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元スレほむら「思い出せない…私は何者だ?」2
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久々にきたマミの家には、魔法少女4人と人間一人が集まった。
杏子もそうだが彼女を探しに出た私も携帯電話を持っていなかったので、合流するには多少手間を食ったのだが、打ち上げ花火をかます事によって諸問題は解決された。
マミ「病院の近くで花火は上げないように」
ほむら「はい」
正座は嫌だ。クッションに座りたい。
さやか「……えーと?とりあえずこれで、ひとまず……ほむらの方は解決ってことでいいの?」
ほむら「そう思ってもらって構わない」
暁美ほむらの人格は封印されているだけらしいのだが、この人格が具体的にどういったタイミングで再発現するのかは、私にもわからない。
厳重に身を束縛し、そのまま一生出ないということはないのだろうが、暁美ほむらは乗り気ではなさそうだし、当分は私がこの身体を動かすことになるだろう。
マミ「本当に大丈夫?よね?」
まどか「どういう経緯で解決したのかな……」
ほむら「色々あったのさ」
説明はできるが、全てを説明している間にワルプルギスの夜が来てしまう。
ほむら「よく漫画にあるような、自分に打ち克つ、みたいなものだと思ってくれればいいさ」
さやか「おー」
本当は結構違うけど。
ほむら「で、まあ、私が随分と皆に迷惑をかけたみたいだから」
ほむら「とりあえず、この場を借りて謝らせてもらうよ、ごめんなさい」
もう一度深く頭を下げる。
さやか「杏子には謝らないとね、まあそれはほむらがやったわけじゃないんだけどさ」
杏子「わ、私には全然いいって……気にしてないから」
ほむら「しかし、なあ」
私の記憶には、杏子に対して執拗に攻撃し続けるものもある。つい最近、私の中から抜け落ちたものだろう。
ガソリンに着火させて、爆風のみで戦うその様は、杏子からは悪魔のように映ったに違いない。
杏子「…あれは、私が悪いんだよ……まどかに契約するよう持ちかけたのは、事実だしな」
まどか「……」
重苦しくなりつつある空気を、ほのかな紅茶の香りが濁した。
マミ「紅茶を淹れたわ、飲みましょう?」
さやか「おおー、マミさんの紅茶だ!」
ほむら「いただこう」
ほむら「……さて、みんなを集めようと思ったのは、謝罪がしたいだけではないんだ」
マミ「ええ、なんとなくわかっていたわ」
さやか「やっぱりワルプルギスの夜の話?」
ほむら「ああ、それに向けての話をしようと思ってね」
目の前を白ネコが横切り、まどかの膝に乗ってから、そいつはガラスのテーブルの上に腰を降ろした。
QB「ワルプルギスの夜を魔法少女4人で討ち倒す、という作戦会議でもするつもりかい?」
無感情な赤い目が全員を見る。
もはや、彼女らはキュゥべえに好意的な目を向けてはいなかった。
みんな薄々と気付いているのだ。彼が信用ならないネコであるということくらいは。
一番理解しているのは私だろうけど。
さやか「会議してたら、何かいけないっていの?」
QB「いけないというより、おすすめはできないよ」
杏子「……」
QB「前にも話したと思うけど、ワルプルギスの夜は、並大抵の魔法少女が“たかが”4人程度揃ったところで、決して太刀打ちできない相手だ」
QB「徒労に終わる戦いに挑むことはないだろうと、これでもアドバイスに来たんだけど」
マミ「どういう風の吹きまわしなの?キュゥべえ」
温厚なマミでさえ、キュゥべえを見る目つきは鋭い。
嫌われてかわいそうに、と同情するでもなく、私はキュゥべぇの飴玉みたいな目を見ながら美味い紅茶を啜るのであった。
QB「言った通りさ、無駄な事はしない方が良い」
さやか「街を守るってことが、無駄だっていうの」
QB「ことワルプルギスの夜に関して言えばね、一つの街を見限る覚悟は必要だよ」
まどか「……」
QB「けどまどか、」
