元スレP「765プロに潜入、ですか?」
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1 :
黒井「ウィ。それが貴様の次の仕事だ」
日増しに暖かさを増してきたとはいえ、まだ上着無しでは肌寒さを感じる3月のとある早朝。
俺は961プロダクション社長、黒井崇男に呼び出され、端的にそう言い渡された。
― attention ―
※イーモバ規制のため泣く泣く携帯から投稿します
※書き溜め分が終わったらスローペースになると思いますがご了承ください
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2 :
黒井「貴様も765プロの名前くらいは知っているのだろう?」
P「まあ、黒井社長の口から何度かお聞きしたことがありますし、業界関係の情報収集は怠らないようにしていますから」
黒井「フハハハ、流石この私が見込んだだけのことはあるな」
P「…」
黒井社長の人を小馬鹿にしたような高笑いは何度聞いても不快だ。
…この男からすれば自分以外の人間は全て下に見えるのだから、ある意味分かりやすい人物と言えるのかもしれないが。
黒井「でだ、お前は765プロをどう評価している?」
P「…取るに足らない弱小プロダクションだと認識しておりますが」
黒井「その通りだ。やはり貴様は話が分かるな」
そう言って黒井社長は満足そうに頷く。
話が分かるのは結構だが、俺には黒井社長の話が見えない。
P「その765プロに何故リスクを侵してまで潜入する必要が?放っておいても数年後には自然消滅していると思いますが」
黒井「フン、細かいところまで貴様にいちいち説明する必要は無い。互いの利が合えばそれでよかろう?」
P「(互いの利か…)」
3 :
そもそも俺は961プロの正式な社員ではない。
元々はそこそこ名の知れた芸能事務所で働いていたのだが、数年前に黒井社長の策略により乗っ取られる形で強制的に961プロと合併させられた。
人気のあったアイドルはそのまま961プロの所属となり、その他プロデューサーや事務員、そして日の目を見ることの無かったアイドル達は一部を除いてそのほとんどが退社を余儀なくされた…が、何故かその一部に当時事務員だった俺も含まれていた。
P『…何故俺を残したんですか?』
黒井『貴様はあの微温湯の中でただ一人、確固たる野心を持って動いていたようだからな。いい駒になりそうだと思ったまでだ』
平然と他人を駒と言い放つ不遜な言動もさることながら、何より俺は自分の心の内を見抜かれたことに驚きを隠せなかった。
俺の宿望は自身の手で芸能プロダクションを立ち上げることであり、最初の事務所で働いていたのもあくまで人脈とコネを広げるための一過程に過ぎない。
事務所設立のためにある程度まとまった資金が必要だったこともあり、俺は莫大な報酬と引き換えに、表向きはフリーのプロデューサーとして黒井社長の駒となった。
4 = 3 :
P「…分かりました。それで潜入の目的ですが、所属タレントの引き抜き、あるいは社外秘情報の入手あたりですか?」
黒井「ノンノンノン、もっと単純明快な仕事だ」
P「?」
黒井「貴様には本来の仕事をしてもらうだけだ。プロデューサーとしてアイドルを育てる、というな」
P「は…?」
全く単純明快ではない。
確かに俺はフリーのプロデューサーという肩書きで動いているが、それはあくまで謀略を仕組んだ961プロの存在をカモフラージュするために過ぎない。
仮に工作が失敗してもトカゲの尻尾のように俺だけが切られ、961プロは白のままというわけだ。
故にプロデューサーの名など俺にとっては単なる傀儡に過ぎず、まともな形でアイドルをプロデュースしたことなど一度も無い。
…そもそも今まで数え切れないほど裏工作を命じてきた黒井社長の口から"本来の仕事"と言われるのも滑稽な話だ。
5 :
黒井「フン、意味が分からないとでも言いたそうな顔だな」
P「ええまあ、ですが理由を聞いても教えてはくれないんでしょう?」
黒井「ウィ。私は無駄な時間は使わない主義だからな。だが勘のいい貴様のことだ、概ね予想はできてるのだろう?」
P「…まあ、大体想像はつきます」
酒の席でつらつらと思い出話を語れるほど長い関係ではないが、この数年で俺にもこの男の底知れぬ腹黒さくらいは理解できている。
魚を稚魚のまま食べることはない。
餌をやり、成長させて、脂が乗ったところを食らう。
俺はこの男のそういう手口を数え切れないほど見てきた。
…共犯者の俺が言えた話ではないのだろうが。
6 :
P「東京都大田区矢口2丁目1番765号…さて、と」
黒井社長の命を受けてから早一月、俺は765プロダクションの事務所前に来ていた。
