元スレ銀時「……ヒロインNo.1決定戦?」
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601 = 591 :
銀時「ワリーが……俺ァ約束ってやつだけは今の今までちゃんと守れたためしがなくってな」
銀時「ぱっつぁんの給料払う約束も、神楽にバイキング食い放題連れてってやる約束も、定春に高めのぺディグリーチャム食わせるって約束も」
銀時「全部、何か微妙な感じですっぽかしちまってる」
妙「…………」
銀時「ただ、そんな俺でも約束を守れる数少ねェ条件があってな」
妙「何ですか……その条件って?」
銀時「俺ァ……」
銀時「いい女との約束は、何が何でも守り抜くぜ」
妙「!」
銀時「それが一人じゃねえ、三人も四人もいるんじゃ……こいつは破るわけにはいかねーな」
そう言って銀髪の侍は笑みを浮かべると
銀時「約束は必ず守る。だから、テメーらも必ず追いついてこい」
妙「……ええ、約束です」
信頼できる仲間たちにこの場を預け、一人ターミナルの奥へと侵入していった。
602 = 591 :
ほんっとに遅くなっててすいません。ちょっともう色々と迷走してました。
明日も『必ず』来ますので。
603 = 596 :
乙
来てくれてホッとした
604 :
乙
『必ず』と言ったな
女じゃない俺との約束は守らないとは言わせんぞ
605 :
よっしゃこーい!
606 = 591 :
―――
同時刻
土方「ウオオオォォッ!」
河上「……やはり、荒い太刀筋は変わらぬでござるか。怒りを伴う激しいビート、実に刺激を受ける……が」
土方「っ!」
河上「変化のない一辺倒の音楽ほどつまらぬものもないでござるな」
土方「ぐっ……!!」
土方(野郎……今、完全の俺の太刀筋を見切って反撃を……!)
河上「何を驚いている、ぬしの斬撃はもう飽きるほど見た……この程度は造作もないでござる」
土方「……ただ受けるだけじゃなく、観察してやがったってのか。俺の剣を」
607 = 591 :
河上「観察……見るというよりは、むしろ聴いていたというべきでござるか……ぬしの奏でる音色をな」
土方「上等だ……だったら、俺がぐうの音も出なくなるまで叩き潰してみやがれ」
河上「!」
土方は刀を大きく振り上げ、同時に思考する。確実に自分の動きは相手に読まれている。
積み重ねられた戦闘経験において、過去に自らの剣を分析された経験がないわけではない。
新撰組副長ともなれば当然、浪士たちから狙われることも多かったからだ。
いつもならば、一端退いて体勢を立て直すのが上策であるはず。が、今はそうも言ってはいられない。
この河上を野放しにさせておくのはどう考えても味方に不利であると分かりきっている。
―――だから、行くしかない。
608 :
土方「テメーが攻撃を見切って受けるってんなら……その受ける刀ごとまとめてぶち抜くだけだ」
不可能であることは分かっている。河上にしてみればこれだけの大振りを受ける必要などない、体を少し躱してやればいいだけだ。
そして、大振りであればあるほど刀を振るった後に致命的な隙が出来ることも。すべてわかっていた。
それでいて尚且つ、土方がこの選択を取った理由はただ一つ。それは振り上げた刀へと意識をそらすこと。
刀を躱すには当然、自身へと向かってくる刃を見なければならない。それは逆に言えば、刀以外のものが見えなくなることを意味する。
喧嘩は刀だけでするものではない、拳も使う、肩で敵を押し込むこともする、そして……足も使う。
刀に意識が集中した河上を、土方は全力を持って蹴りあげるべく下半身に力を込めた。
河上「フ……隠したつもりであっても、怒りは判断を濁らせるでござるな」
609 = 608 :
土方「!」
ふと、足に衝撃が走る。それは土方の予想しえないものであり、そして想定しうる限り最悪の状況を示唆していた。
ふいに足へと走った衝撃の正体、それは攻撃を仕掛けようとした足を先に河上が踏みつけていたことによるもの。
土方「しまっ……」
やられた―――
そう考えたとき、既に河上の刃は土方の体を深く斬りつけていた。
610 = 608 :
土方「…………」
