御坂妹「チッ」パッ
浜面「この子、今舌打ちしたよね!?」ガビーン
御坂妹「ええ、しました。……もう少しでへし折れたのに、とミサカは密かに悪態をつきます」プイッ
浜面「聞こえてるからな!?」
一方通行「ちくしょう……ちくしょう……」ウルウル
第七学区 とある公園――
上条「ほれ、ヤシの実サイダー」
美琴「……ありがと」
上条「びっくりしたよなー。いきなり御坂妹が暴れ出すなんてさ」
美琴「うん……」
上条「けどまぁ、あれは一方通行が悪いよ。御坂を怖がらせるなんて、御坂妹の逆鱗をヤスリがけするようなもんだし」
美琴「……え」
上条「気付かなかったのか?」
美琴「だ、だって……え、どうして? 実験のことで あの子が一方通行を恨んでるってのは理解できるわよ」
上条「…………」
美琴「でもそれは私にも当てはまるでしょ? ……私がDNAマップを渡したせいで、妹達は辛い目に遭ったんだから」
上条「…………」
美琴「なのに、なんであの子が私のために怒ってくれるの……? そんなのおかしいじゃない」
上条「はぁ、相変わらず難しく考えてるのな」ヤレヤレ
美琴「な、なによ! 人がまじめに…」
上条「好きだから、だろ?」
美琴「ッ!」
上条「御坂妹はお前の事が大好きなんだよ。だから怒ったんだ」
美琴「…………」
上条「御坂だって、あいつを人形呼ばわりされて怒ってたじゃねーか」
美琴「……あの子は人形なんかじゃない。食いしん坊で、私をからかってばかりで、生意気だけど……私の大切な妹だもん」
上条「なら御坂妹の気持ちも酌んでやれ。嫌いなヤツのために、本気で怒ったりするはずないだろ?」
美琴「わ、わかったわよ! ……ったく、説教臭いんだから」
上条「そう悪態をつきながらも、涙目で笑顔の美琴たん萌えー」プークスクス
美琴「泣いてないっ!!///」カァァ
佐天「ま、またいちゃついてる……!」ワナワナ
とある学生寮 一方通行さんち――
浜面「あの後も一方的な暴力は止まる所を知らず、御坂妹が満足したのは、鈴科少年がいい加減叩きのめされた後だった!!」
御坂妹「まずは満足、とミサカは額の汗を拭います」フゥ
浜面「お前なぁ……」
御坂妹「反省はしていますが後悔はしてません。一方通行、聞こえていますか? とミサカは問いかけます」
一方通行「な、なンだ……? まだ殴り足りないってのか……?」ボロボロ
御坂妹「いいえ、これ以上この行為を続けることに価値を見出せません、とミサカは結論します」
一方通行「このッ……人を散々…」
御坂妹「ええ、散々です。ろくな対抗手段を持たない格下を嬲るなんて本当に気分が悪い、とミサカは吐き捨てます」
一方通行「…………」
御坂妹「ミサカは強くなりたい。ですがこんな行為を続けても少しも強くなれない、とミサカは重ねて吐き捨てます」
一方通行「……そォだな」
御坂妹「あなたが9981回も繰り返して辿りつけなかった回答を、このミサカはただの一度で導き出しました」ドヤァ
一方通行「性格悪ィのな、オマエ……」
御坂妹「五体満足で勘弁してあげた心優しいミサカに対して酷い言い草ですね。訂正を求めます」
一方通行「…………」プイッ
御坂妹「まあいいでしょう。それより今は猫探しを優先するべきです、とミサカは任務に復帰します」キリッ
浜面「どの口が言ってんだか……」
建宮「これは勝ったのよな! おらっ、フルハウスだ!!」デン!
土御門「それで勝ったつもりか? フォーカードだにゃー」デデン!!
神裂「土御門も詰めが甘い。……ストレートフラッシュです!」デデーン!!!
オルソラ「ロイヤルストレートフラッシュでございます」ドーーン!!!!
