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    元スレ男「…へ?」 お嬢「ですから」

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    1 :

    ~ホテルのパーティー会場~

    ガヤガヤ ガヤガヤ…

    『あら、素敵な指輪ですわね』

    『ふふふ。お父様に買っていただいたのですわ』

    『羨ましいですわ。私、今回は間に合わなくて去年と同じ指輪を~~~』

    お嬢「…ふぅ…」

    お嬢(どいつもこいつもくだらない自慢ばっかり…)

    お嬢(そのくせ笑顔なんだよなぁ…まるで仮面被ってるみたいだ…)



    SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1335448583(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)

    2 = 1 :

    『あら、お嬢様。ご機嫌が優れないようですけど?』

    『あらあら、大変ですわ。どこかでお休みになられたほうがよろしいのでは?』

    お嬢「…そうですね。そうさせていただきます。失礼…」

    トテトテ…

    『…誰も心配なんてしてないですわ!』

    『そうですわ!あの○○財閥家の孫だって言うから気を使っているだけですわ!!』

    『お父様が仲良くしておけって言うから仕方なくお付き合いしているのですわ!』

    お嬢(全部聞こえてるっての!)

    3 = 1 :

    お嬢「…あ、もし」

    ホテルマン「はい」

    お嬢「外の空気に当たりたいのですけど…出口はどこでしょうか」

    ホテルマン「大丈夫ですか?外へ行くのならそちらのドアから出られますが」

    お嬢「ありがとう」ニコッ

    ウィーン…

    お嬢「んーっ!やっぱ外は気持ちいーっ!!」

    チラッ

    お嬢「…10分ほどブラブラしてくるかな?」

    お嬢 ♪~

    お嬢「…」

    お嬢「…あれ?」

    4 = 1 :

    ~同刻~

    「すっかり遅くなっちまった…早く会社に戻ろう…」

    「…近道するか」

    (こっちの路地を抜けて…)

    『ざけんじゃねーそゴルァ!!』

    男 ビクッ

    「い、今の…女の声…だな」

    『最新機種だろがああ!!』

    (…口が悪いな。どこのヤンキーだ?)

    『役にたたねーやつだなぁ!このボロスマホがぁ!!』

    (やばそうだな…近寄らないように…)

    『どっちにいきゃあホテルなんだよ!!』

    (ホテル?迷子か?…ちょっとだけ…覗いてみるか)

    ソー…

    5 = 1 :

    お嬢「どこなんだよここは!?どこ歩いてんのか分かんねーぞ!!」ベシベシ

    (…パーティードレスにロングヘアーか。なのにあの口の悪さ…)

    (お水系か?係わり合いにならないほうがいいな…)ソロー…

    ガツッ

    (あ!自転車!!)

    ガシャン!

    お嬢「!?」

    (…仕方ない…気付かないふりしてやり過ごそう)

    「あーあ。暗いから自転車に気付かなかったよ。はは…」サッ カシャン

    6 = 1 :

    お嬢「…あの!」

    (けど…本当に迷子だったらかわいそうだしな…試してみるか)

    「さて、早くホテルの前の会社に戻ろう」

    お嬢(ホテルの前の?じゃあついていけば帰れるんじゃない!?)

    男 スタスタ

    お嬢「あっ!」

    スタスタ

    トテトテ

    男 チラッ

    お嬢 ハアハア

    (ついて来てる…)

    7 = 1 :

    ピリピリピリ ピリピリピリ

    「電話か…もしもし。男です」

    お嬢(“男”って言うのか…)

    「あ、はい。ええ。あちらさんの勘違いでした。効果は出ていましたよ。はい。詳しくは帰社してから…では」Pi

    男 チラッ

    お嬢 フゥ…フゥ…

    (間をつめるでもなく休んでる…これはやっぱり迷子だな)

    (ちょっと遠回りになるが…しかたがない)

    スタスタ

    8 = 1 :

    お嬢「!」トテトテ

    (そこを曲がればホテルの正面だ)

    クルッ

    お嬢「!?」トテテテ

    お嬢(ホテルが正面に!?やった!!)