私は俯くまどかに声をかけたキュゥべえに対し、思い切りスプーンを突き立てることで答えた。
マミ「!」
杏子「うげっ……」
まどか「ひっ……」
QB「……」
ほむら「私が話を進めようとしているのに、割り込むとは無礼なエイリアンだな」
スプーンはキュゥべえの脳天を貫き、奥深くまで突き刺さった。私はそれを、キュゥべえのクズごと部屋の窓際に投げ捨てる。
べしゃ、と気持ち悪い音と共に、白ネコは床に倒れて動かなくなった。
ほむら「作戦会議中だ、次からまどかへの私語は慎むように」
QB「随分と乱暴になったね、ほむら」
さやか「えっ!?」
そう、奴は何度でも甦る。
いくら殺しても、捕獲しても、キュゥべえは消えることはない。
私の記憶の中でも、いつからかキュゥべえを追いかけることをやめたくらいだ。
マミ「きゅ、キュゥべえが…2匹…」
ほむら「彼は宇宙人だよ、身体はいくらでも用意できている」
まどか「へっ!?」
さやか「宇宙人!?って、あの、細くて目のでっかい」
ほむら「グレイ型とは限らないけどさ」
QB「やれやれ、暁美ほむら…君はどこまで僕のことを知っているのか、想像がつかないけど…それを説明するためだけに、僕の個体を潰したのかい?」
ほむら「彼をいくら殺したって、次から次へと新たな個体が出てくる……まどかへは、しつこく契約を迫るだろう」
とりあえず、彼の存在のありかただけは説明しておく必要があるだろう。
まどかが契約してしまえば、仮にワルプルギスの夜を越えられたとしてもゲームオーバーだ。
ほむら「とりあえずキュゥべえ、なんとか彼女らに宇宙の大切さを説明してやってはどうかな」
杏子「宇宙?」
QB「本当に、どこまで知っているんだい?」
ほむら「私よりも君から明した方が、信用は得られるんじゃないかな」
もっともらしく誘導しているが、単にこの白ネコの説明をするのが面倒なだけだったりする。
QB「それもそうだね、じゃあ、僕の事についてみんなに聞いてもらおうかな」
こうして得意げに始まったインキュベーターの宇宙保存計画ストーリーは、魔法少女含む女子中学生からたいへんな反感を買ったのだった。
>>780
はっはっは、偽物語ネタだから気にすんな
はっはっは、偽物語ネタだから気にすんな
まどか「こんなのってないよ……」
マミ「いじめっ子の発想ね……」
杏子「お前それでも人間か!?」
さやか「いや人間じゃないでしょ」
口を揃えての大不評に、インキュベーターは「君たちはいつだってそうだ」とかなんとか負け惜しみをこぼしながら、部屋の片隅の方へすごすごと退散していった。
美味しい紅茶をなおも啜りながら、私はその光景を和やかに眺めていた。
ほむら「というわけだ、契約はやめてくれ、まどか」
まどか「うん、私契約しない」
それでも彼女は幾度となく契約しているんだけども……。
まぁ、そのことについて話す必要はない。
何せ……。
ほむら(私が時間遡行者であることは、隠し通すつもりだからね……)
缶コーヒーを開け、くい、と一口飲む。
私の能力は、まだまだ隠し通さなくてはならない。
インキュベーターにはもちろんのこと、彼女たち魔法少女にも、絶対に漏らす事はできないだろう。
ほむら(……あ)
缶コーヒーを飲み始めた私の様子を、マミがポットを構えながら気まずそうに眺めていることに気付いた。
>>814
問題はそこじゃないと思う
問題はそこじゃないと思う
まどか「魔法少女たちは、希望を信じていたのにね……」
さやか「ちょっと、厳しすぎる現実だよね…私もなったばかりで、人ごとみたいだけどさ」
杏子「あいつらの目的がわかったところで、私たちはそのルールに縛られることを良しとしたんだ、受け入れなきゃいけないさ……」
マミ「不本意だけどね……」
さやか「くそぉ、なんか、悔しいなあ……」
ほむら「で、結論から言うとワルプルギスの夜は倒せるわけだ」
まどか「……え?ほむらちゃん、今なんて」
さやか「ちょっと、今すごいことサラッと言わなかった?」
ほむら「ワルプルギスの夜は倒せる」
マミ「……えっと、鹿目さんが…?」