この765プロは長いこと新規のプロデューサーを募集していたようで、俺の採用は履歴書の送付と簡単な面接で驚くほどあっさり決まった。
本来こういった任務を遂行する際、単なるフリープロデューサーでは採用されることはまず無いので、961プロの根回しにより(表向きは)関係の無い第三者からの推薦という形で潜入することになる。
しかし今回は何故かそういった根回しが一切無く、その結果履歴書の経歴欄も『最初にいた事務所を退社後は無職』という内容にせざるを得なかった。
採用されるのか正直怪しいものだったが、とんとん拍子で決まったところを見るに、思っていた以上に切羽詰っていたようである。
P「(しかし何度見ても小さな事務所だ…)」
今日からプロデューサーとしてこの事務所で働くことになるわけだが、何と言うか事務所の佇まいから既に弱小なオーラを醸し出している雰囲気がある。
これを黒井社長曰く"中堅クラス"と呼べる程度まで成長させなければならないのだから頭の痛い話だ。
だが、この仕事の報酬さえ入れば事務所設立の目標資金にかなり近づくこともまた事実。
意を決して、俺は765プロの扉を開いた。
7 :
P「おはようございます」
小鳥「あ、おはようございますプロデューサーさん。今日からよろしくお願いしますね」
彼女の名前は音無小鳥。
765プロで事務員をしており、役職は違うが俺の同僚となる。
面接の際に顔を見ていたので、ここの社長を除けば唯一765プロで事前に話したことのある人物だ。
特に大した話はしていないのだが、面接後に「絶対受かってくださいね」と言っていたのが記憶に残っている…が、正直あの時点で俺にそんなことを言われても困る。
ま、お陰さまで無事に一緒に働けることになったわけだが。
P「今日は自分の顔見せが主になると思いますが、一先ず今月のスケジュールだけ確認させてもらってもいいですか?」
小鳥「え、あ、はい。えーと…あのホワイトボードに」
P「…」
ホワイトボードはその名の通り真っ白だった。
どうやら俺が思っていた以上に765プロは重症なようである。
8 = 2 :
黒井社長がこの現状を知っていたのかは定かではないが、今回の仕事は予想以上に一筋縄ではいかないようだ。
むしろこの事務所が何で今まで生き残ってこれたのか不思議で他ならない。
律子「おはようございまーす」
P「おはようございます」
ホワイトボードの白さとは対照的な先行きの真っ暗さに頭を抱えていると、スーツ姿の眼鏡の女性が挨拶をしてきた。
律子「ん?ああ、あなたが新しいプロデューサーですね。同じくプロデューサーの秋月律子です。よろしくお願いします」
外見年齢は二十代前半程度…下手すると十代にも見えるのだが、この事務所はこんな若い女の子にアイドルのプロデュースを任せていたのか?
人員不足にもほどがあるだろう。
最早呆れてものが言えない。
P「Pです、こちらこそよろしくお願いします。ところでそろそろ始業の時間ですが他の社員の方は?マネージャーとか…」
小鳥「これで全員ですよ?」
さらに頭が痛くなったのは言うまでもない。
9 :
無いに等しいスケジュールの調整に事務所の備品や機器類の確認、その他これからの勤務に必要なことを音無さんから教えてもらい、自分のデスクを整理し終える頃にはもう昼前になっていた。
今日は("今日も"と言った方が正しいかもしれない)所属アイドル達に仕事は入っていないのだが、俺の顔見せと今後の活動の打ち合わせで午後から集まってもらうことになっているらしい。
高木「どうだね調子は?」
昼休み、765プロの社長に誘われて下の階にある居酒屋で昼食をとることになった。
P「気を遣っていただいてありがとうございます。とりあえず不自由はありませんので問題無いです」
765プロ社長、高木順二朗。
俺の主観になるが、黒井社長とは全くタイプの異なる人物と言える。
社員や所属アイドル達のことをかなり信頼しているようだが、765プロの現状を見るに、経営者としてはあまり優秀な人物とは言えないようだ。
高木「君には苦労をかけると思うがよろしく頼むよ」
P「…早急に結果が出せるよう手を尽くすまでです」
高木「頼もしいねえ。君を見てティンときたのはやはり間違いでは無かったようだ」
だがこういうタイプの方が扱いやすいのも事実。
アイドルの育成方針も任せてくれるようだし、余計な口を挟んでくるような奴よりは余程マシだ。
10 :
昼食を終えて社長と事務所に戻ってくると、なにやら中が騒々しくなっていた。
どうやら所属しているアイドル達が既に集まっているようだ。
高木「おお、もう集まっていたのかね。それじゃ少し早いが期待の新プロデューサーを紹介しよう。君、入ってきてくれたまえ」
