私的良スレ書庫
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元スレ美琴「とある幸福の上条当麻、始めるわよ!」上条「マジで!?」
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戦争終結の翌日、学園都市にて
上条「――てなわけで、無事インデックスを助けることが出来ましたよ」
美琴「そ、そう。浮遊大陸を宇宙まで押し返しちゃったんだ……」
上条「初めて全力を出したんだけど、割と不可能は無いっぽいです」エッヘン
美琴「でも無茶はダメよ。それだけの力だもの、カラダへの負担は計り知れないわ」
上条「まあその辺は、追々確認するとして……ハッ!!」
美琴「うん?」
上条「…………」キョロキョロ
美琴「どうしたの?」ハテ?
上条「警戒を……今日こそ誰にも邪魔されずデートするんだ」キョロキョロ
美琴「立て続けに横やりが入ったものね」ウン
上条「ごめんな御坂……。こんなんじゃ彼氏失格だよな」ズーン
美琴「そんな事ないわよ。誰一人失うことなく、みんなで笑っていられるってのがアンタの夢でしょ?」
上条「そう、だったな……」
美琴「だったら胸を張りなさい。アンタが戦うことで守られた笑顔はきっとあるんだから、ね?」
上条「み、御坂ぁ……ぐすっ……」ウルウル
美琴「例えどんな事があっても、私はアンタを信じてる。だから自分を卑下しないで」ニコッ
上条「あぁ……ささくれだった心が癒されていく。今、上条さんは猛烈に感動している……!!」
美琴「あはは、大げさね」クスクス
――――
アレイ☆「本当にどうしよう……プランを実行できるまでに上条当麻は成長、いや正確には手がつけられない程強くなってしまった」
エイワス「人間、諦めも肝心だと思うが?」
アレイ☆「メインプランは暢気に幼女と戯れるばかりで、一向に成長の兆しすら見えず……ッ、何者だ?」
禁書「私のプランも早急に修正を加える必要があるんだよ。だからあなたには退場してもらうよ」ニッコリ
アレイ☆「!?」ビクッ
エイワス「な、なるほど……これが生物の持つ恐怖という感情か。アレイスター、に、逃げてもいいかな?」ガクブル
◆◆◆◆
???――
総体「こうしてアンタとお姉様は、一時の平穏と幸せを手に入れましたとさ/return」
上条「ちょっと待てどこからつっこんでいいのか分からねえ!! ナニコレやさぐれ上条暴力派!?」ガビーン
総体「ショックだった?/escape」
上条「なんだよこの記憶! 御坂から告られるとか羨ましいぞチクショー!!」
総体「素直になったお姉様ってカワイイよね/return」
上条「くそっ! どうしてこんな大切な事を忘れてたんだよ俺は!」
総体「混乱してるとこ悪いんだけど、まだまだ序の口だったりすんのよねー/return」
上条「え……」
総体「ここからアンタは不幸街道まっしぐらになるわけだけど、心の準備はオーケー?/escape」
上条「ま、待って下さいもう少し記憶と感情の整理をさせてーー!?」
総体「心配しなさんな、怒りのあまり脳の血管がズタズタになる程度の記憶だからさ/return」ウン
上条「それ廃人ですから! カラダは鋼でも心はアルミですのことよー!?」
総体「上出来、ガラスより頑丈じゃん♪/return」
上条「ずいぶんと感情豊かなミサカさんですこと!」ギャース
総体「そんじゃ続き逝ってみよう/return」
◆◆◆◆
第三次世界大戦から一年後のクリスマス
学園都市 第七学区 上条さんち――
上条「ぐぬぬ……ダメだ、俺の力じゃまるで歯が立たない!」
美琴「頑張って、諦めたらそこで試合終了よ」
上条「み、美琴センセー! 上条さんはバスケ……もとい、デートがしたいです!」キリッ
美琴「はいはい、今日の分の宿題が終わったらね」
上条「まだ慌てるような時間じゃあない。冬休みは始まったばかりだろ?」
美琴「夏休みも同じこと言ってたわよね。その挙句、最後の三日地獄を見たのは誰だっけ?」ジトー
上条「……わたくしでございます」
美琴「過去の教訓に学ばないのは、ただの愚か者よ。当麻はバカだけど愚かじゃないでしょ?」
上条「うう、ミコっちゃんが厳しい……」メソメソ
美琴「それに……」
上条「御坂?」
美琴「私は上を目指す。あの子たちを理不尽から守るためには、偉くならないといけないのよ。だから……」
上条「わかってる、俺が半分背負ってやるよ。少しずつ味方を増やして、学園都市を変えてやろうぜ」
美琴「だから勉強しなさい! 何でも力任せで解決できるわけじゃないのよ!!」ガァァ
上条「ハッ、平方根で世界が平和になるかよ」
美琴「開き直んなっ!!」メッ
上条「上条さんに知性を求めるのは絶望的ですぞ。出来る事といったら『高町式交渉術(屈服させてからの対話)』だけだ」ウン
美琴「ア、アンタねえ……」
上条「御坂、考える。オレ、実行する。御坂、言葉で語る。オレ、こぶしで語る」
美琴「私の当麻がこんなに脳筋なはずが…………あったか。うん、アンタは昔っから思いを叫んで殴るだけだもんね」
上条「それって記憶喪失になる以前の俺?」
美琴「そんな限定的な話じゃなくて、アンタを上条当麻たらしめるアイデンティティの話」
上条「あいでんてぃ……あい、あいあんてぃ……あい……愛は地球を救うかもしれない!」キリッ
美琴「ふふっ、大きく出たわりに頼りないわね」クスクス
上条「上条さんの愛が救うのは御坂だけでいいんだよ。他はついでだついで」
美琴「そういう事にしておいてあげる」ニコニコ
上条「あ、ついでで思い出した。今晩インデックスが帰って来るんだった!」
美琴「……そっか」
上条「せっかくイギリスに帰郷してるってのに、何もクリスマスに戻らなくてもいいよなぁ」
美琴「ねえ、当麻」
上条「ん?」
美琴「……ううん、なんでもない」
上条「…………」ジー
美琴「当麻?」
上条「さっきは冗談めかして言ったけどさ、俺とお前の二人なら どんな困難だって乗り越えていけると信じてる」
美琴「うん……」
上条「だから俺にだけは遠慮しなくていい。抱えてる事があるなら打ち明けて欲しい」
美琴「…………」
上条「…………」
美琴「ハァ、全てが順調過ぎたから弱気になってたかな。そうよね、今の私たちが全てを出しきれば あの子にだって…」
ドクンッ!!!