困惑する皆の表情。
何を言っているんだ。そんな顔をしている。
まさかな。期待を裏切られまいと、疑心暗鬼に食ってかかる彼女たちの顔だ。
私はここぞ、今この時、最高に無責任で、まったく根拠のない微笑みで応えるのだ。
ほむら「いや、普通に倒せるよ」
彼女達から上がる、わずかに期待の混じった驚きの声を聞き、私は自分のありようを再確認する。
やっぱり私は空虚な存在だ。
空虚で、嘘つきな奇術師だ。
だが、暗い未来しか用意されていないステージだからこそ、おどける奇術師は必要なのだ。
杏子「ちょっ、ちょちょ、どういうことだよオイ!」
ガラスのテーブルに身を乗り出す杏子。
勢いよく突いた手の近くにあったティーカップの皿を2枚、咄嗟に退避させるまどか。
ほむら「記憶が戻ると同時に、私の魔法の正しい使い方も思い出してね」
マミ「暁美さんの、魔法……?」
さやか「そういえばほむらの魔法って何なの?」
QB「気になるね」
白ネコが復活した。現金な奴だ。
ほむら「そう簡単に見せてやることはできないよ、魔力は消耗させたくないし……ワルプルギスの夜に向けて、グリーフシードを集めなくてはならないからね」
まどか「あ……そっか、グリーフシードがないと、魔法を沢山使えないもんね」
ほむら「うん、私の魔法はわりと燃費が悪いから、ワルプルギスの夜と戦おうとなれば、さすがに慎重になった方がいいかなって、ね」
QB「魔力に余裕がないというのは可笑しな話だね、普通に倒せるんじゃなかったのかい?」
この白ネコ、根絶できないのかな。
無駄なことばかり言いやがって。
ほむら「倒せるけど、間違いがあっては困るだろう?一応、初めて戦う相手なんだからさ」
QB「なるほど、そういうことか」
危ない危ない。
インキュベーターめ、油断も隙もないな。
嘘をつくにも細心の注意が必要だ。
ほむら「私の魔法は、口では説明が難しいけど……とにかく大げさなものだ」
ほむら「ワルプルギスの夜は超弩級の魔女だと聞く……ならば私の魔法は、ワルプルギスの夜に対して非常に有効なはずだ」
さやか「おおげさな……魔法?」
ほむら「次の魔女狩りの時に見せてあげようか?」
さやか「! お願い」
杏子「……私も見たいな」
マミ「わ、私も!」
ほむら「もちろん良いとも、見てもらわないと信じられないだろうしね」
まどか「……あ、あの」
ほむら「……ふふ、もちろん、まどかも来るかい?結界の中は危ないけれど」
マミ「鹿目さん、あなたには全てを知る権利があるわ」
まどか「! 私も連れて行って!」
ほむら「当然さ、まどかに見てもらわないと困るしね」
まどか「?」
ほむら「私の力を見てみなければ、底から安心はできないだろう?」
まどか「え、ああの、でもほむらちゃんの実力を疑ってるっていうのは、その、悪い意味じゃないよ?」
ほむら「気遣わなくてもいいさ、ふふ」
ここまで余裕をぶっこいてみせている私だが、はてさて。
私の実力をお披露目する魔女退治。
どう仕組んでみせたものか…。
真面目にやらなくてはならない事だというのに、しかしこういうことになると、相反して私の胸は高鳴るものだ。
まったく、マジックのやりすぎだな。ふふ。
乙乙
安価は更新レス数のことだったのか…よくやった>>802
安価は更新レス数のことだったのか…よくやった>>802
外野は俺含めてもう少し自重すべき
投下まで30レスほど使うのはやりすぎかと
投下まで30レスほど使うのはやりすぎかと
乙!
ネオホームズはずいぶんバイオレンスだな(ただしQBに限る)
ネオホームズはずいぶんバイオレンスだな(ただしQBに限る)
この人はもっと無愛だと思ってた
過去SSのイメージとはずいぶん違うな
過去SSのイメージとはずいぶん違うな
>>834
この人のTwitterみたらおもしろいとおもうよ
この人のTwitterみたらおもしろいとおもうよ
アキト「あれ、こんなの作ったっけ……」
レイ「私は幕の内弁当」 ゲンドウ「やっぱり崎陽軒だな」
(*・∀・*)アリスゲームに参加するワ!
