元スレ姫「疲れた、おんぶして」勇者「はいはい」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
102 = 98 :
王様「……いよいよ明日、舞踏会か」
大臣「姫様の晴れ舞台ですな」
王様「晴れ舞台? とんでもない、娘にとって最悪の日になるに違いない」
大臣「王様、何を言うのですっ」
王様「そうだろう? 姫は愛してもいない男と、国の為に、そうだ……政略結婚する約束を交わすのだぞ」
大臣「し、しかし王様! 姫様もきっと王族として産まれたからには理解しているはず……」
103 = 98 :
王様「理解はしていても、姫の心は納得はせぬ」
王様「知っておるはずだな? 姫は勇者と共にいる時だけまるで生きているような表情をしている」
大臣「…………」
王様「伯爵の事だ、姫を独占し、近くに置くつもりだろう」
大臣「……王様、ならばあなたは何も悔やむ必要はありません」
王様「いいや!! 私だ! 私が娘から生も希望も夢すらも奪ってしまうのだ!! この汚い玉座のために!」
大臣「……王様」
104 = 98 :
「 よく来た……勇者よ 」
「 我こそが竜王……竜族の王にして、全ての覇を司る王だ 」
「 我は待っていたのだ、そなたのような強き若者をな…… 」
「 どうだ? 我が配下に加わらぬか、そなたの力も、大切なその姫も渡すのだ 」
「 そうすれば、そなたには世界の半分をやろう……闇に染まった絶望の世界をな 」
「 さあ……そなたの答えを聞かせて貰おう……! 」
105 = 98 :
勇者「……!!」ばっ
姫「勇者、大丈夫なの?」
勇者「………」
姫「な、何よそんな顔をして……怖い夢でも見たの?」
勇者「……そうみたいだ」なでなで
姫「大丈夫?」
106 = 98 :
姫「今日は満月、舞踏会の日ね」
勇者「……そうだな」
姫「なによ? まだ暗い顔して」
勇者「……ちょっと現実味がなくてさ、舞踏会で伯爵と姫が踊った後に婚約するんだろ」
姫「分からないわよ、私の 体質 はアンタが理解してるでしょ」
勇者「まあな」
姫「だから、きっと大丈夫よ」
107 = 98 :
姫「勇者ー、もう着替えるの?」
勇者「姫は王族だから、先にダンスホールで王様と待ってなきゃダメなんだと」
姫「退屈ね、私そういうの嫌」
勇者「知ってるよ」
メイド「所で勇者さん早く出て行ってくれません? 姫様にドレス着せたいんですが」
108 = 98 :
急な仕事が入ったから今日はこれで終わりなの
110 :
姫がさらわれたのは、メイドがフラグを立てたからか…
メイドGJ(`・ω・)b
112 :
姫「……勇者から聞いてるわ、ドレスの見た目は」
メイド「そうですかー」
姫「だから私はどんな物でも覚悟出来てる」
メイド「なるほどー」
姫「あの、だから……目隠しとっていい?」
メイド「ダメです」
113 = 112 :
姫「…………」
メイド「どうですか、姫様にピッタリじゃないですか?」
姫「メイド、これって……」
メイド「私が自作したドレスですよ、動き易くて軽いでしょう」
姫「でもっ、お父様のドレスは……!」
メイド「今頃私が飼い慣らした野良猫達がビリビリにしてますよ♪」
114 = 112 :
勇者「おぉ、似合うけどそのドレスなんだ」
姫「メイドが作ってくれたみたいなの! 似合う? 似合う?」
勇者「はいはい……」なでなで
勇者(……メイド)
メイド(せめて姫様らしい姿で今日の舞踏会に臨んで頂きたかったんです)ひそひそ
115 = 112 :
メイド「では私は姫様をダンスホールまで連れて行きます」
勇者「いや、俺が行くよ」
メイド「そうお願いしたかったのですが、勇者さんに宝物庫の安全確認をしろと王様が」
勇者「王様が? わかった、直ぐ追いつくよ」
