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    元スレ姫「疲れた、おんぶして」勇者「はいはい」

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    751 = 706 :




    ―――――― パシュッ!!



    「!」


    メイド「きゃあっ!? ひ、姫様!? どうしてここに……」

    兵士「お、おい! 『光』が動き出したぞ!!」


    姫が光の中から出た時には、ラダトーム城の屋上にいた。

    そこから遠く彼方で唸る『闇』と、間違いなく姫がいた筈のリムルダールの町から輝く『光』を城の人間達が見守っていた。


    メイドが姫に近寄り、声をかける。


    メイド「ここは危険です! 中に入りましょう!」

    「……お願いメイド、見届けたいの」

    メイド「しかし……あれ」


    メイド「………まさか、あの光って……!?」


    振り向き、見上げた先でメイドは見た。

    最後の決着が、最後の幕が、戦いが終わろうとする瞬間を。


    752 = 706 :




    勇者「……竜王」



    【【 ・・・ 】】



    勇者「もう終わらせよう、これが俺の最後の一撃だ」

    勇者「お前が吸収した魔物達も含めて、俺が全て『地獄』まで連れて行く……!!」




    【【 ・・・!! ヴォオェアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!! 】】




    勇者「来い・・・竜王」スッ




    753 = 706 :










    勇者「  ―――――― 【【【 『マダンテ』 】】】 ―――――― !!  」









    754 = 706 :






      ・・・音は無かった。



      勇者を中心に展開された『光』はあらゆる魔力のベクトルを『破壊』に変え、飲み込んだ。



      当然、その効果範囲は竜王の『闇の衣』もまた例外ではなかった。


      アレフガルドの魔物全てを飲み込んだ究極の魔力は、全てベクトルを『破壊』に強制された。



      結果、光は巨大な破壊魔法と化し……リムルダールの海岸を含んだ陸を削り、巨大な爆発に巻き込んだ。




      その中心にいた勇者がどうなるかなど、想像も出来ない。






    756 = 706 :



    伯爵王「いやあ明日が楽しみだ! いよいよだな」

    大臣「そうですな」

    伯爵王「思い出すなぁ、彼女と初めて出会った時を!」

    大臣「はて、どんな風に出会いましたかな」

    伯爵王「ふふ、いいだろうあれはたしか・・・」


    757 = 706 :



    メイド「失礼します」コンコンッ

    < 「開いてるわ」

    メイド「……」ガチャ

    「久しぶりね、メイド」

    メイド「……姫様、あの噂は本当なのですか」

    「なにが?」

    メイド「伯爵と明日結婚式を行うという話です!!」


    758 = 706 :



    「……本当よ」

    メイド「なぜですか! あんな男と結婚するなんて……」

    「メイド、私が今この部屋にいられるのはなんで?」

    メイド「は? 姫様のお部屋だからです……」

    「違うの、私は伯爵に正式に王位を渡したからよ」

    メイド「?」

    「今の私はね、ただの姫なのよ……城にいられるのは伯爵王の許しを得ているからなの」

    メイド「……それで、伯爵と結婚するなんて事になるんですか」

    「違うわ」


    759 = 706 :



    メイド「……何か、理由が?」

    「メイド、私ね」

    メイド「……」


    「……勇者の子供がいるの、お腹に」


    メイド「……………………え」

    「私1人じゃこの子供を無事には育てられない、だから伯爵と結婚してこの子を守りたいの」

    「……勇者が私を守ってくれたみたいに」

    メイド「……姫様」


    760 = 706 :



    < 翌日 >


    (……)ジャラッ

    (あの日から、もうずっと『愛』が光ってない)

    (そして……)


    メイド「姫様、綺麗ですよとても」

    (……こうして、結婚式を前にしても……)


    761 = 706 :



    「ね、メイド」

    メイド「なんですか?」

    「……勇者がいたら、綺麗って言ってくれたかな」

    メイド「勿論ですよ」

    「……そっか」


    762 = 706 :




    ―――――― 『 ヌゥ、まさかこの私が敗北するとは…… 』



    『さすがはたった1人で魔王を倒した事はあるようだ』

    『では、約束通りそなたの願いを叶えよう・・・』


    「ぴきーっ!! ぴぃ!」

    「!! 姫が伯爵と結婚……?」


    『どうかしたか』

    「すまない、出来れば急いでくれ」

    『……ならば少々おまけをしてやろう』


    「?」


    763 = 706 :



    ―――――― ゴォォン!! ゴォォン!!


    (……? どこかで聞いたような)


    メイド「もう、誰か間違えて鐘を鳴らしちゃったのかな」

    (鐘……)

    メイド「さ、姫様……私が先導しますから」

    「うん、ありがとう」


    764 = 706 :



    「すまない! 式場はどこだ!?」

    兵士「ダンスホールだが……」

    兵士「て、なんだお前!? 怪しい鎧を着た奴め!」

    「『スラリン』!」


    スラリン「ぴきーっ!!」ズドォッッ


    兵士「ぐあああ!?」


    765 = 706 :



    神父「汝、良き夫として・・・」

    < 「警備兵が三名やられた、来てくれ」
    < 「なに?」
    < 「敵はスライム一匹らしい」
    < 「魔物は3ヶ月前に絶滅したんじゃ…」


    伯爵王「~! 騒がしいぞ!! 何事だ!」

    兵士「それが……」


    「……スライム?」


    766 = 706 :



    < 「ぐあああっ!」


    兵士「!」

    伯爵王「な、なんだ!?」


    < ざわ・・ざわ・・・


      キィィン!! キィィン!!