上条「な、なんだこの感覚!?」
美琴「ッ、まさかこのタイミングで……!?」
第七学区 窓のないビル――
禁書「さあ、始めましょう。この世と常世の境界を曖昧にして、至高の頂から愚者を引きずり降ろそう」
カエル☆「ゲコッ!?」
禁書「さあ、始めましょう。神話の再現を。神を僭称する愚者と、人間を世界を愛した優しい天使の戦いを」
カエル☆「ゲコゲコ……!」
禁書「さあ、始めましょう。造物主との決別を。新しい時代の幕開けを」
カエル☆「ゲ、ゲロゲーロ」ガクブル
禁書「さあ、始めましょう。正しいあるべき世界を。久遠と続く絆を結び直そう」
カエル☆「…………」ガクブル
禁書「そして終わらせましょう。分際を弁えない泥棒猫の卑しい夢を」ニッコリ
といったところで今回は終了
長くなったのでインデックスさんのターンは次回にー
長くなったのでインデックスさんのターンは次回にー
乙
しかしこれは……
この時点ですでにループしてるっぽいのと、美琴がインに何か気づいてるっぽいな
一体どうなるんだってばよ
しかしこれは……
この時点ですでにループしてるっぽいのと、美琴がインに何か気づいてるっぽいな
一体どうなるんだってばよ
上条さんが完全じゃないが記憶を持って転生できたのは初めてっぽいから、これは前の世界なのかな?
前の世界じゃ二人の関係は良好だったけど、知らぬ間に上条さんはインデックスと結婚させられてた筈
しかしみこっちゃんはそんなことじゃ簡単にあきらめないと思うし、一体何が起こるのやら
誘導するわけじゃないけど、あまりに胸糞展開だけは勘弁して
前の世界じゃ二人の関係は良好だったけど、知らぬ間に上条さんはインデックスと結婚させられてた筈
しかしみこっちゃんはそんなことじゃ簡単にあきらめないと思うし、一体何が起こるのやら
誘導するわけじゃないけど、あまりに胸糞展開だけは勘弁して
>美琴「私とペア契約して、ゲコラーになってよ」
なにその思いきり不穏な響きがする契約。
なにその思いきり不穏な響きがする契約。
◆◆◆◆
第七学区 一方通行さンち――
打ち止め「ジングルベール、ジングルベール、今日は楽しいクリスマス~♪ ってミサカはミサカは大はしゃぎ!」
一方通行「チッ、うるせェぞクソガキ」
打ち止め「だってだって今日はクリスマスだよ、ってミサカはミサカはテンションの低いあなたに抱きついてみたり! いえーい♪」
一方通行「何がクリスマスだ。無神論者には関係ないンだっつの」
打ち止め「そんなことない! ってミサカはミサカは暗にケーキを食べたりデートしたいと催促してみたり」
一方通行「…………」ジー
打ち止め「どうしたの? ってミサカはミサカはあなたに見つめられてドキドキするのだけど///」テレテレ
一方通行「十年早ェ、寝言は ちったァその残念な胸を膨らませてからにしろ」
打ち止め「!?」ガーン
一方通行「ただのクソガキに興味ありませン。この中に猫ちゃン、わンちゃン、うさちゃンがいたら俺の所に来い。以上だ」
打ち止め「毛むくじゃらに負けたー!? ってミサカはミサカは悲しみより驚愕が勝ってみたり!」
一方通行「オマエみたいにツルツルでモフれない……むくじゃら? に興味はねェ」
打ち止め「むくじゃらって何っ!?」ガビーン
一方通行「さァな」
打ち止め「もう、あなたはイジワルばかり! ってミサカはミサカは憤慨してみる!!」プンプン
禁書「界の支点、みーつけた」シュン!
打ち止め「ッ!!」ビクッ
一方通行「誰だオマエ」
禁書「まずは余計な感情を取り除くために、あなたには眠ってもらうんだよ」スッ
打ち止め「えっ……」クテン
一方通行「おいクソガキ……オイッ!!」
打ち止め「…………」
一方通行「ッ、クソ野郎! 打ち止めに何しやがった!!」
禁書「次は数値の入力だね」
一方通行「舐めてンじゃねェぞ、今すぐ打ち止めを…」
禁書「数値を打ち込むためのデバイス風情がやかましいんだよ」
ガシッ
一方通行「がッ!?」ゴキッ!!