    男 スタスタスタ

    お嬢「あ!あのっ!もうし!!」

    男 スタスタスタ…

    お嬢「…あのビルに入ってった…」

    9 = 1 :

    執事「お嬢様!」

    お嬢「あ、ただいまかえりました」

    執事「『ただいまかえりました』ではございません!」

    執事「御帰宅の時間なのでお迎えに来ましたらお嬢様がおられないと!!」

    執事「どれだけ心配したとお思いですか!万が一のことがありましたら私めは…」

    お嬢「早くドアを開けてくださらない?」

    執事「お嬢様!話をお聞きください!!」

    お嬢「聞いています。でも私、疲れていますので早く休みたいのです。ドアを」

    執事「…分かりました」ガチャ

    お嬢「ありがと」バフッ

    10 = 1 :

    執事「はぁ…まったく…お嬢さまにも困ったものです…」バタン

    お嬢(さっきのオトコ…)

    お嬢(私をホテルの前まで連れてったら足早に消えてった…)

    お嬢(私のペースに合わせて歩いてたのかな?私が道に迷ったってわかってて…)

    お嬢「…面白いやつだな」ボソッ

    執事「何かおっしゃいましたか?」

    お嬢「いえ何も?」

    11 :

    期待


    続きはまだかね?

    12 = 1 :

    ~翌日~

    「…じゃ、お先です」

    オツカレー オツカレサマー

    (きょうは割りと早く帰れるから買い物して…ん?)

    リムジ-ン

    「…すごい車だな」

    ウィーン

    お嬢「ごきげんよう」ニコッ

    「…」

    (…誰だ?)

    スタスタスタ

    お嬢「あ、あの!もし!!」

    13 = 1 :

    >>11 ありがとうございます
    一服してましたwww

    14 = 1 :

    (無視無視)

    ブロロロロ

    (ついてくる!?)

    お嬢「もうし~。お待ちになってくださ~い」

    (大声で艶かしい声を出すな!)

    ヒソヒソ ヒソヒソ…

    (こっちのほうが恥かしい…くそっ!)

    「なんですか!?」

    お嬢「ようやく止まってくださいましたね。先ほどから何度もお声をかけていましたのよ?」

    15 = 1 :

    「…それで、なんの用ですか?」

    お嬢「昨日の御礼をしようと思いまして」

    「昨日の?えっと…」

    (ああ…あの迷子か?)

    お嬢「まあ、その若さで健忘症ですか?おかわいそうに…」

    「…そうかもしれませんね。では、病院に行きますので失礼します」スタスタスタ

    ブロロロロ

    お嬢「冗談が過ぎました。お待ちになってください」

    男 スタスタスタ

    16 = 1 :

    お嬢「…昨日、ホテルまで送り届けていただいた御礼をしたいのです」

    「あ、それなら気にしないでください。ついでだったので」

    お嬢「いいえ。そういうわけにはいきません」

    (しつこいな…だんだん周りの目が痛くなってきた…)

    ヒソヒソ ヒソヒソ…

    お嬢「車に乗っていただけませんか?さっきから上を向いているので首が疲れてきました」

    「…わかりました」

    17 = 1 :

    ~リムジンの中~

    お嬢「それで…」

    「なんですか?」

    お嬢「お望みのことはありませんか?」

    「家に帰りたいです」

    お嬢「…捻くれてますのね」

    (アンタほどじゃない)

    お嬢「…わかりました。お食事をご一緒しましょう」

    「あ、いえ。そんな訳には」

    お嬢「気になさらないで。これは昨日の御礼ですから」

    「はあ」

    (まあ、一緒に飯を食って気がすむんなら…)

    18 = 1 :

