私的良スレ書庫
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元スレさやか「全てを守れるほど強くなりたい」
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さやかうざいか?
どんだけアニメなり二時創作に入り込んで観てんだよ…きm乙!
どんだけアニメなり二時創作に入り込んで観てんだよ…きm乙!
今日は日曜日だ。
さやか「……」
懐かしい夢を見た。
最近は良く見る、煤子さんとの日々の夢。
どうしてだろう、思い出してしまうのだ。
最近、どうしてかな……。
さやか「お?」
ふと、頭の中で二つのかけ離れたピースが結びついた。
そういえば、煤子さんとほむら、よく似てる気がする。
雰囲気は煤子さんの方が断然柔らかくて、髪も結んでいたけど、似ている。
さやか「……」
煤子さんとは一ヶ月くらい、ほぼ毎日会って、一緒に遊んでもらったり、色々なことを教えてもらっていた。
子供の一ヶ月は長い。その中の出来事全てを覚えているわけではない。
さやか(でもほむらの顔、煤子さんとそっくりだよなぁー…?)
暁美 煤子。
さやか「お姉ちゃんなのかな」
だとしたら?
さやか「……」
煤子さんは病気に罹っていたと聞いた。
別れ、消息を絶ってからは一度も会っていない……。
さやか「……」
もしも煤子さんがほむらのお姉ちゃんなのだとしたら。
煤子さんは……ほむらのお姉ちゃんは……。
毛布を跳ね上げ、パジャマを脱ぐ。
私服に着替えて、……ああそうだ、携帯を開いてなかった。
着信なし。うん、なるほど。
今日の予定は特に無し、ってことだ。
さやか「……煤子さん」
そう。
思えば、煤子さんとほむらは瓜二つ。
接点なんて少しもないかもしれない。
推測なんておこがましい。私のただの想像にすぎない。
さやか「……けど、あの人に少しでも近づきたい」
また会いたい。
会えなくても、彼女の片鱗に触れていたい。
燻っていた心に火が点いた。
さやか「行ってくるっ」
私は走り出した。
乙!
本人なのか平行世界からループの果てに漂着した別時空の存在なのか
本人なのか平行世界からループの果てに漂着した別時空の存在なのか
あの場所へ行くには、坂を上らなくてはいけない。
その前にちょっとだけ走る必要もある。
小さな子供の基礎体力を作るには丁度良い距離だし、車も通りにくい絶好のコースだ。
それに今更気付いた。
さやか(あれから……)
煤子さんと別れてからは、この道を走っていない。
あの日々では嫌になるほど走った道なのに。
理由はわかる。走るとあの人を思い出し、切なくなってしまうのだ。
だから私はコースを変えたのだ。
背の高い林。
30分に1台の自転車が通る曲がり角の、5人分のベンチ。
さやか「……」
いるはずがないのに、そこへたどり着いた私は落胆した。
誰もいないベンチの上には、誰かが置いていった缶コーヒーがある。
振れば、中身は無かった。
さやか「そりゃ、そっか」
缶をゴミカゴに放り投げて、ベンチの上に横になる。
さやか「…」
日を透かした広い葉。
薄く延びた雲。
まるで、あの頃に戻ってきたみたい。
さやか「……よし!」
ノスタルジックになる前に決心した。
さやか「ここに来ても手がかりなんて無い、ほむらを探そう」
私の中にある唯一の手がかりはここだけ。
あとはほむらのことなど、一つも知らない。
けれど、休日にじっとしていられるほど私は我慢強くない。
99%無駄なことだとしても、1%の無駄じゃないかもしれない事のために行動することも、時には必要なのだ。
さやか「何故なら今日は、暇だからー!」
私は一人笑いながら坂を駆け下りた。
ほむらを思い出す。
自己紹介らしい自己紹介はなかった。
わかるのはその姿と、優秀さと、胡散臭さ。
転校生なんて二日も経てば何かしらわかるはずなのに、好きな食べ物も趣味もわからない。
魔法少女だっていうことくらいしか……。
さやか「あ?」
人気のない道の途中に立ち止まる。
そうだ。ほむらは魔法少女じゃないか。
蛇の道は蛇に聞くべきでしょう。
さやか「……えー、ごほん」
まずは咳払い。
さやか「……きゅーうべー……」
ぼそりと声に出して呼んでみた。
しかし、現れない。
さやか「……願い事決まったよー……」