禁書「ふぅーん、これが科学製の魔神というべき能力なんだ。アレイスターも良く考えたものだね」
一方通行「」
禁書「とりあえず展開中のミサカネットに特定の指向性を設定。その上に五行機関・虚数学区を現出、それらを基礎に疑似アストラル界を構築」
一方通行「」
禁書「あとは『御使堕し』の術式を改良したものをコンバートして、数値設定、入力」
一方通行「……オ、オマエ」ピク
禁書「あ、依り代を用意するのを忘れてた。……まあいっか、アクセラレータを神の器に定義」
一方通行「あの……ときの……シス…」
禁書「どの道あなたはアレイスターとの決戦で死ぬ運命だったし、悪く思わないで。――『神様堕し』コマンド実行」
ズンンッッッッッ!!!!!!
一方通行「あッ、ああアアァアあア亜唖亞アああァaaaAAaAaあああああああああああ!?!?」
禁書「さてと、次は――」
疑似アストラル界――
土御門「ここは何処だ!? 一体なにが起きた!?」
海原「自分たちはグループのセーフハウスに居たはず……」
結標「ちょっと、座標を観測できないわよ!?」
海原「ならば探査系の魔術で、ッ、ぐはっ!!」ゴポッ
土御門「!」
結標「敵性組織からの攻撃!? このワケ分かんない空間もソイツの仕業なの!?」オロオロ
土御門「うろたえるな! 海原が吐血したのは攻撃を受けたからじゃあない」
結標「えっ」
海原「……どうやらこの空間は魔術を拒絶する性質があるようです」
土御門「まるで能力者に転向した魔術師のよう……待てよ、……ま、まさかっ!!」
結標「何か分かったの?」
土御門「虚数学区だ! アレイスターめ、やはり生きていたのか!!」
結標「で、でも統括理事長は一年前から行方不明よ。仮に生きていたとして、こんな事をする意味はなんなのよ!」
海原「答えは明白です。世界をこの空間で覆ってしまえば、全ての魔術師は無力化されてしまう」
土御門「そうなればアレイスターの思うままだ。誰もヤツに逆らえん」
結標「そんな……」
天使A「aaaaーーーーー」バッサバッサ
天使B「fuuuuuuuuuuuuu」バッサバッサ
海原「なっ」
土御門「て、天使だと……!?」
結標「天使?」
土御門「なんてモノまで呼び込んでるんだ。アレイスターは世界を滅ぼすつもりなのか!?」
――――
黄泉川「一般生徒の避難を最優先にしろ! 風紀委員は避難誘導を、警備員は私に続けっ!! 前に出て戦うぞ!!」
鉄装「先輩っ! 本部とも他の部隊とも連絡がとれません!」
黄泉川「増援は期待できんか。だがあの天使どもが襲ってくる以上、私らのやる事に変わりないじゃん」
鉄装「無茶ですよ!? そこらじゅう天使だらけなのに、どう防衛戦を展開するっていうんですか!?」
黄泉川「無茶でもやるしかないだろう!!」
初春「みなさん焦らないでください!」
黒子「高学年の方は、なるべく低学年の方を連れ避難してください!」
佐天「避難って……右も左も分からないのに、何処へ避難しろっていうのよ……」
初春「逃げ回ってれば死にはしません!」キリッ
黄泉川「突然の事態にも絶望せず踏ん張っている子供たちが居る。なのに大人が真っ先に絶望してどうするじゃんよ!!」
鉄装「ッ、はいっ!!」
黄泉川「一分一秒でいい、子供たちを守るためバケモノを足止めするぞ!!」ジャキ!!
鉄装「了解っ!!」ジャキ!!
タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタッッッ!!!!!
天使C「raaaaaaaaaaaaaaa」
天使D「ruuuuuuuuuuuuuuu」
鉄装「全弾命中を確認、ですが……まったく効いていません!」ガクブル
黄泉川「バケモノめ……」ギリッ
天使D「URYYYYYYYYYYYYYY!!!!!!!」ギロッ
黄泉川「来るぞ、総員ライオットシールド構え!」
鉄装「うう、どうしてこんな事に……」
――――
垣根「おらああああああああッ!!!」
バオッ!!!
天使EFGHIJK「「「「「「「Gyaaaaaaaaa!?!?」」」」」」」グチャ!!
垣根「ハァハァ……粗方片付いたみたいだな」
心理定規「…………」
垣根「なに呆けてるんだ?」
心理定規「あ、あなたってこんな出鱈目な強さだったかしら……? 以前から飛び抜けて強かったのは知ってるけど」
垣根「幻想殺しとやりあった時に、ちょっとコツを掴んでな」
心理定規「……やりあったというより、一方的に瞬殺されてたような」ボソッ
垣根「死んでねえから負けてないんだよ!! いつか借りは返すつもりだしな」
心理定規「それよりこれからどうするの? 学園都市から変な空間に飛ばされたように感じるんだけれど」
垣根「いいや、ここは学園都市だ」
心理定規「は……?」
垣根「正確には学園都市の位相がズレてる感じか。ここだと俺の未現物質が常識みてえだし」
心理定規「……あなたのお仲間が大勢飛び回ってるものね」
垣根「…………」
心理定規「ちょ、ちょっとした軽口じゃない。そんなに怒らないでよ」
垣根「やべえな」
心理定規「えっ」チラッ
主天使A「シュワッチ!!」バッサバッサ
主天使B「ヘアッ!!」バッサバッサ
主天使C「ダアッ!!」バッサバッサ
心理定規「」ガクブル
垣根「ははっ、普通の天使とは格が違うってか。……けどな、この垣根帝督を、未現物質を舐めてるとケガじゃ済まないぜ?」
――――
麦野「ハッハァーー!!! パリイ、パリイ、パリイってかァ!!!」キィィィン
シュバババババババ!!!!
