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元スレ幸子「プロデューサーさんが喫茶店を始めたんですけど」
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了解しました。
―――P喫茶店―――
カランカラーン
P「はーい。いらっしゃいま……」
文香「……」
P「えーっと……その……どちら様、ですか?」
P「(所属アイドルにこんな子いたっけ……)」
文香「……あの、ここの喫茶店は……名前を名乗らないと注文できないシステムだったりするんですか?」
P「あ、いえ、その……実は、非常に説明しづらいんですが……」
文香「……?」
―――P喫茶店―――
カランカラーン
P「はーい。いらっしゃいま……」
文香「……」
P「えーっと……その……どちら様、ですか?」
P「(所属アイドルにこんな子いたっけ……)」
文香「……あの、ここの喫茶店は……名前を名乗らないと注文できないシステムだったりするんですか?」
P「あ、いえ、その……実は、非常に説明しづらいんですが……」
文香「……?」
文香「……アイドル……専用の、喫茶店……ですか」
P「それで、その……そこの事務所で見かけない人だと思いまして」
文香「……私、アイドルではないので」
P「あ、そうなんですか……」
文香「……すみません。他の店に―――」
P「いやいや!こちらこそすみません!看板とかかけてなくて……その、お詫びに紅茶でも奢ります」
文香「いいん、ですか?」
P「はい。こちら側のミスですし……」
P「(それにしても……)」
P「(前髪で隠れて顔はよく見えないけど……光るものを感じる)」
P「(っといかんいかん。今はもう俺はプロデューサーじゃないんだから)」
P「それで、その……そこの事務所で見かけない人だと思いまして」
文香「……私、アイドルではないので」
P「あ、そうなんですか……」
文香「……すみません。他の店に―――」
P「いやいや!こちらこそすみません!看板とかかけてなくて……その、お詫びに紅茶でも奢ります」
文香「いいん、ですか?」
P「はい。こちら側のミスですし……」
P「(それにしても……)」
P「(前髪で隠れて顔はよく見えないけど……光るものを感じる)」
P「(っといかんいかん。今はもう俺はプロデューサーじゃないんだから)」
P「口に合うかわかりませんが……」コトッ
文香「……ハーブティー、ですか」
P「とりあえず、当店で一番個人的に自信があるものを」
文香「ありがとうございます……」
文香「……美味しい」
P「よかった」
文香「ここなら……落ち着いて、本が読めそうです」
P「……本、好きなんですか?」
文香「はい……叔父が、書店をやっていまして」
P「なるほど」
文香「……ハーブティー、ですか」
P「とりあえず、当店で一番個人的に自信があるものを」
文香「ありがとうございます……」
文香「……美味しい」
P「よかった」
文香「ここなら……落ち着いて、本が読めそうです」
P「……本、好きなんですか?」
文香「はい……叔父が、書店をやっていまして」
P「なるほど」
文香「この辺の喫茶店はどこも混んでいて……」
P「それでガラガラなここに来たと」
文香「あ……すみません」
P「いえいえ。でもここ、もう少ししたら賑やかになりますよ。夜とかもはや居酒屋状態ですし」
文香「……アイドルの皆さん、ですか」
P「はい……過去、色々やってまして」
文香「……だから、ここも専用に?」
P「あ、いや。それは成り行きで。自分の意思じゃないんですけどね……」
文香「大変ですね」
P「いえいえ」
P「それでガラガラなここに来たと」
文香「あ……すみません」
P「いえいえ。でもここ、もう少ししたら賑やかになりますよ。夜とかもはや居酒屋状態ですし」
文香「……アイドルの皆さん、ですか」
P「はい……過去、色々やってまして」
文香「……だから、ここも専用に?」
P「あ、いや。それは成り行きで。自分の意思じゃないんですけどね……」
文香「大変ですね」
P「いえいえ」
あれ?プロデューサーで固定給みたいなのよりよっぽど金はいってくるんじゃない?