高木社長に促されるまま事務所の中に入り、集まっている少女達を見渡す。
下は13から上は21の全部で12人、この子達が俺がこれから育てなければならないアイドル達だ。
P「Pといいます。これから全力で皆さんのプロデュースをさせていただきますので、よろしくお願いします」
…これは紛れも無く俺の本心だ。
俺がプロデューサーとして存在している間は、全力を持ってこの子達を育て上げ、業界での765プロの名を上げてみせる。
だが、その先は…俺が関与する話ではない。
12 :
P「…というわけで、とりあえず今週は概ねスケジュール通りになるが、来週からはかなり予定を変更することになると思う」
簡単な自己紹介を終えた後、早速彼女達の今後の仕事について話を進める。
黒井社長の指示により彼女達のプロデュースに961プロの力は使えないことになっているが、いずれ独立するときのために俺個人で業界内にはある程度のコネを作っておいてある。
長期間途切れない程度に仕事を回してもらい、徐々に彼女達の力で仕事を増やせるようにするのが一番効率的だろう。
亜美「ねえねえ」
P「何だ双海妹?」
亜美「ぶ~…亜美って呼んでよ」
P「駄目だ。さっき言った通り俺は皆のことを苗字で呼ぶし、お前達の区別は姉と妹でつける」
真美「かったいなーお兄さん」
P「…プロデューサーと呼びなさい」
不要な馴れ合いは組織全体を腐らせることにつながる。
打ち合わせが始まってまだ三十分も経っていないが、どうやらこの事務所は空気が緩過ぎるようだ。
高木社長が散々甘やかした結果なのだろうが、まず彼女達にはアイドル…延いてはプロとしての自覚を持ってもらう必要がある。
最年少のこの双子姉妹も当然例外ではない。
13 = 12 :
P「…というわけで今日のところはこれで終わりだ。何か今後の活動に関して要望とかがあれば個人的に言ってくれ」
一時間程度の打ち合わせが終わり、ようやく一息つける。
あの双子はまだ呼び方に不満があるようだったが、しばらくすれば慣れていくだろう。
春香「あの、プロデューサーさん…」
デスクに戻ってコーヒーを飲んでいると、頭にリボンをつけた少女が話しかけてきた。
P「天海か、どうかしたのか?」
春香「いえ、これから私たちのことよろしくお願いします!」
そういっていきなり深々とお辞儀をしてくるものだから、思わず面食らってしまう。
P「あ、ああ、よろしく」
春香「それでは失礼します!」
それだけ言うと彼女は走って立ち去って…
ドンガラガッシャーン!!
…何も無いところで転んだ。
そういう路線のキャラなのか?
14 :
これは面白いな
15 :
P「はい、はい、ありがとうございます!」
765プロに入社…もとい潜入して早三週間が経過しようとしていた。
予告どおり最初の一週間はほとんど白紙のスケジュールだったが、今はマイナー誌のモデルや地方イベントへの参加など、小さな仕事が少しずつ入ってきたところである。
今も新しい仕事がまた一本増えたところだ。
小鳥「プロデューサーさん、絶好調みたいですね」
P「…まあまあですね。少しはマシになりましたがスケジュールにはまだ空きが多いですから」
小鳥「ふふふ、私も頑張らなくちゃ」
音無さんと秋月プロデューサーは思っていた以上に優秀だった。
事務仕事のほとんどは音無さんが処理してくれているし、秋月もまだ未熟とはいえそれなりのサポートはしてくれる。
おかげで俺は営業の方に集中でき、アイドルの売り出しも順調だ。
16 :
プルルルルルルルル
P「(ん、秋月からか?)もしもし」
律子『プロデューサーですか?お疲れ様です』
P「お疲れ、どうかしたのか?」
律子『今日のダンスレッスンは真と美希と響の予定でしたよね?13時からだったんですがまだ響がスタジオに来てなくて…』
時計を見ると既に13時半。
各々家から直接行くことになってるはずだが…まさか遅刻か?
P「電話は繋がらないのか?」
律子『さっきからかけてるんですが…』
P「分かった、家に確認してくるからお前たちは先に始めててくれ」
17 = 9 :
我那覇響の家まで車を飛ばしてきてみたが、鍵もかかってるしインターホンを押しても反応が無い。
仕方が無いのでスタジオまでの経路を辿ってみたところ、道中の公園で見覚えのある黒髪ポニーテールを見つけた。
P「お前は何をやってるんだ?」
響「ブロデューザー…グスッ」
呼びかけに振り向いた我那覇の顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっていた。
お前は本当にアイドルなのか。
P「いろいろ突っ込みたいところだが、何があった?」
響「ハム蔵が…」
P「ハム蔵?」
ああ、あのいつも頭に乗っけてるハムスターか。