    【15分後】

    「…あの」

    お嬢「なんでしょう?」

    「どこに向かってるんですか?」

    お嬢「私も知りません」

    「はあ?」

    お嬢「執事に任せてますので」

    「執事さんですか?どこにいます?」

    お嬢「運転してます」

    (運転中か…邪魔しちゃ悪いし…こりゃ諦めるしかないな…)

    お嬢「どうなさいまして?」

    「…いや、なんでもありません…」

    19 :

    まさか…

    20 = 1 :

    ピリピリピリ ピリピリピリ

    「あ、電話。…失礼。もしもし?」

    「…え?…うん…なに!?」

    「うん…うん…え?…いや、客先には俺が行くから…うん…分かった」Pi

    「すみませんが、引き返してください」

    お嬢「何をおっしゃるの?」

    「会社でトラブルが発生しました。大至急対応する必要があるので会社に戻ります」

    お嬢「いけません。あなたはこのまま私と一緒に食事をします。会社に戻るのはその後でよろしいでしょ?」

    「ダメです!!」

    お嬢 ビクッ

    21 = 1 :

    >>19 お久しぶりですwww

    22 = 1 :

    「自分の顧客で発生したトラブルなんです!一刻も早く会社に戻って対応しなければならないんです!!」

    お嬢「そ、そんな大声を出さなくても聞こえます」

    「今ここで対応を間違えたら大事になるんです!会社の信用問題なんです!!」

    「だから自分が客先まで行って誠意を見せる必要があるんです!」

    「お願いです!今すぐ戻ってください!!」

    お嬢「…」

    「…」

    お嬢「…執事、戻ってちょうだい」

    「ありがとう!」

    23 = 1 :

    ~男の会社の前~

    「ありがとうございます」

    お嬢「覚えておいでくださいね?御礼がまだ終わっていないことを」

    「わかりました。それでは」

    お嬢「あ、もし!」

    「なにか?」

    お嬢「…な、なんでもありません!早くおいきなさい!!」

    「はい」

    タタタタ…

    お嬢「…」

    24 :

    このスレタイ…待っていたぞ

    25 :

    もすこす

    26 = 1 :

    ~リムジンの中~

    お嬢(男さん…さっきはいきなり大声出すからびっくりしたけど…)

    お嬢「なんでかな…」

    執事「何かおっしゃいましたか?」

    お嬢「いいえ?」

    ブロロロ

    お嬢「…ねえ」

    執事「なんでございましょう」

    お嬢「男さんは…どうしてあんなに慌てていたのかしら?」

    執事「サラリーマンとはそのようなものです」

    お嬢「どういうことかしら?」

    27 = 1 :

    >>24 お待たせしました

    >>25 牧歌詩人ですか?www

    28 = 1 :

    執事「彼らはリーダーを中心にチームを組んで仕事にあたります」

    執事「先ほどの電話の内容から察しますと、男さんはおそらくリーダーなのでしょう」

    お嬢「リーダー…ですか」

    執事「はい。ですからトラブルが発生するとチームに指示を出す必要があります」

    お嬢「電話で指示するだけでいいのでは?」

    執事「トラブル対応の時は顧客への説明などはリーダーが行います」

    執事「…お嬢様に無礼をはたらいた人が代理人を寄こして謝ったとして、お嬢様は納得できますか?」

    お嬢「…分かりやすいですね」

    お嬢(だからあんなに焦ってたのか…)

    お嬢(それにしても…私にあんな風に突っかかってきたのは男さんが初めてだ…)

    お嬢(…面白い。やっぱり男さんとじっくり話がしてみたい)

    29 = 1 :

    お嬢「ねえ」

    執事「なんでしょうか」

    お嬢「私、男さんとお話ししたくなりました」

    執事「…でしたら車でお誘いになるのはやめたほうがよろしいかと」

    お嬢「なぜ?」

    執事「目立ちますゆえ」

    30 = 1 :