文香「……店長さんは、本は、読みますか?」
P「ええ、多少は」
文香「……では、そこの棚にあるのは?」
P「え?ああ、それは本じゃないですよ。俺の日記です」
文香「日記、ですか」
P「ええ。俺の昔の日記です。色々って言いましたけど、アイドル達のプロデューサーやってたんですよ。俺」
文香「プロデューサー、ですか……どんな仕事を?」
P「ああ、よかったら日記見ます?見られるのはちょっと恥ずかしいですけど、それを見れば俺がどんな事してたかがすぐわかると思うので」
文香「……では、お借りします」
P「そのあいだにおかわりでも注いできますね」
文香「え……悪いですよ」
P「気にしないでください。アイドル達に、少しでも興味を持ってくださったお礼みたいなものです」
文香「……?」
P「自分が育てたアイドル達に興味を持たれるって、凄く嬉しいんですよ」
文香「……変わった人ですね」
P「よく言われます」
P「ええ、多少は」
文香「……では、そこの棚にあるのは?」
P「え?ああ、それは本じゃないですよ。俺の日記です」
文香「日記、ですか」
P「ええ。俺の昔の日記です。色々って言いましたけど、アイドル達のプロデューサーやってたんですよ。俺」
文香「プロデューサー、ですか……どんな仕事を?」
P「ああ、よかったら日記見ます?見られるのはちょっと恥ずかしいですけど、それを見れば俺がどんな事してたかがすぐわかると思うので」
文香「……では、お借りします」
P「そのあいだにおかわりでも注いできますね」
文香「え……悪いですよ」
P「気にしないでください。アイドル達に、少しでも興味を持ってくださったお礼みたいなものです」
文香「……?」
P「自分が育てたアイドル達に興味を持たれるって、凄く嬉しいんですよ」
文香「……変わった人ですね」
P「よく言われます」
―――二時間後―――
文香「……」
P「……」
文香「……あ、もうこんな時間ですか」
P「凄く集中して読んでましたね」
文香「気になってた本とかだと……つい」
P「俺も気恥ずかしかったですけど、そこまで熱心に読んでくださって嬉しかったです」
文香「……あの」
P「なんですか?」
文香「また……この日記、読みに来てもいいですか?」
P「え?」
文香「……興味を、持ちました。アイドルという……存在に」
P「それは……はい。是非また、ご来店ください」
文香「ありがとう、ございます」
文香「……本よりも、もっと面白い事……」
文香「こんな私を変えられる場所……見つけられた、かも……」
その数週間後、彼女がアイドルとして活動を始めるのは、また別の話。
今日はこの辺で。
ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました!
文香「……」
P「……」
文香「……あ、もうこんな時間ですか」
P「凄く集中して読んでましたね」
文香「気になってた本とかだと……つい」
P「俺も気恥ずかしかったですけど、そこまで熱心に読んでくださって嬉しかったです」
文香「……あの」
P「なんですか?」
文香「また……この日記、読みに来てもいいですか?」
P「え?」
文香「……興味を、持ちました。アイドルという……存在に」
P「それは……はい。是非また、ご来店ください」
文香「ありがとう、ございます」
文香「……本よりも、もっと面白い事……」
文香「こんな私を変えられる場所……見つけられた、かも……」
その数週間後、彼女がアイドルとして活動を始めるのは、また別の話。
今日はこの辺で。
ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました!
>>245
ナイスだ! 取れなかったから離れてたら文香さんで取ってくれるとは
ナイスだ! 取れなかったから離れてたら文香さんで取ってくれるとは
おっつん
文香さんは実に喫茶店似合う感じだとおもったの
Pが本当にやりたかったのはこんな雰囲気の喫茶店だったんだろうな
奈緒現実は
文香さんは実に喫茶店似合う感じだとおもったの
Pが本当にやりたかったのはこんな雰囲気の喫茶店だったんだろうな
奈緒現実は
しかしこのアイドルたちある日突然見捨てられて1人たりとも怒ってないな
千秋さんとかすごいキレそう
千秋さんとかすごいキレそう
ちゃんと手続き踏んだ退職だったしな
前スレでは書かれてなかったと思うけど、実際はちゃんと後任もいて、情の部分を考えなければ仕事自体はちゃんと回ってるんだろ
前スレでは書かれてなかったと思うけど、実際はちゃんと後任もいて、情の部分を考えなければ仕事自体はちゃんと回ってるんだろ
乙!
