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元スレ冬馬「プロデューサー、人間やめるってよ」
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プロデューサーさんが無断欠勤をしてから、今日でもう7日目となる。
そう。プロデューサーさんが無断欠勤をしてから、今日でもう7日目だ。
SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1344911436
そう。プロデューサーさんが無断欠勤をしてから、今日でもう7日目だ。
SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1344911436
失踪だ。
プロデューサーさんが失踪して、もう7日目だ。
当初は事務所の誰もが、事態を軽く見ていた。
律子さんはブツブツと言いながらも代わりの仕事をこなし、社長も代役を買ってでた。
アイドルのみんなも、「どうしたんだろうね」と言う程度だった。
いや、正確には美希ちゃんはかなり騒いでいた。
が、それはプロデューサーを心配してというよりは、いない寂しさの発露だった。
伊織ちゃんは終始、機嫌が悪かった。
春香ちゃんは、いつもより笑顔が少なかったし。
雪歩ちゃんはお茶碗を、2つほど割った。
明らかにいつもとは違う、765プロ。
だが、それだけだった。
そう。最初の日は、それだけのことだった。
プロデューサーさんが失踪して、もう7日目だ。
当初は事務所の誰もが、事態を軽く見ていた。
律子さんはブツブツと言いながらも代わりの仕事をこなし、社長も代役を買ってでた。
アイドルのみんなも、「どうしたんだろうね」と言う程度だった。
いや、正確には美希ちゃんはかなり騒いでいた。
が、それはプロデューサーを心配してというよりは、いない寂しさの発露だった。
伊織ちゃんは終始、機嫌が悪かった。
春香ちゃんは、いつもより笑顔が少なかったし。
雪歩ちゃんはお茶碗を、2つほど割った。
明らかにいつもとは違う、765プロ。
だが、それだけだった。
そう。最初の日は、それだけのことだった。
だけど、次の日もやはりプロデューサーさんは出社して来なかった。
律子さんと社長は、何度も電話をかけたが繋がらない。
春香ちゃんと千早ちゃんも、何度もケータイで連絡を取ろうとしていた。
伊織ちゃんは、水瀬財閥の力でプロデューサーさんを捜索しようか迷っており、千早ちゃんと真ちゃんに相談をしていた。
雪歩ちゃんは、気分不良を訴えて早々に帰宅した。
そして美希ちゃんは、仕事をドタキャンした。良くない事だが、誰も何も言わなかった。
律子さんと社長は、何度も電話をかけたが繋がらない。
春香ちゃんと千早ちゃんも、何度もケータイで連絡を取ろうとしていた。
伊織ちゃんは、水瀬財閥の力でプロデューサーさんを捜索しようか迷っており、千早ちゃんと真ちゃんに相談をしていた。
雪歩ちゃんは、気分不良を訴えて早々に帰宅した。
そして美希ちゃんは、仕事をドタキャンした。良くない事だが、誰も何も言わなかった。
3日目の夜、私と社長はプロデューサーさんの家を訪れた。
事務所からそう遠くない、ワンルームマンション。
明かりはない。
鍵はかかっている。
インーターホンを鳴らす。
反応は無い。
社長は管理人に事情を話し、身分証明に運転免許証を見せた。
初老の男性である管理人は、少し逡巡したが「自分の立ち会いのもとなら」と鍵を開ける事を承諾してくれた。
事務所からそう遠くない、ワンルームマンション。
明かりはない。
鍵はかかっている。
インーターホンを鳴らす。
反応は無い。
社長は管理人に事情を話し、身分証明に運転免許証を見せた。
初老の男性である管理人は、少し逡巡したが「自分の立ち会いのもとなら」と鍵を開ける事を承諾してくれた。
再びプロデューサーさんの部屋のドアの前に立つ。
高木「私が呼ぶまで、君はここにいてくれないかな。それから、ドアが開いても中を見ないように」
意味を理解するのに、時間がかかった。
社長はドアを開けた瞬間に、ショッキングな光景を目の当たりにする……