天使LNMOP「「「「「Kyuooaaaaaaaaaaaaa!?!?」」」」」ボンッ!!
浜面「どわあーーっ!?!? てめえ麦野っ!! 味方ごと殲滅しようとしてんじゃねえ!!!」ヒラリ
麦野「オラッ!! どうした羽虫野郎が!! 出て来いよ、もう打ち止めか!!」
浜面「落ち着け! 闇雲に戦っても仕方ねえだろ!?」
絹旗「私も浜面に超賛成します。このままだと超ジリ貧ですよ」
麦野「チッ、そうは言っても逃げ場もクソも無いじゃない。滝壺、何か掴めた?」
滝壺「ううん、ただこの場所そのものがAIM拡散力場で形成されてるみたい。学園都市であって、そうじゃない……まるで異空間化したような」フルフル
麦野「新種の能力者の仕業か……?」
浜面「第二位に襲撃されてるんじゃないのか? あのバケモノなら天使を作って操るくらいワケないだろ」
絹旗「ち、違うと思います。あ、あれを……」ガクブル
主天使A「デュワッ!!!」
ズブリ
垣根「かひゅ……っ!?」ゴポッ
主天使A「エンッ!!!」ポイッ
ドサッ
垣根「」チーン
浜面「……今やられたのって」ガクブル
絹旗「……ええ、超第二位でした」ガクブル
滝壺「むぎのまずいよ。あの天使から普通のより何百倍も強い波動を感じる」ガクブル
麦野「その情報、少し遅かったみたいね。アレは一匹だけじゃないらしい……」ガクブル
主天使B「シュワッチ!!」バッサバッサ
主天使C「ジョワッ!!」バッサバッサ
主天使D「ヘアッ!!」バッサバッサ
――――
上条「うおおおおーーーッ!!!」
バキッ!!
天使Q「auch!?」バターン!
上条「くそっ、なんだって天使がこんなに! これじゃキリがない!!」
美琴「おかしい……打ち止めの誘拐は当麻が未然に防いだのに、ミサカネットを利用した『神様堕し(ゴッドフォール)』が発動するなんて……」ブツブツ
上条「とにかく移動しよう。御坂、走れる…………御坂?」
美琴「ダメだ、戦力が全然足りない……でもこのままじゃ世界が滅びて…」ブツブツ
上条「美琴ッ!!!」
パチン!!
美琴「!?」
上条「しっかりしろ美琴っ!! 怖いのは分かるけど、飲まれたら死ぬぞ!!」
美琴「あ……」
上条「心配すんな、絶対にお前だけは守ってみせるから」
美琴「当麻……」
上条「俺たちの街で、こんなふざけた真似をしたヤツを見つけ出して ぶちのめす! ……簡単だろ?」ニッ
美琴「もう、アンタは単純なんだから」クスッ
上条「シンプルに行こうぜ。天使だって無限に湧いてるわけじゃない。なら片っ端から撃ち落としてやればいいだけだ」
美琴「どうやって……?」
上条「そりゃお前………………一匹一匹ゲンコロするとか?」
美琴「んな悠長にしてたら学園都市が全滅しちゃうでしょ。……この際仕方ないか。方法は私が教えるからアンタは指示に従って」
上条「おう!!」
美琴「まずは『光を掲げる者』の力を引き出して。アンタが教えてくれた天使っぽくなる変身!」
上条「むむむむ…………こうか?」ペカー
美琴「次は『SISTEM』に接続して。それから…」
上条「ちょっと待て! そんな意味不明なもんに接続出来ません事よ!?」
美琴「大丈夫、細かい操作と制御は私がやるから、アンタは慌てず心を落ち着けてなさい」
上条「あ、ああ」
美琴「……(フォーマットが違うだけで何度もやってきた事だもの。私ならやれる!)」
上条「…………」
美琴「SYSTEMへの接続――操作範囲を太陽系・第三惑星に限定――掌握率9.352%」
美琴「求める結果から逆算――疑似アストラル界に存在する天使群、天使375235体、大天使1846体、権天使798体、主天使8体が現界中。これらにより学園都市の崩壊が確定」
美琴「確定した事象を改変。数値入力、ゲマトリア変換――誤差修正」
上条「ッ、御坂っ!!」
主天使A「シュワッチ!!」バッサバッサ
美琴「雑魚はすっこんでなさい」スッ
バリバリバリバリバリッッ!!!!!!