ままゆさんがヤバイ事になってなければいいが…。
アレ?正妻戦争に幸子・雪美・凛にままゆさんか…。
これはありだなw
ままゆさんがヤバイ事になってなければいいが…。
アレ?正妻戦争に幸子・雪美・凛にままゆさんか…。
これはありだなw
後って、プロダクション設備のカフェテラスの代わりになっちゃうんだ。
まあアイドル目当ての一般人で問題になるといけないし、仕方ないよね。
まあアイドル目当ての一般人で問題になるといけないし、仕方ないよね。
―――事務所―――
まゆ「……」
ちひろ「……」カタカタ
まゆ「ちひろさん」
ちひろ「なんですか?」
まゆ「あの……もう少ししたらレッスン、大丈夫ですかぁ?」
ちひろ「ちょっと待っててね、今トレーナーさんに聞いてみるから」
まゆ「よろしくお願いします」
まゆ「……」
ちひろ「……」カタカタ
まゆ「ちひろさん」
ちひろ「なんですか?」
まゆ「あの……もう少ししたらレッスン、大丈夫ですかぁ?」
ちひろ「ちょっと待っててね、今トレーナーさんに聞いてみるから」
まゆ「よろしくお願いします」
ちひろ「大丈夫らしいわよ。まゆちゃん」
まゆ「ありがとうございます。じゃあ、ちょっと準備、行ってきますねぇ……」スッ ガチャ
ちひろ「行ってらっしゃい」
ちひろ「……ふぅ」
ちひろ「一時はどうなるかと思ったけど、まゆちゃんは意外と大丈夫そうね」
ちひろ「芯は強い子だし、今はレッスンにも仕事にも意欲的だし」
ちひろ「……もしかして、知ってるのかもしれないわね。もう」
泰葉「……あの」
ちひろ「ひゃっ、泰葉ちゃん?」
泰葉「ちょっと、いいですか?」
ちひろ「え、と。何かしら?」
泰葉「……まゆさんの、件で」
まゆ「ありがとうございます。じゃあ、ちょっと準備、行ってきますねぇ……」スッ ガチャ
ちひろ「行ってらっしゃい」
ちひろ「……ふぅ」
ちひろ「一時はどうなるかと思ったけど、まゆちゃんは意外と大丈夫そうね」
ちひろ「芯は強い子だし、今はレッスンにも仕事にも意欲的だし」
ちひろ「……もしかして、知ってるのかもしれないわね。もう」
泰葉「……あの」
ちひろ「ひゃっ、泰葉ちゃん?」
泰葉「ちょっと、いいですか?」
ちひろ「え、と。何かしら?」
泰葉「……まゆさんの、件で」
ちひろ「まゆちゃんの?」
泰葉「……はい」
ちひろ「まゆちゃんに何かされたとか?危害を加えられたの?!」
泰葉「あ、いえ。そうじゃないんです……」
ちひろ「じゃあ……何かしら?」
泰葉「……彼女」
泰葉「彼女、もしかしたら……【人形】になっているかもしれません……」
ちひろ「……え?」
泰葉「……はい」
ちひろ「まゆちゃんに何かされたとか?危害を加えられたの?!」
泰葉「あ、いえ。そうじゃないんです……」
ちひろ「じゃあ……何かしら?」
泰葉「……彼女」
泰葉「彼女、もしかしたら……【人形】になっているかもしれません……」
ちひろ「……え?」
―――女子寮 まゆの部屋―――
まゆ「……」
まゆ「今日も、疲れましたねぇ……」
まゆ「さて、今日も処分しないといけませんねぇ……」
まゆ「まずは……」
まゆ「あの人のYシャツなんて持ってても仕方ないですしぃ……ハサミでズタズタにしてから捨てましょうかぁ」チャキッ
まゆ「布類は全部ズタズタにしてぇ……燃やしましょうかぁ?」
まゆ「ああでも、小火でも騒ぎになると面倒ですしぃ。普通にゴミ袋に詰めましょうかぁ」
まゆ「……」
まゆ「今日も、疲れましたねぇ……」
まゆ「さて、今日も処分しないといけませんねぇ……」
まゆ「まずは……」
まゆ「あの人のYシャツなんて持ってても仕方ないですしぃ……ハサミでズタズタにしてから捨てましょうかぁ」チャキッ
まゆ「布類は全部ズタズタにしてぇ……燃やしましょうかぁ?」