建宮土御門神裂「「「なん……だと……」」」
五和「女教皇様までなに遊んでるんですか!?」ガビーン
第七学区 窓のないビル――
アレイ☆「いまさら元第一位に価値など無いのだが、これは……」
御坂妹『さらわれた猫の飼い主が白いシスター……とミサカは思いがけない情報に眉をひそめます』
一方通行『スフィンクスちゃンだ。あと俺はあのバケモノシスターを飼い主とは認めちゃいねェ』
御坂妹『フッ……フフ、フフフフ』ニヘラ
一方通行『!?』ゾクッ
御坂妹『これはチャンスです。ミサカをヒキガエルに変えようとした、あの人に大ケガを負わせた白い悪魔に報復する……フフフ』
一方通行『お、おい』
御坂妹『スフィンクスをさらった、いえ、回収した男はおそらく白い悪魔の一味、とミサカは推測します』
一方通行『オマエ、まさか……!』
御坂妹『スフィンクスに危害は加えません。しかし来たるべき時に備え、敵戦力を削る努力を怠るつもりはありません、とミサカは宣言します』
一方通行『……確かに避けては通れない問題か』
御坂妹『あなたは情報を提供してくれるだけで結構です、とミサカは役立たずなモヤシに釘を刺します』
一方通行『ハッ、レベル0もレベル2も誤差の範囲だっての。あンま調子に乗…』
御坂妹『ほう、先程ミサカにフルボッコにされたのを忘れましたか?』
一方通行『…………』
御坂妹『黙るなよ、とミサカはビビりなモヤシにため息をつきます』ハァ
一方通行『お、俺が弱くなった所で、別にオマエが強くなった訳じゃねェだろォがよ、あァ!?』ガクブル
浜面『この前、レールガンぶっ放してたからなぁ。攻撃力だけなら御坂より上なんじゃね?』
一方通行『え……』
アレイ☆「何とも頼もしいではないか。ならば私も協力を惜しまんよ」
第七学区 とある公園――
上条「んじゃ、まずは聞きこみから始めるか」
美琴「基本よね」ウン
上条「犯人が逃げた方角的に、ここを通った可能性は高いからな。誰か見かけてるはずだ」
佐天「みぃ~さぁ~かぁ~さぁ~ん」ヌッ
美琴「あ、佐天さん!」
佐天「あ、佐天さん、じゃないですよ! なに天下の往来で嬉し恥ずかしイチャコラしてるんですかっ!?」ガァァ
美琴「へ……あっ///」カァァ
佐天「ぐわああぁぁーー!! またまた乙女な反応をッ!!!」
美琴「べべべ、別にいちゃついてた訳じゃなくて、その……ね、ねぇ?///」チラッ
上条「いいえ、通行人にわたくし上条当麻とミコっちゃんの愛溢れるワンシーンを見せつけておりました」キリッ
佐天「それ見たことかっ!!」
美琴「ちょっ、違うんだってば! アンタも何煽ってんのよ!?」
佐天「くっそぉー! またマネーカード落ちてないかなー、なんて一人寂しく街を徘徊してるあたしへの当てつけですか!?」ギャース
美琴「…………」
佐天「あっ、ああーーっ!!! なんですかその呆れと憐れみの入り混じった視線は!!」プンスカ
美琴「佐天さん、いい加減自重しないとまたスキルアウトに絡まれるわよ」
佐天「ふっふーん、心配ご無用。あたしにはコレがあります!」ドヤッ
E:転輪する勝利の金属バット(エクスカリバット・ガラティーン)
美琴「こ、これは……!」
上条「何の変哲もない、ただの金属バットだな」ウン
佐天「んなっ! これのどこがTDN金属バットだっていうんですか!」
美琴「どこをどう見ても普通のバットに見えるけど」ウン
佐天「この子は御坂さんを救った事もあるんですよ! キャパシティダウンを叩き潰したスゴイバットなんだから!!」
上条「それはともかく、武器として携帯してるなら没収しなきゃいけないのですが……」
美琴「一応アンチスキルだもんね」
佐天「へっ!? や、やだなぁー、あたしはほら、こうやって公園で素振りをしようとね、あっははー」ササッ
美琴「さっきマネーカードを探してるって……」ジトー
上条「まさかネコババ……」ジトー
佐天「じょじょ冗談ですよー。それよりたまにありますよね、無性に野球をしたくなる瞬間が!」ブゥゥゥン!! ブゥゥゥン!!