    お嬢「それの何がいけないのかしら?」

    執事「お嬢様、男さんは目だつことがお嫌いなようです」

    執事「ですので今日もなかなかお嬢様のお誘いに乗られなかったのだと思われます」

    お嬢「でも乗ってきました」

    執事「半ば強引でしたが」

    お嬢「強要した覚えはありませんけど?」

    執事「…お嬢様、明日は車から降りてお誘いになってはいかがでしょう」

    お嬢「執事がそう言うなら…そうします」

    執事「私めはお嬢様のお近くにおりますので、ご連絡いただければすぐにお伺いします」

    お嬢「分かりました」

    31 = 1 :

    ~翌日・男のアパートの前~

    (結局徹夜だった…早く帰って寝よう…ん?)

    お嬢「あ!お待ちしておりました!!」

    「あの…なんでここに?」

    お嬢「お名前と勤めている所が分かっていれば、ちょっと調べれば分かることです」

    (まるでストーカーだな…)

    「…今日はあのリムジンは?」

    お嬢「あれは目立つので置いてきました」

    「そうですか…よかった…」

    お嬢(“よかった”って…やっぱ車はイヤだったんだ…)

    32 = 1 :

    お嬢「昨日は強引でした。ごめんなさい」

    「いえ、もう気にしないでください」

    お嬢「今日は男さんのご希望をお聞きします。何なりとおっしゃって」

    「あー、お礼なら昨日会社まで送ってくれたからもういいですよ」

    お嬢「それは私が強引に車に乗せたからです。当然のことです」

    お嬢「ですから、私はまだ男さんに御礼を差し上げておりません」

    (めんどくさい…)

    「…ではですね…」

    お嬢「はい」

    「寝たいです…」

    お嬢「…はい?」

    33 = 1 :

    「もう寝たいんです」

    お嬢「…………い、いきなり何をおっしゃるの!?」

    お嬢「は、破廉恥な!御礼をするとは言いましたけど、そんなことは許されません!!//」

    「何か勘違いしてるみたいですが…昨日はあれから徹夜でして」

    お嬢「…え?」

    「もう眠くて…早く布団にもぐって眠りたいんです」

    お嬢(そ、そっちの“寝たい”だったのか…//)

    34 = 1 :

    「ですから、御礼は明日以降にしてもらえませんか?」

    お嬢「い、いいですよっ!」プイッ

    (顔を真っ赤にして…ちょっとかわいい)ナデ

    お嬢 ビクッ

    お嬢「な、なにをするのです!」パシ!

    「あ、ごめん…」

    お嬢「ふ、不用意に触らないでください!」

    「はい。ごめんなさい」

    お嬢「…もういいです。早くお休みなさい」

    「はい、そうします。おやすみなさい」

    お嬢「ごきげんよう」

    35 = 1 :

    ~翌日・男のアパートの近く~

    (今日もいるのか?)

    ソー…

    お嬢 イライラ

    (居た…イラついてるみたいだな…)

    (昨日あんなこと言っちまった手前…今日は付き合わないとダメだろう…)

    お嬢「あ!」トテテテテ

    「ぅお!」タタタタ

    お嬢「あ、もうし!お待ちになってください!!」

    男 タタタタ

    お嬢「男さーん!なぜ逃げるのですか!!」

    (そういや…なんで逃げてんだ?)

    36 = 1 :

    お嬢「ちょっと!…このっ!!」

    お嬢「待てやゴルァ!!」

    男 ビクッ

    お嬢「はあ…はあ…なんで逃げんだよテメエ!!」

    「急に追いかけてくるから反射的に…ずっと待ってたのか?」

    お嬢「はあ…はあ…そうだよ!」

    「…暇だな、アンタ」

    お嬢「うっせーな!大学生だから時間はあるんだよ!!」

    お嬢「それに私が自分の時間をどう使おうが勝手だろ!?」

    「その理屈で行くと、俺が自分の時間をどう使おうが俺の勝手だな?」

    スタスタスタ

    お嬢「だから待てって!」グイッ

    37 = 1 :