まゆ「ああでも、小火でも騒ぎになると面倒ですしぃ。普通にゴミ袋に詰めましょうかぁ」
まゆ「他にもぉ……ビデオテープとか、邪魔ですねぇ」
まゆ「これはどう捨てればいいのかしらぁ……」
まゆ「この部屋には邪魔なものが多すぎますねぇ……捨てるのが大変」
まゆ「前住人の持ち物らしいですねぇ……全部捨てちゃいましょうかぁ」
まゆ「全く、迷惑な住人さんですねぇ……」
まゆ「もし会ったら、恨み言の一つでも言ってあげましょうかねぇ……」
まゆ「これはどう捨てればいいのかしらぁ……」
まゆ「この部屋には邪魔なものが多すぎますねぇ……捨てるのが大変」
まゆ「前住人の持ち物らしいですねぇ……全部捨てちゃいましょうかぁ」
まゆ「全く、迷惑な住人さんですねぇ……」
まゆ「もし会ったら、恨み言の一つでも言ってあげましょうかねぇ……」
―――事務所―――
ちひろ「どういうことですか?」
泰葉「……彼女の心が、見えないんです」
ちひろ「心?」
泰葉「正確には……その、あの時の私と同じ……ううん、それ以上……」
泰葉「下手をすれば彼女は……」
泰葉「自分の中に、【もう一人の自分】を……作り出しているかもしれません」
ちひろ「……二重人格、ってことかしら?」
泰葉「いいえ……別人格の乗っ取り、の方が近いです」
ちひろ「……そんな馬鹿な話……」
泰葉「同じような事に、私はなったことがあります……だから、わかるんです」
ちひろ「……泰葉ちゃん……」
ちひろ「どういうことですか?」
泰葉「……彼女の心が、見えないんです」
ちひろ「心?」
泰葉「正確には……その、あの時の私と同じ……ううん、それ以上……」
泰葉「下手をすれば彼女は……」
泰葉「自分の中に、【もう一人の自分】を……作り出しているかもしれません」
ちひろ「……二重人格、ってことかしら?」
泰葉「いいえ……別人格の乗っ取り、の方が近いです」
ちひろ「……そんな馬鹿な話……」
泰葉「同じような事に、私はなったことがあります……だから、わかるんです」
ちひろ「……泰葉ちゃん……」
泰葉「【人形】のように、別人格の自分によって操られる感覚」
泰葉「そこに過去の自分の意思は存在しません」
泰葉「あるのは……そう、義務感だけ」
泰葉「何かをしていないと落ち着かない……義務感」
ちひろ「……」
泰葉「彼女は……芯が強いんじゃないです」
泰葉「芯が強すぎて……折れることを、知らないんです」
泰葉「その芯を誰かが折ってあげないと……きっと彼女は」
泰葉「別の誰かに……なってしまいます」
泰葉「そこに過去の自分の意思は存在しません」
泰葉「あるのは……そう、義務感だけ」
泰葉「何かをしていないと落ち着かない……義務感」
ちひろ「……」
泰葉「彼女は……芯が強いんじゃないです」
泰葉「芯が強すぎて……折れることを、知らないんです」
泰葉「その芯を誰かが折ってあげないと……きっと彼女は」
泰葉「別の誰かに……なってしまいます」
泰葉「そうなる前に……彼女の心を、折ってあげてください」
ちひろ「……わかった。調査してみるわ。私の方でも」
泰葉「お願いします……」
泰葉「あの人なら……簡単に、折ってくれそうですけど、ね」
ちひろ「……Pさんに会わせるのは、最終手段」
ちひろ「もしかしたら、怪我を負うかもしれないから……」
泰葉「そう、ですね」
ちひろ「……わかった。調査してみるわ。私の方でも」
泰葉「お願いします……」
泰葉「あの人なら……簡単に、折ってくれそうですけど、ね」
ちひろ「……Pさんに会わせるのは、最終手段」
ちひろ「もしかしたら、怪我を負うかもしれないから……」
泰葉「そう、ですね」
―――数日後―――
ちひろ「……何、これ」
ちひろ「……ここまで、なんて」
泰葉「ちひろさん」
ちひろ「……泰葉ちゃんの、言う通りだったわ」
泰葉「それで……その写真は?」