そういう可能性まで、考慮に入れているのだ。
私は足が震えた。
高木「いいね?」
高木「私が呼ぶまで、君はここにいてくれないかな。それから、ドアが開いても中を見ないように」
意味を理解するのに、時間がかかった。
社長はドアを開けた瞬間に、ショッキングな光景を目の当たりにする……
そういう可能性まで、考慮に入れているのだ。
私は足が震えた。
高木「いいね?」
ガチャ
管理人の合い鍵で、ドアは開いた。
私は、目を閉じた。無意識のうちに、力を込めて閉じていた。
高木「P君? いるのかい? P君!」
社長の声は、次第に遠くなる。
部屋の中に入ったんだ、と気づく。
おそるおそる、私は目を開いた。
空っぽの玄関。
最悪の光景は、無かった。
少しホッとした私に、部屋の中から社長の声が聞こえてきた。
管理人の合い鍵で、ドアは開いた。
私は、目を閉じた。無意識のうちに、力を込めて閉じていた。
高木「P君? いるのかい? P君!」
社長の声は、次第に遠くなる。
部屋の中に入ったんだ、と気づく。
おそるおそる、私は目を開いた。
空っぽの玄関。
最悪の光景は、無かった。
少しホッとした私に、部屋の中から社長の声が聞こえてきた。
高木「……これは……」
明らかに絶句している、社長の声。
「どうしたんですか……?」
私の声に、社長が答えてくれる。
高木「きたまえ」
おそるおそる、室内に入る。
そこで私が、見たものとは……
明らかに絶句している、社長の声。
「どうしたんですか……?」
私の声に、社長が答えてくれる。
高木「きたまえ」
おそるおそる、室内に入る。
そこで私が、見たものとは……
「伊織……ちゃん……」
プロデューサーさんの部屋は壁に、特大顔アップガチャポスターが貼ってあった。
ガチャポスターは、1000円のガチャくじで販売されているもので、765プロのアイドルみんなの顔アップのポスターだ。
プロデューサーさんの部屋にあったのは……伊織ちゃんの特大顔アップポスターだった。
そしてそれを除けば、殺風景とも言える部屋だった。
一般的な家具調度品はあるが、本とかDVDの類は一切無かった。
プロデューサーという仕事をしていながら、パソコンすら無かった。
その人が生活をしている空気の薄い部屋の中、伊織ちゃんのはじけるような明るい笑顔だけが、照明のように輝く部屋。
初めて入る、プロデューサーさんの部屋。
ある意味、初めて知るプライベートな部分。
そこで私はある意味、いい知れない不安感のようなものを感じた。
プロデューサーさんの部屋は壁に、特大顔アップガチャポスターが貼ってあった。
ガチャポスターは、1000円のガチャくじで販売されているもので、765プロのアイドルみんなの顔アップのポスターだ。
プロデューサーさんの部屋にあったのは……伊織ちゃんの特大顔アップポスターだった。
そしてそれを除けば、殺風景とも言える部屋だった。
一般的な家具調度品はあるが、本とかDVDの類は一切無かった。
プロデューサーという仕事をしていながら、パソコンすら無かった。
その人が生活をしている空気の薄い部屋の中、伊織ちゃんのはじけるような明るい笑顔だけが、照明のように輝く部屋。
初めて入る、プロデューサーさんの部屋。
ある意味、初めて知るプライベートな部分。
そこで私はある意味、いい知れない不安感のようなものを感じた。
高木「これは……日記帳かな?」
社長は机の中から、鍵のついた日記帳を取りだした。
高木「これを、お借りするわけにはいきませんか?」
管理人「申し訳ありませんが、それは」
高木「そうですか」
管理人「警察からの要請ならまた、話は別ですが」
その言葉に、私はドキリとする。
警察沙汰……事件……
プロデューサーさんは、事件にかなにかに巻き込まれたんだろうか?
足がガクガクと震える。
その崩れ落ちそうな私を、社長が支えてくれる。
社長は机の中から、鍵のついた日記帳を取りだした。
高木「これを、お借りするわけにはいきませんか?」
管理人「申し訳ありませんが、それは」
高木「そうですか」
管理人「警察からの要請ならまた、話は別ですが」
その言葉に、私はドキリとする。
警察沙汰……事件……
プロデューサーさんは、事件にかなにかに巻き込まれたんだろうか?