上条「おお、中々鋭いスイングだな」
美琴「私は誤魔化されないわよ。友達として、一度佐天さんには厳しく…」
佐天「あ、あたしにやましい事なんてないですよ!? さっき見た白スーツを着た変人の方がよっぽど怪しいですって!!」アセアセ
美琴「あのねぇ…………ん? 白いスーツの変人……?」
上条「佐天さんだったよな? もしかして、その変人は子猫を連れてなかった?」
佐天「連れてました連れてました!」コクコク
美琴「お願い佐天さん! 変人を見た場所について詳しく教えて!」ズズイ
佐天「は、はい」
数分後
美琴「なるほど、人目につかない裏路地を選んでるってわけか」
上条「そして逃走したのは駅前の方向……」
美琴「別の学区へ逃げるつもりね。幸い時間はあまり経ってないし、今から駅前に向かえば先回り出来るかも!」
上条「だな」
美琴「ありがとう佐天さん。何とか猫を取り戻せそうよ」
佐天「いえいえ、礼には及びませんよ」ドヤッ
美琴「それじゃあ駅に急ぐわよ!」タッタッタ
上条「貴重な証言サンキューな。でも危ない事に首を突っ込むのは辞めたほうがいいぞ」メッ
佐天「はぁーい」
上条「まあ大丈夫だと思うけど、もし白い悪魔に出会ったら見なかった事にして逃げること。いいね?」
佐天「白い悪魔、ですか?」ハテ?
上条「この件に深く関わる危険人物だよ。見た目が真っ白だから一目で分かると思う」
美琴「こらーーっ!! 急がないと間に合わなくなるでしょ!!」
上条「おう! んじゃ気を付けるんだぞ」ビューン!!
佐天「はやっ!?」ガビーン
上条「よっと、しっかり掴まってろよ!」ヒョイ
美琴「ぎゃあ!? いいいきなり担ぐな、ってかまたこの流れかーー!!///」ビューン!!
佐天「行っちゃった……。攫われた猫探しかぁ……むふぅー♪」キラーン
第七学区 窓のないビル――
アレイ☆「今現在、第七学区に侵入した敵性魔術師は二名。緑の髪に白いスーツ姿の男、もう一人は赤髪の神父だ」
木原『便利なもんですなぁ、『滞空回線(アンダーライン)』ってのは』
アレイ☆「そうでもないさ、現に白い悪魔の捕捉は叶わないのだから」
木原『潜伏先さえ割れれば、上条を送り込めるんですがねえ』
アレイ☆「焦る事は無い。まずは奴の腹心を始末するべきだ」
木原『上条からの報告によると、どうやら緑髪の方を待ち伏せしてるようだ』
アレイ☆「では浜面仕上とシスターズの班に、赤髪の位置データを送るとしようか」
木原『あー、……報告する程でも無いんですがね、どうもそっちの班に一方通行が混じってるらしいんですが』
アレイ☆「捨て置けばいい。最早あれに利用価値はない」
木原『はあ』
アレイ☆「不満かね?」
木原『さあ、どうですかねぇ……』
◇ ◇ ◇ ◇
第七学区 路地裏――
浜面「木原のオッサンから送られてきた位置データによれば、この辺りのはずだ」
御坂妹「赤髪の神父、とミサカは油断なく周囲を警戒します」
一方通行「チッ、本当にスフィンクスちゃンを攫った野郎と関係あるンだろうな」
浜面「事仕事に関するオッサンの情報の確度は信頼できる。心配すんなって」
一方通行「……(木原ねェ……。ま、科学者の間じゃ割と聞く名前だ。あのクソ野郎とは限らないか)」
御坂妹「ッ、目標を発見しました、とミサカは同僚に注意を促します」
ステイル「…………」
第七学区 駅前付近 ビルの屋上――
上条「何とか先回り出来たみたいだな」キリッ
美琴「……///」モジモジ
上条「あとは例の魔術師が来るのを待つだけか」
美琴「……///」テレテレ
上条「発見次第、俺が突っ込むから御坂は避難命令を出してくれ」
美琴「う、うん……///」
上条「どうしたんだ? 借りてきた猫みたいに大人しいけど」ハテ?