    「…強引だな、アンタ」

    お嬢「アンタって言うな!私には“お嬢”って名前があるんだから!!」

    「…じゃあ、お嬢さん」

    お嬢「な、なんだよ…」

    「…口、悪いな」

    お嬢「!?」

    「どうした?」

    お嬢「さ、さっきのは男さんに合わせてワザと言ったのです!」

    「ふーん」

    お嬢「お、男さんのほうこそ!いきなり馴れ馴れしいですよ?」

    「俺はこれが普通だ」

    お嬢「そうなのですか?」

    「ああ」

    38 = 1 :

    お嬢「…そ、それより!今日こそはこの間のお礼を」

    「それなんだが…昨日、晩飯を奢ってくれるって言ってたよな?」

    お嬢「ええ。ディナーでよろしいかしら?」

    「ディナーって…酒飲めるのか?」

    お嬢「ええ。今年二十歳になりますから」

    「まだ未成年じゃないか」

    お嬢「細かいことは気にしてはいけません」

    (俺より7つも下か…)

    「いや…さっきのは俺が酒を飲んでもいいのか?って意味だったんだが…」

    お嬢「え?そうでしたの?」

    「…いや、やっぱり今日は酒はやめておこう。それじゃ…」

    お嬢「なんですの?」

    「よく行く店があるから、そこに行こう」

    39 = 1 :

    お嬢「あら、こちらで準備しますよ?」

    (お嬢さんに任せたらどこに連れて行かれるかわからん)

    「いや、久しぶりに行きたい気分なんだが」

    お嬢「でしたら…いいですけど…」

    40 = 1 :

    ~なか卯~

    ッラッシャイッセー

    お嬢「あの…ここはなんのお店ですか?」

    「牛丼屋。うどんやカレーも扱ってる」

    お嬢「そうですか…」キョロキョロ

    「…どうした?」

    お嬢「いえ、こういうところは初めてなので…」

    「…へ?」

    (お嬢さん、ホテルのパーティーに行ったり、リムジンに乗ってたりするから、まさかとは思ったけど…)

    (牛丼屋も知らないような金持だったとは…)

    41 = 1 :

    お嬢「ところで…これは壁に書いてあるものを注文すればいいのですか?」

    「壁に書いてるのはおすすめだ。まずはポピュラーなものを試してみたらどうだ?」

    お嬢「…それはどんなものですか?」

    「はい、メニュー。ここら辺がそうだな」

    お嬢「…写真付きなのですね。わかりやすいです」

    「俺は…大盛りに卵に味噌汁にしよう」

    お嬢「…男さん」

    「ん?」

    お嬢「…何を頼めばいいかわかりません」

    「だったら、牛丼を並にして俺と同じセットにするか?」

    お嬢「それでお願いします」

    42 = 1 :

    「じゃあ、そこのボタンを押して」

    お嬢「これですか?」ピンポーン

    店員「ご注文はお決まりでしょうかー」

    「大盛りと並ひとつずつ。あと卵と味噌汁を二つずつ」

    店員「はい。ご注文を繰り返します。大盛り一丁並一丁、卵と味噌汁が2丁ずつですね。しばらくお待ちください」

    お嬢「ふーん…」

    「ん?どうした?」

    お嬢「おもしろいです。小さいお店なのにシステムは変わらないのですね」

    「システム?」

    お嬢「ええ。呼び鈴を鳴らし給仕を呼びオーダーを伝える。まったく変わりません」

    「あー、そういわれればそうかもな。気品と値段は全然違うが」

    43 = 1 :