ちひろ「……女子寮長に頼み込んで、まゆちゃんの部屋の写真を撮ってもらったんだけど」
泰葉「……」
ちひろ「彼女の部屋……何も、ないの」
ちひろ「生活に必要なはずの、タンスや衣装棚、そてに食器やテレビも。ついこの前買ったばかりの、机と椅子も」
ちひろ「カーテンも、ベッドすらも……何もかも」
ちひろ「本当に彼女、ここで生活しているの……?」
ちひろ「……何、これ」
ちひろ「……ここまで、なんて」
泰葉「ちひろさん」
ちひろ「……泰葉ちゃんの、言う通りだったわ」
泰葉「それで……その写真は?」
ちひろ「……女子寮長に頼み込んで、まゆちゃんの部屋の写真を撮ってもらったんだけど」
泰葉「……」
ちひろ「彼女の部屋……何も、ないの」
ちひろ「生活に必要なはずの、タンスや衣装棚、そてに食器やテレビも。ついこの前買ったばかりの、机と椅子も」
ちひろ「カーテンも、ベッドすらも……何もかも」
ちひろ「本当に彼女、ここで生活しているの……?」
ちひろ「……早急に対処しないといけないかもしれないわ」
泰葉「そうですね……」
ちひろ「もし本当にここで生活してたなら……」
まゆ「こんにちはぁ」ガチャ
ちひろ&泰葉「!!」
まゆ「ちひろさん、今日は確か、お仕事入ってましたよねぇ……?」
ちひろ「そ、そうね」
まゆ「早めに打ち合わせしたいんですけどぉ……いいですか?」
ちひろ「ま、ちょっと待っててね。資料探すから」
まゆ「わかりましたぁ」
ちひろ「(こうしているといつものまゆちゃんなのに……)」
ちひろ「(泰葉ちゃんに言われたことや、あの写真を見てると……別人に、見えてくる……)」
泰葉「そうですね……」
ちひろ「もし本当にここで生活してたなら……」
まゆ「こんにちはぁ」ガチャ
ちひろ&泰葉「!!」
まゆ「ちひろさん、今日は確か、お仕事入ってましたよねぇ……?」
ちひろ「そ、そうね」
まゆ「早めに打ち合わせしたいんですけどぉ……いいですか?」
ちひろ「ま、ちょっと待っててね。資料探すから」
まゆ「わかりましたぁ」
ちひろ「(こうしているといつものまゆちゃんなのに……)」
ちひろ「(泰葉ちゃんに言われたことや、あの写真を見てると……別人に、見えてくる……)」
―――まゆの部屋―――
まゆ「監視カメラ……こんなもの、何に使うんでしょうかねぇ」
まゆ「部屋の四隅に設置なんてして……」
まゆ「前住人さんは、変態さんか何かだったんでしょうかね……?」
まゆ「見られて興奮するタイプ……?」
まゆ「そんな事、まゆには関係ないですけどぉ……」
まゆ「……この部屋も、だいぶ片付きましたねぇ」
まゆ「早く、これも捨てないといけませんねぇ」
まゆ「……なぜか、このリボンだけは捨てられないんですよねぇ……」
まゆ「大した思い入れもないのに……」
まゆ「監視カメラ……こんなもの、何に使うんでしょうかねぇ」
まゆ「部屋の四隅に設置なんてして……」
まゆ「前住人さんは、変態さんか何かだったんでしょうかね……?」
まゆ「見られて興奮するタイプ……?」
まゆ「そんな事、まゆには関係ないですけどぉ……」
まゆ「……この部屋も、だいぶ片付きましたねぇ」
まゆ「早く、これも捨てないといけませんねぇ」
まゆ「……なぜか、このリボンだけは捨てられないんですよねぇ……」
まゆ「大した思い入れもないのに……」
まゆ「なんででしょうねぇ、不思議ですね」
まゆ「……」
まゆ「……さて、次は何を片付けましょうかねぇ」
ちひろ「まゆちゃん!!」
泰葉「まゆさん!!」
まゆ「……ちひろさんに、泰葉さん?」
ちひろ「……まゆちゃん、この部屋は何?」
まゆ「何とは?」
ちひろ「どうして、何もないの?」
まゆ「……全部、買い換えようかなぁと思いまして」
泰葉「どうして、最近買った机や椅子まで買い換える必要があるんですか?」