QB「本当かい?」
さやか「うっひゃあ!?」
さすがに腹の底からびっくりしましたよ。
乙
相変わらずの呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーンな感じだなww
相変わらずの呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーンな感じだなww
さやか「す、すす、すごいねキュゥべえ、ていうかどっから沸いたの?」
QB「呼ばれたから来たのに、僕は虫か何かかい?」
さやか「ごめんごめん」
キュゥべえのふわふわな体を持ち上げ、肩の上に乗せる。
猫くらいの重さはあるかな、と思ったけれど、意外と軽い。ハムスターでも乗せているような気分だった。
さやか「悪いねキュゥべえ、ちょっと聞きたいことがあってさ、願い事が決まったわけじゃあないんだ」
QB「なんだ、残念だな」
残念そうな声だけど、顔は相変わらずの無表情だ……。
さやか「ねえキュゥべえ、ほむらがどこにいるか知らない?」
QB「ほむらを呼ぶために僕を呼び寄せたのかい?」
さやか「いやーほんとごめん、通信士だと思ってさ!」
QB「テレパシーの中継役も同じようなものだけどさ……残念だけどさやか、それはできないよ」
さやか「え、なんでー」
キュゥべえを両手に持ち、とぼけた顔を正面に見据える。
QB「僕が通信士というのは良い喩えだよさやか、向こうが僕のテレパシーを受け取ろうとしなければ、何の反応も掴めないんだ」
さやか「着信拒否?」
QB「電源を切っているといっても良いかもね」
さやか「音信不通かぁ……」
行く宛てがないので走るわけにもいかない。
仕方が無いので、無用の呼び出しを食らったキュゥべえと並んで、日曜の閑静な道を歩く。
QB「ほむらと会って、どうするつもりだい?」
さやか「んー?どうするって、話すだけだよ」
QB「あんまりお勧めはしないよ……」
さやか「なんでさ?」
QB「彼女はイレギュラーだよ、僕は暁美ほむらと何の契約も交わしていないのに、紛れもなく魔法少女なんだ」
ん?と、私の上に思考の低気圧が生まれる。
さやか「キュゥべえ、ほむらと契約してないの?」
QB「うん、何故彼女のような魔法少女がいるのか、まったくわけがわからないよ」
さやか「……」
QB「だからほむらには注意したほうが良いよ、さやか」
しばらくは雲を見上げながら歩いた。
上の空で考えるために。
マミ「あら?」
QB「やあ、マミ」
さやか「こんにちは、マミさん」
手がかりひとつ掴めなかった私は、寂れたケーキ屋の手前でほむら捜索を諦めた。
月曜日がやってこないわけじゃないのだ。
当たり前の日々のサイクルを、甘いものと一緒に摂取しようと考えたのだ。
陳列されたケーキを見た私はマミさんの部屋のキッチンにバニラエッセンスの瓶があったようなことを思い出し、そうだマミさんちに行こうということで、やってきたのだった。
そりゃあもちろん、ケーキを見てマミさんの部屋で飲んだ紅茶の味を思い出したということもあるんだけど…。
マミ「うふふ、日曜日はさすがにいいかなとも思ったんだけど、どうしたの?」
さすがにいいかな、とは魔女退治のことだ。
普通の休日にまで気を張ることはないというマミさんの配慮から、今日は魔女退治見学は無しになったのである。
マミ「ん、美味しいケーキね」
さやか「あは、ですね!へへへ」
もんすごくうまい紅茶を啜りながら、美味しいケーキ。
日曜日にピッタリの昼下がりだった。
さやか「細い道にある小さなお店のケーキで、周りのお店に押されて値段が2年くらい前から吊り上がり続けてるんですけど、味は最高ですよ」
マミ「へぇー…見滝原のお菓子屋さんには詳しいつもりだったけど、初耳だわ…」
予想通り、マミさんはデザートが好きらしい。
持ってきてよかったー。
さやか「はい、今日は悪いねぇ」
QB「やった」
というわけで今日の苦労人、キュゥべえ君にも一口おすそわけ。
マミさんは微笑ましく見つめていた。
まどかマギカSSと思い開いて>>1だけ見て違うと思い他のレスを軽く見てたらまどかマギカSSだった
乙
ここの>>1は雷句誠先生みたいに布団に入りながら投稿しているのかな?
ここの>>1は雷句誠先生みたいに布団に入りながら投稿しているのかな?