    店員「お待たせしましたー。大盛りと並のセットです」

    「お、きたきた」

    お嬢「…すごい」

    「今度は何だ?」

    お嬢「注文してから2分も掛かっていませんよ!?早いです!!」

    お嬢「それに…いい香りです!これはどうやっていただくのですか?」

    「ああ、俺のを見て、同じようにすればいい」

    お嬢「はい」

    「まず卵を割ってこの容器の中に…」コンコン ポトッ

    お嬢「…自分で割るのですか?」

    「やったことないのか?」

    お嬢「ええ」

    「何事も経験だ」

    お嬢「はい…ここでこうして…」コンコン グシャ

    お嬢「あ…」

    44 = 1 :

    「…最初はそんなもんだ。ほら、俺のと交換しよう」

    お嬢「あ、いいです!新しく頼めば…」

    「もったいないだろ?」

    お嬢「でも…」

    「いいから。こうなるのはわかってたし」

    お嬢「え?」

    「殻を取って…よし、もういいだろ」

    お嬢「なんだか屈辱的です…」

    「はは。次は醤油をたらして…」ポトポトッ

    お嬢「お醤油を入れるのですね?」

    「あ、ちょっと待った」

    お嬢「なんですか?」

    45 = 1 :

    「ほら、醤油注しの空気穴を指で塞がないといっぺんに出てくるから」

    お嬢「えっと…ここですね?」ポトッ ポトッ

    「そうそう。で、次は軽くかき混ぜる」グリグリ

    お嬢「こうですか?」グリグリ

    「で、牛丼の真ん中にくぼみを作って流し込む」トロー

    お嬢「くぼみを作って…」トロー

    「で、牛丼をかき混ぜて卵と具と御飯を絡ませる」グリグリ

    お嬢「はい」グリグリ

    「仕上げに紅しょうがを添えて完成」

    お嬢「…なんだかグロテスクですね…」

    46 = 1 :

    「あとは好きなように食べる。いただきます」ガツガツ

    お嬢「…いただきます」パクッ

    お嬢「ん!?…んん?……んまい!」キラキラ

    「それはよかった」ズズー

    (また口調が変わった。こっちが本来の性格なんだろうな)

    お嬢 ズズー
      ・
      ・
      ・
    お嬢・「「ご馳走様でした」」

    お嬢「はじめて食べたけど、おいしいな!」キラキラ

    「そうか」ナデナデ

    お嬢「あ…」

    47 = 1 :

    「あ、頭はダメだったんだな?」

    お嬢「いや…うん…」

    「頭なでられるのは苦手か?」

    お嬢「そうじゃないけど…慣れてないから…」

    「そうか。ところで…」

    お嬢「ん?」

    「また口調が変わってるぞ?」

    お嬢「!?」

    48 = 1 :

    「俺といるときは無理しなくても…」

    お嬢「む、無理じゃありません!今のはそっちのほうが雰囲気に合うのではないかと思って!!」

    「『役にたたねーやつだなぁ!このボロスマホが』」ボソッ

    お嬢「なっ!?」

    男 ニヤニヤ

    お嬢「…聞いてたの?」

    「しっかりと」

    お嬢「…チッ」

    「俺はそっちのほうが好きだけどな」

    お嬢「…へ?」

    「そっちのほうが話しやすい」

    お嬢「…」

    「じゃあ、帰るか」

    49 = 1 :

    ~帰り道~

    「どうだ?」

    お嬢「うん、おいしいけど…」

    「けど?」

    お嬢「外で歩きながら食うのは初めてだから…難しいな」

    「早く食わないとアイスが溶けるしな」

    お嬢「でも、楽しいな!」ニコッ

    (笑うとかわいいな…)

    「立食パーティーなんかもあるから、歩きながら食うのは初めてじゃないだろ?」

    お嬢「あれは皿があるし。それに…」

    お嬢「ああいうのは化粧と料理と酒のにおいが充満した部屋の中だから好きじゃない…」

    「ははは。確かにな」ニコッ

    お嬢 ドキッ

    50 :

    あなたのSS見ようとしたらまさかリアルタイムに出くわすとは•••
    今日寝れるかな•••


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