響「ハム蔵がいなくなっちゃったんだぞ~!」
P「…は?」
18 :
一向に泣き止まない我那覇を無理やり車に乗せ、とりあえず事務所まで連行する。
あの状況では一歩間違えたら通報され兼ねん勢いだからな。
事務所に戻るとスケジュールの確認に来ていた高槻やよい、水瀬伊織の姿もあった。
小鳥「ほら響ちゃん、顔を拭いて」
響「うぅ~…」
やよい「響さん元気出してください…」
伊織「全く、見てらんないわね」
P「…」
泣きながらだったので非常に分かりにくい説明だったが、とりあえず大体の事情は把握できた。
今日の午前中、我那覇はあの公園でペットのハムスターと日向ぼっこをしていたそうなのだが、春の暖かな陽気で少し眠ってしまったらしい。
で、目が覚めたら横にいたはずのハムスターが行方不明になってしまっていた…という話だそうだ。
ちなみに目が覚めたのは12時半頃らしいので、その時間ならレッスンにも十分間に合うし、最低限事務所に連絡を入れることもできたはずだ。
何と言うか、深い溜息しか出てこない。
P「はあ…。我那覇、お前はどれだけ人に迷惑をかけたのか分かっているのか?」
響「…!」
19 :
小鳥「プロデューサーさん、今は…」
P「音無さんは黙っててください。いいか、お前からの連絡が無かったせいで皆が心配したんだ。それに今回はレッスンだったからまだ良かったが、これが仕事だったらどうなっていたと思う?」
響「…」
P「たかがペット一匹いなくなっただけで連絡もできないほど動揺する…そんな調子で仕事が成り立つと本気で思ってるのか?」
響「ぅ…」
やよい「あのっ、プロデューサー…」
伊織「ちょっとあんた流石に言いすぎじゃ…」
響「…ットじゃないぞ」
P「ん?」
響「ハム蔵はペットじゃない!!自分の、大事な、家族なんだ!!」
P「!?」
響「プロデューサーのフラー!!ポッテカスー!!!!」
そう思い切り叫んだかと思うと、我那覇は勢いよく外へ飛び出していった。
20 :
やよい「響さーん、待ってくださーい!」
一瞬の沈黙の後、我那覇の後を追うように高槻も外へ走っていった。
伊織「あんたのこと少しは評価してたんだけど…誤解だったみたいね」
そう言い残して水瀬も二人の後を追っていき、事務所には俺と音無さんだけが残された。
沈黙の中、音無さんはじっとこちらを見つめてくる。
P「…何か言いたそうですね」
小鳥「いえ、プロデューサーさんが言ったことは確かに正論ですから」
P「ええ」
少なくとも俺は間違ったことを言ったつもりはない。
我那覇はあのままではプロとして通用しない、それだけだ。
小鳥「でも、正論をそのままぶつけることが正解じゃないこともあると思います。特に年頃の女の子達の場合は色々複雑ですから」
P「どういう意味ですか?」
小鳥「それは自分で考えないとダメです。彼女達と信頼関係を築くことがプロデューサーの一番の仕事ですから」
P「(信頼関係…?)」
プロデューサーはアイドルに仕事を持ってきて、アイドルはその仕事を100%の力で行う…それができていれば十分ではないか。
俺達の関係にそれ以上も以下も無い。
P「…とりあえず我那覇の明日のレッスンはキャンセルしといてください。あの様子ではどうせ身が入らないでしょうし」
21 :
すっかり日も暮れた帰り道。
俺は音無さんの言葉の意味を考えていた。
P「(確かに言い方がきつくなったのは認めるが…)」
我那覇との関係が悪くなっても他にまだアイドルは何人もいる。
こんなくだらないことで一々頭を悩ます必要は無いはずだ。
(響『プロデューサーのフラー!!ポッテカスー!!!!』)
だが何故か…あの時の彼女の怒ってるような悲しんでいるような複雑な表情が頭から離れない。
P「…む」
考え事をしながら歩いていたせいか、気付いたらいつもと違う道を歩いてきてしまっていた。
この道は…昼に我那覇を探した時に通った道だな。
P「…とっとと帰るか」
そう思って来た道を戻ろうと振り返ったとき、不意に後ろの方から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
22 :
響「やよい、伊織、今日はありがとう。でももういいんだ。早く帰らないと家の人が心配するぞ」
やよい「う~、でもまだハム蔵が見つかってないですし…」
伊織「そうよ、あんたにとって家族みたいに大事な存在なんでしょ?」
響「うん。でもここから先は自分一人でもなんくるないさー。…プロデューサーの言うとおり、周りの人に心配かけるのはダメなんだぞ」
伊織「…分かったわ。今は一度帰るけど、もし明日になってもまだ見つかってなかったら、また探すの手伝うからね?」
やよい「もちろん私も手伝います!」