マミ「暁美さんの居場所?」
フォークを唇に当てて、マミさんの首は傾いた。
さやか「はい、同じ魔法少女として知らないかなって」
マミ「魔法少女同士といっても、わからないわね……魔女の反応をたどっていけば会えるかもしれないけど」
さやか「あ、やっぱり魔法少女同士でもわからないもんなんですね」
マミ「そうねえ、テレパシーの範囲にも限界はあるし、そもそも魔法少女と付き合ったこともそう多くはないから、わからないの」
検証しようと思ったこともないわ、とマミさんは3つめのショートケーキのイチゴを片付けながら言う。
マミ「でも美樹さん、どうして暁美さんに?おせっかいかもしれないけれど、公ではない場所で彼女と接触するのは危険よ」
QB「うんうん、マミからも言ってよ、どうも興味があるみたいで、危なっかしいんだ」
たしなめるような目を向けてきたので、ついつい背けそうになってしまう。
どうしても癖で、しっかり見返してしまうんだけど。
さやか「…んー、マミさん、本当にほむらの事が危なく見えるんですか?」
マミ「見えるわよっ」
QB「きゅぶ」
目の前に白猫が突きつけられる。
さすがにたじろいだ。
さやか「そりゃあキュゥべえがぼろぼろだったのはほむらがやったかもしんないですけど……」
キュゥべえを受け取り、ほっぺをむにむにする。
うにょうにょと皺を作る顔は、表情を持ったようで面白い。
マミ「美樹さん随分と弁護するけど、あれには意味があるっていうの?」
ありそうじゃないですか。なんて口にしたいんだけど、なかなか言える言葉ではなかった。
仕方ないのでガラステーブルの裏面に、皺を寄せたキュゥべえの顔を押し付けてみる。
QB「ぎゅぶぶ」
さやか「チャウチャウ」
マミ「やめなさいっ」
グラニュー糖のスティックでピシャリと叩かれた。
なんとなく、ほむらがキュゥべえをいじめた理由を掴んだ……かもしれない。
マミ「魔法少女は、みんなの日常を守る存在なの」
胸の中のキュゥべえを優しく撫で、マミさんは語った。
マミ「大きな力はつい、振るってしまいたくなるかもしれないけど……それはいつだって、正しい方向で使わなくてはダメ」
マミ「たとえ10回助けられたって、1回の不信を抱けば……守られる側の人は、怯えてしまうわ」
マミ「信用を築くことだって、魔法少女として大切な能力だし……」
逆を言えば、それしか頼れないのよ。
マミさんはそう言った。
命と力に直結する損得勘定。
私は魔法少女の世界での厳しさを知った。
さやか(確かにマミさんの言うとおりだ)
何かある感じがする。きっとそこまで悪い人じゃない。
……そんな曖昧な理由じゃ、背中を見せることなんて、できないんだ。
さやか(じゃあほむらは、一体?)
それはきっと、明日、明らかになるんだろう。
悩みを抱えたまま明日はやってきた。
何の悩みかって?色々あるのです。
部活とか。
まどか「あ、竹刀持ってきたんだ」
教室の中で、一際目立つ竹刀を掲げてみせる。
さやか「うん、予備の一本!これをなくしたらマズイ!」
一昨日の魔女退治に持ち込んだ聖剣ミキブレードは、マミさんの魔法の力によって本物の聖剣へと生まれ変わり…。
そしてなんだかんだで……その、取り残されて消えた。
まどか「剣道部、入るつもりなんだよね?」
さやか「うっ!?その目はなによ!?」
疑わしいと言いたげな、あからさまな上目遣いだった。
けどそれに見透かされているからこそ、私の心は揺らいでいることも明らかなのだ。
さやか「……どうしよっかね、悩んでるんだよ、まだしばらくね」
まどか「どうして?」
さやか「んー……勢いでやめちゃったところもあるんだけど、これからのこともあるしさ」
まどか「あ……」
そう。魔法少女になれば、きっと部活との両立は叶わないだろう。
部活に入りたいとは思う…けど魔法少女になるかもしれないと揺らいでいる以上は、決断をするべきじゃあない。
ならどうして、剣道用具を持ってきたのかって?