足がガクガクと震える。
その崩れ落ちそうな私を、社長が支えてくれる。
高木「一旦我々は、失礼します」
社長の言葉に管理人は頷くと、再びプロデューサーさんの部屋のドアを閉めた。
マンションから離れると、社長はポケットから何かを取り出した。
「何ですか?」
私の問いに、社長は肩を竦めた。
高木「ケータイだな。部屋で見つけたんだが……日記とケータイ、どっちを持ち帰ろうかと正直、判断に迷ってね」
「もしかして、手品ですか……」
驚いた。社長は日記で管理人の目を引いて、ケータイをポケットにしまったらしい。
高木「電話やメールのやりとりなどを、調べてみるよ」
「はい」
高木「明日、朝になっても連絡がなかったら……警察に連絡をする」
「わかりました」
そう、わかっていた事だ。
そろそろ手をこまねいて、待っているだけというわけにはいかなくなってきている。
社長の言葉に管理人は頷くと、再びプロデューサーさんの部屋のドアを閉めた。
マンションから離れると、社長はポケットから何かを取り出した。
「何ですか?」
私の問いに、社長は肩を竦めた。
高木「ケータイだな。部屋で見つけたんだが……日記とケータイ、どっちを持ち帰ろうかと正直、判断に迷ってね」
「もしかして、手品ですか……」
驚いた。社長は日記で管理人の目を引いて、ケータイをポケットにしまったらしい。
高木「電話やメールのやりとりなどを、調べてみるよ」
「はい」
高木「明日、朝になっても連絡がなかったら……警察に連絡をする」
「わかりました」
そう、わかっていた事だ。
そろそろ手をこまねいて、待っているだけというわけにはいかなくなってきている。
朝になった。
定時になっても、やはりプロデューサーさんは出社しなかった。
社長は担当地域の警察署に出向くと、事情を説明した。
この業界が、色々な意味で怖い所だという事は、自分でも身をもって知っていたはずだった。
それでも驚いた事には、その日の午後には765プロ躍進の原動力であるプロデューサーさんの失踪についての取材の申し込みが、複数件あった。
美希「ハニイイイーーー!!!」
応対している電話口の側で、美希ちゃんが泣き出した。
慌てる私を尻目に、伊織ちゃんが私の手から受話器を奪い取ると、電話機に叩きつけた。
テレビ局が取材に来たのは、翌日だった。
定時になっても、やはりプロデューサーさんは出社しなかった。
社長は担当地域の警察署に出向くと、事情を説明した。
この業界が、色々な意味で怖い所だという事は、自分でも身をもって知っていたはずだった。
それでも驚いた事には、その日の午後には765プロ躍進の原動力であるプロデューサーさんの失踪についての取材の申し込みが、複数件あった。
美希「ハニイイイーーー!!!」
応対している電話口の側で、美希ちゃんが泣き出した。
慌てる私を尻目に、伊織ちゃんが私の手から受話器を奪い取ると、電話機に叩きつけた。
テレビ局が取材に来たのは、翌日だった。
事務所の空気は、最悪だった。
全員、なんとか仕事はこなしていたが、その最中に必ずプロデューサーさんの事を聞かれていた。
高木「ちょっと私にはわからないです。事務所を通してください。そう言うんだよ、みんな。いいね?」
みんな社長のこの指示に従ってはいたが、この業界のジャーナリストはしつこい。
全員が、心労の上に疲弊していた。
全員、なんとか仕事はこなしていたが、その最中に必ずプロデューサーさんの事を聞かれていた。
高木「ちょっと私にはわからないです。事務所を通してください。そう言うんだよ、みんな。いいね?」
みんな社長のこの指示に従ってはいたが、この業界のジャーナリストはしつこい。
全員が、心労の上に疲弊していた。
『今朝早く、多摩川の河川敷で身元不明の男性と思われる遺体が発見されました』
テレビのニュースに、全員がハッとして頭を上げる。
『遺体は20代の男性と思われ、また身元を証明するような物は見つかっておらず、警察は……』
美希「……ハニー?」
美希ちゃんがフラフラと、テレビに向かう。
伊織「そんなわけないでしょ!」
美希「でも…………でも………………」
伊織「そんなわけない!! そんなわけないのよ!!!」
伊織ちゃんは両手を固く握りしめながら、必死で叫んでいた。
美希「ハニー……なの…………?」
伊織「誰かテレビ消して! 消してよ!!!」
やよいちゃんが、伊織ちゃんの隣に座り頭をなでると、とうとう伊織ちゃんは泣き出した。
真美ちゃんと亜美ちゃんは、叱られたように顔を伏せて何も言わない。
貴音ちゃんは、祈るようにして目を閉じている。
雪歩ちゃんは、真ちゃんにしがみつくようにして泣いている。
その真ちゃんも、目は真っ赤だ。
テレビのニュースに、全員がハッとして頭を上げる。
『遺体は20代の男性と思われ、また身元を証明するような物は見つかっておらず、警察は……』
美希「……ハニー?」
美希ちゃんがフラフラと、テレビに向かう。
伊織「そんなわけないでしょ!」
美希「でも…………でも………………」
伊織「そんなわけない!! そんなわけないのよ!!!」
伊織ちゃんは両手を固く握りしめながら、必死で叫んでいた。
美希「ハニー……なの…………?」
伊織「誰かテレビ消して! 消してよ!!!」
やよいちゃんが、伊織ちゃんの隣に座り頭をなでると、とうとう伊織ちゃんは泣き出した。
真美ちゃんと亜美ちゃんは、叱られたように顔を伏せて何も言わない。
貴音ちゃんは、祈るようにして目を閉じている。
雪歩ちゃんは、真ちゃんにしがみつくようにして泣いている。
その真ちゃんも、目は真っ赤だ。
その中で、とうとう春香ちゃんが泣きながら事務所から走り去っていった。
千早「私が」
千早ちゃんがそう言うと、律子さんは頷く。
バタバタと千早ちゃんは、春香ちゃんを追いかけた。
私はそっと席を立つと、社長のもとへと向かった。
千早「私が」
千早ちゃんがそう言うと、律子さんは頷く。
バタバタと千早ちゃんは、春香ちゃんを追いかけた。
私はそっと席を立つと、社長のもとへと向かった。
えええ!