響「二人とも…自分のために…うぅ…ありがとう」
やよい「あわわ、響さん泣かないでください~」
伊織「ほら、ハンカチ貸してあげるから顔拭きなさい」
響「うぅ…ハム蔵…どこにいるんだ」
P「…」
24 :
同じ潜入でもコミックのPとは真逆の方向性だな
期待
25 :
P「(あいつら、あんなに泥だらけになって…)」
765プロへの入社が決まって一番最初の仕事は、彼女達のプロフィールを確認することだった。
それぞれの特技、セールスポイントの他、出身地や家族構成にいたるまで、さしあたり営業で必要になりそうな情報は全て頭に入れてある。
P「…」
故に、我那覇が家族と離れて単身で沖縄から上京してきていることも知っている。
…俺はその情報から我那覇のメンタルは強いものなのだと勝手に思い込んでいた。
だが実際のところ彼女は普通の16歳だったのだ。
家族と離れて寂しい、だから一緒に住んでるペットを家族のように深い愛情で可愛がる。
俺はその彼女の"家族"を"たかがペット"と言い放った。
振り返って考えてみれば明らかに軽率な発言であり、彼女を傷つけるには十分過ぎた。
P「…」
だが、それが分かったから何だと言うのだ。
明日になったら「昨日は言い過ぎた、すまない」と簡単に謝ればそれで済む話だ。
それ以上彼女に深入りする必要は無い。
俺がすべき仕事は彼女達をプロデュースすることだけなのだから…。
26 :
翌日の昼休み、俺は外で食事をした後そのまま営業に行くと音無さんに伝え、一人事務所を後にした。
P「はい、そうですか…いえ、ありがとうございました」
昼休憩のサラリーマンが愛妻弁当を広げたり、ベンチに横になって惰眠を貪っている都会の公園。
手に持ったリストの中のたった今電話をかけた番号に線を引き、続けてその下に記載されている別の番号に電話をかける。
P「…もしもし○×動物病院ですか?すみませんが少し確認したいことがあるのですが…」
…我ながら無駄なことをしているとは思っている。
家の中ならまだしも屋外で消えたハムスターを見つけ出すなど、誰がどう考えても無謀な話だ。
だが、自分でも良く分からないがどうしても行動しないと気が済まなかった。
P「はい、いえ、ありがとうございました…」
27 :
周辺の動物病院全てに電話で確認してみたが、当然そう簡単に見つかるはずもない。
動物病院の人は何か情報が入ったら連絡すると言ってくれたが、正直期待はできないだろう。
ハム蔵が行方不明になった公園の周囲も一通り探してみたが、結局何の収穫も得られなかった。
他に残された手段と言えば…。
子供「ハムスター?う~ん、知らないです」
P「そうか…ごめんな、ありがとう」
…聞き込みくらいしかない。
平日の昼下がりに我ながら一体何をしているんだろうな。
伊織「あんた…こんなところで何してるのよ?」
P「!」
28 :
突然、背後から自問と同じ質問を投げかけられた。
捜索範囲が限られている以上、鉢合わせしないように警戒はしていたが…まあ、これも想定の範囲内だ。
P「…営業の帰りに軽く様子を見に来ただけだ。他意は無い」
伊織「あらそう。茂みに頭を突っ込んだり、道行く下校中の子供に話しかけてたから、てっきりあんたもハム蔵を探しに来たのかと思ったんだけど?」
P「見てたんならわざわざ聞く必要ないだろう」
捻くれた性格だな。
俺が言ったら失礼かもしれないが。
伊織「でも来るとは思ってなかったから正直驚いてるわ」
P「…我那覇のダンスは765プロでもトップクラスだからな。モチベーションの低下は今後の活動に少なからず影響があると判断しただけだ」
伊織「はいはい、面倒くさい性格ね」
ばっさり切られたが、こいつにだけは言われたくない気がするのは気のせいだろうか。
まあ、我那覇本人と鉢合わせしなかっただけ良かったと言えば良かったのかもしれないが。
29 :
伊織「響とやよいはこっちとは反対の方を探しに行ってるわ。で、何か収穫はあったの?」
P「無い」
伊織「でしょうね…。と言うか何であんた子供達に聞き込みなんてしてたの?傍から見たら完全に不審者よ?」
P「あのハムスターはハムスターとは思えないほど我那覇に懐いていたからな。一匹でどこかに行く…少なくとも我那覇の側から勝手に離れることはそう無いんだろ?」
伊織「まあね、別に喧嘩とかもしてなかったわけだし」
P「となれば、何らかの外的要因があって姿を消したと考えるのが妥当だ」
伊織「例えば?」
P「他の動物に襲われて逃げ出したか、誰かに連れてかれたか…」
伊織「襲われたって…」
P「とは言えこの公園にいる他の動物といえばリードを付けた犬くらいだからな。俺はとりあえず後者だと仮定して探している。そうなれば大人と子供どっちに聞くのが早いかって話だ」