まゆ「……最近、買った?」
まゆ「……」
まゆ「……さて、次は何を片付けましょうかねぇ」
ちひろ「まゆちゃん!!」
泰葉「まゆさん!!」
まゆ「……ちひろさんに、泰葉さん?」
ちひろ「……まゆちゃん、この部屋は何?」
まゆ「何とは?」
ちひろ「どうして、何もないの?」
まゆ「……全部、買い換えようかなぁと思いまして」
泰葉「どうして、最近買った机や椅子まで買い換える必要があるんですか?」
まゆ「……最近、買った?」
まゆ「あれは、前住人の持ち物じゃないですかぁ」
ちひろ「何を、言っているの?」
まゆ「何を言っている、はこっちのセリフなんですけどぉ……」
ちひろ「だって言ってたじゃない。あの机と椅子は、Pさんが選んでくれたって」
ちひろ「それを前住人の持ち物?そんな事、まゆちゃんは言わないわよ」
まゆ「……以上」
ちひろ「え?」
まゆ「それ以上……その、Pさんとかいう名前を聞かせないでくれますかぁ?」
まゆ「凄く……イライラ、しますからぁ」ニコッ
ちひろ「っ……」
ちひろ「何を、言っているの?」
まゆ「何を言っている、はこっちのセリフなんですけどぉ……」
ちひろ「だって言ってたじゃない。あの机と椅子は、Pさんが選んでくれたって」
ちひろ「それを前住人の持ち物?そんな事、まゆちゃんは言わないわよ」
まゆ「……以上」
ちひろ「え?」
まゆ「それ以上……その、Pさんとかいう名前を聞かせないでくれますかぁ?」
まゆ「凄く……イライラ、しますからぁ」ニコッ
ちひろ「っ……」
まゆ「大体、Pさんなんて人、【まゆ】は知りませんよぉ?」
まゆ「前住人の人も、まゆさんっていうなら別ですけどぉ」
まゆ「【まゆ】はPさんなんてぇ……知りません」
泰葉「でも、まゆさん―――」
まゆ「知らないったら知らないんです!!」
泰葉「っ」
まゆ「【まゆ】はPさんなんて知りません、知ろうとも思いません」
まゆ「喫茶店を経営して、まゆに秘密で他の女の子ばかりを招待していた」
まゆ「まゆに真っ先に教えてくれないPさんなんて……【まゆ】は知りません」
泰葉「……」
ちひろ「……知って、たのね?」
まゆ「なんのこと、ですかぁ?【まゆ】はなーんも知りませんよ?まゆは知ってるかもですけどぉ」
まゆ「前住人の人も、まゆさんっていうなら別ですけどぉ」
まゆ「【まゆ】はPさんなんてぇ……知りません」
泰葉「でも、まゆさん―――」
まゆ「知らないったら知らないんです!!」
泰葉「っ」
まゆ「【まゆ】はPさんなんて知りません、知ろうとも思いません」
まゆ「喫茶店を経営して、まゆに秘密で他の女の子ばかりを招待していた」
まゆ「まゆに真っ先に教えてくれないPさんなんて……【まゆ】は知りません」
泰葉「……」
ちひろ「……知って、たのね?」
まゆ「なんのこと、ですかぁ?【まゆ】はなーんも知りませんよ?まゆは知ってるかもですけどぉ」
>喫茶店を経営して、まゆに秘密で他の女の子ばかりを招待していた
なんでバレて……
なんでバレて……
ちひろ「……あなたは、一体、誰なの?」
まゆ「【まゆ】は、【まゆ】ですよぉ?」
まゆ「そして、まゆでもありますねぇ」
まゆ「でもそのうち、まゆは消えて【まゆ】になります」
まゆ「そうしたら、ニコニコしながら、あの人の店に行ってあげますよ」
まゆ「ニコニコしながら、全部、全部、壊してあげますよぉ」
まゆ「あの人の夢も、夢を追いかけているみんなも、全部」
凛「冗談はよしてよ」
まゆ「……凛さん?」
凛「今は貴方の声なんか聞きたくない。私が聞きたいのは、まゆの声」
まゆ「……何を、言っているんですかねぇ」
まゆ「【まゆ】は、【まゆ】ですよぉ?」
まゆ「そして、まゆでもありますねぇ」
まゆ「でもそのうち、まゆは消えて【まゆ】になります」
まゆ「そうしたら、ニコニコしながら、あの人の店に行ってあげますよ」