美琴「そんなのアンタが……///」ゴニョゴニョ
上条「え、何だって?」
美琴「アンタが私をお姫さまだっこしてるからだああーーっ!!!///」
上条「えー、御坂が肩に担がれるのを嫌がったんじゃねーか」
美琴「だからって何でこうなるのよ! てか早く降ろしなさいよ!?///」ワタワタ
上条「却下」シレッ
美琴「な、なんで!?///」
上条「そんなの抱き心地が良いからに決まってんじゃん」
美琴「ばっ、馬鹿じゃないの!?///」ガビーン
上条「いくら言葉を重ねても、この熱い想いは伝わらねえ。だったら次はスキンシップ大作戦しかあるまいッ!!」デデン
美琴「時と場合を弁えなさいよ! 今は仕事中でしょ!?///」
上条「なんと! それはつまりオフの時ならウェルカムって事ですか!?」
美琴「ち、ちがっ…」
上条「よっしゃああーー!! っと、お墨付きを貰ったところで標的を発見したぞ!」キラーン
美琴「人の話を聞きなさいよ!!///」ガァァ
第七学区 駅前――
アウ「ここまでは順調。あとはモノレールに乗りさえすれば……」
上条「うおおりゃああああ!!! さっさと仕事を終わらせて御坂とイチャつくぜキィィーーーック!!!」ギューン!!
美琴「なにアホな台詞を叫んでるのよバカーーーーーっ!!!///」ギャース
アウ「愕然!? 一体どこからゲフウボアぁぁーーーー!?!?」グシャッ!!!
上条「よし、不意討ち成功!」
美琴「よし! じゃないわよ!? 避難命令も出してないのに…」
上条「手早く三下錬金術師を回収、一気に離脱するぞ!」ガシッ
美琴「無視すんな! って、へ……」
上条「これが本当の、蝶のように舞い! 蜂のように刺し! ゴキブリのように逃げるってなァ!!」カサカサカサ
美琴「例え悪すぎっ!! つーか何時までお姫様だっこしてるのよぉーーーー!!!///」
アウ「」ズサーーーッ!!
通行人A「何だったんだ、今の……?」ポカーン
通行人B「さ、さあ?」ポカーン
第七学区 グループアジト――
上条「ふぅ、作戦成功だな」
美琴「ア、アンタねぇ……」ヒクヒク
上条「いやー、御坂とイチャイチャできるかと思うと、つい本気を出してしまいましたよ」ニコニコ
美琴「……ホント、馬鹿じゃないの///」プイッ
上条「では件のスフィンクスを一方通行に返して、任務完了としますか」ゴソゴソ
アウ「」シーン
上条「お、懐に隠してやがったのか」ヒョイ
黄金猫『』テッテレー
上条「は?」
美琴「金の招き猫……?」
◇ ◇ ◇ ◇
第二十三学区 エンデュミオン――
ローラ「どうやら幻想殺しは、まんまと陽動にかかりたるようね♪」
アウ「当然、アウレオルス=ダミーの擬態を見破れる道理は無い」フフン
テッラ「問題は別行動をしている連中を、あの若造が振り切れるか否かですねー」
ローラ「心配は無用なりよ。ステイルは優秀な魔術師につき」
アウ「果然、役目を終えた以上、無に帰するがいい。――砕けよ」
第七学区 グループアジト――
上条「クソッ、こいつは陽動だ。本物のスフィンクスは何処かで別の運び手に渡されたんだ」
美琴「木原さんの情報にあった赤髪の神父ね。とにかく浜面さんたちに連絡しないと」
上条「それとこの錬金術師を木原さんに引き渡……なんだ、様子が」チラッ
アウ?「」ビクンビクンッ!!