致命の一撃を与えたと確信するに足りる確かな手ごたえ。そして眼前に倒れ伏す男の出血量。
それらは自らの勝ちを雄弁に物語っていた。
河上「……真選組副長、ここに眠る。レクイエムをくれてやるでござる」
土方に背を向け、ギターをかき鳴らそうとした瞬間。
背後で何かが動いた。
河上「!」
ありえるはずがない、あの手ごたえで動けるはずがない。いや、それ以前に生きているはずがない。
あの一撃を受けて生きているなど、それはもはや人間ではない。
それでも、その男は立ち上がっていた。火のついたタバコを口にくわえ
土方「…………」
顔から血を滴らせつつ、河上を睨みつけていた。
611 = 608 :
河上「なぜ立ち上がる……ぬしは本物の鬼か!」
土方「…………」
土方「……クク、鬼か。確かに鬼なんぞと呼ばれても仕方がねえな」
河上「…………?」
土方「守るために刀を振ることが許された真選組だってのに、俺は何も守れちゃいねェ」
土方「惚れた女にゃてめー勝手に苦労かけさせたまま逝かせちまった……絆を求めた仲間も助けてやれなかった」
土方「俺の刀はただ、敵を倒すためにしか使ってこなかった……なるほど、だったら俺ァ確かに殺すことしか能のねェ鬼だろうよ」
土方「ただ……鬼にしか斬れねェ輩もこの世にゃいる、鬼だからこそあの世へ連れていける輩がこの世にはいる……」
河上「土方……ぬしは何を言って……」
土方「分からねーか……これからテメーは俺と一緒に地獄へ行くんだよ」
612 :
ちゃんと来た乙
しかし最終決戦の前にこんなに盛り上がって大丈夫なのか
613 = 608 :
河上「……ぬしの精神力には敬意を示さざるを得ないでござるな、が……拙者とてここで斬られるわけにはいかぬ」
河上「三途の川を渡るのは貴様一人……鬼は鬼の居るべき場所へ帰れ!」
猛然と斬りかかってくる河上を土方は迎撃する体制へと入る。
土方「…………」
呼吸を一つ、二つ……極限にまで研ぎ澄まされた集中力によって『その時』を待つ。
そして
土方「!!」
河上「!?」
斬り結んだ瞬間の僅かな隙に、『その時』は訪れる。
土方「ワリーな……三途の川への船は漕いでやれねェ」
土方「川はテメー一人で音楽でも弾きながら渡るんだな」
河上「…………っ」
斬られる直前、彼が思考したこと。それは
目の前の敵は決して鬼ではなかった、こんな美しい太刀筋の鬼などいるはずがない。
―――そんな、真選組副長への賛辞と共に
河上はその場に倒れこんだ。
614 = 608 :
土方「……チッ」
倒した。が、この状況はもはや相討ちと言っても変わりがない。
動かないのだ、頭から足の先まで何一つ。
土方「伊東よ……あと少しで俺もテメーんとこに行くかもな……」
ただ、その前に
土方「少しだけ……一服させてもらうぜ……いざ逝くとなると、この世も名残惜しくなるもんだな……」
615 = 608 :
沖田「死ぬ間際までタバコ吸ってるたァ驚いた、どんだけニコチン中毒なんですかィ?」
土方「!」
近藤「大丈夫か、トシ!」
土方「近藤さん……!」
近藤「傷を見せろ!早く手当をせんと間に合わなくなる」
土方「無理だ……ロクな治療薬もねェここじゃ……大したことは出来やしねェよ」
近藤「トシ……お前……!」
土方「……総悟、俺が死んだ後のことはよろしく頼む。次の副長はテメーだ」
沖田「!」
616 = 608 :
近藤「馬鹿野郎トシ!テメー死ぬ気か!」
土方「近藤さんだって分かんだろ……これ以上出血すりゃもう助からねェってことくらい……」
近藤「…………!」
沖田「…………土方さん、さっきなんて言いやした?」
土方「あ?後のことはよろしく頼む……」
沖田「いやその後でさァ」
土方「?……次の副長はテメーだ……?」
沖田「……その言葉が聞きたかった」
土方「…………?」
沖田「雌猫ォ!」
信女「はい」シュタッ!
土方「……オイ、なんだそいつ。どっから来た?」
沖田「いや、もうきっちりと言質が取れたんで。土方さんにゃもう寝ててもらおうかと思いやしてねィ……オイ、やれお注射天使リリー」
土方「オイィィィィ!!なんだその注射器!てかそれ、注射器ってレベルのデカさじゃ……」
信女「ダイレクト・アタック」グサッ!