……気分です。
音も無く彼女は入ってきた。
ほむら「……」
まどか「あ……」
さやか「うし」
まどか「あ」
長髪をひらりと翻す優雅な様を見て、私の足は勝手に動き出した。
ほむらが自分の席に座ろうとする前に、私もそこへたどり着いた。
ほむら「何」
さやか「いやいや、そんな転校生に圧力かけてるとか、そういうんじゃないから!楽にして訊いてて!」
ほむら「……」
どの道、自分の席の前だ。彼女は自分の席に座りたい。
私は話が長くなるからと座るように促す。
なんとなく、私の話を聞かなくてはいけないモードの出来上がりだ。
ほむら「……聞きたいことって、何」
さやか「んー、ちょっと、ほむらについてなんだけど」
ほむら「部活には入ってないし、シャンプーは普通の石…」
さやか「ああ、そういう自己紹介でするような事でもなくてさっ」
“せっ”というものに多少追求したい気配が感じられたが、後回しだ。
さやか「あのさ」
出したかった言葉。聞きたかった答え。鼓動が早まる。
さやか「ほむらって、お姉ちゃんいる?」
ほむら「はっ?」
珍しい顔で見返された。
素で驚くほむらの表情だった。一瞬、“脈ありか?”とも思ってしまった。
さやか「い、いるの?」
ほむら「いえ……そんなこと聞かれたのは初めてだったから」
さやか「……えっと、ススコ、っていう人、親戚とかでもいない?」
ほむら「ススコ…?いないけれど……」
さやか「そか」
そっか。いないんだ。
さやか「いやぁ、もしかしたらなーくらい思ってたんだけど、勘違いかぁ、ごめんね!」
ほむら「そう……」
いないのか。
他にも、キュゥべえについて聞きたいことはあった。
魔法少女についても、もちろん、ほむら自身のことについてだって、興味は沢山ある。
けど、全ての興味が、根こそぎに流されてしまったんだろう。
私の心に深く根ざしていた、思い出の残り粕と一緒に。
さやか「……」
その日の授業では、ぼんやりと空を眺めていた。
煤子さんのことを考えようとしたけど、理性がそれをやめた。
私の頭の中にかかる霧は晴れず、私の思考回路を迷わせるのだ。
もう、そこへ行ってはならないよ、と。
大人になってしまった子供が、妖精の森に入れなくなってしまうかのように
さやか(……恭介んとこ、いくかな)
ちょっとぶりに、あいつの顔を見に行こう。
買ったCDも聞かせてやらなくちゃ。
今日はマミさんの魔女退治見学。
その前に恭介に会うことにした。
少し遅れると、マミさんには伝えてある。
まどか「上条君喜ぶね」
さやか「うん、だといいんだけどね」
音楽の感性なんて私には備わっていない。
そりゃあちょっとは聞いて耳も慣れたが、恭介に敵う程であるわけもない。
私なんかが選ぶ曲で満足してもらえるかどうか、ちょっと不安だ。
さやか「まあせっかく私が行ってやるんだし!お世辞でも喜んでもらうけどねっ!」
まどか「あはは」
さやか「よっす」
恭介「さやか」
部屋に入ると、来るまでに呆けていたであろう恭介の表情が、少しだけ明るくなった。
荷物をやたら沢山並んでいる椅子のひとつにどかっと乗せ、私は恭介のベッドの端に座る。
恭介「来てくれたんだ、ありがとう」
さやか「そろそろ私が恋しくなる頃かなーって思ってね!」
恭介「あはは、まあね」
さやか「む、そういう大らかな受け止め方されると私が恥ずいだけじゃんか」
それでも朗らかに笑う恭介には内心で安堵し、カバンから例のブツを取り出す。
恭介「これは…」
さやか「そろそろ新曲聴きたいかなって、ね?」
恭介「ありがとうさやか、丁度聞きたいと思ってたんだ」
さやか「嘘ばっかし!」
恭介「ほんとだよ?」
ああ、なんだかんだ。
恭介と一緒にいるのは楽しい。
CDウォークマンのイヤホンを分かち合い、互いに音楽を楽しむ。
視聴したときよりも音質が悪いのは、愛嬌だ。
恭介「……」
さやか「……」
横目に見ると、恭介の目は潤んでいた。
無力感に苛まれている彼の、静かな悲しみが見て取れる。
さやか(恭介の手も、願えば治せるんだろうな)
けど、私がそれを治してどうなるというんだろうか。
恭介が喜ぶ?喜ぶだろう。
でもそれでいいはずがない。
恭介の人生を無闇に操るなんて、そんなことはしたくない。
何よりも、私の願い事は、言っちゃあ悪いんだろうけど、恭介のためだけに使うようなものではない。
使う時が来るとするならば、それは……。
さやか「おまたせっ」
まどか「ん」
前にきつく恭介に言い聞かせてやった言葉がある。
入院して、症状を聞いたばかりの恭介は荒れていたけど、私の言葉で沈静化したと言ってもいい。
けれど最近はどうにも、内に溜めたやるせなさや悲しさが、溢れているようでもある。
さやか「CDじゃ励ましにはなんないよね……」
まどか「? 上条君、まだショックなのかな」
さやか「ショックは和らいだかも、けど受け止めたからこそ、辛いみたいなんだ」
まどか「……そうだよね、冷静になればなるほど、そうだよね……」
音楽に対する考え方を変えようとしても、やはり左手が動かないというのは痛手なのだ。
けど片手では演奏者にはなれない。それが彼の取り組んでいた音楽だったから。
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