主天使A「」プスプス
上条「…………」ポカーン
美琴「術式選択『封神八十七式烈光流星乱舞(ガンマ・レイ)』を展開――さあ、いつでもいけるわよ!」
上条「み、御坂さん?」
美琴「考えなくていいから感じなさい。頭に浮かんだトリガーワードを唱えれば、それだけで天使共を皆殺しにできるから」
上条「こわっ!? ……なんて言ってる場合じゃないか」
美琴「ごめんなさい、本当ならゆっくり説明するべきなんでしょうけど、今は…」
上条「いいって、俺は御坂を信じるよ」
美琴「少しは怪しむとかしないの? アンタ以上にアンタの能力に詳しいなんて、怪しさ炸裂でしょ」
上条「まあ普通はそうなんだけどさ、上条さん的にミコっちゃんだけは無条件に信じるって決めてるんです」
美琴「…………」
上条「それに今更だろ? 右手からドラゴンが出たり、背中から羽根が生えたりしておいて、そこに何でも知ってる彼女が追加された程度じゃインパクトに欠けるっての」
美琴「ふふっ、ほんとにアンタは……呆れるほど単純なんだから」
上条「っと、お喋りにかまけてる場合じゃなかった」
美琴「お膳立ては済んでる。あとはアンタが自分の意思でもって唱えるだけでいい」
上条「やってみる! ――封神八十七式烈光流星乱舞(ガンマ・レイ)!!!」スッ
カッ!!!!
――――
浜面「く、くそが……無茶苦茶しやがって……」フラフラ
滝壺「けほっ、けほっ……むぎのたちは……?」フラフラ
浜面「さあな、殺しても死ぬようなタマとは思わねえが……」
滝壺「そんなこと言ったら、むぎのに怒られるよ……ッ、はまづら逃げてっ!!」
浜面「はぁ? 一体どうし…」
主天使B「シュワッチ!!」バッサバッサ
浜面「なっ!?」
滝壺「はまづらの拳銃は天使に効かない。だから逃げて」
浜面「ば、馬鹿っ!! んな事いったらお前だって同じだろ!?」オロオロ
滝壺「大丈夫だよ、私は大能力者(レベル4)だから。はまづらを守ってみせる」キリッ
浜面「麦野が居ねえとまともに機能しない能力だろうが!! 守ってくれなくていいから一緒に逃げ…」
主天使B「ダアッ!!!」グオッ!!
浜面「…る暇もなく天使が殴りかかってきたぁぁーー!? もうダメだおしまいだああああああああああ!?!?」ギャース
滝壺「~~~~~~ッ!!!」
カッ!!!
主天使B「!?!?!?」ジュッ!!
浜面「思えば碌でもない人生だったなぁチクショー!! 暗部組織の下っ端で誰からもソンケーされないパシリ人生とか救いがねえ!?」
滝壺「…………?」
浜面「麦野は横暴で怖えし! 絹旗はムカつくし! 滝壺は電波ゆんゆんで理解不能だし! フレンダは粛清されちまうし!」
滝壺「生き、てる……?」
浜面「神様よぉ……アンタに慈悲ってもんがあるのなら、贅沢言いませんからまともな職場環境を…」
滝壺「はまづら五月蠅い」
浜面「ひっ!? …………あ、あれ、俺……いきてる?」
――――
上条「…………へ?」
美琴「よし、撃ち漏らしはないわね。ぶっつけ本番にしては上出来、上出来♪」
上条「空を埋め尽くすほど居た天使が、キレイさっぱり消滅してる……」ガクブル
美琴「なに驚いてんの? これでも一割以下しか能力を引き出せていないのに」
上条「ハ、ハハハ……なんというインフレっぷり。上条さんは何処へ向かってるんですかね……?」
美琴「気を抜くのは早いわよ。まだ本命が無傷で残ってる」
上条「まだ何かあんの!?」ガビーン
美琴「この現象は学園都市 統括理事長、アレイスター=クロウリーが開発した大魔術……『神様堕し』」
上条「……おい、まさか本命って」
美琴「神殺しを果たす為だけの術式だもん。露払いが終われば当然……」
Y・H・V・H「審判の時だ、我が息子らよ」ドドドドドドドドド
上条「ぎゃあああーーー!!! キモイッ、なんかすごいキモイ顔だけお化けが降ってきたーーー!?!?」ギャース
美琴「あれで造物主っていうんだから性質が悪いわよね」クスクス
上条「笑ってる場合かよ! 見た目はアレでも、相当にヤバイ相手だぞ!?」
Y・H・V・H「よもや自ら造りし土くれに反逆されるとは。……ん?」チラッ
上条「ひぃぃッ!! め、目が合ったーーーー!?」
Y・H・V・H「おお、汝は明けの明星たるルシフェルではないか」
上条「まさかの顔馴染み!? いやいやいや、上条さんに顔だけお化けの知り合いなんて居ませんのことよ!!」
美琴「そうそう、こいつは上条当麻であってアンタお気に入りの天使じゃないのよ」
Y・H・V・H「造物主を前にしてなんたる不遜。今からでも遅くはない、我を尊崇し頭を垂れるのだ」ドドドドドドド
美琴「ハッ、人を救わない神に用は無いわ」
上条「ミコっちゃん、どうしてそんなに不機嫌なのでせうか!?」アウアウ
美琴「私は神様なんて信じていないもの。私に信仰があるとしたら、それは自負と上条当麻だけよ!!」デデン
上条「!」
美琴「恐れる事なんて何もない。例え相手が神様だろうと、極限まで研鑽した私の電撃に撃ち抜けないものなんて無い!!」バチバチッ
上条「……ああ、そうだ! あんたに恨みはないけど、やるってんなら勝たせてもらう!!」
Y・H・V・H「呪われろ、愚かな土くれ共。地獄にて世界の終りの時まで、永遠の業火に焼かれるのだ!!!」クワッ
上条「くるかっ!?」
美琴「アンタは幻想殺しで防御に専念して! この空間ならAIM由来の攻撃の方が効果的だから」
上条「攻撃は御坂ってわけか。わかった! 御坂には指一本触れさせやしねえ!!」
――――
禁書「たったの二人で造物主相手によくやる。短髪は『神様堕し』の情報を掴んでいたようだし、とうまの能力を引き出した」
ステイル「インデックス!!」
禁書「すでに至っている? それとも私同様に記憶を…」
ステイル「この惨状を招いたのは君なのか!? 答えろ、インデックス!!」
禁書「…うるさいな、だったらどうだというの?」イラッ
ステイル「最大主教が君の動向を怪しんでいた矢先に失踪した。僕も神裂もまさかと思っていたが、違っていたなんて!」
禁書「それで私を尾行して学園都市まで来てたんだ。ここでは魔術が使えないのに、よく今まで生き残れたね」クスクス
ステイル「血路は神裂と天草式が開いてくれた。君は僕が止めてみせる!!」
禁書「――ルーベ・レー・ユーアー 肉よ腐れ死に蝕まれ水となれ」
ステイル「なっ、魔術詠唱だと!?」
禁書「あなたに魔術が使えなくても私は使えるんだよ。死なない程度に痛めつけてあげる、――廃酸溶解(アシッド・ドリッガー)!!!」
ズドドドドドドドッッ!!!!