ギィィヤアアアアアアアアアアァァァァァァ!!?
617 = 608 :
土方「…………」
沖田「よし、これでとりあえずは何とかなりやしたね」
近藤「いや、なってないけどね。トシの奴、完全に白目向いて気絶してるけどね」
沖田「増血剤と血止めを打ち込んだんで、あとは包帯でぐるぐる巻きにしときゃなんとかなるでしょ」
沖田「ま……土方さんが死んだら次の副長は俺だって確定したんで、このまま死んでくれてもいいんですがねィ」
近藤「…………」
近藤「…………フ」
沖田「……何ですかい近藤さん、人の顔見て気持ちの悪い笑みを浮かべるの止めてくだせェ」
近藤「いや……素直になれずに思ってもいねェことを言うあたり、お前もまだまだガキだと思ってな」
沖田「…………」
沖田「……副長の座は俺の手で取りてェんですよ、おこぼれみてェな形じゃ欲しかねーんです」
沖田「俺が土方さんに『負けました、すいません総悟さん』って言わせるまで、この人にゃ生きててもらわねーと」
沖田「…………ただ、それだけでさァ」
近藤「……じゃ、そういうことにしとこうじゃねーか」
真選組副長・土方十四郎 対 鬼兵隊二番手・河上万斉
土方十四郎……勝利
618 = 608 :
今日はここまでで、出来るだけここからは毎日来ます
620 :
よしよし
621 = 608 :
---
同時刻
神威「うん、色々と騒がしくなってきたね。じゃあそろそろ俺も動こうかな」
神楽「……おう、待つアルこの馬鹿アニキ。まだ決着はついてないネ」
神威「決着……?そんなボロボロの状態でまだ俺に勝てると思ってるのかい?」
神楽「なんだコルァ、妹にぶっ飛ばされるのが怖くてビビってるのかヨ」
神威「やれやれ……弱いやつには興味がないんだ、あんまり出過ぎたことをするのなら」
神威「殺しちゃうぞ」
神楽「!」
622 = 608 :
神楽「ぐっ……!」
神威「夜兎の血が流れているのならこれくらいの攻撃は避けてもらわなきゃ困るんだよ……本当に僕の妹なのかな」
神楽「っ……こんの……!」
凄まじい蹴りを腕で防ぎ、神楽は傘による反撃に転じる。
神威「……へえ」
妹の戦術に兄はわずかに笑みを浮かべた、それは神楽の選択した戦術に対する賞賛。
神威は肉弾戦が主で夜兎の武器である鉄傘を使用することがあまりない。
その自分が、傘を攻撃の主体として攻撃をされればリーチという大きなディス・アドバンテージを背負った戦いを強いられることとなる。
神楽は本能的にそれを理解し、徹底した鉄傘による攻撃を繰り出していた。
戦場ではこういう小細工を弄することも生き延びる大きなきっかけとなる。
が
神威「遅い」
その程度の小細工ではどうにもならない相手も確かに存在していることも知らなければならない。
623 = 608 :
神楽「うっ……あああ……!」
渾身の力を込めて振るった傘を神威は完全に見切っていた。
そして反撃。神威は己に向かってきた腕を掴み、そして無慈悲に捻りあげた。
神威「これで分かったろう?今のお前じゃ俺には到底及ばないってことがね」
神楽「くっ……この……」
神威「まだわからないかい?」
神楽「あああああああっ!!」
神威「……最後にもう一度だけ言ってあげようかな、もう諦めてそこに寝てるんだね。弱いやつに用はないんだ」
神楽「……諦めの悪さなら、もう嫌ってくらい鍛えられてるアル」
神威「…………」
神楽「腕を折れても、馬鹿アニキには私の一番大切な物は折れないネ……」
神威「……もういいや、じゃあ」
神威「死んじゃえ」
624 = 608 :
「うん?なんだ、兄妹喧嘩か?」
神威「!」
「じゃーついでだから、お父さんも一緒にフィーバーしちゃおうかな!」
625 = 608 :
神威「っと……」
星海坊主「今の一撃を空気を読まずに躱しやがるか、この馬鹿息子は……」
神威「なんだ……来たんだ」
神楽「パ、パピー!」
星海坊主「神楽ちゃん、間に合ってよかった」
神威「……フフ、馬鹿な妹の馬鹿な粘りのおかげで大きい獲物が掛かったってところかな」