スレタイで、桐島部活やめるってよのパロで大笑いしたのに
中読んだら重てええええ!
なんだよこのフェイント
スレタイで、桐島部活やめるってよのパロで大笑いしたのに
中読んだら重てええええ!
なんだよこのフェイント
そういや真をちゃん付けするのってあの人だけか
あれあずささんもだっけ
あれあずささんもだっけ
あずささんが同伴するよりは、たぶんピヨちゃんの確率の方が高いような…
私の顔を見て、社長は軽く眉をしかめた。
高木「履歴書に書かれた彼の出身地だが、デタラメだった」
「え……」
高木「群馬県前橋市となっているが、そこから後の住所は存在しない」
入社以前から、プロデューサーさんはなにかを隠していた?
「先日のケータイですけど……何かわかりましたか……?」
私の問いに、社長は顔を更にしかめた。
高木「カンが鈍ったかな……これなら日記の方を持ってくるんだったよ」
その言葉が、手がかりは無かった事を何より物語っていた。
高木「まずこのケータイだが、普段彼が使っているものではなく、登録アドレスは1件しか無かった」
言われてみればそれは、確かにプロデューサーさんが普段使っているケータイでは無い。
高木「ああ。彼は若いのに簡単ケータイを使っていたからね」
先日、プロデューサーさんの部屋から持ち帰ったのは、二つ折りのケータイだった。
「登録先のアドレスって、誰なんですか……?」
高木「登録名は『W』となっているな。まだかけていないし、メールも出していない」
高木「履歴書に書かれた彼の出身地だが、デタラメだった」
「え……」
高木「群馬県前橋市となっているが、そこから後の住所は存在しない」
入社以前から、プロデューサーさんはなにかを隠していた?
「先日のケータイですけど……何かわかりましたか……?」
私の問いに、社長は顔を更にしかめた。
高木「カンが鈍ったかな……これなら日記の方を持ってくるんだったよ」
その言葉が、手がかりは無かった事を何より物語っていた。
高木「まずこのケータイだが、普段彼が使っているものではなく、登録アドレスは1件しか無かった」
言われてみればそれは、確かにプロデューサーさんが普段使っているケータイでは無い。
高木「ああ。彼は若いのに簡単ケータイを使っていたからね」
先日、プロデューサーさんの部屋から持ち帰ったのは、二つ折りのケータイだった。
「登録先のアドレスって、誰なんですか……?」
高木「登録名は『W』となっているな。まだかけていないし、メールも出していない」
「履歴とか、メールは……?」
高木「……君だから話すが、相手はどうやら女性。しかもP君とは、恋愛関係にあったようなんだ」
社長は私を信頼してそう話してくれたようだが、ショックだった。
正直、胸が痛む。
だが、今はそんな事で躊躇はしていられない。
「つまり彼女専用の、プライベートなケータイなんですね……」
高木「ま、そうなるかかな。多少、首をかしげる点もあるが」
「え?」
高木「相手から電話はかかっていない。通話は必ず彼から、それも決まって夜の10時にかけている」
「メール……は?」
高木「帰宅すると、その旨と『好きだよ』と書かれたメールが送られている。返信は無い。まあ、彼がいちいち相手からのメールや着信履歴を消去している可能性もある」
恋愛経験の薄い私でも、かなり不思議な話だ。
高木「……君だから話すが、相手はどうやら女性。しかもP君とは、恋愛関係にあったようなんだ」
社長は私を信頼してそう話してくれたようだが、ショックだった。
正直、胸が痛む。
だが、今はそんな事で躊躇はしていられない。
「つまり彼女専用の、プライベートなケータイなんですね……」
高木「ま、そうなるかかな。多少、首をかしげる点もあるが」
「え?」
高木「相手から電話はかかっていない。通話は必ず彼から、それも決まって夜の10時にかけている」
「メール……は?」
高木「帰宅すると、その旨と『好きだよ』と書かれたメールが送られている。返信は無い。まあ、彼がいちいち相手からのメールや着信履歴を消去している可能性もある」
恋愛経験の薄い私でも、かなり不思議な話だ。
夜の10時に必ずする電話。帰宅を知らせるメール。
それはまるで……
何かの定期連絡のようだ、そう思う。
高木「ついでに言うと、ケータイはほんの2週間前から使われているようだ」
2週間……
プロデューサーさんが失踪する、さらに1週間前だ。
その時、なにか有ったんだろうか……?