姫「……勇者」
勇者「はいはい、緊張するなって、まだまだ時間あるし」なでなで
116 = 112 :
勇者(宝物庫かー、久々に来たな)
勇者(……ん、錠の確認良し)ガチャガチャ
勇者(戻るか)くるっ
伯爵「こんにちは」
勇者「!」
兵士「動くな」シャキン
兵長「勇者殿、貴方を拘束させて頂く」
117 = 112 :
勇者「……兵長、アンタいつから伯爵の手下になった」
兵長「勇者、悪いがこれは王様の意志だ」
勇者「なんでだよ」
伯爵「貴方が婚約の儀式に邪魔を入れると、私と王様が判断したのですよ」
勇者「儀式? ……婚約を姫に申し込むんじゃ」
伯爵「おや、貴方はそれなりに博識だと聞いてましたが、まだまだ子供らしい」
118 = 112 :
兵長「……伯爵様、勇者は私の甥みたいなもの……どうか儀式については語らないで頂きたい」
伯爵「ふふ、そうですね……野蛮な一族の子孫など怒らせたくもない」
勇者「なんだよ! 姫に何するつもりだ貴様ァッ!!」
兵士「動くな!!」ドガッ
勇者「……っ!」ドサッ
伯爵「……無様ですねぇ、さっさとこの男に猿ぐつわと手足に枷を」
兵士「はっ」
119 = 112 :
勇者「……っ」
兵士「立て、妙な動きをすれば首を跳ねる」
兵長「よせ……今夜だけだ」
兵士「……」
伯爵「ああ、待ちなさい」
勇者「……?」ギロッ
伯爵(おやおや怖い、ですが何も出来ないでしょう? 王様が決めた事なんですから)ひそひそ
伯爵(せいぜい牢の中で想像するんですね……姫の処女が私に散らされる様を)くすっ
勇者「~ッ!!」ガタッ
120 = 112 :
ドガッ!!
勇者「………っ」
兵士「……頼む勇者、動かないでくれ」
勇者(畜生……っ)
兵長「我慢してくれ勇者、お前の辛さはよくわかる……」
勇者(誰も、姫の事を考えてくれないのか……畜生!!)
121 = 112 :
姫「勇者、遅いなぁ」
メイド「もしかしたら宝物庫の宝箱を一つ一つ確認してるかもしれませんね」
姫「舞踏会までに間に合う…かな」
メイド「間に合いますよ、勇者さんですから」
姫「緊張してきた……」
メイド(勇者さんいないと姫様って借りて来た猫みたいで可愛い)
122 = 112 :
兵士B「あーあ、なんで俺達は外壁の見張りなんだ」
兵士C「貴族やあの伯爵様が、王様の下に集まったんだ、仕方ない」
兵士B「でも貧乏くじだよなー、見張りって四方の見張り塔に2人ずつの合計8人しかいないんだぜ」
兵士C「文句言うなよ……俺まで悲しくなってきた」
兵士B「西側の見張り塔もそんな気持ちだろうな」
兵士C「なんで」
123 = 112 :
兵士B「だって、見ろよ……2人共突っ伏してら」
兵士C「……寝てないだろうな、起こすか」
兵士C「おーい!! 見張りなんだからシャキッとしろシャキッと!!」
兵士B「……」
兵士C「……反応ないな」
124 = 112 :
兵士B「な、なんかおかしくないか? 東側の見張り塔も同じだぞ……」
兵士C「…………」
兵士C「ま、まずい! 鐘を鳴らせー!!」
―――――― ドシュッ
兵士B「え、え……」
しにがみのきし「……シー」ブンッ
―――――― ドシュッ
125 = 112 :
メイド(……遅いわね、勇者さん何してるんだろ)
姫「メイドっ、もう舞踏会が……!」
メイド「すみません姫様、勇者さん探して来ます!」
< 「ではこれより、ラダトーム王家による舞踏会を……」
姫「は、始まったわよ?」
メイド「急ぎます! しばしお待ち下さい姫様!」たたっ
126 = 112 :
メイド「もう、勇者さんどこ行ったのかな……」
メイド(……まさか)ピタッ
メイド(勇者さんなら、姫様の幸せを一番に願うかもしれない)
メイド(だとしたらこれは勇者さんが姫様に伯爵と婚約させるための、わざと?)