まゆ「ニコニコしながら、全部、全部、壊してあげますよぉ」
まゆ「あの人の夢も、夢を追いかけているみんなも、全部」
凛「冗談はよしてよ」
まゆ「……凛さん?」
凛「今は貴方の声なんか聞きたくない。私が聞きたいのは、まゆの声」
まゆ「……何を、言っているんですかねぇ」
ちひろ「凛ちゃん!近づいちゃダメ!」
泰葉「あ、危ないです!!」
凛「だから、【まゆ】の声なんて聞きたくない。私が聞きたいのは、まゆの声」
凛「嫉妬してしまうくらい憎らしい」
凛「それでも時たま、共感してしまうほどに」
凛「そうやって狂って別の人格を作ってしまうような」
凛「それほどまでに、Pさんを大好きだったまゆの声を、私は聞きたいの」
まゆ「な、何、を。ま、【まゆ】は、まゆ、で」
凛「五月蝿い。あんたはまゆじゃない」
まゆ「……まゆ、は……嫌、です」
凛「何が?」
泰葉「あ、危ないです!!」
凛「だから、【まゆ】の声なんて聞きたくない。私が聞きたいのは、まゆの声」
凛「嫉妬してしまうくらい憎らしい」
凛「それでも時たま、共感してしまうほどに」
凛「そうやって狂って別の人格を作ってしまうような」
凛「それほどまでに、Pさんを大好きだったまゆの声を、私は聞きたいの」
まゆ「な、何、を。ま、【まゆ】は、まゆ、で」
凛「五月蝿い。あんたはまゆじゃない」
まゆ「……まゆ、は……嫌、です」
凛「何が?」
まゆ「Pさんが、他の女の子と話すのが」
まゆ「Pさんが、他の女の子の頭を撫でるのが」
まゆ「Pさんが、まゆ以外の女の子にデレデレするのが」
まゆ「まゆに、喫茶店を、教えてくれないことが」
まゆ「まゆは、嫌、です」ポロポロ
凛「……そっか」
凛「私も嫌だよ。それ」
ちひろ「ちょっ」
凛「でもね、まゆ。意外とPさんなんて簡単だよ?」
凛「大好きって言うだけで、ある程度は意識してくれるようになるし」
まゆ「……何、を」
まゆ「Pさんが、他の女の子の頭を撫でるのが」
まゆ「Pさんが、まゆ以外の女の子にデレデレするのが」
まゆ「まゆに、喫茶店を、教えてくれないことが」
まゆ「まゆは、嫌、です」ポロポロ
凛「……そっか」
凛「私も嫌だよ。それ」
ちひろ「ちょっ」
凛「でもね、まゆ。意外とPさんなんて簡単だよ?」
凛「大好きって言うだけで、ある程度は意識してくれるようになるし」
まゆ「……何、を」
凛「それでもね」
凛「努力もしないで、そんなとこで立ち止まってるなんて、まゆらしくないんじゃない?」
まゆ「私らしさって、なんなんですかぁ……」
凛「まゆらしさ?そんなのさっき言ったじゃん」
凛「ここにいる誰よりも、世界中の誰よりも、Pさんが好きってことでしょ?」
凛「そんなまゆが、動きもしないなんて」
凛「それなら私、Pさん奪っちゃうよ?」
まゆ「それはっ、嫌、です!!」
凛「でしょ?だったらほら、行くよ」
まゆ「ど、どこに」
凛「決まってるじゃん」
凛「女の子をここまで追い詰めるくらい惚れさせた、天然ジゴロで女たらしの、罪作りなプロデューサーにだよ」
凛「努力もしないで、そんなとこで立ち止まってるなんて、まゆらしくないんじゃない?」
まゆ「私らしさって、なんなんですかぁ……」
凛「まゆらしさ?そんなのさっき言ったじゃん」
凛「ここにいる誰よりも、世界中の誰よりも、Pさんが好きってことでしょ?」
凛「そんなまゆが、動きもしないなんて」
凛「それなら私、Pさん奪っちゃうよ?」
まゆ「それはっ、嫌、です!!」
凛「でしょ?だったらほら、行くよ」
まゆ「ど、どこに」
凛「決まってるじゃん」
凛「女の子をここまで追い詰めるくらい惚れさせた、天然ジゴロで女たらしの、罪作りなプロデューサーにだよ」
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