伊織「成程ね…確かに大の大人がハム蔵を連れて行くとは考えにくいわ」
と、穴だらけのテキトーな推理を並べてみたが、どうやら水瀬は納得したようだ。
昨日の今日でまだ見つからないことを考えれば、あのハムスターが戻ってくる可能性はゼロに等しいと言ってもいいだろう。
恐らくもう…ま、少なくとも彼女達の前で口に出すことではない。
誰かに拾われたのだと思わせておけば、まだ我那覇のメンタルへの影響は少なくて済むはずだ。
30 = 25 :
P「とは言え聞き込みをしても収穫は無し…となれば、後は貼り紙でも作って連絡を待てば…」
無難な提案をしてこの件に一先ずの決着をつけようとしたところ、不意に誰かにズボンを引っ張られた。
男の子A「なあなあ、ハムスターマニアの変なおっちゃんってお前?」
P「…」
伊織「ぷっ…」
訂正すべき点が三つある。
俺はハムスターマニアではないし、変人でもない。
あと、おっちゃんと呼ばれる年でもない。
まあ、子供相手に怒るほど短気でもないが。
P「何かハムスターについて知ってるのか?」
男の子A「知ってるんだけど…何だか喉が渇いちゃったなあ」
これがゆとり…いや、交換条件を提示するとは中々将来有望だ。
この程度で怒るほど短気じゃないさ。
P「わかった、そこの自販機でいいか?」
男の子A「お、話が早いね~。おーい!みんなー!このおっちゃんがジュース奢ってくれるってさー!!」
P「!?」
31 :
みんなーwwwwww
32 :
伊織「あんたも災難ね」ゴクゴク
P「何でお前も飲んでるんだ?」
伊織「余ってたんだからいいじゃない。運ぶの手伝ってあげたんだし」
結局、公園で遊んでいたあの少年の友人達(計10名)の分もジュースを奢ることになってしまった。
人数は伊織に数えてもらったのだが…水増しされたようだな。
伊織「後二本残ってるからやよいと響にあげようかしら」
…どう見ても故意犯だが突っ込むべきなのか。
俺の分は勘定に入ってないし…まあいい。
P「で、肝心のハムスターについて聞かせてくれるか?」
男の子A「ああ、えーと…あ、いたいた。あいつだ」
そう言って少年は下校中の一人の女の子を指差した。
P「(ん?あの子は…)」
男の子A「昨日駅前のペットショップで見かけてさ。確かハムスターの餌見てたな」
男の子B「あ、俺も昨日空き地の近くで慌てて走ってるの見たぜ。何だろうと思ったら小さい箱抱えててさー」
男の子C「お前ら良く見てるなー。あ、もしかしてあいつに気があるんじゃ…」
男の子A「なっ、ふざけんなよ!」
男の子B「つーか、あいつまだ転校してきたばっかでぼっちじゃん」
ヤイノヤイノ、ガヤガヤ
33 :
伊織「それは確かに怪しいわね…早く話を聞きに行きましょ」
P「待て」
件の女の子に向かって走り出そうとする水瀬の腕を掴む。
全く、もう少し落ち着いて行動できないものか。
伊織「ちょっと何よ、あんたさっきの話聞いてなかったの?とにかくあの女の子に話を…」
P「…あの子にはさっき別の場所でもう話を聞いてるんだ。そしたら『知らない』って言われた」
伊織「そんなの嘘かもしれないじゃない!」
P「仮にそうだとしても俺達からは証明しようがない。無理やり聞いても防犯ブザーを鳴らされて終わりだな」
伊織「…っ」
P「まだ無名とは言え自分がアイドルだということを忘れるな。余計なトラブルを作ってどうする?」
伊織「でも…それじゃ響が…」
そう言って歯を食いしばる水瀬の目には小さな涙が浮かんでいた。
こいつといい我那覇といい…自分以外のことでよく簡単に泣けるものだ。
これが音無さんの言っていた"年頃の女の子"というやつなのだろうか。
伊織「…」
P「…誰も諦めるとは言ってない。その代わりお前にも少し協力してもらうぞ」
34 :
公園から少し離れた住宅街。
下校中の小学生に混じりながら、俺と水瀬は件の女の子のすぐ近くを歩いていた。
女の子「…」
伊織「(…そろそろいいかしら)…で、あんたのハムスターは見つかったの?」
P「いや、それがまだなんだ。一体どこに行ったのやら…」
女の子「…!?」
P「(…聞こえてるみたいだな)はあ…」
伊織「大事に育ててたものねえ、あんたも寂しいでしょうに」
P「寂しいのもそうだけど、何より心配なんだよ。本当は昨日病院に連れて行く予定だったからさ…」
伊織「病院?何か病気にでもなったの?」
P「ああ、先週突然血を吐いて慌てて病院に連れていったんだ。大事には至らなかったけど、念のため昨日もう一度診てもらうことになってたわけで…」
伊織「それは心配ね…」
P「餌も制限されててさ…向日葵の種とか好物だったんだけど食べさせちゃだめって言われて…」
女の子「!?」ダッ
35 :
伊織「…」
P「…」