星海坊主「…………」
神威「もう余計な言葉は必要ない……やろうか」
神威「俺と神楽がさっきまでやっていたのと同じ……殺し合いをね」
626 = 608 :
星海坊主「え?神楽ちゃん、さっきまでそんなことやってたの?」
神楽「違うネ、あの馬鹿アニキが訳のわからないこと言ってるだけアル」
神威「…………?」
星海坊主「よう馬鹿息子よ、今から俺たちがするのは殺し合いなんてそんな物騒なモンじゃねェ」
神楽「ていうかお前、さっきまで私ともそんなことしてるつもりだったアルか?」
神威「……どういう意味だい?」
星海坊主「難しく考える必要なんざねーよ……とどのつまり、今から俺たちがすんのは」
星海坊主「ただの親子喧嘩だ」
神楽「その腐った性根、思いっきり叩き直してやるアル」
神威「そいつは面白いね……じゃ、やってもらおうかな」
627 :
乙
待ってる
629 :
オビワン
631 :
遅れました、まじすいません
632 :
なんとなく久しぶりに来たら丁度再開とか神がかってた
634 = 631 :
星海坊主「おおおおおおおっ!」
神威「……さすが、夜兎最強と呼ばれたこともある星海坊主。俺も本気にならざるを得ないか」
神楽「あんだコルァ!パピーばっか相手してないで妹にも構ったらどうアルか!!」
挟み撃ち。それは、単純ではあるが複数で一人と戦う場合において非常に有効である戦術の一つではある。
夜兎である二人の同時攻撃、通常ならば回避することはおろか防ぐことさえままならないであろう攻撃。
だが、それはあくまでも『通常』の範疇での話であり
神威「ずいぶんと古典的な攻撃だね……」
二人が相手にしているのは、まぎれもない『異常』であった。
635 = 631 :
次の瞬間、二人の攻撃が空を切る。
神楽・星海坊主「!?」
躱された―――このスピードをどうやって!?
ありえないであろう事態に衝撃を受け、一瞬の隙が出来た神楽に対し
神威「そんな有り様だから、お前はいつまでたっても『出来損ないの妹』なんだよ」
神楽「!」
やられる……訪れるであろう衝撃とダメージを堪えるべく、彼女は目を瞑りとっさに身構える。
…………
…………?
……おかしい、未だに攻撃が来ない?
状況を確認すべく身を開いた先にあった光景、それは
神威「そして、アンタはそんな有り様だから俺に負けるんだよ」
星海坊主「ぐっ…………!」
自らに代わって攻撃を受け、崩れ落ちかける星海坊主の姿だった。
636 = 631 :
神楽「ぱ、パピー!」
神威「……とんだ興ざめだよ、今からでもあの侍と殺り合いに行ったほうが面白いかな?」
星海坊主「あ、あの侍だと……?」
神威「今さっき報告が入ってね、どうも……馬鹿みたいに強い侍が一人、このターミナルに侵入したらしくてね」
神威「そう……木刀を腰に下げた白髪の侍が」
神楽「そ、それって……!」
星海坊主「あの憎たらしい天然パーマの馬鹿か……」
神威「フフ……やっぱり面白いね、侍って。あれだけの傷でまだ戦場に足を運ぶんだから」
神威「血を求め、戦いに飢えている俺たち夜兎とよく似てる……」
神楽「…………」
637 = 631 :
神楽「……一緒にしてんじゃねーヨ」
神威「……?」
神楽「お前みたいに戦いが好きで相手を打ちのめすのが好きなだけの夜兎とサムライを……銀ちゃんを一緒にするなヨ」
星海坊主「…………」
神楽「お前と銀ちゃんじゃ戦う理由も、信念も、魂も、何もかもが違ってるネ!」
神威「…………」
638 = 631 :
神威「戯言だね……戦いの目的なんて一つしかない、相手を打ち倒して自らが勝者になることしかね」
神楽「だったら私が教えてやるヨ……そんなちっぽけな戦いしか知らない馬鹿兄貴に、銀ちゃんたちから教わった本当の戦いを」
神威「へえ……本当の戦い、か。悪いけど、出来損ないの妹にそんなことが出来るとは到底思えないな」
神楽「…………」
神威「まあ、お前がその体に流れる血に身を任せて戦えば話は別かもしれないけれど」
神楽「!」