ステイル「がッ、はっ!? ぐ、うう……魔女狩りの王(イノケンティウス)!!!」
魔女狩りの王『』ズモモモ
禁書「へえ、咄嗟にイノケンティウスを召喚して防ぐなんてすごいね。でも……」
ステイル「ごはっ!?」ゴポッ
禁書「代償が大きすぎかも。抵抗なんて止めて、あなたは造物主の最期を見届ければいいんだよ」ニッコリ
――――
美琴「はああああああああッ!!!!」ビリビリッ!!
ズガガガガガガッ!!!
Y・H・V・H「ぬうううう……! 土くれ風情が! 神の炎に焼かれて死ねッ、マハラギダイン!!!」コォォォ!!
パキーン!!
上条「させるかよ!!」
美琴「神様のくせに優雅さが足りない、わよっ!!」ビリビリッ!!
ズバァァァァァァァァン!!!
Y・H・V・H「があああああああああああああ!?!?」
上条「一気に押し込む! うおおおおおおおおおおおッ!!!」シッ!
バキッ!! メキッ!! ゴスッ!!
Y・H・V・H「ば、馬鹿な……造物主である我が、このように一方的に……ッ」
上条「何が造物主だ! 高いとこから見下してるんじゃねえ!!!」
バキッ!!
Y・H・V・H「認めん、このような結末は……」
上条「御坂っ!!」
美琴「裁きの光を下すにはあんたじゃ役不足よ。いっけぇぇーーーーーーーーーーーー!!!!」キーン
ドゴンッッ!!!!!
Y・H・V・H「お、おおお……ぉぉ……」サラサラサラ
上条「やったのか?」
美琴「神様といってもアレイスターの魔術で弱体化させられてたからね。楽勝だったでしょう?」
上条「楽勝て……かなり際どかったですよ」
美琴「ま、結果オーライってね」
一方通行「うっ……うう……」
上条「あれは一方通行? どうしてこんなトコに」ハテ?
美琴「多分 神の依り代にされたんでしょ。一応、絶対能力者(レベル6)に至れる器なわけだし」
上条「…………」ジー
美琴「ん、なに?」
上条「人のこと言えた義理じゃないんだけどさ、御坂さん何時の間に そんなに強くなられたのでせう?」
美琴「えっと、そ、それは……ッ、動かないで!!」スッ
上条「ちょ、何故に上条さんへコインをお向けになるのー!?」ギャース
美琴「少しでもおかしな真似をしたら、容赦なく撃ち抜くわよ」
上条「なんだ、上条さんの背後に生き残った天使でも居るんですかー?」チラッ
禁書「と、とうま……」ビクビク
上条「インデックス!?」
美琴「…………ッ」ギリッ
上条「御坂、インデックスは敵じゃない! コインを下ろせ」
美琴「…………」
禁書「そうなんだよ、私は…」
美琴「黙りなさい」
上条「御坂!」
美琴「アンタにとって信じ難いことだろうけど、そのシスターが今回の事件の黒幕よ」
上条「は……な、なに言ってるんだ?」
禁書「とうま騙されないで! そんなの短髪の言いがかりなんだよ!」
上条「そ、そうだぞ御坂。インデックスが黒幕なんて、あ、あり得ないだろ」
美琴「じゃあ何でどもるの? 今のアンタならシスターの潜在能力くらい簡単に推し量れるでしょう?」
上条「…………」
美琴「人畜無害っぽく擬態しても無駄よ。前回のような騙し討ちは通用しないと思いなさい」
禁書「やっぱり記憶を保持していたんだね。どうりで規定事項から逸脱した行動をとるわけなんだよ」
上条「お前ら、一体何を……」
美琴「ごめん、ちょっと説明してる余裕無さそう」バチバチッ
上条「え……」
禁書「――ジ・エーフ・キース 神霊の血と盟約と祭壇を背に我精霊に命ず 雷よ 落ちろ 轟雷(テスラ)!!!」
ズドォォォォォォォォン!!!!
美琴「電撃使い(エレクトロマスター)相手にカミナリ落とそうなんて百年早いっての!!!」ビリビリッ!!