美琴「ちょ、尋常じゃない痙攣してるんだけど!?」ガビーン
上条「蹴りどころが悪かったかなぁ」
美琴「そんな北斗神拳じゃあるまいし…」
テーレッテー♪
アウ?「ばぁー、びぃー、ぶぅー、べぇー、ぼぉーー!!!」ボンッ!!!
ビチャビチャッ!!!
美琴「…………」
上条「ば、爆発した!?」ガビーン
美琴「……きゅう」クテン
上条「しっかりしろ御坂!? えっ、これって上条さんのせい!?」オロオロ
ガチャ
打ち止め「たっだいまー、ってミサカはミサカはお帰りの挨拶をしてみたりー♪」テッテッテ
上条「ぎゃああああああ!!! グロ注意入って来ちゃダメーーーーーー!?」ギャース
第七学区 路地裏――
ステイル「フン、待ち伏せか」
スフィンクス「にゃあー!?」ジタバタ
ステイル「くッ、じっとしてるんだ!」
一方通行「スフィンクスちゃン!!」
浜面「こっちが本命だったのか。まずは猫の安全を…」
御坂妹「まずは威嚇射撃を、とミサカは赤髪ヤロウの足元に向け発砲します」ジャキ
タタタタタタタタタタタタッッ!!!
ステイル「いきなり発砲だと!?」ギョッ!?
スフィンクス「!」スタコラサッサー
浜面「何してんのーー!?」ガビーン
御坂妹「これが最善です。現にスフィンクスは自力で脱出を図った模様、とミサカは走り去る猫を指さします」
一方通行「ッ!」ダダッ
御坂妹「猫は飼い主に任せ、魔術師の制圧にかかります、とミサカは戦闘モードに移行しました」キリッ
浜面「……ハハ、相変わらず頼りになるこって」
ステイル「元々乗り気じゃなかったが、こうまでコケにされては引っ込みがつかないね」イラッ
浜面「こっちも魔術師と出会っちまったからには容赦しないぜ?」
御坂妹「白い悪魔に加担する以上、あなたはミサカの敵です、とミサカは銃を掃射し戦端を開きます」
学園都市 第五学区――
佐天「あちゃー、裏路地を歩いてたら第五学区に出ちゃったよ」
佐天「ハァ、やっぱ簡単に見つかったりしないよね。あの御坂さんでも苦労してたみたいだし」
スフィンクス「にゃあ」ヨチヨチ
佐天「なんて言ってる傍から猫ちゃん発見っ!!」
スフィンクス「にゃー?」ハテ?
佐天「おお、中々の美猫ちゃんだねぇ」ヒョイ
スフィンクス「なぅー」
佐天「ふむふむ、オスの三毛猫かぁ。……あれ? たしか三毛猫ってメスしかいないんじゃなかったっけ」ハテ?