高木「それで? なにかあったのかね? 随分と急いでやって来たようだが」
そうだった。
私は。テレビのニュースの件を、社長に告げた。
高木「ふむ……まず彼では無いと思うが、念のために確認に赴くべきかな?」
どうやら社長は、ニュースの男性はプロデューサーさんではないと確信しているようだった。
「プロデューサーさんじゃない、んですよね……?」
それはまるで……
何かの定期連絡のようだ、そう思う。
高木「ついでに言うと、ケータイはほんの2週間前から使われているようだ」
2週間……
プロデューサーさんが失踪する、さらに1週間前だ。
その時、なにか有ったんだろうか……?
高木「それで? なにかあったのかね? 随分と急いでやって来たようだが」
そうだった。
私は。テレビのニュースの件を、社長に告げた。
高木「ふむ……まず彼では無いと思うが、念のために確認に赴くべきかな?」
どうやら社長は、ニュースの男性はプロデューサーさんではないと確信しているようだった。
「プロデューサーさんじゃない、んですよね……?」
高木「ああ。警察には彼が失踪した件を話してあるし、写真も渡してある。もし彼なら、すぐに連絡があるはずだ」
張りつめていた緊張が、みるみる緩んでいくのが自分でもわかる。
高木「みんなにもそう言って、安心させてやってくれ。私は念のために警察に行ってみる」
私は急いで事務所に戻り、みんなに社長の言葉を聞かせてあげる。
みんなは、一様にホッとした表情を浮かべる。
伊織「あったり前じゃない。だから言ったのよ、そんなはずないって。私、ちゃんとわかってたんだから」
響「ふーん」ニヤニヤ
真美「お→お→」
亜美「やよいっちに、頭撫でられて泣いていたにしては、確信をもったお言葉でしたなあ」
伊織「な、なによ!」
伊織ちゃんが強がり、真美ちゃんと亜美ちゃんがそれを茶化すと、みんなが笑った。
少しだけ、事務所がいつもの事務所に戻った瞬間だった。
けれど、それも長くは続かない。
張りつめていた緊張が、みるみる緩んでいくのが自分でもわかる。
高木「みんなにもそう言って、安心させてやってくれ。私は念のために警察に行ってみる」
私は急いで事務所に戻り、みんなに社長の言葉を聞かせてあげる。
みんなは、一様にホッとした表情を浮かべる。
伊織「あったり前じゃない。だから言ったのよ、そんなはずないって。私、ちゃんとわかってたんだから」
響「ふーん」ニヤニヤ
真美「お→お→」
亜美「やよいっちに、頭撫でられて泣いていたにしては、確信をもったお言葉でしたなあ」
伊織「な、なによ!」
伊織ちゃんが強がり、真美ちゃんと亜美ちゃんがそれを茶化すと、みんなが笑った。
少しだけ、事務所がいつもの事務所に戻った瞬間だった。
けれど、それも長くは続かない。
やよい「うふふ。美希さんも、良かったですねー……あれ?」
真「? あれ、美希?」
律子「! 美希!? どこに行ったの!!」
真美「あれ→? ミキミキなら、さっき電話に出てたけどな→?」
電話?
誰からの?
何の電話?