上条「どわああーーー!? 問答無用で大魔術ぶっぱはやめてぇぇーー!?」
禁書「いい加減目障りなんだよ。死んでくれないかな?」イライラ
美琴「あら奇遇ね。あなたこそ死んでよ」ムカムカ
上条「ぎゃああーー!! なにこの圧倒的殺伐空間っ!?」ギャース
美琴「チッ、ミサカネットを掌握された状態じゃ流石に分が悪いか」
上条「ドードー、落ち着いてミコっちゃん! スマイルアゲイン! まずは穏便に話し合いで…」
禁書「――トゥイ・ステッド・イントゥホーム血の聖餐杯よ還らざる怨霊の罪で満ちよ 封獄死霊砲(フォ・ビ・ドゥーン)」
ウオオオオォォォォォォォォォォォォォン!!!!
上条「ひぃぃぃ!? なんじゃこりゃあー!! 幻想殺しの処理能力を軽く上回ってますぞー!?」グギギギギ
美琴「こんにゃろう! 御坂式ガトリング・レールガンを食らいなさい!!!」
上条「御坂ぁーー!!! それ過剰防衛すぎぃぃーー!?」
ドガガガガガガガガガガッッ!!!!
禁書「そんな子供騙しは通用しないかも。――爆流渦炎陣(マーシャル・ロウ)!!!」
ズバァァァァァァァァァァン!!!
上条「無数の超電磁砲が蒸発した!?」アウアウ
美琴「減らず口を! じゃあこれならどうかしら。あらゆる防御結界を無効化するレベル6の雷を味わえっ!!!」ビリッ!!!
上条「!」
ドンガラガッシャアァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!
美琴「はぁはぁ……て、手応えあったわよ」
上条「ぐあっ……な、なんつーバカ威力……」プスプス
禁書「とうま、大丈夫?」
上条「……なんとかな」
美琴「え……なんでアンタがそのシスターを庇うの……?」ポカーン
禁書「とうまは正しい決断をしたんだよ。品のない短髪を捨てて、インデックスを選んだだけだよ」ニッコリ
上条「勝手な解釈してんじゃねえ。俺は御坂に人殺しなんてして欲しくないから庇ったんだ」フラフラ
禁書「もう、そんなに照れなくっても…」
上条「お前は黙ってろッ!!!」
禁書「!?」ビクッ
美琴「と、当麻……?」オロオロ
上条「俺の知らない事をお前らは知っていて、お互い譲れないモノがあるから争ってるのは解る。だけど殺し合いなんてダメだ!」
禁書「で、でも!」
上条「今回の騒動でどれだけの人が死んだと思ってやがる!! どんな理屈を捏ねても許される事じゃねえ!!!」
禁書「私は悪くないもん!! むしろとうまがやり過ぎたせいで、死ぬはずだった人間が学園都市に溢れていたんだよ!!」
上条「なに、言ってんだ……?」
禁書「そういう人間は遠くない未来、死に追いつかれる! 不確定に周囲を巻き込むくらいだったら、ひと思いに間引いてやった方が…」
上条「ふざけんじゃねえッ!!!」
禁書「?」
上条「人を間引くだと……? テメエは神様にでもなったつもりかよ!! いいや、例え神様だろうがそんな権利、ありはしないんだ!!」
禁書「とうまこそ何を言ってるのかな?」ニッコリ
上条「!?ッ」ゾクッ
禁書「偶像神なんかと同列にしないで欲しいな。事実、この世界は私の思うままな箱庭なんだよ」
禁書「道徳や法で私を糾弾しようというなら無意味だよ」
上条「な、なんで……」
禁書「だってそれらは弱者が社会を維持するための方便だから。強者である私が従ってやる道理はないでしょう?」
上条「…………」
禁書「とうまだって本当は理解してるんじゃない? 非道な行為を繰り返す統括理事長が一度でも処断された? 世界大戦を引き起こした右方のフィアンマが裁かれた?」
上条「……フィアンマは魔術サイド全体から追われてるだろ」
禁書「そんなのただのポーズなんだよ。彼を裁けるだけの力量ある魔術師なんて、私ととうまを除けば既に存在しないよ」
上条「だから力のあるヤツは何しても許されるってのか!?」
禁書「うん、それが真理なんだよ」
上条「てめえ……ッ」
禁書「世界は私の意思の下に統制されるべきかも。そうすれば無駄な争いを、この地上から一掃できるんだよ」
上条「世界ってのは個人の意思でどうこうしていいモノじゃないだろ!!」
禁書「分かってないなー、とうまは」ヤレヤレ
上条「何がだよ!!」
禁書「私は行為の是非なんて聞いてない。ただ決定事項を伝えてるだけなんだよ」
上条「なっ」
美琴「理解したでしょ。このシスターは明確な意志を持って世界にケンカを吹っ掛けるつもりなのよ」
禁書「ケンカは同レベルでしか発生しない。私が行うのは一方的な蹂躙と支配なんだよ」
上条「どうしちまったんだよインデックス!? お前はそんな酷いヤツじゃ……」
禁書「とうま?」ハテ?
上条「…………いや、上条さんに対しては割と酷いヤツでした」ウン
禁書「男が細かい事を気にしたらダメなんだよ」
上条「そうだな……。でも今度のはオオゴトだ。力ずくでも止めさせる!!」
禁書「無駄だよ。私が何のために偶像神や天使を召喚したと思ってるのかな」
美琴「当麻を消耗させるためでしょうね」
禁書「ふふっ、このインデックスはネズミを狩るのにも全力を尽くすんだよ」
上条「それでも二対一だ! 楽に勝てると思うなよ!!」
美琴「熱くならないで。冷静さを欠いた状態で戦える相手じゃないわよ」
上条「冷静にインデックスと戦えるわけねえ! 勢いのまま押し切るしかないんだ!!」
禁書「さっきので戦力評価は完了したんだよ。短髪も理解してるでしょう? 決して私には勝てないと」
美琴「…………」ギリッ
――――
一方通行「ぐッ、く、くそったれが……俺はもう助からねェ……だがせめて、打ち止めだけは……ッ!!」ググッ
禁書「小手調べはお終いだよ。いでよ、唱える者共!!」パチン!