伊織「うまくいった…のかしら?」
P「後はもう待つしかないな。あの子の良心に賭けてみるさ」
伊織「でもあんたも策士よね…普通こんなこと思いつかないわよ。ま、伊織ちゃんの類稀なる演技力があったからこそ可能だったわけだけど」
P「…慣れてるからな」ボソッ
人を騙すことは。
伊織「何か言った?」
P「いや、確かにお前は大した奴だよ」
伊織「にひひっ、もっと誉めてもいいのよ」
P「で、さっきも言ったが事が終わるまで我那覇には…」
伊織「分かってるわよ。ぬか喜びさせるわけにもいかないし…とりあえず一度休むようにだけ言っとくわ」
水瀬は素の性格に似合わず、意外と仲間思いなところがあるようだ。
俺が昔いた事務所や961プロのアイドル達はもっとギスギスした関係だったが…ま、765プロはまだ小さい事務所だからな。
人気を競って争うことも無いんだろう。
その後、俺は水瀬と分かれて一人で事務所に戻った。
36 :
P「戻りました」
小鳥「お疲れ様です。営業はどうでした?」
そういえば営業に行ったことになってたんだったな。
仕事もしないで、我ながら本当に何をしていたんだろうか。
P「あー…ぼちぼちですね」
小鳥「ハム蔵は見つかりました?」
P「いや、そう簡単に…!?」
小鳥「そうですか♪」
P「いえ、水瀬と会って話してまだ見つかってないって聞いて、別に俺が探してたわけでは…」
小鳥「ふふっ、とにかくお疲れ様です」
…見かけによらず鋭いところがある人だ。
カマをかけられただけかもしれないが、油断できないな。
P「(この人はなるべく敵に回さないようにしよう…)」
そう心の中で思いつつ事務所で音無さんと事務処理をこなしていると、不意に胸ポケットに入れていた携帯が着信を知らせてきた。
…どうやら餌に魚がかかったようだ。
37 :
獣医『今女の子が慌てながら「もしかしたら病気になっちゃったかもしれない」って言ってハムスターを一匹連れてきたんですよ。元から飼ってたと本人は言い張ってますが、じゃあ治療するから親御さんの連絡先を教えてって言ったらそのまま黙ってしまいまして…』
そう連絡を受け、急いで病院に向かう。
音無さんが何やら機嫌良さそうに微笑んでいた気もするが、今はそんなことを気にしている場合ではない。
P「ハム蔵は?」
獣医「こちらです」
案内された先には透明なケージがあり、その中で一匹のハムスターが静かに眠っていた。
その姿は事務所から持ち出した我那覇の宣材写真に(何故か)写っていたハム蔵と同じだった。
違うところといえば足に包帯を巻いているところくらいか。
P「足、どうかしたんですか?」
獣医「大した怪我じゃないので大丈夫ですよ。それより…」
女の子「…」
P「やっぱり君か…」
予想通りと言うべきか。
女の子は俯いたまましばらく黙っていたが、やがて静かに口を開いた。
女の子「お兄さん、ハムスターが病気だって…」
P「…それは嘘だよ。ハム蔵を見つけるためのね」
38 :
女の子「私、心配になって慌てて連れてきたのに…ひどいよ」
P「ああ、俺は酷い奴だ。だけど君も俺に『知らない』と嘘を吐いた。だからおあいこだよ」
女の子「う…」
P「聞かせてくれないか?ハム蔵をどこで見つけたのか」
女の子「…」
女の子は言い出しづらそうに口ごもっていたが、やがてポツリポツリと小さな声で話し始めた。
この子がハム蔵を見つけたのは昨日の下校途中らしい。
公園から少し離れた空き地の茂みで、足から血を流しているハム蔵を見つけて慌てて保護したそうだ。
近くに黒い羽が落ちていたようなので、恐らくカラスあたりにでも追いかけられたのだろう。
動物に教われたか、人に連れてかれたか…どちらかとは思っていたが、まさか両方だったとはな。
P「そうだったのか…ありがとな、ハム蔵を助けてくれて」
女の子「…」
さて、何はともあれ無事に見つかったのだからこれ以上ここにいる必要は無い。
仕事も残ってるわけだし、さっさと治療費だけ払って事務所に戻るとしよう。
しかし所属アイドルのペットの治療費って経費で落ちるのだろうか…?
ま、とりあえずこれで全て元通り…。
39 = 38 :
女の子「お兄さん、ハム…ハム蔵連れて行っちゃうの?」
P「ああ、こいつの本当の飼い主が今も必死に探してるだろうからね。早く連れて帰らないと…?」
女の子「そう、だよね…ごめん、なさい…わたし…こっちに来てから…いつも一人で…せっかく…友達ができたと思ったのにっ…」
女の子「う、ううっ…ひっく…う」
(響「うぅ…」)
P「!」
ふと、この子の泣き顔と我那覇の泣き顔が重なって見えた。
P「(そうか、この子も…)」
この子も我那覇と同じで、一人ぼっちの寂しがり屋なんだ。
…俺がすべきことは、そんな子から友達を奪うことなのか?