亜美「その後、出ていったよ→」
律子さんが、猛烈な勢いでケータイを操作する。
律子「美希! あんた今、どこにいるのよ!?」
美希「……律子……さん。ミキがハニーを探し出すの!」
美希ちゃんは、ケータイを切った。
それ以降、誰がかけても美希ちゃんはケータイに出なかった。
美希ちゃんがどこへ行ったのか、私達は午後のワイドショー番組でそれを知ることになる。
真「? あれ、美希?」
律子「! 美希!? どこに行ったの!!」
真美「あれ→? ミキミキなら、さっき電話に出てたけどな→?」
電話?
誰からの?
何の電話?
亜美「その後、出ていったよ→」
律子さんが、猛烈な勢いでケータイを操作する。
律子「美希! あんた今、どこにいるのよ!?」
美希「……律子……さん。ミキがハニーを探し出すの!」
美希ちゃんは、ケータイを切った。
それ以降、誰がかけても美希ちゃんはケータイに出なかった。
美希ちゃんがどこへ行ったのか、私達は午後のワイドショー番組でそれを知ることになる。
司会「さて、昨日もお知らせした765プロのプロデューサーが行方不明となっている件、今日はその765プロのアイドル星井美希ちゃんに来てもらいました」
美希「よろしくお願いします、なの」
律子「美希……あの娘、勝手に……」
司会「プロデューサーさん、やっぱり行方不明なんだよね? 心配だよね、美希ちゃん」
美希「そうなの。ハ……プロデューサーは、もう一週間も連絡がないの。ミキ、心配なの……」
美希ちゃんの目から、涙が落ちる。
演技じゃない。本気の涙に、スタジオのゲストも沈痛な表情だ。
司会「プロデューサーさんは、いなくなる前に何か変わった様子は無かった?」
美希「いつもと一緒だったの。ミキね、プロデューサーが心配なの」
司会「美希ちゃんは、プロデューサーさんが好きなんだね?」
美希「よろしくお願いします、なの」
律子「美希……あの娘、勝手に……」
司会「プロデューサーさん、やっぱり行方不明なんだよね? 心配だよね、美希ちゃん」
美希「そうなの。ハ……プロデューサーは、もう一週間も連絡がないの。ミキ、心配なの……」
美希ちゃんの目から、涙が落ちる。
演技じゃない。本気の涙に、スタジオのゲストも沈痛な表情だ。
司会「プロデューサーさんは、いなくなる前に何か変わった様子は無かった?」
美希「いつもと一緒だったの。ミキね、プロデューサーが心配なの」
司会「美希ちゃんは、プロデューサーさんが好きなんだね?」
一瞬、スタジオの空気が変わる。
下卑た視線が、美希ちゃんに集中するが画面を通しても伝わってくる。
美希「そうなの。ハ……プロデューサーは、ミキがキラキラするのを助けてくれるの。大切な存在なの」
司会「そ、そうなんだ。でもそれってつまり……」
美希「だからプロデューサー! これを……ミキの声を聞いていたら、戻ってきて欲しいの!! ミキ、待ってるの!! ミキのファンのみんなも、プロデューサーの事を一緒に探して欲しいの! プロデューサーの事を知ってるとか、見た人はミキに知らせて欲しいの!! お願いなのーーー!!!」
司会者を無視して、美希ちゃんは必死でテレビに向かって話していた。
それまでハラハラした面持ちで見ていたみんなは、少し微笑んだ。
律子さんも口ではブツブツ言いながら、そっと眼鏡を外すと涙を拭いていた。
下卑た視線が、美希ちゃんに集中するが画面を通しても伝わってくる。
美希「そうなの。ハ……プロデューサーは、ミキがキラキラするのを助けてくれるの。大切な存在なの」
司会「そ、そうなんだ。でもそれってつまり……」
美希「だからプロデューサー! これを……ミキの声を聞いていたら、戻ってきて欲しいの!! ミキ、待ってるの!! ミキのファンのみんなも、プロデューサーの事を一緒に探して欲しいの! プロデューサーの事を知ってるとか、見た人はミキに知らせて欲しいの!! お願いなのーーー!!!」
司会者を無視して、美希ちゃんは必死でテレビに向かって話していた。
それまでハラハラした面持ちで見ていたみんなは、少し微笑んだ。
律子さんも口ではブツブツ言いながら、そっと眼鏡を外すと涙を拭いていた。
勝手にこんなことやったら、もうテレビに出させてもらえないよな
マスゴミのネタとして出るかもしれんが
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