メイド(……)
127 = 112 :
姫(……うわぁ、伯爵がこっちに来る)ビクビク
姫(どうしようどうしよう……勇者は? メイドは?)
姫(…………怖い)ビクビク
伯爵「こんばんは、姫様」ニッコリ
伯爵「私と踊って頂けますかな?」
姫「…………………ぁ…は、はい」
128 = 112 :
勇者(……どうしたら)
勇者(どうしたらいい? 姫……こんなの、酷すぎる……)
勇者(何かないのか…)
―――――― ビリィッ
勇者(!?)ビクッ
勇者(……今、【誰かが死んだ】……?)
129 = 112 :
メイド「はぁ……宝物庫にもいないなんて、どうなってるのかな」
メイド(……やっぱり姫様のために?)
メイド(だとしたら説教しなきゃね、姫様の気持ちはともかく勇者さんは姫様が好きなんだから)
メイド「うーん、でもどこに…………」
フッ
メイド「? あれ、なんで急に灯りが全部………」
130 = 112 :
勇者(……来る!!)
勇者(間違いない、何かとても大きな何かが……近づいてる!!)
勇者「うおおおおお!!」バギィンッ
兵士「勇者!? 何をして……」
131 = 112 :
―――――― ドゴォオオオオオオッッ
王様「なっ、何事か!?」
姫「きゃあっ!」
伯爵「今のはなんですかな…!?」
―――――― ゴバァアアアン!!
王様「ぬぉぉ!?」
132 = 112 :
―――――― 【 我に平伏すがいい、人間どもよ・・・! 】
姫「………ひ」
伯爵「魔物!? それも、巨大なドラゴン!?」
―――――― 【 クックック、そなたが美しきラダトームの王女か 】
姫「ひっ……ぁ」へなっ
―――――― 【 美しい、我が妻に相応しい美貌よ……! 】
―――――― ガシィッ
姫「ひゃぁぁ!? 誰かぁ!」
133 = 112 :
―――――― 【 我が忠実なる兵士よ! 邪魔する人間どもを喰い殺すがいい! 】
しにがみのきし「……」ガシャッ
大魔導「……」
兵士「姫様を守れー!!」
ガブッ
ダースドラゴン「……ゲフッ」
兵士「うわあああ!」
兵長「逃げるな! 戦えー!!」
134 = 112 :
おやすみなさい
135 :
乙
良いところで切りやがる
そして竜王ナイス
136 :
おやすみ
137 :
福岡県が手打ちなのがすごくどうでもいいけど気になる
138 :
竜王gj
139 :
今日ほど竜王が素敵に思えたことはないなww
140 :
竜王△
141 :
竜王△
142 :
竜王△
143 :
竜王△
144 :
竜王△
145 :
竜王△
146 :
龍王△
147 :
伯爵(ひぃっ、はぁ……なんなんだあの魔物達は!)
伯爵(ラダトーム王家の兵士達すら蹴散らす力……なんなんだこれは、悪夢なのか……)
伯爵(……!)
王様「……だ…れか いないのか……」
伯爵「ラダトーム王! ああなんと……瓦礫に挟まれているではないですか!」
王様「は、伯爵か……助けてくれ……」
148 = 147 :
伯爵「勿論ですとも、さあ私に掴まって……」
伯爵(!)ピタリ
王様「どうした……はやくたのむ」
伯爵(……もしも)
伯爵(もしもここで私が王を亡き者にすれば?)
伯爵(王妃は既に亡くなっている、姫はあの巨大な魔物にきっと殺される)
伯爵「………ははっ」チャキッ
王様「なっ……なにを?」
149 = 147 :
兵長「うぉぉ!?」ドサァッ
しにがみのきし「……シー」ガシャッ
兵長「おのれ……まるで刃が立たぬとは……」
しにがみのきし「……」ブンッ
スカッ
しにがみのきし「……?」
150 = 147 :
メイド「はぁっ…はぁっ、兵長さん無事ですか!?」
兵長「メイドか? 危険だ! すぐに逃げろ!」
メイド「分かりました! っ!?」ズキッ
メイド(今のダイブで足を捻った? 立てないっ)
しにがみのきし「シッ!!」ビュッッ
兵長「メイド!!」
メイド「!?」
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