神威「阿伏兎から聞いてるよ、鎖が外れた途端に子兎がバケモノに変わったってね」
神楽「…………」
神威「俺も戦ってみたいね、バケモノになった自分の妹と」
639 = 631 :
神楽「残念だったアルな、バケモノになった私と戦うのはお前じゃないネ」
神威「?」
神楽「自分に流れる血と戦うのは誰でもない、自分自身アル……バケモノの私は私自身で倒す」
神楽「血に乗っ取られた自分には、絶対に『参った』とは言わないネ!」
星海坊主「……フ」
神楽「それに、私はお前みたいに何でもぶっ壊すような戦い方は銀ちゃんからは教わってないネ」
神威「…………」
神楽「来いヨ馬鹿兄貴。血ではなく心で戦う、サムライの戦い方……見せてやるネ!」
640 = 631 :
神楽「ほわっちゃあああああっ!!」
神威「……!」
……おかしい。自分のほうが打ち込んでいる、相手のほうが血を流している……それは間違いない。
なのに……まるで攻撃が緩まない。
神威「それどころか……激しさを増してるなんてね」
どうやら妹を過小評価していたらしい。ふと、神威はそう思った。
最強を求める自分と同じ血が流れている妹を弱者と決めつけるのは、やはり早計だった。
この戦いは……
神威「面白い……!」
641 :
星海坊主「まったく……とんだ馬鹿息子に育ちやがったもんだ……」
常日頃から薄っぺらい笑いを顔に張り付けといて、こんな兄妹での戦いで本当の笑いを見せるんじゃねーよ。
星海坊主「ただ……どういうわけだ、コイツは」
一見すれば二人は殺し合いをしている、相手の急所を的確に狙い、一寸の油断が死を招く……そんな殺し合いを。
にもかかわらず
星海坊主「なんでお父さんにゃあの二人がじゃれ合って遊んでるように見えちまうんだ?」
互いに幾度となく放たれる急所への攻撃も、そのすべてを相手が受け止めるであろうと予想しているかのようだった。
殺し合いをしている……殺し合いを演じている……いや、それも違う。
星海坊主「……俺の子供たちは、ああいう形でしか会話が出来ねえってことかい」
642 = 641 :
神楽「…………」
この馬鹿兄貴は今まで戦いしかしてこなかったのか、あらゆる星に行ってあらゆる戦闘を経験し、そして誰もが自分より弱かった。
だから戦いを求めていた、己の戦闘欲求を満たしてくれる相手を。
神威「…………」
この出来損ないの妹は地球で色々な経験をしてきたらしい、戦いだけではない様々なことを経験し、そして信頼できる仲間を得た。
だから戦いを求めていなかった、戦闘欲求以上に自らを満たしてくれる存在を知っていたから。
直接言葉を交わしたわけではない、ただ二人はたしかに戦いの中で感じ取ったのだ。
兄の、妹の、二人が歩んできた道の過程を。
643 = 641 :
すいません、今日はここまでで……
明日から馬鹿みたいに時間が取れるので今月中には必ず完結させます。
644 :
おつです
646 :
ヒロイン争奪戦のギャグかと思いきや完全に最終回じゃないですか、こんなん書かれてゴリラ先生どうすんでしょう?
647 :
乙
あともう少しで1年経つのか
648 :
乙っした
649 :
続ききてたのか
放置してた
650 :
神楽「はっ……はっ……」
神威「…………」
神楽「あ、兄貴が馬鹿なのは頭だけじゃなかったアルな……あれだけ動いて平然としてるとかどんな体力馬鹿アルか?」
神威「……馬鹿なのは一体どっちだか分からないね」
神楽「…………?」
神威「どうしてお前はこんな殺し合いを仕掛けてくるような男を未だに『兄』と呼ぶのか……」
神威「俺には理解に苦しむね」
神楽「…………」
神楽「……お前、そんなことも分からないほど馬鹿だったアルか」
神威「?」
星海坊主「ダメダメ神楽ちゃん……もうこの馬鹿息子、一発ぶっ叩いてやらなきゃ分からないから」
神威「…………」
星海坊主「先に言っとくが、お父さんの拳骨はだな……超痛いぞ」
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