    「光ってる……!!」

    メイド「きゃ! なんですかそれ!?」


    767 = 706 :




    ドバーン!!


    スラリン「ぴきーっ!!」ぴょん

    兵士「うわ! 魔物だ!」

    兵士長「囲め!! 槍兵前へ!」


    スラリン「ぴっ、ぴい……」じりっ


    768 = 706 :




    「『ラリホーマ』」


    < キィン・・・


    兵士「あ、あふん?」

    兵士長「魔法……だ、と」ドサッ


    「やれやれ、危なかったなスラリン」

    スラリン「ぴきーっ♪」


    769 = 706 :



    勇者「 迎えに来たぞ、姫! 」



    「勇者っ!!」


    伯爵王「~~!? おのれ、であえ、であえ!」

    < 「そこまでだ、伯爵」

    伯爵王「?」


    王様「その男は私を殺し、王の座を奪おうと企んだ男だ!」


    「お父さん!?」

    メイド「何がどうなってるの!!?」


    770 = 706 :



    伯爵王「くっ……こうなれば!」バッ

    「ひゃあっ!?」


    伯爵王「姫の命がおしければ全員うごく……


    メイド「せぃやァッッ!!」

    ドゴン!!

    伯爵王「ぐへぇ!?」


    ドサッ


    メイド「アンタが悪者ってわかったからには、容赦しないんだから!」スタッ


    771 = 706 :




    勇者「……」

    「勇者……」


    勇者「3ヶ月も待たせて、ごめんな……」

    「ううん、ずっとはやかったくらいだよ……」ポロポロ

    勇者「……」なでなで


    王様「よくぞ世界を救い、国を救ってくれたな……勇者よ」

    勇者「王様! 本当に生き返ったんですね」

    「勇者が生き返らせたの?」


    王様「うむ……まさか神との戦いに勝って私とそなたを蘇らせようとは、伝説として語るに相応しい勇者だ」


    772 = 706 :



    王様「ところで、勇者よ……」

    王様「私も年だ、何よりこのアレフガルドを救ったそなたこそ、王に相応しいのではないか」


    勇者「……」くすっ

    「勇者?」


    勇者「王様、申し訳ないが俺にはずっとやりたかった事があります」

    勇者「それは時期のせいで不可能でしたが、今なら可能なのです」

    王様「それはなにか」



    勇者「……」がしっ

    「え?」


    773 = 706 :




    勇者「姫はッッ!! 俺が貰っていく!!」ぎゅっ



    王様「なっ……」

    メイド「えぇぇっ!?」


    勇者「はっはっはー!! 国の王なんかにはならない! 俺は姫と一緒に幸せになるんだー!!」

    「……////」


    勇者「それでは皆さん! お元気で……あ、メイド」

    メイド「はい?」

    がしっ

    メイド「え」


    勇者「『ルーラ』!!」





    ―――――― シュバァッッ!!





    王様「……なんと豪快な」


    774 = 706 :



    ―――――― シュバァッッ!!


    メイド「ひああ……そ、空飛んだの初めてですよぉ」

    「慣れると楽しいよ♪」

    メイド「……あはは」


    勇者「……姫、話があるんだ」

    「……なにかな」


    メイド(お……)


    勇者「……俺と結婚してくれ、今度こそずっと一緒にいてくれ」

    「いいよ」


    勇者「……////」

    メイド(そ、即答……!?)


    775 = 706 :



    「……ふふん、ごめんねメイド付き合わせて」

    メイド「いえ、お幸せに……」

    「じゃ、まずどこいく?」

    メイド「えっ」


    勇者「姫の行きたい所ならどこでも」

    「うーん……あっ」


    776 = 706 :







    「疲れたから、おんぶして♪」



    勇者「……はいはい」





    777 = 706 :

    ご愛読ありがとうございました

    月曜日か明日明後日の午後にHTML化と質問受付をします


    おやすみなさいっ!

    779 :

    えんだあああああああああああああああああああああああああ

    780 :

    超乙!
    いろんな意味で勢いが素晴らしかった

    781 :


    楽しませてもらったよ
    ゾーマの所がヤバかった

    782 :

    盛大に乙!

    783 :

    うわあああああおおお乙ぅうううう!
    話の盛り上がりや展開が神がかってすごかった

    素敵な物語をありがとうございました

    784 :

    ( ゚Д゚)<スゲェ
    マジ面白かった

    やっぱ王道は素晴らしい、盛大に乙でした

    786 :

    えんだあああああああああああああああああああああああああ!!

    787 :

    乙!
    神様にも勝つのかww

    789 :

    面白かった

    790 :

    いやああああああああああああああああえああ

    791 :



    いいスレタイ回収だ

    792 :

    乙!
    楽しかったよ!!

    793 :

    乙!
    よく分からんこともあったけど面白かった!
    やっぱハッピーエンドは最高だ!

    794 :


    今まで見た中で1番の良SSだったぜ

    795 :

    あ、他に書いたやつ頼む

    796 :


    良かったよ

    797 :

    これはいい

    798 :

    映像化して売れるよ、マジで

    799 :

    こんにちは>>1です

    とりあえずHTML化依頼は月曜日の他スレを再開するタイミングでやろうと思ってます

    >>795
    じつはマトモに完結させたのはこれが初めてですww
    他に書いてますが、この勇者×姫に全力を注いだせいで1ヶ月停滞してます……


    >>793のように何か質問のある所は今か明日の同じくらいに回答します。

    質問が無くても月曜日までは完結させた余韻に浸ります。

    800 :

    とりあえずそのスレを教えてくれ


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