P「(…らしくないな)」
全く持ってらしくない。
今までならそんな余計なことを考える間もなく、ただ淡々と命令を実行するだけだったのに。
黒井社長から離れて少し考えが甘くなってしまったのだろうか。
P「(まあいい、悩むだけ時間の無駄だ)」
携帯を取り出し我那覇にメールを送る。
あいつのことだ、恐らくすぐに飛んでくるだろう。
今の我那覇には一緒にいる動物だけじゃなく、困ったときに助けてくれる水瀬や高槻みたいな友人がいる。
だからこの子にも…。
P「…ちょっと待ってて、今ハム蔵の家族を呼んだから」
40 = 21 :
響「ハム蔵~!会いたかったさーーーー!!」
P「(メールしてから五分も経ってないが…)」
予想より遥かに早い到着だが、一体どこにいたんだこいつらは。
伊織「私が一緒だったんだもの。この程度の距離ならあっという間よ」
P「意味が分からん」
やよい「うっうー!響さん良かったですー!」
P「全く…再会を喜ぶのはいいが、まず見つけてくれたこの子にお礼を…」
響「にふぇーでーびる!…じゃなくて、ありがとう!感謝してもしきれないぞ!!」
女の子「う、うん…」
感謝してるのは痛いほど伝わるが、あまりの興奮ぶりに明らかに女の子が怯えてしまっている。
…まあ、このテンションの高さならこれからする提案も特に問題は無いだろう。
41 :
P「さて…今回は何とか事無きを得たが、今後また動物がらみでトラブルが起きないとも限らないな」
響「うっ…」
P「現状でこんな有様だからな…今後仕事が増えて多忙になったら一体どうするつもりだ?」
響「それは、その…」
P「大体、あれだけの動物を一人で世話してるのがそもそも間違いなんだ」
響「いやでも…」
P「そうだな、例えば我那覇と一緒に…有事の際には我那覇の代わりに動物達と遊んでやれる人でもいれば、少しはマシになるかもしれないが…」
やよい「それなら私がっ(モガモガ」
伊織「しっ」
P「我那覇と同じくらい動物が好きな子がいれば最適なんだが…。中々見つかるもんじゃないからな…」
響「…?」
P「うーん、それで悪いんだけど、君にその役目をお願いしてもいいかな?」
女の子「えっ?」
P「もっと簡単に言えば、我那覇の友達になってくれないか?ついでにこの二人とも」
42 = 22 :
響「…で、昨日は一緒に公園でシマ男と遊んだんだぞ!」
亜美「それって前言ってた女の子のこと?」
真美「動物好きなんだっけ?第二のひびきんだね~」
あの騒動から数日が経ち、ハム蔵が無事に退院したことでようやく全てが丸く収まった。
今思えば我ながら無茶な振りだったが、何だかんだであの女の子と我那覇は友達となり、今では暇な時はほとんど一緒に遊んでるくらい仲良しになっている。
小鳥「響ちゃんとっても楽しそうですね。これも全部プロデューサーのおかげです」
P「別に…一番効率良く解決できそうな方法を取ったまでですよ。そもそもハム蔵を見つけたのはあの子ですし」
小鳥「そうですか、ふふふ♪」
結果的に深入りする形になってしまったが、我那覇のモチベーションを下げずに済んだだけ良しとしよう。
前述の通りダンスの実力はこの事務所でもトップクラスだし、遅れた分を早く取り戻さなくてはならない。
それに…思わぬ副産物もあったことだしな。
P「我那覇、そろそろ出るぞ」
響「はいさーい!」
43 :
面白い
44 = 27 :
響「でも動物病院のイメージガールになるとは自分思ってなかったぞ」
P「怪我の功名というやつか」
あの動物病院の獣医さんが我那覇とハム蔵の再会にいたく感動して、まさか広報に掛け合ってくれるとはな。
運がいいというか、出来すぎた話というか…。
響「これも全部プロデューサーのおかげだぞ。で、その、自分ちょっと前にプロデューサーに酷いこと言っちゃったけど…」
P「『フラー』とか『ポッテカスー』とかか?」
響「しっかり覚えてるさー!?」
P「分からないことはすぐに調べる主義だからな。もちろん意味も把握している」
響「あれは、その、勢いで…うぅ、ごめんなさい」
P「別に一々気にしてないさ。…酷いこと言ったのは俺も同じだしな」ボソッ
響「?」
P「何でもない。とにかく今は目の前の仕事に集中しておけ。せっかくその、なんだ…"家族"と一緒の仕事なんだからな」
響「プロデューサー…なんくるないさー!自分完璧だからなっ!!」
続く。
45 :
いい。実に素晴らしい
支援
46 :
一先ずここまでということで。
動物病院イメージガールの元ネタは「あびこ動物病院」からです。
(あのポスターにはハム蔵もいぬ美もいませんが)
しばらくは各キャラ毎の一話完結式で進める予定です。
続きは今週中には投稿するので、気長にお待ちください。
…響メインのはずが伊織の方が目立っていたでござるの巻。
47 :
いいなこれ、めっちゃ真剣に読み込んでたわ
頑張れよー、乙
48 :
あれ?
見直したらIDがバラバラになってますね。
分かりにくいんで酉付けときます。
それでは。
49 = 34 :
ググったら同じ酉が結構いるみたいなんで訂正。
度々失礼、それでは。
50 = 23 :
乙
続き待ってる
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