ハルヒ「変な肉まん拾ったわよ!」 キョン「」
ルイズ「な、なによこの生き物!」 (*・∀・*)ノ ヤァ!
かがみ「なんだ、可愛いぬいぐるみもあるんじゃない」 こなた「え?」
唯「にくまん!」
上条「ベランダに小さいクッションが引っかかってる……」
ほむら「魔法少女にくま☆マギカ」
レイ「私は幕の内弁当」 ゲンドウ「やっぱり崎陽軒だな」
(*・∀・*)アリスゲームに参加するワ!
ハルヒ「変な肉まん拾ったわよ!」 キョン「」
ルイズ「な、なによこの生き物!」 (*・∀・*)ノ ヤァ!
かがみ「なんだ、可愛いぬいぐるみもあるんじゃない」 こなた「え?」
唯「にくまん!」
上条「ベランダに小さいクッションが引っかかってる……」
ほむら「魔法少女にくま☆マギカ」
>>843
どれもタイトルが魅力的すぎワロたwww
どれもタイトルが魅力的すぎワロたwww
紅茶をもう一杯ほど満喫した後、マミの家を出た。
記憶を失っていた間に色々とあったので、その処理をしなければ、というなんとも悠長な体で、私の公開魔女退治はお流れとなった。
今日はさやかと杏子でペアを組み、魔女と戦う術を学ぶそうだ。
当然グリーフシードの収集も兼ねている。
そして肝心の私はさて、記憶喪失の後片付け、と皆の前では言ったのだが、そんなものは嘘だ。
おそらく魔女退治に勤しんでいるさやか達以上にせわしく、目的のために動いているだろう。
ほむら「はっ…はっはっ…!」
ダッシュでサイクリングショップに到着。
これから忙しくなるので、グリーフシードを使わない足は重要になってくるだろう。
行動範囲を広げるためにも、自転車は欠かせなかった。
「はいなんでしょ、パンク修理ですかね」
ほむら「いえ、とびっきり早い自転車を一台」
「え?とびっきりはやい……」
ほむら「詳しくないけど、とりあえず速度が出るやつをお願いしたい、金に糸目はつけないから」
「…うーん、速いものだと本当に早いけど、安くても10万はするよ」
ほむら「問題ない」
私は指を鳴らした後、その手を開き、30万ほどの紙幣を開いてみせた。
「おぉお」
ほむら「とりあえずこれで買えるもので、一番早いものを」
「高い買い物だねえ……親御さんは大丈夫って?」
ほむら「心配無用だ」
「……よし、じゃあこれかな?」
どうやら、苦は無く自転車を手に入れられそうである。
ガソリンとは大違いだ。
ほむら「うむ、どうかな」
「うんうん、似合ってるよ!カッコイイねえ」
細くコンパクトなデザインのバイクに跨り、それっぽいポーズを取ってみる。
店員は惜しみない拍手を送ってくれた。
ほむら「華奢そうなボディだけど、これは簡単には壊れたりはしないだろうね」
「強く衝突とかしない限りは大丈夫、保証期間もあるしね、思いっきりサイクリングを楽しむと良いよ」
ほむら「ありがとう、感謝するよ」
よし。ひとまず、これで足を手に入れた。
隣町との往復は、今までよりも容易くできるようになるはずだ。
早く移動する分、魔女の反応を察知できなくなる可能性はあるが…。
記憶にある魔女の推定位置を頼りにしていれば、そう見落とすことはないだろう。
今までの暁美ほむらの記憶を、最大限活用するしかない。
ほむら「じゃ、また用があったら来る」
「はい、ありがとうございまーす!」
私は勢いよくペダルをこぎ、発進した。
ほむら「おおお……!」
風を切り、まるで魔法少女に変身した時のような速度で歩道を駆けてゆく。
ほむら「えええっとこれどうやってカーブすればい」
言葉を言い切る前に、私は街路樹に衝突した。
>>843
なんという肉まん作者だ…(驚愕)
なんという肉まん作者だ…(驚愕)
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