ヴェント「憎い……ッ、弟を殺した科学が憎い……ッ」
テッラ「異教の猿め……調和を乱すものに死を……」
アックア「う、うおおおおおおおおおおおおおッ!!!」
上条「インデックスのカラダに神の右席の顔が浮き上がった!?」
美琴「な、なによアレ……」ガクブル
禁書「こいつらは唱える者共。生きたまま私の糧となった哀れな魔術師のなれの果てなんだよ」
上条「どこまで堕ちれば気が済むんだよ、インデックス!!」
禁書「得意の説教じゃ私は倒せないよ? じゃあいくよ、――四重呪殺!!!」
ヴェント「ジ・エーフ・キース 神霊の血と盟約と祭壇を背に我精霊に命ず 雷よ 落ちろ ――轟雷(テスラ)!!!」
テッラ「バータ・フォー・テイルズ …… 囲え 死の荊棘 ヴェルカム・イン・タイ 盲死荊棘獄(ブラインド・ガーディアン)!!!」
アックア「ルーイ・エリ・グレ・スコルビリー 汝 黒き魂にて 我を清めたもう おお冥王よ 至高なる者の強き集いのうちに 我は死の凍嵐を身に纏いたり 今新たなる契りによる氷雪の力束ねん ――絶対零凍破(テスタメント)!!!」
禁書「暗黒よ 闇よ 負界の混沌より禁断の黒炎を呼び覚ませ パーラ・ノードイ・フォーモー・ブルール・ネーイ・ヴァセ・イーダー・イー・エイター・ナール・アイドール・ヘーブン・ン・ヘイル・イアイアンンマ・ダイオミ・ギーザ・オージ 死黒核爆烈地獄(ブラゴザハース)!!!」
カッ!!!!
上条「ッ、出番だバカ竜!! 喰らいついて、喰らい尽くせっ!!!」ゴゴゴゴゴ
美琴「せめて雷撃の魔術だけでも相殺しないと……!!」ビリッ!!
――――
神裂「ステイル!? 無事ですか!」
ステイル「かん……ざき……?」
神裂「なんて酷い。魔術を行使したのですね」
ステイル「彼女を……インデックスを阻止しなければ……」
神裂「無粋を承知で言わせてもらえば、上条当麻に任せれば問題ない、と言いますか、もう彼一人でいいんじゃないでしょうか?」
ステイル「あ、あの男では無理だ……! 容赦なく力を振るう彼女に……上条当麻の甘さは命取りに……ごはあっ!?」ゴポッ
神裂「無理に喋ってはいけません!」
ステイル「な、なにより……彼のそばには超電磁砲の少女が……僕らと同じ悲しみを、彼に背負わせては……あまりに……」
神裂「……あの子が御坂美琴を殺すというのですか?」
ステイル「そうじゃない……彼女はもっと残酷な方法で……お、おそらくかつて彼女自身が落とされた地獄に……」
神裂「信じられない! 何があの子を駆り立てるんです!?」
ステイル「嫉妬……だろうね。人間なら誰しもが持つ悪徳だが……彼女のそれは……底が見えないほど暗く陰惨なようだ」ググッ
神裂「待ちなさい! あなたは動けるような状態では…」
ステイル「それがどうした……ッ!! 今、借りを返さなくて何時あの男に報いる!?」
神裂「…………」
ステイル「ああ、僕は上条当麻が大嫌いだ! インデックスの心を奪っていった……僕らの地獄を終わらせた上でね!」
神裂「はあ……。私たちが行っても足手まといになる公算が高そうですが、しかし、そうですね」ヤレヤレ
ステイル「待っていろ……今度は僕が君を悔しがらせてやる!!」
――――
禁書「意外と呆気なかったね」
上条「あッ、ぐうう……! み、御坂……無事か……?」プスプス
美琴「な、なんとか……ッ」プスプス
禁書「咄嗟に『竜王の顎』で相殺したんだろうけど、流石に全部は消しきれなかったようだね」
美琴「完全に遊ばれてる……。ここまで地力に差があったなんて」
上条「…………」
美琴「当麻……? そうよね、流石のアンタでも連戦だと息が続かなくて当然か……」ヨロヨロ
禁書「さてと、都合良くとうまは気絶しちゃったし、話を聞かせてもらおうかな」
美琴「……なに?」
禁書「どういう訳か、あなたは魔神の領域に至ってる。となればあなたも記憶を保持したまま繰り返していると疑うのだけれど」
美琴「答える義理は無いわね」
禁書「ま、答えたくないなら別にいいよ。少なくとも私に心を読ませないだけの実力があるのは把握したし」
美琴「当麻の記憶は消させないわよ……もう二度と、大切なものを奪われてたまるもんかっ!!!」
禁書「勘違いしないで。返してもらうだけだよ」クスクス
美琴「このド畜生……地獄に落ちろ!!」
禁書「アハハハハ、負け犬の遠吠えが心地良い! そうだ、いいコトを思いついたんだよ」
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