スフィンクス「にゃあー」フルフル
佐天「もしかしてキミが御坂さんの探してる猫ちゃんなのかにゃー?」
スフィンクス「?」
佐天「あっはは、キミに聞いても分かんないよね」
一方通行「ぜェ、ぜェ……み、見つけた」タッタッタ
佐天「!?」ビクッ
佐天「だ、誰ですか!」
一方通行「そいつの飼い主だ。ハァ、ハァ……いいからさっさと寄越せ」ヨロヨロ
佐天「脱色したみたいな白髪……何年も引き籠ってたみたいな生白い肌……ウルトラ○ンみたいな白いシャツ……ハッ、まさか!」
一方通行「初対面の相手に、ずいぶン好き勝手言ってくれるじゃねェか。……ひとつも否定できないのが悲しいけどよ」
佐天「アンタが白い悪魔ね!」ビシッ
一方通行「はァ?」
佐天「こんな小さな猫ちゃんを誘拐するなんて最っ低!!」
一方通行「誤解すンな。俺は…」
佐天「騙されるもんか! 誤解だっていうなら、その手に持った物騒な得物は何!」
E:約束された勝利の釘バット(エクスカリバット)
一方通行「護身用の武器だ」ニタァァ
佐天「なんて禍々しい笑みなの……! 間違いない、この人が上条さんが教えてくれた白い悪魔だ!」ギュッ
一方通行「オイオイ、オマエだって人様のこと言えねェようなもン持ってるじゃねェか」
E:転輪する勝利の金属バット(エクスカリバット・ガラティーン)
佐天「護身用の武器です!」キリッ
一方通行「へェ……そいつを俺に向けるってこたァ、やる気かオマエ」
佐天「アンタみたいな人に、この子は渡さない!」
スフィンクス「にゃあ?」
一方通行「上等だクソガキィィ!! 俺の邪魔をするならスクラップ確定だァ!!」
微妙な誤解を孕んだまま、虚弱と最弱の戦い(笑)の火蓋が切られた。
といったところで今回は終了
一方さんを大人げないと思うなかれ。超電磁砲S第一話で佐天さんが発揮した腕力を考えると寧ろ……
一方さんを大人げないと思うなかれ。超電磁砲S第一話で佐天さんが発揮した腕力を考えると寧ろ……
原作と違って必死さも贖罪も無い一方通行に女と日常がホイホイやってくるのは不快に感じてしまう
上条の待遇が待遇なだけに尚更、女が尻軽鳥頭みたい
上条の待遇が待遇なだけに尚更、女が尻軽鳥頭みたい
ホイホイって オルソラはちょっと違うけどそれ以外は電車で隣に座り合わせたみたいなもんだと思うけど
乙 虚弱対最弱 楽しみにしてる
乙 虚弱対最弱 楽しみにしてる
乙です
>御坂妹「このモヤシは調子に乗り過ぎた。お姉さまを怖がらせた報いはこのミサカが、とミサカは怨敵の腕を捻り上げます」ギリギリ
ミサカがミカサになっているgkbr
>御坂妹「このモヤシは調子に乗り過ぎた。お姉さまを怖がらせた報いはこのミサカが、とミサカは怨敵の腕を捻り上げます」ギリギリ
ミサカがミカサになっているgkbr
一方さんが勝てる気が全くしねぇ……
佐天御剣流バットー術の餌食になるだけだろこれ……
そしてよく見たらテッラのポジってがダイ・アモンじゃねーかww
もう何も期待できない
佐天御剣流バットー術の餌食になるだけだろこれ……
そしてよく見たらテッラのポジってがダイ・アモンじゃねーかww
もう何も期待できない
超電磁砲S第一話の佐天さんの腕力はマジで異常
ていうか肩…?将来はプロ野球選手で安泰やな
ていうか肩…?将来はプロ野球選手で安泰やな
白と黒の男女が、互いに得物を構え、互いの出方を窺っている。
白の男、一方通行はスフィンクスを追って走ってきた為、肩で息をしており明らかに限界が近い。
黒の女、佐天涙子は元気溌剌であるが、生来の迂闊な性格と根拠のない自信が混ざりあった、所謂いかんフラグが立った状態だった。
そんな傍から見ればしょーもない二人が、片や譲れないモノのために、片や雰囲気的になんとなく、それなりの緊張感でもって激突した。
佐天「ふっふーん、そんなフラフラで あたしに敵うと思ったかーーっ!!」
自身の有利を悟った佐天が一息に一方通行へ詰め寄り、おもむろにドーンと突き飛ばす。
一方通行「うおっ!?」
堪らずたたらを踏み、無様に尻もちをつく一方通行。
その様を見るや否や、佐天は清々しい笑顔で告げる。
佐天「へーんだ、口だけヤロウ! 悔しかったらここまでおいでー!」
そしてくるりと背を向けた佐天は、スフィンクスを抱っこしたまま一目散に逃げ出した!
一方通行「は……?」
状況を把握出来ない一方通行の頭上にハテナマークが浮かぶこと数瞬、
一方通行「……ふざけた真似しやがって、あのクソガキがああああああああああああああああッ!!!!」
こうして高校生と中学生の仁義なき追いかけっこが始まった。
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